俺の前を飛び交う弾幕
一人は吸血鬼の妹のフランドール
彼女は寝ているはずでは?一体何故この時間に起きているのか?
もう一人は俺の友達の天使
何故フランと弾幕ごっこをしているのか?
謎が謎を呼ぶこの弾幕ごっこ
俺は首を捻るしかなかった
二人は飛びながら距離を置きあい弾幕を放ち続ける
フランの弾幕は荒削りながらスピードや威力では天使を上回っている
さすが吸血鬼だな、加えてあの身体能力もあり俄然彼女が有利なのは間違いない
しかしこの状況でも臆することなく真っ向から立ち向かい
今の現状を冷静に把握し自分がとるべき行動をパターン別に考えるのが得意な天子
将棋が好きなあいつらしいと言ったところか
二人は俺の存在に気づいてないのだろうか?
・・・気づいてなさそうだな、二人の顔は真剣そのものだ
そのまま立ちすくみ二人の弾幕ごっこをぼーっと見ていた
放たれた弾幕をお互い華麗に、優雅に、そして綺麗に
弾幕は美しさも勝負のポイントと言えばポイントなのだ
そしてその弾幕をいかにしてかわすかもポイント
ここがごっこと言うべきところだろう
真剣にかつ安全にかつできるスポーツ
・・・てこれスポーツの部類でいいのか?
「ん?成太お兄様?」
フランがどうやらこちらの存在に気づいたようだ
僕を見て笑顔のフランはごっこの途中であるにもかかわらず
僕の元へ降りてきた
「探したんだよ・・・どこに行っていたの?」
「まぁ少し博麗神社にね・・・」
フランはぷくーっと頬を膨らませ、不満の声を上げてきた
ふむ、何か用があったのだろうか?
それは申し訳ないことだ
すると天使はこちらに降り立ち少し申し訳ないように
「やぁ成太・・・ちょっと君のベッドを拝借してたよ」
と言ってきた。いやまぁでもね
「あぁ・・・知ってるよ、別に俺のではないし」
紅魔館の物ですし俺に報告しなくてもいいんだが
それもそうだね、っとはにかみながら天使は呟く
フランは俺の服を軽くつまみ引っ張ってくる
どうやら話したことがあるらしい
いや、俺も二人と話したいことは結構あるぞ
兎も角フランのお話を済ませるか
依然服を引っ張るフランの方に体を向け彼女を見た
彼女は少し照れくさそうに・・・といか
恥ずかしそうに下を向いていた
「どうしたフラン?何か言いたいことがあるのか?」
あいかわらずモジモジしているフランに問いただす
フランは指をせわしなく動かし下をうつむきながら押し黙る
どうしたのか?言いたいことがあるのではないのか?
なんて考えを巡らせていると小さい声で彼女は
「一緒に幻想卿を散歩したい」
そう小さな声で言った
「いいよ、別に」
断る必要もないだろう
彼女もここに来て日が浅い
この幻想卿を知ることは大切だ
「じゃあ今から一緒に行こうか」
思い立ったら吉ってやつだ
その通りに思い立ったので早速行動に移すことにした
しかしそれは彼女の一言に打ち消された
「夜にしましょう、お兄様」
はい、夜です
紅魔館の門の前にいます
時刻は0時を回っています、周りは閑古鳥一羽も鳴いていない静けさです
あの後よくよく考えたら吸血鬼は太陽が駄目だったのを思い出した
だから夜なのか・・、あぁ夜怖い
こんな状況になると何故か昔聞いた怖い話やホラー映画のワンシーンを思い出す
なんでだろうな・・・なんで今思い出すのだろう
周りは紅魔館の明かりがあるためかろうじて見える
しかしここから少しでも離れれば暗闇だろう
その暗闇をこの提灯ひとつで大丈夫なのだろうか?
