仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

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雪国

 まさかあの村で、あんな事に出くわすなんて……誰も思わなかったんだろう。

 運営が管理しているであろう村が、一瞬にしてデータ化してしまうという現実を叩きつけられた。

 

 それは、現実世界の運営会社に何かあったから。そう考えざる終えないのだから。

 

 

 

 

 俺たちは村を離れた後、雪国に入っていた。

「さ……寒いわね?」

 ログアウト出来なくなってから、五感の全てが現実世界の様に機能し始めていた。

 突然、この寒さも感じる訳だが……。

 

 俺は、綺羅に抱っこ(ってか、抱き締められ)ながら進んでいた。

 

 ビュウビュウと俺達の顔に当たる雪は、まるで石の様に固く感じる。それ程までに強い吹雪だった。

「ねえ!! 【ミリオネリオン】に行くのに、どうしてこの雪国なの!? こっち側って、目的地と反対だった筈だよ!?」

 エルサの声がギリギリ聞こえる位、吹雪が凄かった。

「確かにな……でもさ。あの村での事があったから、ちょっと進路変更したんだよ」

 多分、俺にしか分からない理由だと思うけどね。

「ねえ~! 寒いわ。クリス魔法とか……」

「便利屋じゃねーし!」

 砂紗の言葉を借りる訳じゃないけど、確かにこのままじゃなぁ~……

 

「あっ!!」

 

 俺の声は相当大きかったらしく、この吹雪の中でも皆の注目を集める事が出来る位だった。

 我ながら、ここまで大きい声……こほん。今は、そうじゃないよな?

「綺羅。ちょっと降ろしてくれないか?」

 俺を抱っこしている少女の方へ顔を向ける。この子は、ある意味ではあの村の生き残りになる。村から逃げた後もずっと泣いていた。マナがなんとか慰めてくれて、やっと笑顔を見せてくれたよ。

「うん。でも、何するの?」

 ちょっとだけでも元気になれば……そう思った俺は、ある動物を召還する。

「ちょっと離れててくれ。マナ、綺羅を頼むな?」

「あっ、はい。綺羅ちゃん。こちらへ……」

 綺羅はマナにかなりなついているみたいだから、彼女に任せれば、綺羅は明るさを取り戻してくれるかもしれない。

 

 ――まあ勝手な思い込みかもしれないが。そうであって欲しいと思うのも、事実だけどね。

 

 

「さて……雪国と言えば、あの動物の出番だろ? 今回は特別サービスで、人数分プレゼントだ。ありがたく思えよ?」

 俺の足元には魔法陣が出現して、白いじゅうたんの様になっている地面の雪が青白く光る。

「『雪に溶けるは、白き獣。雪原と同じ色ならば、その雪と遊ぼう』」

 魔法陣が、徐々に変化して行く。

 

 そして現れたのは……。

 

 白い体毛に覆われていて、二本足で立っていた白熊だった。

 

 俺の召還した白熊達は砂紗達四人の前に立ち、ペコリと頭を下げた。

「白熊さん? ……ねえクリス。この子は、どんな芸が出来るの?」

「エルサお前……」

 何時の間にやら俺の召還する動物達は、芸達者と認識されているらしい。

 まあ、ペンギンもウサギも普通とはかけ離れてたから、そうで思ってもしょうがないと言うか……。

 

「俺に聞くなよ。召還した動物がどんな能力持ってるとか……分かる……訳……が……」

 俺だけじゃなく、砂紗達までもが固まった。

 

 

 召還した白熊は……四匹でブリッジをしていた。その後直ぐに三匹が両手両足を雪に付けて、残り一匹がその白熊達を飛び越えて行った。ようは、【馬跳び】だった。その後腹筋やその他諸々の運動を一通り俺達に見せたら、「ふー」という感じに汗をかいていた。

 

「「「運動能力高っ!!」」」

 もうね? 俺と砂紗とエルサの三人が突っ込んで……

「素敵……」

 マナが頬を赤らめるのが、定番になりつつある訳ですよ。

 残念ながら、綺羅にはこのギャグの様なそうじゃないような何かは通じないらしく、ポカンと突っ立ていた。

 

 置いてきぼりな状態だったけど、俺は召還する動物が、何かしらおかしな芸(?)を持っている事が凄く気になる。

 

 これもログアウト出来なくなった事と関係があるのかもしれないが、残念ながら証明は出来ないな。

「取り敢えずさ。この白熊さん達が俺達を運んでくれるみたいだから、助けてもらうぜ?」

 こうして俺達は、白熊のモフモフした暖かい毛の恩恵を預かりながら、新たな場所へと進んで行った。

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