ISin時雨&ザフィーラ&アルフ   作:鎌鼬

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久しぶりの時雨シリーズの更新、おかしなところがあったらすいません。




甘粕工業・壱

 

 

四十にもなる無人機の襲撃から時間が経ち、世間では連休前と言うことで生徒たちが浮き足立っている今日この頃。いつも通りに工業を通して伝えられる各国の要請に最低限答える程度のデータを纏めていると携帯端末に通信が入った。メルクリウスに転生される前なら携帯電話とか呼ばれていたそれだが、ISの登場により軒並み科学技術が向上しているからなのか、前の携帯電話に比べてかなり機能が向上している。

 

 

「はいはいもしもし?」

『俺だ』

「切るぞ」

 

 

端末越しから聞こえてきたのは甘粕正彦(バカ)の声だったので速攻で切ってデータを纏める作業に戻る。そうすると間を置かずに再び通信が入ってきた。

 

 

「はいはい?」

『私だ』

「あぁ、ゼロか。久しぶり」

『久しぶりだな、時雨。ところで甘粕が部屋の隅で体育座りしていてウザいんだが何かしたのか?』

「思い当たらないな…………データ纏めてる最中に甘粕から通信入ってきたから速攻で切っただけだけど」

『あぁ…………間違いなくそれだな』

 

 

通信の相手は不知火ゼロ…………名前から察することが出来るだろうが俺の母親で、甘粕工業の副社長をしている。まさかメルクリウスが甘粕だけじゃなくてゼロまで呼んでいるとは…………ほんと驚いたよ。

 

 

「で、何かあったの?」

『いいや、何があったという訳じゃないが…………今度の連休に一度こちらに顔を出さないか?マドカやオータム、スコールたちも会いたがっているし、いい気分転換になると思うんだが…………』

「そうか…………」

 

 

ゼロの頼みに生返事を返しながら後ろを振り向く。

 

 

「フッハッハッハ!!キングの革命っすよ!!これで七渡しで弱いカードばかりを与えられた私は最強に…………!!」

「あ、クイーンの革命で」

「ならばエースの革命だ」

「ごめん、ジャックの革命」

「なんで…………!!なんで私に気持ちよく革命をさせてくれないっすかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

そこにいるのはベットの上で大富豪をしているザフィーラとアルフ、それに皇とハミルトンの姿。前の無人機の襲撃騒ぎのせいで皇とハミルトンの部屋は大破、急いで修復作業が行われているものの、まだ時間がかかるということで二人は緊急処置として俺たちの部屋で寝泊まりしてもらうことになっていた。寮長という役職につきながら山田さんに押し付けてほとんど仕事をしていない織斑千冬が渋ったが、本人たちから承諾されていることと轡木のじいさんが許可していることで渋々といった様子で認めていた。

 

 

てかほんとなんなんだろうね、あれは。この程度で渋るなら他の男子たちはどうなんだよ?全員女子と同室だろうが。

 

 

「あ~…………聞いて見ないと分からないけど、連れていきたい奴らがいるけど大丈夫?」

『誰だ?ミカドとヴィータならばそんなに言いにくそうにはしないだろうし…………』

「友達、って言ったら良いのか?ともかくそんな感じの奴二人」

『』

「あれ?電波がよろしくないのか?聞こえてますか~?」

『時雨…………お前、そっちで友達ができたのか?』

「な~んかそこはかとなく悪意を感じそうな言い方だなぁおい。いるよ、こんな嫌われものを慕ってくれる奴らがな」

『そうか…………問題ないぞ、IS学園の生徒とは言っても表の物を見られても困らないしな。流石に重要事項については見せられないが』

「それで良いよ。あんがと、無理聞いてくれて」

『フフッ…………いつも言っているが子供に頼られるのが親の幸せなんだ。もっと頼ってくれても良いんだぞ?』

「…………分かってるよ」

『それじゃ、お休み』

「はいはい、お休み」

 

 

それだけ言うとゼロの方から通信が切られる。工業のトップがバカだから副社長のゼロはその分忙しくなる。そんな中でわざわざ連絡をくれたのだ、その事に感謝こそすれど文句は一切ない。

 

 

纏めていたデータをUSDメモリーに保存してパソコンの電源を落とす。

 

 

「皇、ハミルトン、二人は連休中は学園に残るって言ってたよな?」

「また大貧民…………そうっすよ~私の実家は地方だからわざわざ帰るよりもここに残った方が楽なんっすよ」

「私はアメリカだから論外ね。流石に夏休みとかの長期休暇になると戻るけど」

「だったらさ、今度の連休に甘粕工業に顔出すことになったんだけど着いてこないか?」

「行くっす!!」

「もちろんよ」

「即答ですかいそうですかい」

 

 

突然の提案だと言うのに二人は迷うことなく良い顔をしながら即答してくれた。こういうノリは嫌いじゃないわ!!

