俺はコナミ君 作:クエン酸ドラゴン
いやぁ~難産でしたわ。DDD使わないものだから効果が分からなくてWIKIに頼りがちで。
今回で大会は終了。暫くは次の展開を考える為に更新期間が開きます。
次回更新した時にお会いしましょう。それでは・・・。
会場内は全席埋まっており座っている観客達は今か今かとざわつきながらフィールド内を見る。
その抑えきれない興奮を感じたのかMCも生唾を飲み込みながら声が震えないように微調整する。
1分・・・2分・・・3分・・・
予定時刻に向かって時計の針は進んでいく。試合開始時間になればここにいる観客達はどのような絶叫と歓声を挙げて選手達を迎えるのだろう。
単なる歓喜か?それとも恐怖心からくる嘆きか?
いいや違う、ただ渇望しているだけだ。ここにいる者達は皆未知なるモノに興味を惹かれているだけだ。
皆の予想外な戦法とカードの使用法で幾多の強敵を瞬殺していった少年、「小波遊羅」。
未知なる召喚法を用いて順調に勝ち上がってきた少年、「赤馬零児」。
この二人がこの大会でこのバトルフィールドで己の全てを引き出して互いに刃を当て勝利を掴もうとする。
そう想像するだけで彼の興奮は抑えきれなかった。
彼も、MCであるニコ・スマイリーでさえ今では1人の観客としてその勝負を心待ちにしていた。
・・・・・・・・そして、そのときが訪れる。
突如スタジアムの電源が落ちたと思うと2つのスポットライトが選手入場口を照らしだしていた。
ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・
大会側が用意したであろうBGMが会場内に鳴り響く。それは観客の心音とクロスしまるで己から聞こえてくるような錯覚さえ与えた。
ニコは選手の準備が出来た合図だと知っているため徐ろにマイクを握りしめる。
そして、
『皆様!長らくお待たせいたしました!!今宵の舞網大会の最終試合、Aブロックを圧倒的な力を持ってして突破した「独裁帝王」、小波遊羅と!様々な召喚法を駆使し変幻自在に戦うデュエリスト、「錬金術士」赤馬零児の二名の入場でぇぇぇぇぇすッ!!!』
スモークが勢い良く吹き上がり入り口を隠す、しかしその奥に二人の少年の姿が影として映しだされているのに皆は気づいた。そしてスモークが晴れていくとゆっくりと二人はフィールドへと歩みだした。
ゴゥッ!!
二人の姿を目にした途端、観客達は大声で歓声を挙げて選手たちを讃えていた。
片方ではコナミに対する声援でありその内容は過激なものが多い。
どうやらコナミの圧倒な力とタクティクスに半数の観客は心を奪われたようだ。
対する赤馬への声援も負けず劣らず過激である。
コナミの今までの戦い方を良しとしない観客達が未知なる召喚法を使用する赤馬に対し期待を込めてのモノばかりである。
しかしその観客の声すら今の二人には到底耳に入っていないようだった。
ただ無言で各々の位置につきMCの指示を待っていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
会場内の緊張は高まり続ける。そして運命の時間が遂にやってきたのだ。
『・・・・・・・それではお待たせいたしました。決勝戦を開始いたします!ルールはスタンディングデュエル、ライフは互いに4000!・・・・・・・・・・・・・・・・デュエル開始ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』
『デュエル!!』
小波遊羅VS赤馬零児
コナミLP4000
赤馬LP4000
先攻は赤馬からだ。
「私のターン・・・手札から地獄門の契約書を発動する。
これにより(1)の効果によりデッキからDDモンスターをサーチ!・・・・私はDDリリスを手札に加える。
そして永続魔法、魔人王の契約書を発動!手札のDDリリスとDDケルベロスを融合!
