「で、ルーサー、オリ主を探すのはいいけど、何か当てはあるのかしら?提案した私が言うのもなんだけど、さすがに当てずっぽうで探すのはどうかと思うわ」
森を抜ける為にルーサーと共に歩いていたアブソリュートはふとした疑問をルーサーにぶつける。
「取り敢えず当てはある。まず、オリ主の特徴を言ってくれないか?」
「ええと・・・オリ主の特徴と言えば・・・鈍感、ハーレムになりやすい、お人好しが多い、自分から、もしくはなし崩しに事件を解決する・・・かしら。考えてみれば凄い特徴よね」
「うん、それについては俺も同感だ。踏み台になったから分かったことだけど、人間っていうのは基本的に欲深いものだ。なんでも叶えると言われたら、自らの望むままに叶えたいのが当たり前だろ?それをあまり望まない人間というのも相当珍しいと思うな」
「多数の好意に気付かないのも凄いわね。・・・いっちゃなんだけど、オリ主になれる人物はある意味、どこか欠陥を持っているのではないかしら?」
「あくまでも俺達の感覚での話たがな、っと少し脱線したな。で、俺が注目したのは自分から、もしくはなし崩しに事件を解決する点だ。事件を解決するということは、有名になるのにも繋がるしな。オリ主はおそらく、次々と事件を解決していく・・・ということは」
「その分だけ有名になり、情報が各地に広がっていく・・・ということね」
「そう、何もやみくもに探さなくてもいい。大きい町で情報を収集していけば、自然とオリ主に近付ける訳だ」
「なるほどね、確かに良い手だわ・・・ん、ルーサー、少し待って」
ルーサーと共に歩いていたアブソリュートは、突然立ち止まりルーサーに静止を呼び掛ける。
「?どうした、アブソリュート」
「・・・魔物の気配がするわ」
アブソリュートの言葉に表情が一気に険しくなるルーサー。
「・・・ここは比較的に魔物が少ない場所だと聞いたんだけどね」
「それでも、出るときは出るでしょ?運が悪いと思いなさい」
ルーサー達が溜め息をつくと同時に、魔物達が一気に躍り出る。大型の狼・・・ウルフが数匹、それより一回り大きいウルフが一匹、二人を威嚇する。
「で、どうするのルーサー?」
「こういのは強さに敏感だ、だったらそれを見せ付ければいい」
そういうとルーサーは一本の剣を取りだし、それを軽く振るう・・・
それだけで、ウルフ達の後ろにあった数本の木が倒れていた。
「・・・!?」
ウルフ達は後ろからの大きな音から、反射的に振り返る。その行為によって、ウルフ達 は木が倒れていたこと、そして、それをやっていたのは目の前にいる生き物であると把握した。
「・・・去れ」
そのルーサーの一言だけで力の差を感じたウルフ達は、怯えながらちりぢりに散っていくのだった。
「・・・さすがチート能力『身体最大』。軽く剣を振るうだけで木を薙ぎ倒せるなんてね」
「ま、精霊融合しなくては勝てないこの世界では無用の長物だけどね」
ルーサーはそういいながら、剣を鞘に納めようするが・・・
「・・・またか、また剣が折れている」
その剣はルーサーの力に耐えきれず、そのまま折れてしまったのだ。
「・・・貴方はもう剣を使うより殴ったほうがいいのじゃないかしら」
「・・・逆に俺の拳が壊れる。下手な身体強化は曲者だということがよくわかるよ、それよりももうすぐ森を抜けるぞ」
「分かったわ」
木ばかりであった場所はだんだん木が少なくなり。そして・・・
「・・・ようやく抜けたわね」
「ああ、ようやくだな」
森を抜けると、そこには辺り一面を見渡せる平原が広がっていた。
遠くにはたくさんの家と共に大きな城が見える。
「アブソリュート、あれが今回の目的地、優しき王オワシスが統治する国。ウンディネ だ」
「優しき王・・・あぁ、なるほどね。確かに魔王に最初に狙われそうなあの国ならばオリ主の情報もありそうね」
「ああ、さっそく向かうぞ」
