ISin時雨&ザフィーラ&アルフ   作:鎌鼬

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クラス代表

 

「う…………」

「あら、ようやくお目覚めね」

「…………ここは?」

「保健室よ、何があったか覚えてるかしら?」

 

 

織斑千冬に叩かれて脳震盪を起こした錦孝太が目を覚ました。それに気づいた保険医がどうしてそうなったのかを尋ねる。

 

 

「確か…………織斑千冬に叩かれて…………」

「そこまで覚えているなら大丈夫ね。気持ち悪いとか不調はあるかしら?」

「頭が痛い…………」

「何れだけ強く殴ったのよ…………」

 

 

時間が経っているはずなのに未だに痛みを与え続ける程の強さで殴った織斑千冬に引く保険医。人を治すという立場の彼女からしたら人を壊すような行為をする織斑千冬を許せないのだろう。

 

 

「後残ってるのはホームルームだけだけどどうする?休むならこのまま休んでても良いわよ」

「いいえ…………ホームルームだけなら出ます…………流石に授業は無理ですけど…………」

「そう…………だったら連れていって」

 

 

コンコン

 

 

保健室の扉が叩かれて、失礼しますという在り来たりな言葉で開かれる。するとそこにはダボダボの制服を着た女生徒がいた。

 

 

「あら、どうしたのかしら?」

「一年一組の布仏本音(のほとけほんね)ですけど~…………織斑先生がニッシー連れてこいって…………」

「(…………ニッシー?俺のこと?)」

 

 

寝起きで少し呆けている頭の中でそんなことを考えている孝太だったが反対に保険医の表情は曇っていた。

 

 

「…………布仏さん、織斑先生は連れてこいって言ったの?錦君の容態を確認してとかじゃなくて」

「はい…………はっきりと連れてこいって…………」

「………………………………頭痛が痛い」

 

 

保険医がおかしな日本語で頭を抱えたのは無理はない。容態を確認し、出れるかどうかを尋ねるのが普通なのだ。それなのに『連れてこい』、容態関係無しに強制的に出席させようとしている。これは頭を抱えてもおかしくない。

 

 

「…………どうする?錦君。私としてはこのまま保健室で休んでることを勧めるけど」

「あ~…………大丈夫です。話聞くだけなら問題ないですし、わざわざ来てくれた方に申し訳無いですから」

「そう…………何か困ったことがあったら出来る限りで相談に乗るわよ」

「はい、その時はよろしくお願いします」

 

 

意識が覚醒したのか孝太ははっきりとした口調でそう言うと、保険医に頭を下げて保健室から出た。

 

 

「えっと…………布仏さん、でしたっけ?わざわざありがとうございます」

「ニッシー大丈夫~?」

「頭が痛いですけど耐えられるから大丈夫です…………ところでニッシーって?」

「錦だからニッシーなのだ~♪後敬語じゃなくても大丈夫だよ~」

「いや…………でも年上ですし…………」

「気にしな~い気にしな~い」

「はぁ…………分かった分かった、分かりましたよ。これでいいか?」

「うんうん♪それじゃあゴーなのだ~」

「(のんびりした人だな…………後凄い遅い)」

 

 

こうして孝太は布仏に連れられて一年一組の教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、これよりホームルームを始める」

 

 

あ~あ、つまらん。織斑千冬が教壇に立って何やらほざいているが特に大したことでは無し。幸い席が後ろの方なので目線を動かすだけで周りの確認をすることが出来る。

 

 

織斑秋羅…………姿勢は良いな、でも顔付きは諦めの境地に目覚めたような感じ。ミカドから聞いた話だと織斑千冬と織斑一夏のことが嫌いそうみたいだし仕方無いか。

 

錦孝太…………さっきまで保健室にいたのに戻ってきている。隣の席の布仏がさっきから心配そうにチラチラと錦のことを見ている。

 

 

「それと、今度行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めなければならないな」

 

 

暇だったので人間観察をしていると織斑千冬がそんなことを言ってきた

 

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員家への出 席…………まぁ、委員長だ。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると、一年間変更はないからそのつもりでな」

 

 

ふぅん…………まぁ、俺たちには関係の無い話だな。俺とミカドは会社に雇われているから最優先はそちら、極力行事ごとには参加するようにはするがクラス代表や部活など制限されそうなものには参加出来ないように言ってある。轡木のじいさんは了承してくれたけど…………なんか嫌な予感しかしない。

 

 

「はい!!弟の織斑君を推薦します!!」

「私も!!」

「だったら私はお兄さんの方!!」

「リッター君を推薦します!!」

 

 

女生徒たちがキャーキャー騒ぎながら男生徒に押し付けようとしている…………こいつら本当に分かってやってるのかね?“公式では”ISを動かしただけの男を代表にしようとするとか…………頭に蛆沸いてるんじゃ無いか?

