ISin時雨&ザフィーラ&アルフ   作:鎌鼬

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馬鹿登場とその時のミカド

 

 

「ねぇ…………それ、恥ずかしくないの?」

「恥ずかしいに決まってるじゃないですか!!」

「なんでこんな変態コスなんだろ…………」

 

 

放課後、俺と秋羅と孝太はアリーナにいた。俺の格好は制服のままだが二人の格好はISスーツという…………言ってしまえばピッチピチな格好になっている。女が着てるなら目の保養になるんだけど男が着てると冒涜的な光景にしか見えないね!!

 

 

「まぁ慣れといた方がいいぞ。これからIS乗るときにはその格好になるんだし」

「普通の服みたいなISスーツが欲しい…………」

「そうか!!無ければ自分で作れば良いんだ!!」

「おい孝太、錯乱するな」

 

 

本当なら楯無とミカドもいるはずなのだが楯無は生徒会の仕事をしないでフラフラと遊び回っていたために虚ちゃんの怒りに触れ、ミカドは篠ノ之聖の妹に絡まれたためにこの場にいない。遅れてくるとは聞いているが…………ミカドはともかく楯無ぇ…………

 

 

「ところで打鉄はどこにあるんですか?」

「そろそろ来るはず…………来たな」

 

 

空を見上げるとそこには四機のヘリコプターが二機ずつで二つのコンテナを運んでいた。あのコンテナの中に入っているのが二人に訓練機として貸し出すつもりの打鉄だ。

 

 

「フーハハハッ!!!久しいなぁ!!時雨ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

 

そんな中で、ヘリコプターの扉をスライドして姿を見せている馬鹿の姿があった。どうしよう、凄い見覚えある。

 

 

「…………時雨さん、呼ばれてますよ?」

「…………うん、分かってる」

「時雨ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!今行くぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!トウッ!!!!」

「あ、ヘリから飛び降りた…………飛び降りたぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

 

ヘリコプターと地面との間が50mは離れているのに何を考えたのか馬鹿は勢いよく飛び出した。見る限りパラシュートを着けているようには見えない…………よし!!

 

 

まずは馬鹿の着地予想地点に先回り!!着地予想地点にバナナの皮をバラ撒く!!そして退避!!馬鹿はバナナの皮の上に着地!!バナナの皮で滑り頭を強打!!

 

 

「perfect!!」

「無駄に発音良いなぁおい!!ていうかそれどころじゃないですよ!!人があの高さから飛び降りて無事なはずがーーーーーーーーー」

「ーーーーーーーーー時雨、流石にバナナの皮はやりすぎだと思うのだが?」

「…………ゑ?」

 

 

50mの高さから飛び降り、バナナの皮で頭を強打した馬鹿が何事も無かったかのようにこちらにやって来た。頭には漫画みたいなコブが出来ているが平気そうだ…………ッチ。

 

 

「…………なんで生きてるんですか?」

「どうしよう、凄い失礼な質問のはずなのに凄い納得できる」

「フッ、愚問だな織斑秋羅に錦孝太よ!!この俺があのような試練に倒れるはずがなぁい!!」

 

 

うん…………まぁ…………ね…………知らない人からすれば何言ってんだこいつみたいな感じになるけど知ってる人からすればこいつなら仕方がないで納得できるんだよね。

 

 

「はいはい、二人のことは知ってても二人は知らないんだからまずは自己紹介しろよ」

「これは失礼したな。俺は甘粕正彦、時雨とミカドの所属する『甘粕工業』の社長だ」

「これはご丁ね…………」

「あ、わざわ…………」

「「って!!社長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」」

 

 

息ピッタリだな…………まぁ、突然世界規模の大企業の社長が現れたらそうなるか。

 

 