二人は急いでオワシスが統治する国、ウンディネへ向かう。
優しき王オワシス、公平な政治をするため、民から多くしたわれており。また、王の人 柄から誰もが明るくなるというこの世界での大きな国の1つである。
「えっ?最近、何か大きな事件が起きことはないかだって?・・・あったねー、大きな事件が。この国の王女様・・・ミラシャ様っていんだけど。そいつが魔王の手先に誘拐されたんだ!だけど、その時現れた勇者様によって、ミラシャ様の危機は救われた!その時は国一斉で勇者様を歓迎していたよ!」
「あの時の勇者様はかっこよかったね~、なにせ魔王の手先に一歩も引かずに立ち向かったんだからね!」
「勇者様本当にかっこいい!私、勇者様に惚れてしまいそうだったわ!」
「えっ?その勇者様はどこに行ったって?知らないな・・・噂では北に向かったらしい けど」
「そういえば、ミラシャ様も一緒に着いていったっていう噂もあるわ」
「ん?勇者様の特徴を教えてくれって?ははぁ、さてはキミもファンだな?私もだよ! 勇者様の特徴はだな・・・」
「で、町の人達から情報を聞いた結果、分かったのが」
「一ヶ月前に魔王の手先が王女様・・・ミラシャ様を拐ったが、勇者・・・おそらくオリ主がそれを解決した。 そして、勇者(暫定オリ主)はミラシャ様と共に北に向かったという噂がある」
「それと、勇者の特徴は黒い髪に、黒い瞳、それから動きやすい服。お供として、魔法使いの女の子が一人、戦士の女の子が一人、僧侶の女の子が一人・・・で、さらに勇者にべったりくっついている、おそらく精霊の女の子一人・・・か」
「ねぇ、ルーサー・・・」
「分かっている・・・アブソリュート」
「・・・では同時に言いましょう」
「「オリ主、ハーレムの女の子多すぎるだろう(でしょ)が!」」
ウンディネで互いにオリ主に関する情報を集め、宿屋で情報を交換したさいにあまりの人数の多さに二人とも思わず叫ぶ
「もう、6人よ!?6人!これからまだ増える可能性があるというのに!」
「・・・・俺としては、いつオリ主が刺されるかどうか不安でたまらないな」
「というか、刺されなさい!むしろ刺されろ!そして気付け!」
「・・・刺されても気付かないと思うな、だってオリ主だし」
「・・・・・」
激昂していたアブソリュートだったが、ルーサーの一言により一気に冷静に戻る。
「・・・便利そうね、その言葉」
「・・・だな、さてとここから北と言えば・・・魔法の国、メイズだな」
「えぇ、ここから歩いて・・・ざっと5日といったところでしょうね」
「5日か・・・オリ主がまだいれば良いのだが」
「この作戦の欠点はどうしても後手になることね。空振りという可能性も高いわ」
「だが、下手に動きすぎて検討違いの場所に行くのも間違いだろう。それよりかは確実性をとったほうがいい」
「そうね、それに関しては私も同感よ」
「・・・そういえば暗くなってきたな」
ルーサーが呟くと同時にアブソリュートは窓を見る。見ると、日はもう地平線の彼方へ と沈みかけており、空の色も暗くなってきている。
「今日はもう休もうか、1、2日ここで休息した後、メイズへ向かう」
「そうね。異論はないわ・・・私も眠気が・・ふぁぁ」
アブソリュートは目を擦りながら、小さく欠伸をする
「・・・・」
「・・・?どうしたのよ」
「・・・ん、あぁなんでもない。じゃあ寝ようか」
「えぇ、お休みなさい」
ベッドに入った二人はそれぞれ思う
「(言えないな・・・)」
「(・・・からかおうと思って言おうとしたけれど、言えるわけないじゃない・・・)」
「(欠伸をするアブソリュートを見て)」
「(欠伸をした私を見ていたルーサーに向かって)」
「(可愛いなんて言うのは)」
「(欠伸、可愛かった?って言うのは・・・)」
「「(恥ずかしくてとても言えないな(わ))」
それぞれがそれぞれを思ったまま、夜が過ぎていく・・・
感想待っています。