勝平アフター   作:猫林13世

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相変わらずのカオス料理……


椋の料理の腕

 写真を撮るのは、とりあえず僕のリハビリが終わり就職先が決まったらと言う事で落ち着いた。でも一人で悩んでたのに、なんだかあっさり決まったなぁ……

 

「そういえば勝平さん」

 

「ん? 何、椋さん」

 

 

 僕からの話が終わったのを見計らって、今度は椋さんから何か話があるようだった。

 

「勝平さんはお姉ちゃんと岡崎君の関係を如何思います?」

 

「朋也君と杏さんの? ……仲は好さそうだよね。あと息も合ってる」

 

 

 この間の春原君弄りは絶妙なコンビネーションを見せてくれたし、普段からあの二人が素の自分を出せているのは互いがいる時だけだと思っている。

 

「勝平さんも気づいてるとは思いますけど、お姉ちゃんは岡崎君の事が好きなんです」

 

「へぇーそうなんだ……? えぇ!?」

 

 

 しれっと椋さんが言ったからあまり大した事ではないのかと思ってしまったが、少したって重大な事だった事に気がついた。杏さんが朋也君を好き? いったいいつからなんだろう……あとその事を朋也君は知ってるんだろうか?

 

「その反応……まさか勝平さん、気づいてなかったんですか?」

 

「う、うん……だってあの二人は出会った時からあんな感じだったし……それに朋也君もそんな事気にしてない感じだし……」

 

「まぁおそらく岡崎君も気づいてないでしょうけど……だってお姉ちゃんは高校時代から岡崎君の事が好きなんですもの」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 

 と言う事はだよ? 僕と出会った時には既に杏さんは朋也君の事が好きだったんだよね? それなのにあの二人は僕と椋さんの事を気にしたりしてたの? 自分たちの事は棚に上げて?

 

「岡崎君、高校時代は結構モテてましたし……まぁ直接誰かが告白した、と言う事は聞きませんでしたけど」

 

「ひょっとして椋さんも?」

 

「えぇ……ですが、勝平さんが私の運命の人でしたし……」

 

「う、うん……そうだね……」

 

 

 あまりにストレートな表現に僕と椋さんは揃って頬を真っ赤に染めてしまった。言われた僕は兎も角、言った椋さんまで真っ赤になるなんて……結婚してもう何年目なんだよ、って朋也君がいたらツッコまれそうな展開だ。

 

「如何やら勝平さんが悩んでる時に岡崎君に色々相談していたようですし、今度は私たちが岡崎君とお姉ちゃんの恋を応援する番だと思うんですよね」

 

「そうだね! 朋也君にも、杏さんにも色々相談に乗ってもらったし、今度は僕たちがあの二人の幸せを後押しする番だよね!」

 

 

 椋さんと二人意気込んで、僕はとりあえず話しやすい朋也君を部屋に呼ぶ事にした。何故杏さんじゃないのかというと、こんな事言い出したら椋さんと僕、揃って怒られそうだったからだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋に来た朋也君に僕たちの思いを伝えると、朋也君は苦笑いを通り越して呆れ顔を浮かべた。

 

「自分たちの事もままならないのに人の事にちょっかい出すのか? だいたい杏もいい迷惑だとか言うぞ、絶対」

 

「「あうぅ……」」

 

 

 朋也君に呆れられて、僕と椋さんは揃って肩を落とす。せっかく決意したのにあっさりと拒否されるなんて……しかも確かに朋也君の言うとおりなんだけど……

 

「それで? お前らの結果はどうなったんだ?」

 

「うん……とりあえずは僕のリハビリが終わって就職先が見つかったらって事になった」

 

「そっか……まぁ椋がそれで良いなら良いんじゃね? 勝平だって無理はしたくないだろ?」

 

 

 朋也君が買ってきてくれた惣菜を椋さんがお皿に移している間、朋也君は僕の気持ちを言い当てた。確かに無理をして椋さんに負担はかけたくないし……そもそも、今僕は収入が無いし貯金も無いのだ。これ以上椋さんの稼ぎに甘えるのは避けたい。

 

「そういえば岡崎君、この部屋に来る時何時もおかずを持ってきてくれますが、たまには私の料理も食べて下さいよ。勝平さんも美味しいって言ってくれますし」

 

「そ、そうか……おい勝平、ちょっと来い」

 

「う、うん……」

 

 

 朋也君に廊下に誘われて僕はその後に続いた。椋さんには見えなかったのだろうが、今の朋也君の顔はなかなか怖い……

 

「お前、真実を言ってやるのも優しさだと思うぞ」

 

「で、でも……お弁当箱を開けたら空から鳥が降ってきた時と比べれば大分……」

 

「基準が低すぎだ!」

 

「あうぅ……」

 

 

 朋也君に小突かれて僕は情けない声を漏らす。確かに朋也君が言っている事は最もだと僕も思う。だけども椋さんが僕の為に一生懸命作ってくれた料理を残すなんて……僕にはそんな事出来ないのだ。

 

「杏や俺の事を考える前に、お前の嫁さんの料理の腕を何とかする方が先だろ。このままじゃいずれ死ぬぞ」

 

「そ、そこまで我慢してるつもりは……はい、何とかします……」

 

 

 朋也君に睨まれて、僕は大人しくいうとおりにする事にした。普段優しい朋也君ばかりだったから忘れてたけど、高校時代は不良だと言われてたんだった……実際に喧嘩とかをしてた訳ではないんだろうけど、睨まれたら怖いのは確かだ……僕の方が年上なのに、朋也君は容赦ないからなぁ……




勝平と朋也以外が食べたら死ぬんじゃないだろうか……
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