仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました) 作:猫つまみ
ひょんな事からエルフのエルサを仲間に加えた俺達は、宿屋に止まって、お互いが持っている情報を確認し合っていた。
「私がログアウト出来なくなったのは、あの日の午後夕方時位だったわ。最初は、サーバーが込み合ってるからだと思って暫く放置してたの。ちょっと立ってから、周りがやけに騒がしくなって、確認してみたら……」
「ログアウト出来なくなってたって訳か」
エルサは椅子に座り、両膝の上に両手を乗せていた。握り締めているらしく、ちょっとだけ手汗が出ている。
「私も似た様なものよ。時間はちょっと違うけど、大体午後からだし」
エルサの隣に座っているのは、金の髪がキラキラと輝いている美女砂紗だ。
「最初は、バグかな? って、思ってたんだけど……全くログアウト出来ない人ばかりってなると、何かあるんじゃないかな? って思う」
俺は、猫の真似……もとい、猫の様に足で喉をかく。
「兎に角さ、俺達だけじゃ何も変わらないんじゃないのか? もっと情報ある場所ないか?」
うーん……。
俺の言葉に誰もが悩んでしまう。
一般的には酒場辺りかもしれないが……。
「ねえ、猫ちゃん。酒場じゃ駄目なの?」
「駄目だな。ってか、猫ちゃんじゃないよ。クリスって名前」
頭を撫でるエルサ。俺は、まんざらでもないと言わんばかりに、ちょっとだけ尻尾を横に振る。
それを横目で見てた砂紗はちょっとだけショックを受けたらしく、いじけていた。
「今の状態……ログアウト出来ないこの状態だと、酒場の状態は、かなり錯乱してると思う。ありもしない噂とか、何処何処へ行けばログアウト出来る。とか、訳の分からない事ばかりが飛び交ってるだろうしな」
あー……。確かにね。と、エルサと砂紗は頷く。
「取り敢えず今日は、もう休もう」
ふわぁー。と、大きな口を開けた俺は、うとうととしてしまい、何時の間にかベッドの上で寝てしまっていた。
ホーホー……。
フクロウだろうか?
「……ん~?」
俺は眠たい目を前足で擦りながら、ゆっくりと目を開ける。
「にゃ?」
思わず猫みたいな声を出してしまう。
「え……え!? えっ!?」
右を見れば、砂紗の綺麗な金髪が顔に掛かっていて、ちょっと鬱陶しいんじゃないかな? って思える。でも綺麗な寝顔。
左を見れば、エルサの細い銀の髪が彼女の幼さとよく似合っているな。って思わせる位の可愛い寝顔。
そして俺は……。
そんな二人に挟まれる形で、ど真ん中に眠っていたらしい。
「え? 何これ……」
右の砂紗は、大人の女性という感じのナイスバディだった。木の胸当ての上からでも分かる様にかなり大きい。呼吸をする度に、胸が上下に動いていたりもする。
左のエルサは控えめな胸だった。でも見た目が幼い感じなので、これからなのだろう。そう思わせる様な大きさだった。
「って、いやいや!! 何冷静に分析なんかしちゃってんの!?」
これは……健全な男子の俺だと耐えられないのでは!? という状態だった。
「美女と美少女に囲まれてるし!」
二人の寝息と……シャンプーの匂いだろうか? とても良い匂いがする。
「んー……猫ちゃん」
「クリスゥ~……」
二人の寝言は、行動へと変わって行った。
「へ? ちょっ……!」
そう二人は――俺をギュッと抱き締めたのだ。
砂紗の大きくふくよかな胸と、エルサの控えめだけど将来が楽しみだろうと思う胸が、猫である俺を挟んだのだ!
「どうしろってのさ……」
恐らく今の俺は、相当真っ赤になっているのだろう。
このままこんな状態が何時までも続くと、俺の心臓はもたないだろう。
だから早く……
「ログアウトさせてくれーー!!」
夜の町には俺のむなしい叫び声だけが、フクロウの鳴き声と重なっていた。