冥府に渦巻く炎の中で、今1つとなりて新たな王を生み出さん!融合召喚!!生誕せよ、烈火王テムジン!!!」
青と赤が交じり合うエフェクトの中に2体のモンスターは飲み込まれそして炎を纏った人型の悪魔が赤馬のフィールドに降臨する。
融合モンスターが召喚されると会場は一気に盛り上がっていく。
『赤馬選手、先攻からDDD融合モンスターを召喚しました!既にフィールドが出来上がりつつあります!』
「私はカードを2枚伏せてターンエンド」
手札を全て消費して赤馬のターンは終了する。
「俺のターン・・・ドロー!」
コナミがカードを引きその内容を確認する。カードを確認すると同時に笑みを浮かべていた。
「俺は手札から魔法発動、調律!この効果によりデッキからシンクロンと名のつくチューナーモンスターを1枚手札に加える!」
「何ッ!?」
ここに来て漸く赤馬の表情が変化した。彼にとってまさかコナミがチューナーモンスターのデッキを組んでいるとは思いもしなかったのだろう。
これには観客も困惑したような声を上げる。
『ななな、なんと!?コナミ選手がチューナーモンスターを手札に加えました。これはもしかして、もしかするかもしれません!』
「俺はデッキからジャンク・シンクロンを手札に加える。
そしてデッキをシャッフルしデッキトップを1枚墓地に送る。
・・・墓地に送られたのはレベル・スティーラー!そして手札からジャンク・シンクロンを召喚!
効果発動、墓地に存在するレベル2以下のモンスターをフィールドに特殊召喚する!」
「1枚で展開出来るモンスターか・・・」
コナミが使用したモンスターの恐ろしさを理解した赤馬はジャンク・シンクロンを警戒する。
「続けるぞ、墓地から特殊召喚に成功したとき手札からドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」
黒い衣服に身を包み銃火器を持ったモンスターが登場する。これにより場のレベルは合計6となった。
「・・・行くぞ!俺はレベル2ドッペル・ウォリアーにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!
集いし星が新たな力を呼び起こす、光差す道となれ!シンクロ召喚、いでよジャンク・ウォリアーッ!!」
機械仕掛けの空飛ぶ戦士がコナミのフィールドに登場する。
「攻撃力2300・・・」
「ここで墓地に送られたドッペル・ウォリアーの効果発動!シンクロ素材として使用されたとき攻守400のドッペルトークンを2体特殊召喚する!」
「更に素材要因を残すだとッ!?」
「そしてジャンク・ウォリアーの効果発動、フィールドに存在するレベル2以下モンスターの攻撃力の合計分ジャンク・ウォリアーの攻撃力をアップさせる!パワー・オブ・フェローズッ!!」
フィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの合計値は1400。これを加算され攻撃力は3700となった。
「更に手札からクイック・シンクロンの効果発動、手札のジェット・シンクロンを墓地に送りフィールドに特殊召喚する!
このモンスターはシンクロンモンスターの代わりに固定チューナーとなる。
これにより俺はロード・シンクロンを選択する。俺はレベル1レベル・スティーラーとレベル1のドッペルトークン2体とレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!!」
「集いし希望が新たな地平へいざなう、光差す道となれ!シンクロ召喚、駆け抜けろロード・ウォリアーッ!!」
その叫びと共に巨大な機械仕掛の戦士がフィールドに登場する。
観戦席で見ていた麗華達も流れるように展開していくコナミのフィールドに呆然とする。
「攻撃力3000に攻撃力3700・・・・」
「このモンスターが2体とも通れば・・・」
「コナミの勝利よ!」
しかしその場を見つめるコナミは無表情のままだ。内心でここで終わることはないと理解しているのだろう。
「・・・・バトルだ、ジャンク・ウォリアー!烈火王テムジンに攻撃!」
拳を振り上げて撃ち抜こうとし・・・
「カウンター罠発動!攻撃の無力化。これにより攻撃を無効にしバトルフェイズを終了させる」
拳がモンスターに当たる瞬間にその空間が歪んでいく。
『おぉぉっと、赤馬選手は防御罠を発動してこのターンでのワンキルを防いだァァァ!』
「・・・・・俺はメイン2に移行する。
そしてロード・ウォリアーの効果発動、デッキからレベル2以下の戦士又は機械族モンスターを特殊召喚する。
俺はボルト・ヘッジ・ホックを守備表示で特殊召喚!」
ボルトを身体につけたハリネズミが防御の体制で特殊召喚された。
「俺は手札を2枚伏せてターンエンド」
コナミも手札を全て消費しターンを終えた。
互いに未知なる召喚を駆使した必死の攻防に観客のテンションは高まり続けている。
「私のターン、ドロー!そしてスタンバイフェイズにより契約書のデメリット効果により私は2000ポイントのダメージを受ける。・・ッッ!