 

 

その後四人に混じってメチャクチャ大富豪した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「甘粕ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」

「…………あぁ、ゼロか。どうかしたのか?」

「時雨が…………!!時雨が、友人を連れてくると言っていたぞ!!!!!!」

「ーーーーーーーーーーーーなん…………だと…………!?それは真かゼロ!?」

「時雨本人がそう言っていたから違いないだろう!!子供の頃から同年代にほとんど友人がいなかった時雨が!!初めて友人を連れてくると言った!!」

「そうか…………!!そうかそうか!!であるならば落ち込んでいる暇など無いな!!盛大にもてなしてやらねば!!」

 

 

甘粕工業のオフィスで甘粕とゼロがそんな会話をしていたとかなんとか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…………おっきいっすね~…………」

「流石は世界に企業を展開している甘粕工業の本社ね…………」

 

 

連休前日の夕方、授業が終ってからすぐに俺はザフィーラとアルフ、それに皇とハミルトンを連れて甘粕工業の本社にやって来ていた。二人は本社の大きさに驚いているようだが俺たちからしたら驚きではなく懐かしさが先に出てくる。

 

 

「う~ん、ここに来るのも久しぶりだね」

「そうだな、前に来たのは時雨とミカドに適正があると分かった時だからな」

「そうだとしても…………まさかIS学園よりも大きいだなんて…………」

 

 

まぁここがでかいことは周知の事実だ。妥協をしない甘粕の性格からか、本社や支部には最新の機器や社員たちに極力ストレスを与えないような設備が整えられている。その結果本社は巨大になり、その周囲はちょっとした町並みの広さになっているのだ。社員寮は独身寮と既婚者ようの寮の二つあるし、コンビニやデパートに病院はもちろんのこと、高級店として名前を聞いたことがある料理屋がいくつも支店を出している…………うん、普通に町だわ、これ。山奥を切り開いて本社を建てられているので人がいる場所まで最低でも十数kmは離れているがここまで揃えられているなら外に出る必要ないしね。

 

 

「さて、そいじゃ行くか」

「って、正面から行って大丈夫なの?裏口からとかじゃなくて」

「ん?あぁ、大丈夫大丈夫。ってか本社にゃ正面玄関しか無いし」

「それって企業的にはどうなのかしら!?」

 

 

良いんじゃないかな?(すっとぼけ)誰も文句言ってないし。IS学園の制服姿の皇とハミルトン、スーツ姿のザフィーラとアルフ、パーカーで顔を隠した俺という俺のせいで混沌具合を一気に加速している面子で正面玄関を潜って本社の中に入る。連休前の夕方ということもあってそこそこの慌ただしさを見せている雰囲気だったが俺とザフィーラとアルフは堂々と胸を張って受け付けに向かう。皇とハミルトンは周囲の雰囲気に圧されてか少しおどおどしながら俺たちに着いてきた。

 

 

受け付けに着くと受付嬢の一人がにこやかな笑みを浮かべながら出迎えてくれた。

 

 

「甘粕工業へようこそ。本日はどの様なご用件でしょうか?」

「ただいま」

 

 

そう一言だけ言って、俺はパーカーを取って顔をさらけ出す。皇とハミルトンは俺がパーカーを取ったことに驚いているようだがここなら問題ない。

 

 

「ーーーーーーーーーーーー」

 

 

受付嬢は俺の顔を見た瞬間、営業スマイルのままで固まってしまった。そしてたっぷり時間をかけて正気に戻ると無言のまま置かれているマイクを手に取って放送のスイッチを押した。

 

 

『緊急放送、緊急放送』

 

 

受付嬢の声が本社に響く。緊急放送という言葉を聞いたからか、忙しそうにしていた誰もが足を止め、口を閉ざして放送に耳を傾けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『若様ーーーーーーーーーーーー甘粕時雨様が、帰ってこられましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「ダニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?!?!?!?」」」」」」」」

 

 

受付嬢の放送に反応して、本社にいた誰もが叫んだであろう声が響く。皇とハミルトンはあまりの声量の大きさに驚いて耳を塞いでいるが俺たちからしたらいつものことで、それでいて懐かしい物だった。

 

 

入ってきた時とは違う慌ただしさが本社中から聞こえ、ドタバタと音をたてながら受け付けに集まってくる気配を感じる。そして人が集まったことで多くの視線が俺に向けられる、しかし向けられている視線は学園で向けられるような嫌悪を含んだものではない。喜びだ、俺がここにいるということを事実として認めて、その事を喜んでいる。

 

 

だから俺は集まってきた社員たちに顔を向け、胸を張って言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま!!」

「「「「「「「「「お帰りなさい!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

 






~不知火ゼロ
時雨の母親で甘粕工業の副社長。甘粕工業のトップがアレなので副社長にいるゼロの仕事がえらいことになっているがさらりとそれをこなす出来る女。前作の時雨の母親でもある。

~皇とハミルトン
無人機のせいで部屋を壊されたので二人は現在時雨の部屋で世話になっている。部屋にはベットが三つあり、皇とハミルトンで一つずつ、ザフィーラとアルフで一つ、時雨はソファーで寝ている。

~なんで私に気持ちよく大富豪をさせてくれないっすかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
某アジアチャンピオンの台詞の真似…………だと思う。ネタとしてしか知らないんだ…………無力な私を許してくれ…………!!

~時雨の交遊関係
顔の火傷+精神年齢から幼少期の頃は時雨は同年代の友人がいなかった。だけど友人がいないという訳ではなく、それを気にしていない大人たちとは交遊があった。

~甘粕工業本社
世界中に支部を置く甘粕工業の本社。周囲にはコンビニやデパートに病院、社員寮やそこそこ名を知られている料理屋の支店もあり、普通に町になっている。大きさはだいたい東京23区の三分の一くらい。

~若様
~甘粕時雨
受付嬢が言った時雨の呼び方。どちらとも不知火時雨のことを指している。なんで不知火の姓を名乗っているのかは次回で明かしたいな…………(願望)


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