朧げの光に不安を抱きながらフランを待つ
そろそろ待ち合わせの時間だな
スマホの時計を見ながら冷える体を摩る
あの後よく寝た、昼寝した
夜に備えてベッドにダイブ、ゴートゥーザベッド
だがら眠くないし元気だ
天使にも付いてこないよう言っておいた
少し悲しそうな顔をしたがいってらっしゃいと声を掛けてくれた
「お待たせお兄様」
どうやらいつの間にか横にいたようだ
考え事をしていて気づかなかった
提灯の光を当て彼女の顔を鮮明に映し出す
彼女は昼となんら変わらない格好をしている
「来たか・・・じゃあどこ行く?」
一応おおまかな場所くらいは決めておかないと
そうしなければ迷子になる、こちらの世界をまだ把握しきれていないのでね
フランは頭を抱え悩んでいるようだ
まぁここも広いからね、今晩だけでどこまで回れるかだが・・・。
しかし彼女の答えはある意味わかっていたものだった
「私よくわからない」
知るために散歩するんだからわからなくて当然か
じゃあどこに行こうか?
自分が決めるしかないか・・・。しかし前に言った通り
完全に把握できていないので自分の情報量もたかが知れている
うーん、どこにしようかな?
なんて考えていると
「自然の多いところが良い」
フランの希望が出た
ならあそこだな、ぱっと思いついた所
それは俺が幻想卿に迷い込んだときに着いた場所
あの竹林だった
「これは何て植物なの?」
「それは竹だよ」
というわけで到着
しかし竹ばかりだな、今見回しても竹ばかりが視界に入ってくる
まぁ竹林なんて滅多にみないしある意味新鮮だろうな、そんな考えがあった
フランは物珍しく竹を見つめる
時に戸をノックするようにたたいたり揺すったり
日本が誇るエジソンの発明に関わった偉大な植物に触れ合っている
しかしこんなところでよかったのだろうか?
もっと楽しくて自然がいっぱいのところがあったのだろうか?
そんな考えが頭を巡っていると
「もっとあっちに行ってみようよ!」
フランは俺の和服の裾を引っ張り急かしてくる
帰り道をしっかり覚えておこう、大量に拾った石を落としながら先に進んだ
一度迷っているからな、しっかりしないと・・・。
「お兄様、あそこに人がいるよ?」
しばらく進んだ先でフランが指を指し僕に言う
提灯を指の先に向けるとたしかにぼんやりと人影が見える
かなり長いロングヘアーに十二単を髣髴とさせるような分厚い和服のような服
誰だろうか?こんな夜中に・・・。
話しかけたいと思う反面少しの恐怖心が広がる
そんなこんなで悩んでいると
「ごきげよう」
その人はこちらに気づいたのだろう声を掛けてきた
ぼんやりとした人影は近づいてくるにつれ
やがてくっきりと形を現すようになった
黒の髪が美しい、どこか城のお姫様の様な振る舞いの彼女
普通に挨拶してきたのだろうから襲われることはないか
なら怖がる必要もないな
「あ、どうもこんばんわ」
声の主に返事を返す
彼女は少し微笑みながら軽い租借をする
つられて俺ら二人もも租借を返した
そうして改めてみると上品そうな人だ
純日本人の綺麗な黒髪にはただ感心するばかりだった
こちらに来てから黒髪の人を見なかった、だから逆に新鮮だった
「こんな夜遅くにこんなところでなにしてるの?」
「そうですね、ちょっとした散歩です」
彼女は少し驚く素振りをしたがそれも一瞬だった
今驚かれたのか・・・。夜は普通出歩かないのだろうか?
そもそもここが何かマズイ所なのだろうか・・・?
疑問が頭を駆け巡るので思い切って聞いてみた
「一瞬驚かれた様に見えましたが何かあるのですか?」
彼女は小さなため息をついた
そのままかわいそうな人を見るような目で
「ここは迷いの竹林よ・・・、普通は入らない場所なの」
と無知な俺に親切に教えてくださった
迷いの・・・竹林?