―――そして私は地獄門の契約書の効果発動!これにより私はDDナイト・ハウリングを手札に加える!」
LP4000→2000
2000ライフという膨大な資金を支払い契約を続行させた赤馬。そしてその効果を再び使用し手札に加えたのは口をだけの悪魔モンスターだった。
「そして私は先ほど手札に加えたチューナーモンスター、DDナイト・ハウリングを召喚し効果発動!
墓地のDDモンスターを対象にして発動し自分フィールドに特殊召喚する。
この効果によりこのモンスターの攻守は0となり破壊されれば1000ポイントのダメージを受ける。
更にこのターン私は悪魔族モンスター以外の特殊召喚を封じられる。
しかしシンクロ素材とするのならばこのリスクは意味が無い。私は墓地のDDリリスを特殊召喚!」
口が地面を噛みだしたと思うとその空間が歪み中から悪魔の妖婦が姿を表した。
これでレベル4と3が並んだことになる。
『これで赤馬選手のフィールドにチューナーモンスターが現れた!もしかしてもしかすると出て来るのかぁぁ!?』
フィールド上に並ぶ2体の悪魔モンスターに観客は好気な視線を送る。次に何が起こるのか見逃さないように集中していた。
「私はレベル4のDDリリスにレベル3のDDナイト・ハウリングをチューニング!
闇を切り裂く咆哮よ、疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!シンクロ召喚、生誕せよレベル7疾風王アレクサンダーッ!!」
竜巻を纏いながら白銀の鎧を身に纏った悪魔が赤馬のフィールドに降り立つ。
これによりテムジンに動きが生じる。
「ここでテムジンの効果発動!墓地のDDモンスターを特殊召喚する。
この効果によりDDリリスを特殊召喚!そしてアレクサンダーの効果発動、このカード以外のモンスターが特殊召喚された場合墓地のレベル4以下のDDモンスターを特殊召喚する!
現れよDDケルベロス!」
何度目かの妖婦と番犬の登場である。この手のデッキ故仕方ないと思うもコナミは苦い表情する。
『これによりレベル4が2体となったぁぁぁぁぁ!』
「・・・・期待してもらっているところ悪いが今回はエクシーズではない。
魔神王の契約書の効果発動!フィールドのDDリリスとDDケルベロスを融合!
怪しき妖婦よ、地獄の番犬と混ざりて真の王と生まれ変わらん!融合召喚!神の威光を伝えし王、神託王ダルクッ!!」
悪魔の翼を広げた青白い肌の女性がレイピアを振り上げて赤馬のフィールドに舞い降りる。
『これによりシンクロ1体、融合2体の大型モンスターが3体並んだぁぁぁ!