「は、はじめまして!!織斑秋羅と物申す者です!!」

「は、はじめまして!!錦孝太を名乗らせていただいております!!」

「フッ、そう固くなるなよ。我も人、彼も人、故対等それが基本だ。社長という役職には着いているが俺もお前たちも同じ人である。いつものようにしてくれて構わん」

「そ、そうですか…………今日は何故ここに?」

「時雨に話を聞いてな、それを元にした契約書を作ってきた。それにサインをすればこの打鉄は貸してやろう」

 

 

そう言って甘粕は二人に契約書を差し出した。その契約書の内容に目を通していると二人の顔色が面白いくらいに変わっていく。

 

 

「ちょ!!ちょっと待ってください!!」

「この契約書の内容って本気ですか!?」

「あぁ、俺は嘘はつかん。その契約書の内容には一切の偽りはない」

「で、でも…………!!この報酬のところ!!」

 

 

二人のテンパり方が尋常じゃ無かったので悪いと思うが横から契約書の内容を盗み見させてもらう。

 

 

大まかに纏めると、

 

・甘粕工業は織斑秋羅と錦孝太の二名に甘粕工業の所有する打鉄二機を貸し出す。

・その際に得られるデータは甘粕工業の物となる。

・データによって発生する利益の内の六割を織斑秋羅と錦孝太に報酬として譲渡する。

 

 

ってところか…………

 

 

「利益の六割って正気ですか!?」

「男性操縦者のデータってだけでかなりの値が付くんじゃ…………」

「あぁマトモだとも。お前たちは世界で五人しかいない男性操縦者なのだ。であるならお前たちから生じる情報の価値は計り知れん。言っておくがこれでも安いと思っているくらいだぞ?これは正当な報酬だ、胸を張って受け取るが良い」

「あ~二人とも、自分の口座とか持ってる?」

「持ってないです…………」

「ありません…………」

「ならこっちで仮の口座を作っておいて報酬はそこに振り込んでおく。後で正式な口座の書類を渡すからそれを書いてくれればいいから」

 

 

二人がテンパるのも無理は無い。世界に五人しかいない男性操縦者のデータともなればどんなものでもかなりの価値を持つことになる。そこから生じる利益は正直言って莫大な物だ。それの六割、半分以上も貰えるとなると庶民感覚じゃ追い付かない程の金額になるからな。そしてそれだけの金を現金で渡すのは大変だから口座に振り込ませてもらうとしよう。

 

 

「話がこっちに良い方向ばかりに行ってて怖いな…………」

「後で自分達は我が社の所有物だ~とか言いませんよね?」

「言わんとも。信じられぬのなら血判状でも作ってやるぞ?」

「…………毒を食らわば皿までってか!!」

「…………死中に活あり!!」

 

 

二人は覚悟を決めたのか契約書に名前を書き込んだ。甘粕はそれを見て満足そうに頷いている。

 

 

「罠かもしれぬと疑いながらも進むために飛び込んだか。あぁ、その困難に立ち向かう姿は実に好ましいぞ、織斑秋羅、錦孝太。あぁ!!やはり人間とはこうでなくては!!お前たちに人間讃歌を吟わせて欲しい!!喉が枯れるほどにっ!!」

「ゴメンね、この馬鹿は人間大好きだから。頑張ってる奴を見るのが趣味だから」

「「(社長に向かって馬鹿って言い切ったぞ、時雨さん)」」

「それじゃ、貸し出しだが受け取ってくれ。これが二人の使うISだ」

 

 

ヘリコプターで運ばれていたコンテナが開き、その中身が見えるようになる。中に納められているのは第二次世代の打鉄。日本の鎧を思わせるフォルムのISがそこに鎮座していた。

 

 

「こうしてまともに見るのは初めてだな…………」

「秋羅さんもですか?僕もですよ」

「打鉄に背中を預けるようにして乗ってくれ。細かい設定はこっちでやるから」

 

 

二人は俺の指示通りに背中を預けるようにして打鉄に乗り込む。空中に投影されたモニターに色々とあるのを一つずつ処理していく。

 