 

 

ミカドは俺と同じ事情から自分が代表になれないことは知っている、織斑秋羅は黙っているが騒ぎが落ち着いてから何か言うつもりなのだろう、織斑一夏は…………ボケッとした表情。こいつ話聞いてねぇな。

 

 

「…………は、はぁ!?俺!?」

 

 

ようやく気づいたかこのポンコツは、てかわざわざ弟とか兄とかで呼び分けされてるんだから聞いた瞬間に気づけ。なんだ、お前の頭の中には脳味噌じゃなくてカニ味噌でも詰まってるのか?それなら納得だ。

 

 

「辞退します!!」

「ダメだ、辞退は認めん。推薦されたのなら責任を持て」

「くぅ…………!!だったら俺は孝太を推薦します!!」

「…………はぁ?」

 

 

けってー、あいつの頭の中にはカニ味噌が入ってるわ。推薦されてそれから逃れる為に他の奴を犠牲にしようとしてるなんて塵だな。錦の方を見てみろよ、脳震盪を起こしたって言うのに織斑一夏の発言に驚いて頭を机に打ち付けてるぞ。これからは織斑塵と呼ぼう。姉の方は分別するために塵だな。

 

 

「…………他にはいないな、なら」

「納得いきませんわ!!!」

 

 

それに異議を唱えたのは金髪クルクルのいかにも御嬢様タイプの女生徒。何でもクラス代表は優秀な者が勤めるべき、そうならイギリス国家代表候補生である自分こそが相応しい、男がクラス代表を勤めるなんて恥さらし、日本は未開の地でそこに住む住民は猿、とかとかキーキー騒いでる。これはあれだな、今時の女の典型的な形だな。女=優秀、男=劣等と思い込んでいる救いようもない塵屑。ここが日本で、“公式的には”IS作ったのは日本人の篠ノ之聖だって知っての発言かね?もしそうだったら少し尊敬してやらんこともないけど。

 

 

日本ディスられているのに我慢できなくなったのか織斑塵がイギリスのメシマズを指摘する。確かにイギリスのメシマズは事実だけどさ、イギリスの紅茶とか甘味とか美味いぞ?出張でイギリス行ったときに土産にするの大体そこら辺だし。御嬢様(笑)と織斑塵がギャーギャー言い合っている様は見るに耐えん。ガキの喧嘩か、これは?そして御嬢様(笑)の発言だが反応したのは織斑塵だけ、女生徒の内の日本人たちは怨めしそうに御嬢様(笑)を睨み付け、織斑塵を除いた男生徒全員がシカトを決めている。てか国ディスられただけであそこまでキレるとかどんだけ煽り耐性低いんだよ。ネットでディスられたらすぐにキーボードクラッシャーになるんじゃないか?

 

 

そして御嬢様(笑)もキレて決闘発言、お前も煽り耐性低いな~そして決闘って何時の時代の人間だよ。それに織斑塵は躊躇うこと無く即了解、こいつカニ味噌どころか空っぽなのか?国家代表候補生程度とは言え素人がハンデ着けようとするなんて。確かに身体能力的に言えば男の方が女よりも強いだろう。でも御嬢様(笑)が決闘で使おうとしているのはISだ、国家代表候補生となれば達人まで行かずとも玄人レベルはあるだろう。それなのに素人が玄人相手にハンデを着ける?頭ん中空っぽと言われてもおかしくないぞ。なんだ?お前狂牛病なんか?カニ味噌スッカスカなのか?

 

 

「…………さて、話はまとまったな。勝負は一週間後の月 曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑弟とオルコット、織斑兄、錦、リッター兄、それに不知火はそれぞれ用意をしておくように」

 

 

…………あぁ、救いようの無い塵だったのね。

 

 

「おい待て塵屑」

 

 

俺の発言にクラス全員から視線が集まる、が俺の顔のことを見たからかほとんどが気まずそうに視線を反らした。まだ向いてるのは…………男生徒全員とヴィータ、御嬢様(笑)くらいか。

 

 