しかしどのモンスターも攻撃力は3000を超えていない、コナミ選手のフィールドをどうやって攻略するのだろうかぁ!!』
「確かにこのままでは太刀打ちすら出来ないだろう。だが、これならばどうだ?永続罠発動!戦乙女の契約書!(1)の効果により手札のDDパンドラを墓地に送りフィールドのカードを1枚破壊する!私が選択するのはジャンク・ウォリアーだ!!」
罠カードから真っ白な羽のエフェクトが現れるとそれは勢い良くジャンク・ウォリアーに突き刺さっていった。
「ぐおぉぉぉっ!?」
「ジャンク・ウォリアー!?」
「バトルだ!テムジンでボルト・ヘッジホッグを攻撃!」
テムジンが持った武器を持ってしてヘッジホッグを破壊する。
「続けたいところだが今の私の場のモンスターでは君のモンスターを倒す事ができない、私はここでターンエンド」
仕留め切れなかったことに苦く思うもこれ以上の追撃は不可能なため赤馬は終了する。
「俺のターン、ドロー!」
このターンで逆転出来るカードを引かなくては次で負ける。そう確信してコナミはカードをドローした。
「因みに、言っておくがこの戦乙女の契約書は相手のターン時自分の悪魔族モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる」
テムジンATK2000→ATK3000
アレクサンダーATK2500→ATK3500
ダルクATK2800→ATK3800
しかし赤馬のフィールドがソレを許さない。
「・・・俺はロード・ウォリアーの効果発動デッキからマッシブ・ウォリアーを守備表示で特殊召喚・・・このままターンエンド」
手札を1枚残してこのターンを終了させる。
「よし、これで赤馬は契約書のデメリット効果により3000ポイントのバーンダメージを受けるわ!」
ツァンは先ほどのターンを防いだことでこのターンでのコナミの勝利に喜ぶ。だが他の二人は未だに苦い顔をしたままだった。
「・・・・・でもあの赤馬がなんの対処もしてないとは到底思えないわ」
「それはコナミ様も同じ考えらしいです。見てください、次の追撃に対してコナミ様は構えている」
「私のターン、ドロー。・・・ここでスタンバイフェイズに私は3000のバーンダメージを受けることになる。
―――だがダルクの効果発動!私に与える効果ダメージはライフ回復効果になる!これにより私は3000ポイント回復する!」
赤馬LP2000→5000
『赤馬選手、デメリットをメリットに変える効果により一気に優位にたった!
これにはコナミ選手も苦しいのではないのでしょうか!?』
「そして私は地獄門の契約書の効果発動、手札にDDモンスターをデッキから手札に加える。
私はDDリリスを手札に加える。そして手札からDDリリスを召喚。
これによりアレクサンダーの効果発動!墓地のDDケルベロスを特殊召喚!そして2体のレベル4モンスターでオーバーレイ!
この世の全てを統べるため、今世界の頂に降臨せよエクシーズ召喚!生誕せよランク4!怒濤王シーザー! 」
滝の奥から勢い良く大剣を振り回しながら紫色の悪魔が登場する。
「ここでテムジンの効果を発動!墓地のDDケルベロスを特殊召喚!更に魔神王の契約書の効果発動!
