俺はコナミ君   作:クエン酸ドラゴン

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ネへモスの効果でツァンのフィールドが焼き払われてしまった。
負けないでツァン!貴方が負けたら今まで負けてきたデュエリスト達はどうなるの!?
ライフはまだ残ってる諦めないで!!
次回、「ツァン、死す」デュエルスタンバイ!!


ツァンの敗北(修正)

デュエル開始まで後数分・・・・・・

既に会場にはコナミを否定する側、信仰する側として完全に別れてしまっている。

 

彼に向ける声援と罵声。その何方もその声に震えを感じさせていた。

その中に僕に対する応援は無いが僕に勝てという声がないのは観客もコナミの力を理解しているという事他ならない。そして僕に対して誰も期待していないということを表している。

 

その事実が酷く悲しく、そして同時に当然の結果だと納得してしまった。それほどのデュエリストなのだと染み染みと理解させられた。

その声援と罵声の飛び交う中から1人のデュエリストが僕の目の前に現れた。

 

コナミだ。彼が登場すると先ほどまでの酷い罵声は恐れの悲鳴と鳴き声に変わり・・・

声援は歓喜の悲鳴と神を敬うような狂気じみた言霊とかし会場に響かせていた。

その狂乱とも言っていい空間をゆっくりと歩みだし僕の目の前に立ちふさがった。

 

 

「ッ!?・・・・・・・(ゴクンッ)」

 

ひと睨みされるだけで全身の筋肉が硬直し汗が吹き出し心が悲鳴を上げていた。

逃げろ、逃げろ!そう叫ぶ心に対して僕は非常なまでにその心を制御し躾け一歩も惹かずにその視線を受け止める。

するとコナミはニヤリと笑みを浮かべた。そして視線を外しゆっくりと観客を見渡す。

 

それだけでしーんと会場が静まり返ったのだ。まるで人っ子一人すらいないというかのように会場から物音1つ消え去った。

そんな中でコナミは笑みを浮かべながら言った。

 

「・・・・・・どうした?先ほどまで煩く喚いていただろう。恐れることなんかない・・・・これは遊戯(デュエル)だ。皆楽しむといい・・・最後までなぁ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!

 

その一言に彼を信仰する者達は割れんばかりの歓声を上げた。

そして彼を否定していた者達もその恐怖から逃れようと今度は必死に僕を応援してくるようになった。

 

たった一言でこれ程までの人間の感情を支配するのだ。

ただの人間では到底到達出来ない境地にコナミはいる。

 

だからこそ・・・・・・・私は彼に勝ちたい。

デュエルで自身が払ったライフ以外一切のダメージを受けていないあの不敗伝説に終止符を打ちたい。

・・・・・・僕という1人のデュエリストの存在を彼に刻みつけたい。

 

MCの言葉と同時に互いにデュエルディスクを構える。

 

『デュエル!』

コナミVSツァン

コナミLP4000

ツァンLP4000

 

先攻は・・・・・・僕だ!

このターンで布陣を完成させなければ負けてしまう!だからこそここで・・・・

 

「僕のターン・・・手札から六武の門を発動!更に手札から六武衆の結束を発動し、そして真六武衆カゲキを召喚!

これにより門と結束にそれぞれカウンターが乗る!そして手札から真六武衆キザンを特殊召喚!」

 

「ここにチェーンして手札から増殖するGを墓地に送り効果発動!」

 

コナミが手札からカードを墓地に送るとその瞬間にフィールドに1匹のGが出現して私を睨みつけていた。

「ヒィッ!?」

 

余りの再現度に思わず僕は悲鳴をあげてしまう。観客の中でもそういった反応をしたものが多くいた。

 

「で、でもこのまま続行!特殊召喚成功!」

 

「そして俺はワンドローする」

 

これでコナミの手札は5枚となった。手札アドを与えるのは危険だと理解しているがそれ以上に中途半端なフィールドでは蹂躙されてしまう。こうなったら行くしか道はない!

