俺はコナミ君   作:クエン酸ドラゴン

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というわけで今回はツァンちゃん視点でお送りします。




ツァンの覚悟

デュエルするのが怖いと思った日は今日が初めてだろうと僕は今までの過去を振り返りそう思った。

今日は僕にとって大切な日で今までの成果を発揮する日でもある。

初戦は楽勝だった。エーリアンカードを駆使してくるデュエリストだったが僕の六武衆デッキの前では意味がなくカウンターが乗り切る前にカタを付けてきた。

しかし・・・・・それ以上に僕にとっての問題があったのだ。

小波遊羅。彼が同じくこの大会に出場していたのだ、しかも僕と同じAブロックのデュエリストとしてだ。

それを知ると僕は過去のあの恐ろしい場面が頭の中に浮かんできた。

一方的な蹂躙を行いそしてそれでも満足することなく何度も何度も嬲り倒した。

その残酷さに私は戦う前から恐れてしまい以降彼を見るために恐怖で足が震えてしまうようになった。

そしてその残酷性は予選から発揮していた。暗黒寺戦と勝鬨戦の2つとも一方的に嬲り倒しデュエルだけでなくそのデュエリスト自体を完膚なきまで叩きのめしてしまった。特に勝鬨選手はあのデュエル後に緊急搬送されたというらしい。顔色が悪く口々に「奴の・・・・・拳は鋭い。・・・・・実戦式のデュエルだ!」と彼が属している塾の面々は戦々恐々としていた。

本戦でもその強さは変わらず同じ学校のレイン恵、嶺開花そして上級生の海野幸子という学園でも強いデュエリスト達を一方的に殴り倒していった。

特に嶺開花戦が酷すぎた。

先攻にコナミのターンが回ったかと思うとモンスターを一気に展開してモンスターゾーンを全て埋めたのだ。それだけでも凄まじいのにアレはその上をいった。

THE WORLDの効果により相手のターンをスキップするという反則技を駆使し嶺開花は何も出来ずに終わってしまったのだ。それを繰り出された彼女自身も何が起こったのか分からずに呆然としていた。自身のターンが終わったと思うと一方的に殴り飛ばされデュエルが終わったのだ。

抵抗する暇すら与えなかった。

 

そして続くAブロック準決勝では海野先輩と戦っていた。

海野先輩は上流階級の生まれで度々自身以下の生まれの生徒を馬鹿にする言い方をする正直嫌味な人物だ。だが彼女自身は馬鹿にするつもりはないらしく他の人達の考え方が理解できないだけという。しかし彼女のデュエルの腕は一級品で社交界向けと言ってはいるがそれでもプロと戦っても問題ないほどのデュエリストだ。

 

そんな先輩だが・・・・・・それでも彼女のデュエルとすら呼べない蹂躙には同情を感じざる負えない。

彼女のデッキはシーラカンスという魚族上級モンスターを駆使した魚族デッキを使用するデュエリストだ。だがその彼女に対しまたもや一方的な展開力を発揮していた。

 

「俺のターン・・・・俺は手札から神の居城ヴァルハラを発動、そして効果により手札から光神テテュスを特殊召喚。更に手札から速攻魔法、手札断殺を発動!これにより互いに手札2枚を墓地に送り新たに2枚ドローする。俺は手札のオネストと奇跡の代行者ジュピターを墓地に送り2枚ドロー。・・・・ここでテテュスの効果発動!引いたカードが天使族モンスターのときそれを相手に見せることでもう一度ドローする。俺が引いたのはゼラディアスよって更にドロー。引いたのは大天使クリスティア、よってもう一度ドローする。ドロー・・・神秘の代行者アース、ドロー・・・ヘカテリス、ドロー・・・死の代行者ウラヌス、ドロー・・・これで終いだ」

 

僅かワンターンで手札5枚から展開したのに既に7枚に増えている。これがコナミの恐ろしいところだ。対戦相手の海野先輩も若干顔色が悪くなっているように思える。

 

「さらに俺は手札からゼラディアスを墓地に送り効果発動。デッキから天空の聖域をサーチする。そしてヘカテリスの効果発動、このカードも墓地にカードを送ることでデッキからヴァルハラをサーチすることができる。そして手札から天空の聖域を発動しその後手札からアースを通常召喚。アースの効果発動、デッキからアース以外の代行者をサーチし手札に加える事ができるが天空の聖域があるときデッキからマスター・ヒュペリオンをサーチすることが出来る。この効果でマスター・ヒュペリオンをサーチし手札に加える。ウラヌスは天空の聖域が存在するとき手札から特殊召喚することが出来る。この効果により特殊召喚!アースを除外して手札のマスター・ヒュペリオンを特殊召喚する!そして・・・・墓地には天使族4枚のみの場合手札から大天使クリスティアを特殊召喚する!