「何だ不知火、それと教員を呼ぶときは先生と呼べ」

「ハッ!!塵屑と呼ばれて返事するとか、自分が塵屑だって分かってるみたいだな、そこは褒めてやろう。だが何故ミカドと推薦されていない俺が下らんガキの喧嘩に巻き込まれている?事前に企業の事情でクラス代表など行動が制限されるような役職には着くことは出来ないと学園長理事長に説明し許可をもらっている。その事を知らんとは言わせんぞ」

「そんなものは私には関係無い。そして不知火が加えられた理由だが私からの推薦だ。喜べ」

 

 

はぁ…………流石は脳味噌カニ味噌でスッカスカの織斑塵の姉だ、やはり塵らしい。

 

 

「お前、授業中に人の集団にいることが出来なければ人間であることを止めろとか言ったらしいな?ミカドから聞いたぞ?お前はどうだ、この学園という集団の中でお前の居場所はあるのか?無いだろう。そりゃあそうだ、お前の気質に従えるのは虐げられて喜ぶマゾヒストだけだからな。こんな所じゃなくて虐められて喜ぶ奴が山ほどいる軍にでも行ってこい、塵屑が」

「っ!!おい時雨!!言い過ぎじゃないのか!!千冬姉だってお前のことを思って言ってるんだぞ!!」

 

 

この塵は何故俺のことを呼び捨てで呼んでいるんだ?嗚呼気持ち悪い、吐き気がする、虫酸が走る、視界に入るな消えてなくなれよ。

 

 

「お前は人のことを言えんだろうが、織斑塵」

「ご、塵!?」

「あぁ塵だ、お前のような存在など塵でも勿体無いくらいだ。お前は何故、錦を推薦した?」

「そ、それは…………俺が推薦されたから…………」

「腹いせに他の奴を巻き添えにしたと?その結果がこれだ。国家代表候補生相手にずぶの素人が戦うという見るに耐えん出来レースの出来上がりという訳だ。そして、錦の運命も決まったような物だな」

「…………すいません、どういうことですか?」

 

 

俺の言葉の真意を測りかねてか錦が聞いてきた。だが顔が青くなってることから察しは着いてると思うけど。

 

 

「何、分かりやすい話だろう?織斑秋羅と織斑塵にはそこの世界最強の塵屑、俺とミカドには『甘粕工業』という無知蒙昧でも分かりやすい程の後ろ楯がある。だが、錦にはそれが無い。五人しかいない男性操縦者の中で一番狙いやすいのは錦なんだ。そしてこの決闘、錦は素人、相手は国家代表候補生、当然負ける。そうしたら何故男がISを動かせるかを知りたがってる連中がこれ幸いと騒ぎ立てるのは目に見えて分かる。『錦孝太はIS操縦者としての素質無し、研究所に引き渡し、徹底的に解剖しろ』、こう言われてもおかしくは無いだろう」

「…………ありがとうございます」

 

 

うむ、顔が白くなってるけどここまで言われても礼を言えるとは…………後で何かしてやらないといけないな。

 

 

「そう言うわけだ織斑塵!!自分の仕出かしたことの大きさが分かったか?この塵が!!」

 

 

織斑塵は俺の言葉を聞いて『こんなはずじゃ…………』とか、『そんなつもりはなかった…………』とか呟いている…………これはダメな奴だな。こういう奴は正義の法(ジャスティス・ロウ)で何人も見ている。一時期は後悔しているように見えても後から難癖付けて自分は間違っていないと屁理屈こねて現実から逃げるタイプの人間だ。やはり塵は塵か。

 

 

「…………不知火の言ったことは気にするな、ただの妄想に過ぎん。そしてこのクラスでは私の命令に従え。これは決定事項だ」

 

 

そしてその時チャイムが鳴り響き、塵屑はさっさと教室から出ていった。

 

 

……………………塵屑が塵屑らしすぎて呆れて何も言えん。

 

 

 






今回は千冬アンチと一夏アンチ。上手く書けましたかね?

千冬はどう見ても教師じゃなくて軍にいる上官タイプ。何でここにいるの?そして自分の言ったことすら出来ない人間の屑。
一夏は他の二次だとよく他の男性操縦者を巻き添えに推薦してますよね、自分がしたくないが為に。その結果そいつのバッドエンドが見えてきた。自分の立場と周りの立場を理解できていない人間の塵。

時雨が作中で言ったことは所詮は可能性の一つ、ですが決して起こらないとは言えないし、こうなる可能性はかなり高い。錦はそれを想像してガクブル状態になりました。

果して、錦はこのバッドエンドを回避することが出来るのか!?御期待有れ!!

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