 

「…………うん、問題なし。それじゃ歩いてみようか。ゆっくりと歩いてる姿をイメージしながらな」

 

 

二人は緊張した趣でゆっくりと打鉄を動かす。鎮座していた打鉄を動かすためには一度立ち上がらなければならない。端から見れば慎重すぎる程にゆっくりと打鉄は立ち上がりーーーーーーーーー

 

 

「「ブバッ!!」」

 

 

ーーーーーーーーー二人仲良く、同時に転んだ。

 

 

「…………二人とも、自分の適正は覚えてるか?」

「「Dです…………」」

 

 

ISには相性と言うものがあり、それはE、D、C、B、A、Sまでの六段階で表される。二人の適正はD、つまり二番低い。まともに動かせるようになるだけでも時間がかかる、戦闘なんてもっての他だ。

 

 

「一先ずは動かせるようになる事だけに集中してくれ。戦闘についてはその後だな」

「うっす…………」

「はい…………」

 

 

ふたりは満足にISが動かせないという事実に腐らずにそれを認め、出来ないことを一つずつ出来るようにすることを選んでくれたようだ。

 

 

「まずは立ち上がって真っ直ぐに立つところから」

 

 

小鹿のように手足を震えさせながら立ち上がろうとする二人の姿を見ながら所々でアドバイスを入れていく。そうしている内に憔悴している楯無と疲れたような顔のミカドがやって来たので二人の進展具合を元に訓練の内容を考えた。

 

 

結局、この日の成果は二人が真っ直ぐに立てるようになったところで終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あ…………果てしなくこの上無く面倒だ」

「ミカド、時雨みたいになってるぞ」

 

 

放課後、篠ノ之箒に呼び出されていたミカドはヴィータを連れて武道場に向かっていた。ヴィータの時雨の呼び方たが、ヴィータはこの世界に実の父親がいるのでそれと判別するために時雨のことは名前で呼ぶようにしている。

 

 

「ーーーーーーーーー弱い!!弱すぎる!!」

「ん?」

 

 

ミカドが辿り着いた時に聞こえたのはヒステリック気味に叫んでいる箒の声だった。中を覗けばそこには竹刀を持ち、防具を着けた箒と織斑一夏の姿が見える。側にいた女生徒から話を聞いたところ、織斑一夏の今の実力を見るために剣道の試合をしていたという。

 

 

「クラス代表決定戦を前にして剣道?悠長なことしてるなぁ」

 

 

ISの戦闘で生身の戦闘技術が役に立つことは明白であるがそれはISの操縦がある程度無ければ意味がない。例えば武道の達人をISに乗せたとしても生身とISとの違いに戸惑い、実力が発揮されないのと同じだ。素人である織斑一夏が優先すべきことはIS操縦の経験であって剣道ではないはず。

 

 

「来たか…………おい!!秋羅と錦はどうした!?」

「二人は受けるとは言って無かったし、別の用事があるからそっちに行かせた。俺が相手しやるからそれで我慢してよ」

「ッチ…………おい、竹刀と防具はどうした!?」

 

 

竹刀を構えている箒の前に、制服の上を脱いだミカドが立つ。手には何も持っておらず、防具を着けていないことを箒は疑問に思った。

 

 

「邪魔だから要らない。それにあんな長いの使えない。ナイフくらいのサイズがあれば別だけど」

「ふざけたことを…………!!」

 

 

ミカドの態度が感に触った箒は審判役の声も聞かずにミカドに斬りかかった。竹刀とはいえ全力で叩けば骨にヒビは入るし、喉を突けば死んでしまうこともある。そうなるだろうと思ったのかこの対決を見ていた女生徒の数人が悲鳴をあげる。

 

 

「おっそ」

「グエッ!?」

 

 

