仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

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遊園地のおもちゃ

 柄が悪い。この一言で終わらせてしまったら、どうなるのだろうか?

 

 そんな事をグルグルと考えてしまい兼ねない。だって……グラサンで顔に生傷なんて、どう考えても、

「「「柄悪っ!!」」」

 どうやらそう考えていたのは、俺だけじゃなかったらしい。砂紗とエルサの二人も、同じ様に突っ込んだよ。

 

「まあ、そう思っても仕方ない位に、あれな格好してるもんなぁ~……」

 とは言え、余りグチグチ言ってるとキリンさんの機嫌が悪くなるかもしれない。そうなったら、この門を開けれなくなる。

 

 俺は恐る恐るキリンさんの足元に近寄って、可愛くお願いしてみる。

「キリンさん。あの門の鍵開ける為に、どうしてもキリンさんの長い首が必要なんだ。手伝ってくれないかな?」

 潤んだ瞳と上目遣い。大抵のやつはこれでノックアウトする筈だ!

 

「か……可愛い~♪」

 砂紗とエルサの二人は、倒れたけど……。

「お前ら……コホン。キリンさん、どう……ひっ!!」

 俺の毛並みがぶわっと、一気に逆立った。

 キリンさんは不気味過ぎる程にニタアと笑っていて、何故か頬を赤らめているじゃないか。

 グラサンで隠れてしまってるから、目は分からないけど、頬が赤い事を考えると笑っている。若しくは、それに近い表情なのかもしれない。

 

「えっ……と。って、うわ!?」

 引きつる……と言うよりは、いろんな意味で怖いから、ちょっと真っ青になりかけてた俺を、長い首で包み込んで、キリンは自分の身体の上に乗せた。俺を乗せた後は、砂紗・エルサ・マナ・綺羅の順に、優しく自分の背中に乗せてくれた。

 

「うっはぁ~。高い……」

 そんな背中は、俺達が座れる位の余裕の広さがあった。

 

 キリンさんは器用に舌を使って、高い位置に掛けられていた鍵を舌に巻き付け、これまた器用に鍵穴に差し込む。

【ガチャリ】という鍵が開く音を確認すると、キリンさんは頭を扉にグリグリと押し付けていた。

 錆び付いた音と、その赤茶の錆びが粉の様に落ちて来ているのも気にせず、扉を開けて行く。

「あっ! 開きました」

 キリンの背中を優しくさすりながら、開いた門を見るマナ。

「よし。行くか」

 

 ◇◇◇

 

 中へ入ると、外で見るよりも更に大きく見える観覧車とかが、何かちょっと不気味に見えてしまう。

「間近で見ると、いっそう気味が悪いな……」

 キリンの背中は、人間の砂紗達が動ける程に広かったからなのか、砂紗が俺の傍に寄って来た。

「ねえクリス? この遊園地、何か変な感じするわ。見た目がどうこうとかじゃなくて、嫌な予感って言うか……」

 女の勘ってやつだろうか? 金の髪が風に揺られていて顔に掛かったりしてるから、どんな表情をしているのかは、ちょっと分からない。

「正直言うと、俺も嫌な予感がするんだよ。どんなの? って言われてもあれだけど」

 この遊園地自体、おかしい事に変わりはない。けれど、俺と砂紗の二人が感じた何かは、上手く口で言えない何かがある様な気がしてならなかった。

 

「あれ? ねえ。何か音しない?」

 エルサはエルフ族という事もあって、他の人よりは耳が良い。

「ん? 何の?」

「えっと……動く様な……」

 エルサが何かを言おうとした矢先、突然キリンが歩くのを止める。

「あれ? キリンさん。どうしたんだ?」

 キリンの頭の上まで登って、キリンの頭に生えている触角の様な物をちょっと撫でる。

 

「……っ! 皆、前!」

 エルサの耳が、誰よりも早く目の前の何かが出す音を捉えた。

 

【♪~♪】

 陽気な音楽を奏でながら、何かがゆっくりと此方へ向かって来た。

「あれって、百円入れると動く動物の玩具世ね?」

 砂紗の言う通り目の前のあれは、昔懐かしのデパートの屋上とかに置いてあったであろう、動物(パンダ)の乗り物だった。

 その乗り物はピタリと動きを止めた。

 

『ようこそ、死の極楽遊園地へ。貴方がたを、地獄へと案内致します』

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