「っと、この山ね、ルーサー」
「ああ、この山を抜けたら目的の国、メイズだ」
二人は天まで届くと思えるほどの高き山を見つめながら呟く、彼らの目的地、メイズはこの山に作られた洞窟の先にある。
「オリ主・・・いるのかしら」
「わからん、だけどとりあえず、メイズで情報を集めないとわからないな」
「・・・そうね、確かに行かないと分からないわ、ここで悩んでもしょうがないわね」
アブソリュートはオリ主がメイズにいるかどうか悩んでいるが、ルーサーの一言により、悩むだけ無駄だと気付かされる
「さぁ、行くぞ!」
「えぇ!」
二人は互いに言いながら、暗い洞窟へと入っていく
そこに思わぬ出会いがあるとは思わずに・・・
メイズへと抜ける洞窟、そこはいつも暗く、明かりがなければ通ることさえも困難な洞窟である。
「・・・暗いわね」
「あぁ、これは確かに明かりがなければ困難なわけだ」
ルーサーとアブソリュートは互いに火の魔法を唱えながら、洞窟の道を駆け抜けていく。
無論、こんな洞窟にはモンスターもかなりいるのだが・・・・
「ふんっ!」
「はぁ!」
ルーサーのチートスペック、そしてアブソリュートの魔法によりあっけなく蹴散らされていく
ある程度、進んだのちルーサー達は開けた場所へと来ることが出来た。
「ここは・・・・」
「さしずめ、休憩地点と言ったところかしら。回りに火をつけたようなあとがたくさんあるしね」
アブソリュートの言っていた通り、ここは旅人達が自然と作った洞窟の休憩地点である。火のつけたあとの他に近くには水の音がする。休憩地点にはもってこいの場所だろう。
「だったら、すこしここで休憩するか」
「賛成よ、ちょっと疲れちゃったしね」
ルーサーは近くにあった石に座り、アブソリュートはその隣に座り込んだ。
「・・・・そういえば、ルーサー貴方転生者でしょ?原作主人公について何かしらないの?」
アブソリュートはふと、いままで疑問に持たなかったことを問いかけた
「あぁ・・・それか・・・・・実は分からん」
しかし、ルーサーから帰ってきた答えは予想外のものであった
「えっ・・・?分からないってどういうことよ!?」
アブソリュートはルーサーは原作主人公については知っているものだと思っていた。だからこそオリ主と断定出来たのだと思っていたのだ
「いやな・・・俺が知っている限りは主人公は男・・・だったのだが」
「だったのだが?」
「・・・暫定オリ主についていた仲間が全員女性だったから全く分からないことになっている」
「・・・考えたくないけど暫定オリ主が原作主人公の可能性は?」
「ない、原作主人公は赤髪だった。黒髪だと合わない」
どうやら、ルーサーにとっても原作主人公は誰なのか、もしくはどこにいるのか全く分からない状況らしい、ゆえに分からないと答えたのだ
「・・・もしかして女体化とか?」
「・・・・その可能性が現状一番高そうだから困る」
「そ、そう」
アブソリュートが言った言葉に、ルーサーは真剣な顔で答えてしまった為、ついひきつった顔をしてしまったのだ
そんな時である
「しつこいぞ・・・コイツ!」
「すいません、タツヤ様。私がいるせいでこんなことに・・・」
「やらなきゃ、こっちがヤバイしな・・・ルラ!ソラノ!ローナ!祭壇の場所まで後どれくらいだ!?」
「まだまだあるよ!気を抜けないね!」
「まだ・・・敵たくさん・・・です」
「へっ、この程度問題ないぜ!」
「そんなわけだ、いくぞ、ミラシャ!」
「・・・はい!タツヤ様!」
《・・・むぅ》
洞窟の奥から無数の声が響いたのである
「・・・ルーサー!今の声!」
「あぁ!それにミラシャという名前、ビンゴだ!追いかけるぞ!」
ルーサー達はすぐに装備を整えたのち、声がするほうへと向かっていった
声がする方へとルーサー達が追いついた時、そこでは既に激戦が始まっていた。
「燃やしつくせ!『フィア』!」
「・・・光よ・・・『シャイ』・・です」
「いくぜ!『ストロングスマッシュ』!」
炎がモンスター達を燃やしつくし、光が浄化させ、斬撃が切り裂いていく、どれもが激しい攻防であったが、一番激しかったのはそれぞれのリーダーの戦いである
『ミラシャを渡せぇぇ!人間ガァ!』
「ミラシャは渡せねぇ!渡したら王様に殺されそうだしな!」
巨大な牙を持った蛇がオリ主・・・タツヤをその牙で貫かんとしたが、タツヤはそれを輝く剣で受け流し、そこからの反撃で逆に傷を与えていた
「・・・さすがオリ主と言ったところね、潜在能力もずば抜けているわ」
「あぁ、・・・本当にさすがだ」
そのオリ主の激戦の様子をルーサー達は見付からないようにと小陰で見つめていた。
「あとは・・・」
「オリ主が勝利したのをみたのち、こっそり着いていくだけだ。まさかこんなに早く目的達成とはな」
二人は早くも達成された目的に半分笑顔になりながら、見届けていた。
『おのれおのれおのれ人間ガァ!』
二人がそんなことを言い合っている間に巨大な蛇は追い詰められたらしい、巨大なその口を大きく開け、エネルギーらしきものを貯めている。おそらくあれが最大の攻撃だろう
「タツヤ様!」
「慌てんな、ミラシャ。クルス!『あれ』はいけるか!」
《オッケー、オッケー問題無し!》
「よし!終わりだ!蛇野郎!」
オリ主側も輝く剣にさらにエネルギーを貯めている。おそらくこちらも最大攻撃が来るのだろう
『シネェェェェェ!!』
「くらえぇぇぇぇぇ!!」
互いの攻撃が同じタイミングで繰り出していく、その衝撃で回りを壊していく
ルーサー達の場所すらも
二つの攻撃がぶつかった時、ルーサー達がいた地面にひびが生まれ始める。
「・・・おいおい!?ここすら壊すなんてどういうことだ!?」
「ち、チートスペックと叫びたいわね!!」
観戦したルーサー達も自分の場所の異変に気付き、急いで逃げようとした・・・しかし
既に時は遅く・・・
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ルーサー達は崩れる地面と共に地の底へと落ちていってしまった・・・