フィールドのDDD疾風王アレクサンダーとDDD烈火王テムジンを融合!」
2体の王を飲み込みながら激しい覇気を纒う一体の悪魔が姿を現す。
「神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで新たな世界を切り拓け!融合召喚!出現せよ、極限の独裁神、怒涛壊薙王カエサル・ラグナロクッ!!」
巨大な玉座に座りコチラを見下ろす姿は正にDDD達の王といっても過言ではなかった。それほどまでの覇気を放つモンスターである。これの登場に観客達は押し黙りその圧に萎縮してしまった。
麗華達も同様にである。
「バトルだ、先ずは神託王ダルクでマッシブ・ウォリアーを攻撃!」
「ッ!!・・マッシブ・ウォリアーは戦闘では1度だけ破壊を間逃れる!」
ダルクのレイピアにより今度こそつき貫かれた。しかしその攻撃を耐え依然として佇むマッシブ・ウォリアー。
「ほう、破壊耐性持ちのモンスターか・・・ならばシーザーでもう一度マッシブ・ウォリアーを攻撃!」
「くっ!マッシブ・ウォリアーは破壊される」
シーザーの大剣の一閃により一刀両断されるマッシブ・ウォリアー。
「続けてこれだ!カエサル・ラグナロクでロード・ウォリアーに攻撃!ジ・エンド・オブ・ジャッジメントッ!!」
カエサル・ラグナロクの攻撃力は3200。この攻撃が通ればロード・ウォリアーは破壊されてしまう。だが・・・
「断ち切らせはしない!罠発動、くず鉄のかかし!」
2体の間にくず鉄で作られたかかしが突如出現してカエサル・ラグナロクの攻撃を防いだ。
「何?」
「攻撃反応型の罠だ。これによりカエサル・ラグナロクの攻撃は無効となった。そしてこのカードは再びセットする事ができる!」
「・・・・・・ならばメイン2に移行し手札のDDスワラル・スライムを墓地に送りその先ほどセットしたくず鉄のかかしを破壊する。これでターンエンドだ」
再び手札を全て消費し赤馬の猛攻は終了した。
何とか一時を退けるもコナミの現状は厳しいどころではない。フィールドにはカエサル・ラグナロクを含む三体の大型モンスターにDDケルベロスの計4体。更に言えばライフポイントも5000もあるという状態だ。
絶対絶命、それがこの場に置いて正しい答えだろう。
――――――そんな状態に陥っても、
「・・・・・・」
コナミの闘士は燃え尽きてはいなかった。それどころか更に燃え上がり顔には自然と笑みを浮かべていた。
これまでのデュエルでこれ程まで追い詰められたことはなく同時に苦戦したことは一度足りとも無かった。
だがこの瞬間、この場所でコナミは今までで最も楽しいと感じていたのだ。
「(これだ・・・・この緊張感、これだから遊戯王を・・・デュエルを辞められないんだ。
どんなに言われても恐れられてもその中で互角以上に戦える者と出会うこの瞬間、それだけで今までのことなんかどうでも良くなる。
ただ、―――――――勝ちたい。あの少年に、赤馬零児に勝ちたい!カードよ、デッキよ!俺に力を貸してくれ!!)行くぞ、零児!!俺の、タァァァァァァァンッッ!!!」
吠えるようにデッキからカードを引き抜く。
そしてそのカードを見て、・・・・・・・・・・・・・・・・カッとコナミの目は見開いた。
「俺は墓地のレベル・スティーラーの効果発動!ロード・ウォリアーのレベルを1下げて墓地から特殊召喚する!」
てんとう虫のようなモンスターがロード・ウォリアーの肩に止まり鎮座する。
「そしてもう1枚のセットカードを発動、エンジェル・リフト!墓地のレベル2以下のモンスターを特殊召喚する!俺はジェット・シンクロンを特殊召喚!」
「そして俺はレベル7となったロード・ウォリアーにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!
集いし願いが新たに輝く星となる、光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴンッ!!」
巻き上がる光の粒子はやがて台風のごとく吹き荒れる。その中心には緑色の粒子を振りまきながら出現する一体の竜の姿が映し出されていた。
「――――綺麗」
誰の言葉か分からないがその言葉はこの会場皆の思った言葉だった。
誰もが、対戦相手の赤馬でさえその白い竜に見とれていた。
「更に手札の魔法カードハーピィの羽箒を発動!これにより相手の魔法罠を全て破壊される!」
「クッ・・・これにより私は契約書3枚が破壊される!」
これで赤馬のバックはゼロとなった。
「続けて魔法、貪欲な壺を発動!これで墓地のジャンク・ウォリアー、ロード・ウォリアー、ドッペル・ウォリアー、クイック・シンクロン、ボルト・ヘッジホッグをデッキに戻しシャッフル!
そして2枚ドローする!」
コナミはデッキから2枚カードを引き抜く。
「そして手札1枚を捨てることにより墓地からジェット・シンクロンの効果発動!