 

「結束の効果発動!このカードを墓地に送りデッキからカードを2枚ドローする!そしてフィールドの門の効果発動!カウンターを4つ取り除きデッキから六武衆と名のついたモンスターを1枚手札に加える。私はこれでキザンを手札に加える!そしてもう一度六武衆の結束を発動し更に手札のキザンを特殊召喚!更に六武衆の師範を特殊召喚!そしてここで結束を墓地に送り2枚ドロー!」

 

「俺はキザンで1枚、師範で1枚ドローする」

これで7枚・・・・このドローに全てがかかっている!

お願い来て!!

 

「ドロー!・・・・・来た!私は大将軍紫炎を特殊召喚!!

これで貴方はこのモンスターが存在する限り1ターンに1枚だけしか魔法カードを発動出来ない!

更にこのカードが破壊される場合フィールドの六武衆と名のつくモンスターを変わりに破壊することでこのモンスターの破壊を免れる!」

 

これで布陣は完璧だ、既に僕のフィールドにはモンスターが5体並んでいる。そしてもう1枚は神の警告が握られている。これでならどんなモンスターが来ようとも確実に対処できる!

 

「・・・紫炎の召喚により俺は1ドロー・・・」

 

「最後の手札をセットしてこれでターンエンド!さぁ貴方のターンよコナミ!!」

 

この完璧の布陣、そう簡単に超えることは出来ない!

超えられるものなら超えてみなさい!!

 

「・・・・・・・」

 

今までに無い程静かなターン移動、これには観客も「あの魔王が負けるのか?」という言葉がチラホラ呟かれるようになった。

どうだ、あのとき僕を無視したことを後悔しているのだろう!

 

僕は強いんだ、貴方の隣に立てる程の強さを持っている!だから僕に倒されろ、そして僕のことを認めろ!

あのときの光景が今でも眼の奥に浮かんでくる。まるで敵としてすら見てくれなかったあの視線。

だがこのデュエルを終えた先でならあの視線から本当に敵と認識したときの視線へと変わるはずだ!

 

「・・・・・・セットカードは俺の札を封じるカード、戦闘反応型ではないな」

 

「――――――――――ぇ?」

 

伏せていたカードの存在を見ぬかれ思わず言葉が漏れてしまった。特に可笑しな行動を取っていなかった。なのに何故彼は僕のカードを見破ったのだろうか。

 

「この状況で最も恐れているのは全体除去能力を持つカードと除外効果を持つカード。

後者は主に次元幽閉やマクロコスモスなどと言ったカード群だ、奈落は破壊してから除外するので身代わり効果が発動するので脅威にすらかんじていない。

ならば何を恐れる?それはブラックホールのような全体除去カードに他ならない。

だが安心しろよ・・・・・このデッキには全体除去の魔法カードは1枚しか入っていない。そしてそれは今の手札には1枚も入っていない」

 

まるでお手上げというように両手を広げて戯けてみせた。

言葉回しは気に食わないがもしコナミが言っていることが事実ならば私の勝ちは確定する。

 

「そして俺の手札は全てモンスターカード・・・・・・ここで逆転のカードが引けるか勝負といこうじゃないか」

 

「・・・・・・・・・いいわッ、かかってきなさい!!」

 

喉が酷く乾いてくる、それ程にこの一瞬のドローに集中しているのは生まれて初めてのことだろう。

そしてゆっくりとコナミの手がデッキに向かっていき・・・・・・・

 

「俺のターン・・・・・ドロー」

静かにカードを引いた。

 

ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・

 

僕の心音が激しく鳴り響いているのを感じる。それほどまでにこの場は静まり返っていた。

観客も審判も主催者も皆全てがコナミのドローに神経を注いでいた。

 

「俺の引いたカードは・・・・・・・・・・手札抹殺だ」

 

「ってことは・・・・・・・・・僕の勝ちだ!」

 

全体除去カードではない、その事実に僕は勝ちを確信した。

僕を応援していた観客もそれに歓声を挙げていく。

 

 

だが、そんな僕達を突き落とすように彼は笑みを浮かべこういった。

 

「・・・・・・・・・いや、俺の勝ちだ」

 

 

「俺は手札から魔法カード、手札抹殺を発動!これによりお互いの手札を全て捨て同じ枚数カードをドローする!」

 

「ッ?!!どうしてそのカードを!?」

 

どうしてまだ続けるの?僕の勝ちじゃなかったの?!