上段から振るわれる唐竹割りの一撃を半身になって回避。そしてがら空きになっている喉元に防具があることを踏まえて握り拳を強めに叩き付けた。人体の急所の喉をやられたことで箒は竹刀を手放して四つん這いになり、必死に咳込んでいる。

 

 

「俺の勝ちだね。じゃ、俺は用があるんで」

「おい待てよミカド!!」

 

 

やることはやったのでさっさとこの場から立ち去ろうとしているミカドの前に織斑一夏が立ちはだかる。

 

 

「はぁ…………何?」

「何じゃねぇよ!!箒に謝れ!!」

「謝る?どうして?」

「どうしてって…………!!女殴るなんて男として最低の事だぞ!!」

 

 

女を殴ることが男として最低の事なのなら女と決闘しようとしているお前はどうなのだ…………と言いたくなったが面倒になりそうなので耐えた。

 

 

「…………篠ノ之さんから決闘しようと言ってきたんだ。そして篠ノ之さんは竹刀を振ってきた。だから素手で倒した。それのどこに俺が悪いところがあるのか、教えてくれないか?」

「どこって…………!!箒は剣道で試合をしようとしてたんだ!!だったらなんで剣道で相手をしてやらなかった!!」

「剣道未経験の初心者、剣道のけの字も知らないような奴を剣道で叩きのめして何が楽しいんだか」

 

 

言いたいことだけを言ってミカドはヴィータを連れて武道場から出ていった。その時織斑一夏は咳き込んでいる箒の側にいたが去っていくミカドの背中をずっと睨んでいた。

 

 

後日、ミカドは織斑一夏を倒した篠ノ之箒を素手で倒せるほどに強いという話が広まり、ミカドの人気が上がったらしい。

 

 

 





ISスーツ
ピッチピチのスーツ。スウェットスーツ位に厚さがあり、全身を覆うような物なら良かったがこのスーツは素材が薄く、上下に別れているので女子が着ると目の保養になる。男子が着たらSAN値チェックが始まる。

甘粕正彦
甘粕工業の社長。この小説の前作を見ている人ならどういう人物なのか分かるはず。そして同一人物。時雨からは馬鹿と呼ばれているがそれは良い意味での馬鹿であり、侮辱としては使われていない。

男性操縦者の価値
プライスレス。価格としては表すことができない位に彼らの存在は貴重。

契約書
一つ目、二つ目は問題ないが三つ目に織斑秋羅と錦孝太は反応した。上記の事により男性操縦者のデータはかなり貴重、ISの発展の為に使えるので多額の報酬を用意した。甘粕はそれでも安いと思っている。

IS適正
下から順にE、D、C、B、A、Sと分けられていている。Dは二番目に低く、普通なら操縦者として期待できないレベル。世界最強の織斑千冬はSランクだそうだ。

ミカドVSモップ
現役の軍属対剣道日本一の一般人。ミカドの圧勝で決着。

ワンサマ
原作ワンサマはクラス代表決定戦でセシリア相手に『女だから』という理由で自分がハンデを着けようとしていたことから男は女を守らなくてはいけないという思想にあると思われる。それなら女と決闘しようとしているワンサマはどうなんでしょうかね?











ここで、少し書かせていただきたい事があります。それはこの小説についてです。
この小説のタグにはアンチ・ヘイトやガッツリとしたアンチとあるように、アンチ成分が含まれています。これは原作を見て私が思ったことがアンチだったことと、アンチ物を書きたかったことからこうなっています。
私が叩かれるだけなら未だしも、感想を見ている限りでは読者様同士が言い合っているようにも思えてしまったので今回は後書きに書かせていただきました。
この小説はアンチ物です。
アンチ物が嫌いだという方は読まれない方が身のためです。
それでも良いと言う方はこれからも私の小説をお楽しみください。
作者として失格かもしれませんが私は私が書きたい小説を書いています、ですからいくら言われようともこの方針は変えるつもりはありません。
…………長々と失礼しました。


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