俺はコナミ君 作:クエン酸ドラゴン
1
目が覚めて全方向真っ白な広い空間な場所にいたら貴方はどうしますか?・・・・・・少なくとも俺は―――
「誰かいませんかぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」
混乱しとり合えず叫んだ。
俺の名前は小波勇瀬(こなみゆうら)、趣味はカードゲームなごく平凡な学生だ。その俺がどうしてこんな所にいるのだろうか?困惑している俺に誰かから声を掛けられた。
『ここに来たってことは・・・転生者希望かな?』
「え?」
声のした方向を見るもそこには誰もおらずただ広い空間が広がっているのみ。
『無駄だよ、君には――を見つけることはできない』
何処か俺の見下しているような声音で声は語りかけてくる。
俺は未だに混乱しながらもこの異常事態の原因(と思われる)声に向かって叫んだ。
「ここは何処なんだ!どうして俺はこんな何もない世界にいる?!」
俺の言葉にどこからともなくため息が吐かれたような音が聞こえた。そして呆れたような声で語る。
『君が望んだのだろう?「――したい」と。確かに君は望んだ、そして――がそれを聞き入れた・・・・・・それだけだよ』
所々聞き取れないがこの状況は俺が望んだことだと語っていた。そんな馬鹿な、こんな寂しい場所が俺の望んだものだと?こんな場所を望むくらいなら新弾のカード達を全種揃えたいとかを望むわ!
『それが君の願いだね・・・・・・新しいのは出次第与えてあげるよ、それじゃあ逝ってらっしゃい』
その声が終わるのと同時に俺の身体が急落下していく。悲鳴すら上げられずに落ちていきそして、俺は意識を失ったんだ・・・・・・。
「・・・・・・・・・むぁ?」
ぼぅ・・・とする頭のまま俺は目が覚めた。
何か落ちているような夢を見ていたような気がするが気のせいだろうか?寝惚け眼で近くに置いていたケータイを取り時間を見る。
時計は8時半を過ぎていた。
「・・・・・え?え!?」
息を呑むのと戸惑いの声をあげるのを同時に行ったような妙な声のまま俺の意識は一気に覚醒した。
曜日を確認すると普通に平日であり急がなければ講義に遅れてしまうのだ。直ぐに向かわなければならないと慌てた俺は飛び起きて自室から洗面台に向かった。そしてそこで漸く気がついたのだ。
鏡に移っている姿は誰だ?
鏡の向こうには見慣れた平凡な顔ではなくなり目じりが鋭くそこそこ整った少年の姿が映っていた。
背格好からして中高程度だろうか。思わず顔に手を持っていくと鏡の向こうの少年も同じように手を伸ばしていた。ここまでくれば理解しないわけにはいかない。鏡の姿は俺だ、俺の姿なんだ。
その日は一日自宅に居て何か無いか探し続けていた。
今の俺の名前すら知らないのだ、生活習慣や学校もしくは仕事がどんなものなのかを知らないのはキツイ。そのため何か証明証が無いか探し始め、それは簡単に見つかった。
自室を調べ終え一階に下りてみるとリビングの机の上に封筒が置かれていた。恐る恐る中身を見てみると一つの手紙と通帳、更に保険証と学生証が一緒に入っていた。
どうやらこれらは俺の物になるらしいのだが何時の間に写真を撮ったのだろうか制服姿の俺が貼られていた。
今度は手紙の方を確認すると中には意味不明なことばかり書かれていた。
『小波遊羅様へ
これを読んでいるということは無事に転生が済んだということだろう。
君は覚えていないだろうが君は前世で死亡し望んでこの世界に来た。
夢だと思っているのならば君の自室にあるデュエルディスクを持ち外に出てみるがいい。
選別代わりに君が持っていたカードを全て其方に送ってあるのでそれでデュエルは出来るだろう。
現状は君は両親から離れ一人でこの舞網市に引っ越してきたことになっている、そして同封されているのは君の保険証と学生証だ。
学校自体は4月に入ってから始まる為それまでにこの世界に馴染んでおくのだな。
通帳には定期的に決まった金額が振り込まれるようになっているため当面の金銭の心配はしなくてもいい。
ただし何時までも振り込み続ける訳ではないので当てにしないようにな。それでは第二の人生を楽しむといい。
――――より』
という内容だった。
正直頭が可笑しいのではないかと思ったが実際に窓越しに外を見て驚愕した。
至るところに遊戯王のモンスターをモチーフにした看板などが上がっておりどこも○○教室という書き方をしていたのだ。間違いなくこれらはARC-Vの世界のものだった。
自室に戻ってみると今まで気がつかなかったがカードケースの上に少々大きめなスマートフォンが置かれておりそれを左腕に装着するとあのARC-V式のデュエルディスクとなったのだ。
ここまで常識を逸脱した状況ならば信じざる終えないだろう。俺はその日中何も考えられなかった。
そして次の日になって漸く落ち着き、現状を受け入れた。全てを受け入れたわけではない、そもそも受け容れられるわけがない。
だがどう嘆こうともどうすることもできないのだ。ならば今はこの世界でどうにか生きていく術を見につけなければならなかった。
幸いなことに現環境は上々で俺は高校1年生になるらしい、これならコミュニケーションをとるのも問題ないだろう。これがもし途中とか転校生とかだったら少し難しかったかもしれないが・・・・。
取り合えず高校が始まるまで暫く時間がかかる、それまでにこの世界―恐らく遊戯王だと思うが―その世界の禁止制限(リミット・レギュレーション)などと現環境のカードプールを確認してデッキを組んでいこう。もしアニメ基準の世界だとしたら色々と面倒そうだからな。
「はぁ・・・・・・俺この世界でやっていけるのだろうか」
色々な不安を感じながら俺は着替えと済ませカードショップへと足を運んだ。