このモンスターを再び特殊召喚する!この効果を使用した際、ジェット・シンクロンはフィールドを離れると除外される」
これによりフィールドにレベル1モンスターが2体並んだ。
「俺はレベル1レベル・スティーラーにレベル1ジェット・シンクロンをチューニング!集いし願いが、新たな速度の地平へと誘う、光差す道となれ!シンクロ召喚!希望の力シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンッ!!」
F1のようなフォルムのモンスターがフィールドに登場する。
「シンクロチューナー?!そんなカードはまだッ・・・!」
新たなモンスター、フォーミュラ・シンクロンに驚愕する。だが・・・
「フォーミュラ・シンクロンの効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功したときデッキからカードを1枚ドローできる!
ドローッ・・・・・・・・・・。―――――――――――」
「・・・?」
無言となり俯いたコナミの様子に赤馬は気付き疑問を抱いた。
それは観客達にも伝わりざわつき出すがそれは直ぐに驚愕の沈黙へと変わっていく。
風がコナミを中心に吹き出したのだ。
モンスターの登場エフェクトではなくコナミ自身から風が吹いている、そう感じられた。
最初に気づいたのは赤馬であった。そしてその風が徐々に強くなり自身の巻いているマフラーが靡き出しているのを見て息を飲む。
一方コナミには何も聞こえなくなっていた。ただ瞳を閉じその2体のモンスターから聞こえる鼓動を感じていた。
「(これは・・・この空間は遊星が到達した場所に似ている。まるで俺自身が風になったかのように・・・)」
視線を上げるとそこには1枚の白い枠のカードが浮遊している。そしてそこに薄っすらと白い竜の姿浮かび上がっていた。
コナミは知っていた。そのカードを・・・そして理解してしまった。今己のいる場所を・・・・。
明鏡止水とも呼べるその何をも感じずにいる澄んだ心。それこそがこのカードに至る唯一の方法だった。
今まで感じたことのない激戦とピンチの中興奮を超え、無我の境地に至ったことでこの力を手に入れることに成功した。
またの名を・・・なにものにも揺るがなき境地、『クリアマインド』という。
「ッ!!」
勢い良く瞼を開きコナミ高らかと腕を掲げた。それと同時に吹き続けていた風は突風となり上空に吹き荒れていく。
「くぉぉぉぉぉッ!?」
『きゃぁぁぁぁぁッ!!』
突然の突風に耐えようとする赤馬と帽子などを抑える観客たちは見ていなかった。
コナミの身体に薄っすらと白銀のような輝きが纏われていることに・・・・・。
「クリアマインドッ!レベル8スターダスト・ドラゴンにレベル2フォーミュラ・シンクロンをチューニング!
集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く、光差す道となれ!アァクセルシンクロォォォォッ!!」
その突風はスターダストの撒く粒子によって緑色がかりその中に2体のモンスターが突入していく。
そして・・・・
「・・・・ッ!消えたッ!?」
コナミだけを残してフィールドに居た2体のモンスターは姿を消していた。
「生来せよ!シューティング・スター・ドラゴンッ!!」
フィールドにモンスターカードをセットすると同時にコナミの後方に空間が広がる。
そしてそこから勢い良く白いドラゴンが飛び出し相手フィールド上を突っ切っていった。
これには赤馬の場のシーザーもダルクもそしてカエサル・ラグナロクも怯んだ。
「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!デッキから5枚カードをめくり、その中にあるチューナーモンスターの数だけ攻撃できる!」
「カードの枚数だけ攻撃可能・・・」
「もしこれで5枚とも引けたら・・・・・遊羅の勝利が決まる」
「でも、5枚ともチューナーなんて確率的にも・・・・・」
3人はコナミの出したモンスターに感嘆のため息をつくもその余りにも博打な効果に思わず悲観的な思いをしてしまう。
「―――最後の大勝負というのか。いいだろう・・・かかってこい!」
好戦的な笑みを浮かべている赤馬。