 

「まだ俺のターンだからな、それでどうする?このカードの発動を止めるか?」

 

「・・・・・・・・・・・通すよ」

 

その言葉に笑みを深めながらコナミは手札を全て墓地に送っていく。そしてカードを同じ枚数ドローし終えてコナミは動き出した。

 

「俺は手札のリリス、ベルゼブル、シャイターンを除外して墓地のインフェルノイド・ネへモスを特殊召喚する!このモンスターは召喚に成功したときこのカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する効果を持つ」

 

蒼炎が吹き上がるのと同時に竜のような機械仕掛の悪魔がコナミの背後に出現した。

そしてその恐ろしい効果に僕は驚愕を隠せなかった。これまで魔法罠による全体除去のみを警戒していたためにモンスターによる全体除去を完全に見落としていた。寧ろそのようなモンスターが存在しているとは夢にも思わなかった。

 

「なんですって!?・・・・ッ、通させはしないカウンター罠発動、神の警告!

ライフを2000ポイント支払ってそのモンスターの召喚を無効にする!」

 

ツァンLP4000→2000

僕は慌ててカードを発動する、その結果コナミのフィールドのカードは消え去ったがそれを確認したコナミは更に笑みを深めるだけだった。

 

「なるほど、神の警告を入れていたのか。

ライフ4000のこのデュエルではかなりのリスクだが特殊召喚からの全体破壊や駆除を封じるのにはいい手だ。

・・・・・・だが俺には通用しない!!」

 

 

コナミが腕を前に突き出すと同時に先ほどの蒼炎が勢い良く吹き出しフィールドを焼いていく。

「墓地のヴァエル、アスタロス、ベルフェゴルの三体を除外し再び現われろ!インフェルノイド・ネへモスッ!!!」

 

今度の蒼炎は確実に僕のフィールドを焼き払い僕のモンスター達を一瞬にして灰すら残さずに償却していった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・確かに良い戦術だった。

君が繰り出すモンスター、そしてカードとのコンボ全てが素晴らしかった。だが、―――」

 

「まるで、全然!この俺を相手にするには程遠い!!」

 

コナミはそう言い捨て僕に向けて腕を振り下ろした。

 

「ネへモス・・・抗う全てを焼き尽くせ!」

その号令と共に悪魔は僕に向けて蒼炎を放ち―――――。

 

ツァンLP2000→0

 

一瞬にして返されてしまった。

あの展開すらどうすることも出来ずに蹂躙されるだけだった。

そして最後の最後まで僕のことなんかちゃんと見てくれなかった。

 

僕じゃダメなの?貴方の敵にすらならないの?

 

「あ、あはは」

 

やっぱりダメなんだ。あの怖いくらい魅力的な視線は常に他の誰か、僕じゃない誰かに注がれ続け僕はそれを外野で見続けるだけ。

僕じゃ・・・・・・・貴方の退屈凌ぎにすらならないのですか?

 

どうでもいいや、そう何もかも諦め僕はその場で意識を失ってしまった。

 

・・・・

・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・

 

どれだけ時間が経ったのだろう?気がつくと僕は白いベッドの上で眠っていた。

時刻は午後の2時でどうやら既にBブロックの戦いが始まっているらしい。近くのモニターでは他の誰かのデュエルが流されていた。

 

「僕・・・・」

 

「気がついたか?」

 

不意に僕に語りかけてくる人物がいた。そちらに視線を向けると驚いたことに僕の憎き敵であり、・・・・・・ほんの少し執着していた小波遊羅の姿がそこにあった。

 

「――――――――ふぇあ?!」

 

急に語りかけて来たので驚いて変な声が出てしまった。

本当に恥ずかしい。

 

「フフ・・・・そんだけ驚けるのなら大丈夫そうだ。驚いたんだぞ?あの後倒れてしまった君をスタッフと共にここまで運んだのだが・・・・・・」

 

「は、運んだ!?」

 

嘘、僕コナミに背負われていたの?!もしかしてお姫様抱っこされて!?