そして召喚成功時墓地に存在するオネストを回収・・・・・」

 

先攻1ターン、まだデュエルが始まったばかりだというのに既にコナミのフィールドは盤石なものになっていた。

高レベルモンスターが4体並びしかもクリスティアは相手の特殊召喚を封じる効果を持つ。

そして天空の聖域が存在する限り相手から与えられるダメージは全て0。

オマケと言わんばかりに彼の手札にはオネストが握られている。仮に攻撃力3000クラスのモンスターを召喚できたとしてもその攻撃力を吸収して返り討ちにあってしまう。

 

既に積みの状態だ。それを海野先輩も理解しているのだろう。彼女は震えを抑えられずに後退りするばかりだった。

 

「そして俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ。・・・・・・どうした?お前のターンだぞ」

 

コナミはエンド宣言から硬直していた海野先輩に対し挑発とも取れる言葉を投げかけてくる。

どうした?だと・・・・・この状況を作り出しておきながら何がどうしたなのだろうか!

これは超えられない壁だ!彼女のデッキにこの状況を一変させることのできるカードがあることを祈るばかりだ。

 

「私のターン・・・ドローッ!!・・・・・・・ッ!?」

ドローしたカードを見て海野先輩は一瞬にして笑みを浮かべた。

「私は手札から魔法カードハーピーの羽箒を「カウンター罠神罰だ」・・・・でも私はモンスターをセット!カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

起死回生となる筈のカードをアッサリと防がれてしまった。しかし彼女の闘士は未だ衰えておらず逆転を常に狙っている。

その証拠にあの伏せカード、アレは恐らくミラーフォースのような逆転のカードなのだろう。

しかしその細やかな抵抗すらコナミは残酷に踏みにじり彼女を追い詰めていった。

 

「ドロー・・・墓地のジュピターを除外し効果発動!フィールド上に存在するカードを一枚選択して破壊する!俺はそのセットカードを破壊!」

 

マスター・ヒュペリオンの両手から光が発せられると海野先輩のセットカードが一瞬にして蒸発していった。セットされていたのは激流葬だったらしい。

 

「さらにマスター・ヒュペリオンは天空の聖域があればもう一度破壊することが出来る。墓地のゼラディアスを除外し効果発動!セットモンスターを破壊!」

再び光が降り注ぐとセットモンスターである素早いマンボーはあっと言う間に蒸発していった。

これで彼女を守るカードはあの1枚だけということになる。

 

「バトル・・・マスター・ヒュペリオンでプレイヤーにダイレクトアタック!」

「負けるものですか!私は罠、聖なるバリアミラーフォースを発動!!「カウンター、魔宮の賄賂だ」ッ?!!」

 

張り巡らされたバリアがデッキからカードが1枚自動で引き出されると同時に破壊されてしまった。

これで彼女を守るものは文字通り何一つ無くなってしまったのだ。

そんな彼女に無慈悲にも光線が降り注ぐ。

 

「キャァァァァァァ!!」

海野LP4000→1300

 

「終わりだ・・・クリスティアでプレイヤーにダイレクトアタック!!」

海野LP1300→0

 

この試合も何の苦戦もなくコナミは圧倒的に相手を蹂躙していった。

あの海野先輩が手も足も出せなかった。それだけ同じ学校に通う者は恐れ慄いてしまう。

そしてこの光景を見ていた観客も同じような感覚に襲われたのだろう。

極一部を除いて皆が彼という存在を受け止められないでいた。

あるものは恐怖からの否定、反抗、対抗・・・

あるものは恐怖からの従順、信仰、心酔・・・

しかしその何方であっても根源は全て「恐怖」から来ていたのだ。

 

これ程の観客をたった一つの感情によって支配しているあの男、コナミが次の僕の対戦相手だというのだ。

怖い・・・今直ぐにでも逃げ出してしまいたい。もし助かるのなら彼に這い蹲り命乞いをしてもいい。

だが同時にこう感じていた。負けたくない・・・あんな一方的なデュエルをして何もかもを力尽くで従え奴隷にするかのような行動をするコナミを打ち倒したい。

 

今、僕に必要なのは勇気だ!這い蹲り従順になり従いたいという恐怖心から来る心酔なんかを撥ね退ける事のできる強い勇気が僕には必要なんだ!

決して屈せず、決して臆さず・・・・そして勝利を願う真っ直ぐな勇気。

僕は恐怖を克服しなければならない。そうでなければ僕はこの先一生小波遊羅というデュエリストに恐怖して生き続けることになる。

 

「負けない・・・・・・僕が勝つんだ!」

己の信じるデッキをデュエルディスクに装填してフィールドに向かっていく。

このカード達が居る限り僕は恐れない、・・・・・・・恐れてなるもんか!!




「ミラーフォースのような逆転のカード」
そら周りからフラグを建てられれば勝てませんわ。

にしてもこれを書いていてホント恐ろしいカード達ばかりだ。

「絶対にコナミ君には負けない!」
と意気込むツァンちゃんの運命やいかに!!

・・・・・・あ、これで嶺ちゃんと海野さんはこれで退場です。
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