名前どおりの場所なのだろう
確かに竹林しかないこの竹林
目印になるようなものすらない
これなら地図やコンパスでもきついだろう
でも俺の不安要素は取り除かれている
「大丈夫ですよ、目印に石を置いてきましたから」
「そう、無事に帰れるといいけど」
クスクスと笑う彼女
一体何だろうか?
ここの土地に詳しいのは確かだ
兎も角教えてくれたことに感謝するか
「教えていただきありがとうございます、俺は複井 成太といいます」
「私はフラン、フランドール・スカーレット」
お礼がてらに名乗る
これで相手は名乗らざるを得ないはずだ・・・・多分
彼女は俺らを交互に見て名乗った
「私は、蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)よ」
そう言って彼女は微笑んだ
蓬莱山?
なんて珍妙な苗字なんだろう
初めて聞いた
「そういえば輝夜さんはここで何をしてるのですか?」
「待ち合わせよ」
こんなところで待ち合わせか
普通は来ない所と自分で言っておいて
自分はここで待ち合わせしているのか
何かここでしかできない何かがあるのだろうか?
そんな時聞き覚えのあり少し懐かしい声が聞こえた
「おい、お前成太だろ」
「お久しぶりです、もんぺさん」
そこにいたのはお世話になった藤原妹紅さん
あいかわらずのもんぺ姿に迷い込んだときを思い出した
あの時はお礼を言えなかったが今、しっかりと伝えよう
「あの時はお世話になりました」
「いいって別に」
照れくさそうに笑う妹紅さん
そんな時俺の服の裾を引っ張り不思議そうに見つめてくるフラン
「どうしたんだ?」
「あの人だれなの?」
「ここに最初来たときお世話になった藤原妹紅さんだ」
へーっ感嘆の声を上げて気になるのか妹紅を好奇の目で見据える
ジロジロ見られて少し戸惑う妹紅さん
そんな彼女が怪訝そうに伺ってきた
「どうしてここにいるんだ?」
「散歩ですよ」
こんなところをか?と驚くもんぺさん
そのリアクションはお腹一杯ですよ
さてと、まとめて聞くか
「輝夜さんの待ち人は妹紅さんですか?」
「ええその通りよ」
首を縦に振り肯定する輝夜さん
一体この深夜で何をするのだろうか?
花火?花火なのか?
こんなところでは危険ではないのか?
でも見た感じ二人とも手ぶらだ、何ももっていない
では何なのか?
そんな時にもんぺさんが
「ここは危ないよ、殺し合いするし」
なんて物騒な発言をした
その軽さ、なるでカードゲームで対戦するが如く
さも当たり前のように言った
殺し合い?またまたご冗談をー。
なんて言いながら少し離れる
殺気を感じたからだ
あの二人から
いやいやまてまてマジで殺りあうのか?
フランは俺の後ろに隠れ顔だけを出し様子を伺っている
俺も遠目から見守る
「今日こそ殺してやるよ輝夜」
「そっくりそのまま返すわ、お前を殺す」
そう言った刹那距離を詰め互いに弾幕を張る
もんぺさんの弾幕・・・・いや火球は完全に殺しにかかっている
一方の輝夜さんの弾幕・・・・いや光線の様なものも危険だ
見境もなく打っているためまさしく飛び火してきた
巻き添えは食らいたくない
ヒートアップするその戦いから逃げる様に立ち去った
あの石のお陰でなんとか帰ってこれた
よかった、やっておいて
無事紅魔館に到着
フランは上機嫌のようだ
よかった、楽しかったのだろう
勝手な憶測だが・・・。
門をくぐり中に入って寝ようとしたときフランが言った
それは少し俺の予想もしていない一言だった
「楽しかったよ、お兄様とのデート」
そう笑って走るように自室に戻っていった
デート?確かに二人で歩いたけど
そう思うと顔が火照り出した
というわけで久しぶりにもこたんがINしました