それに答えるようにコナミも深く笑みを浮かべる。そして一気に表情を引き締めデッキトップに指を置いた。
「行くぞ!先ず1枚目、チューナーモンスター、ジャンク・シンクロン!」
これで1回の攻撃は確実に発生する。
「2枚目、チューナーモンスター、クイック・シンクロン!」
2回攻撃が可能となった。
「3枚目、チューナーモンスター、デブリ・ドラゴン!」
「うそ・・・これまでストレートなんて」
ツァンは今日何度目か分からない驚愕の声を漏らした。
それは3人共同じ思いらしく誰も口にせずにフィールドを見守り続ける。
「4枚目、チューナーモンスター、アンノウン・シンクロン!」
『これで四回攻撃が可能となりました!次が最後のドローです!!』
今まで黙り込んでいたMCも興奮のあまりマイクを強く握りしめている。
緊張が会場内を走る。
その1枚に皆が集中していた。
「これが最後のドローだ!5枚目、・・・・・・・チューナーモンスター、エフェクト・ヴェーラー!」
「合計5回の連続攻撃だと!?」
なんという引きをしているのだと赤馬は驚愕し・・・・そして賞賛した。
この手札にあのドラゴンを防げる手段は残されていなかった。
(・・・・・これ程のデュエリストがこのスタンダードに居たとは、彼は一体。
――いや彼は邪な考えを持っていない。
デュエルを通じてソレは良く分かった・・・次こそは勝たせてもらうぞ。小波遊羅!)
「バトルだ!シューティング・スター・ドラゴンで怒涛壊薙王カエサル・ラグナロクに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!!」
空中で5体に分裂しその内の一体がカエサル・ラグナロクの胴体に突撃した。
これによりカエサル・ラグナロクは爆発し攻撃力の差のダメージが赤馬を襲う。
「クッ!」
赤馬LP5000→4900
「二回目の攻撃、怒涛王シーザーに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」
「ぐぅぅッ」
赤馬LP4900→4000
「三回目の攻撃、神託王ダルクに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」
「うぐぅぅ!」
赤馬LP4000→3800
「四回目の攻撃、DDケルベロスに攻撃!スターダスト・ミラージュッ!」
「ぐぉぉぉぉッ!?」
赤馬LP3800→2300
これで赤馬のフィールドは空になった。最後の攻撃が決まればその瞬間に勝利が確定する。
「行っけぇコナミ!」
「決めなさい!遊羅!!」
「コナミ様ッ!!」
「これがラストだ!シューティング・スター・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!スターダスト・ミラージュッ!!!」
「――――フッ・・・」
赤馬LP2300→0
最後の攻撃が通りその後直ぐにリアルソリッドヴィジョンが切れた。
そして暫くの沈黙の後・・・・
『ワァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!』
衝撃のように観客席に居た観客達が湧き上がる。今までのコナミの行動など忘れて皆が最高のデュエルに賞賛を送った。
『決まったぁぁぁぁぁ!!決まりました!
長く険しい戦いの終え見事勝利という栄光を収めたのは数多のデッキを駆使し最後にはシンクロ召喚を主軸としたデッキを使用したデュエリスト、
「独裁帝王」小波遊羅が優勝しましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!』
コナミはその観客たちの歓声をただ静かに受け入れていた。そして静かに拳を突き上げ勝利したという意思表現を示した。
こうして世界に対し新たな召喚法と共に新しいプロデュエリストの産声を上げた。
後に疾走帝王と呼ばれる彼、小波遊羅の名が世界中に広まった瞬間であった。
コナミ君は揺るがなき境地-クリアマインド-を手に入れた。
コナミ君はフィールを手に入れた。
おめでとう、小波君はデュエル脳Lv3に進化した!
その内疾走決闘とかしだしそう。あのなんでもあり展開を私は書けるだろうか・・・・・・ムリポ(震え声)