恥ずかしいッ!!その光景をテレビで撮られているんでしょう?!!

あぁぁぁぁぁぁッ!!

 

そんな僕の心の声を理解したのかコナミは慌てて僕にフォローをしようと語りかける。

 

「安心してくれ、デュエルの決着がついた時点で既に画面は切り替わっていたらしい。だから彼処で倒れたのは観客以外誰も知りはしない」

 

「それでも観客達が見てたってことでしょうッ!!もう恥ずかしい~~ッ!!?」

 

どの道あの場での恥は周知の事実として覚えられ続けるのだ。その事実に僕はなんとも言えない感情がこみ上げてきた。

 

「・・・・・・でも本当に素晴らしかった」

 

「―――ぇ?」

 

まさかの言葉に喚くのも忘れて固まってしまう。

 

「あのとき若しかしたら負けるかもしれないと思ったのはこの大会の中であのデュエルが初めてだった。

凄く緊張したし同時に凄く興奮したんだ。あんなデュエルが体験できて本当に感謝しているよ」

 

そう語るコナミの表情にはコチラを労う様子はなく心の底からそう思っているという意思が感じられた。

 

「・・・ほん、とう?」

 

「あぁ、本当さ。君とのデュエルはとても楽しかった。

あの次で引けなかったら負けという極限状態でのデュエルは早々味わえるものではない・・・・・・君と戦えて本当に良かった」

 

その言葉を聞いて自然と涙が溢れてきた。遠巻きでしか何時も見れなかった彼から、その圧倒的な強さを持ち僕なんかよりも遥かに強いあのコナミが僕のことを認めてそして褒めてくれたのだ。

 

 

「あ、あぁ・・・・・・・ぐすッ・・・・・ぼ、僕も戦えて良かった。貴方に認めてもらえて本当に良かったよぉ」

 

急に鳴き出した僕にコナミは慌てた様子で僕の背中を擦ってくれた。

その行動がどうしてかとても嬉しくて、更に涙がこみ上げてきた。

 

僕のことを無視してなんかいない、ちゃんと認めてくれていたんだ。その事実がとても嬉しかった。

 

きっとコナミはこれからもっと強くなっていくと思う。もしかした僕なんて足元にも及ばないほどに・・・・・・それでも僕はきっと貴方を追いかけ続けるだろう。

だから・・・これからも僕のことをちゃんと見ていて欲しい。

それだけで僕は満足なんだから。・・・・・・・・これからも宜しくね、コナミ。




「コナミ君には勝てなかったよ」アヘ顔ダブルピース(嘘)

はい、こうしてツァンやられてしまいました(色んな意味で)。
このような展開はいろいろとおかしいだろというツッコミもあると思いますがここはこのまま突っ切らせていただきます。

個人的に極度の恐怖や畏怖はソレがすぎると「尊敬や憧れ」といったその強さに対する好印象を持つことになると考えています。
誰かしら親を恐れそしてその強さに憧れた時期があるでしょう?
それと似たような感情だと考えてください。
それが全くの異性で尚且つ圧倒的な力を保持している。そしてその存在は自身なんか全く見ていないという事実に彼女は怒りを覚えたのです。
自身を見てほしいと、知ってほしいと。
しかしその感情は彼女の性格ゆえに表に出ずただの恐怖心からくる行動として見られるようになっていた。そしてそれは何時しか自身でもそうだと錯覚し今日この日の戦いまで恐怖しか感じていなかったと思い込んでいたのです。

そしてデュエルが進んでいき勝てるかもしれないと思った瞬間、自身の中にあった本当の思い(憧れなどの感情)が彼に自分という存在を認めて欲しいという欲求になった。というのが今回のお話です。
この描写を書きたいがために私は今まで彼女を余り使ってきませんでした。(エクストラ無しの六武衆デッキの回し方に苦戦したというのもありますが(汗))

次はいよいよ決勝戦、・・・・・・の前に新しいデッキ構築タイムですね。
同時にBブロックの決勝相手が決まります。
一体何赤マフラーさんになるんだろうなーマッタクワカラナイナー(棒)
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