何もない僕は生まれ変わったのだった   作:*メランコリー*

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序奏

 

僕の名前は宮内サトル。

僕には何も無かった。

 

いや、生まれも悪くないし育ちも悪くない、いつの間にか保育園に入り、小学校で自由に遊びまわり、何となくで部活を続けた中学校、すべり止めで受かった都内の高校に通い、勉強から逃げて入った専門学校、流されるまま会社に入った現在。

 

休日の、風呂に入って一息入れたとき、ふと思った。

 

今まで僕は何をやってきたんだろう?この歳になるまで一体何を考えて生きてきたのだろうと。

 

思えばひどく流されやすい性格だったと思った。

小さい頃見た「日本人の日本人による日本のためのパン!」が最初のナレーションに入るアニメを見てパン屋になろうと思ったり、野球の好きな友達に誘われて見に行ったプロの試合を見て今までやった事の無いのに野球選手になろうとも思った。

地方でも何でもないから訛り何て無いのにテレビで見たバラエティー番組の影響で関西弁を真似してみたり........

 

自分からしてみたことで長続きしたことなんてほとんどなくて口から出るのはいつも後悔ばかり、そのくせ人の前ではへらへらと笑みを浮かべて周りに本当の気持ちを語った事は一度もなかった。いつもマンガやアニメの世界に憧れて気づけば心の中での口癖は決まって「小学生のな~んも考えないで遊べたあの頃に戻りたい」だった。

それこそマンガやアニメではないのだから戻りたくても戻れるわけがない、未来から青いネコ型ロボットも来はしない。

 

 

現実はどこまでもふつうで平坦で残酷である。

 

 

最近、現実からも逃げたくて好きだったアニメやマンガの他に二次創作という物を読み始めた。個人が好きだった作品に新しい設定や主人公を創りその作品を自分色に染め上げ他者と共有する。目から鱗とはこのことなんだって思う。僕は好きな原作を片っ端から読んで読んで読みふけった。毎日がとても充実して楽しくなってくる、でもまた一息入れるとやっぱり僕には何にも残っていなかった。

 

絶望した。マガジンでやっていたあのマンガではないが絶望した。

僕もみんなが書いているような二次創作のように生まれ変わったら何ができるかな?何をしようかな?いつも通りそんなことを思いながら今日も寝床についた。

明日もまた八時出勤.......帰りたい...今家にいるけど.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......ん...やば....会社行かなきゃ....

....あれっ?....暗いな....目があかない......それに動けないし...

..今日は体調不良で会社休める?...やった!...ってまぶしっ!?

ううぉぉぉぉぉぉぉぉ~!?!?!?

 

「おぎゃ~おぎゃ~おぎゃ~!(えええぇぇぇぇ~~~~!?!?!?)」

 

「おめでとうございます!元気な女の子ですよ!!!」

 

「はぁ...はぁ...よかっ...た..」オギャーオギャー

 

「よく頑張ったな!お前も元気に生まれてくれてありがとう!」ギャーギャー

 

なに?何?ナニ???何事!?!?

あれ?昨日普通に寝たよな?あれっ?僕なんかした!?神様僕何か悪いことしました!?!?っていうかこれ二次創作にある転生的な何か?なら神様特典は?白い部屋は?ロリロリな神様は!?!?

 

「おぎゃ~おぎゃ~~~~ううぇ~~~ん!」

 

「この子元気が良いが少し泣きすぎじゃないか(汗)」

 

「何言ってるの?子供は泣くのがお仕事なのよ、それよりほら抱かして」

 

「そうだったな、俺の強面じゃなくてこの世で一番にパーフェクトに!!!美しいお前の顔だったらこの子も泣き止むだろう!」

 

「あら///あなたの顔も凛々しくて素敵よ///」

 

「はっはっは!嬉しい実に嬉しいな!!!」

 

いや目は見えないから強面とかこの世で一番にパーフェクトに美しい顔とかわからないけど耳元で馬鹿笑いとイチャつくの止めてとりあえず抱かせてやれよ、僕を。(時間の経過により少し落ち着いたw)

 

「やっぱり母親に抱かれると安心するのだな、あんなに泣いていたのに」

 

「ふふっ、かわいいお顔....あなたこの子のお名前なんだけど....」

 

「それはいい!それにしよう!!!」

 

 

 

 

 

 

拝啓、父と母へ

私、宮内サトルは今日から美船音々(みふねねね)になりました。

 

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