仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました) 作:猫つまみ
キリンさんとバイバイした後、俺達は次の階段を見つけるべく、遊園地の中を歩いていた。
「あっ。あれ、遊園地の出口じゃない?」
砂紗が指を指した先は、大きな柵に囲まれた出口だった。
「でっかくご丁寧に『出口』って書かれてるし……」
怪しさプンプンだったけど、取り敢えずこれ以外に出口なさそうだったから、この門をくぐる事にした。
くぐった感はあったものの、俺は何か物足りなさを感じてしまう。
「何も、起きなかったな」
ついつい口に出してしまった。
「クリス……物足りないって感じだね?」
エルサが俺の顔を覗き込む様に見たよ。
「……そう……なるのかもな。物足りないってのは事実だけど、今までの事を考えると、このままアッサリ終わるのか? って」
いく先々で変なのに出くわした俺達だった。でも、出口に来て何も起きない。なんて事はあるんだろうか?
色んな意味で不安になるな。
「たまには、良いんじゃないの?」
俺の頭を優しく撫でてくれるエルサだったけど、段々頭だけじゃ気が済まなくなったのか、身体までもふり始めた。
「あっ! ズルい! 私ももふるわ」等とほざく砂紗までもが、俺の身体をもふり始めた。
どさくさに紛れてマナと綺羅までもが、俺の身体を触ろうと近付いたので……【シャーー!】って、威嚇してやった。
尻尾をタシタシと地面に叩きつけながら、機嫌の悪さをアピールしてやったよ!
◇◇◇
ちょっとだけほのぼのとした会話を済ませた俺達は、遊園地の出口を後にした。
「階段何処だ?」
砂紗の頭の上に乗っかる俺を、羨ましそうに指を加えて見ているエルサが居たりもしたよ。正確には、俺じゃなくて砂紗を羨ましそうに! だけどね。
「あっ、あそこ……」
綺羅が階段を見つけたらしく、一人で走って行ってしまった。
「おい! 勝手に動くなよ」
砂紗の頭を、俺の右前足がペチペチと叩く。早く追いかけろ! って、合図さ。
それの意味に気付いてくれた砂紗は、慌てて追いかける。
追いかけた先は、下へ続く階段--ではなく、上に続く階段だった。
「え!? 上!?」
いや、待ち望んでた上への階段だけどさ。まさか上だとは思わなかった俺は、声がちょっとだけ裏返ってしまったよ。
「やった。上だよ!?」
「でも、どれだけ登るのかしら?」
「降りて来た分だけ、登るのではないでしょうか?」
女の子達は、待ち焦がれていた上への階段に胸を弾ませてる感じだな。声のトーンが物凄く高いんですけど? こう言ってちゃあ何だが、キンキン声にも聞こえるよ。
「……気を付けろよ? 今まで下だったのに、突然上ってのは、何かある。そう考えても不思議じゃないしな」
女の子達の喜びに水を刺す様で悪いが、俺位は冷静で居るのも良いのかもな。って、自己満足的な何かに浸ってる俺が居たりする。
まあ今は俺のそんな考えよりも、上への階段を見つけた事の方が大事らしく、全く誰も突っ込んでくれないけどね。
……涙、流して良いですか? 片身狭いよ。
◇◇◇
階段を登って行くとそこは、降りた分だけ長く登る……ではなく、アッサリと地上へ出た。
「いやいや! 物理的におかしいだろ!?」
俺のツッコミに対して誰かが続けて突っ込んでくれるかと思ったけど、俺の疑問よりも遥かに大きな疑問が目の前に現れたから、皆そっちに集中しちゃったよ。
「うっ……そ。何、ここ……」
砂紗が呆けた顔でこの光景を見ていた。
沢山の木々は、とても言葉では言い表せない程に大きく伸びていた。
パイナップルの木やバナナの木まで、様々な木々が生い茂っていて、何処から聞こえてくるのか分からないが、鳥の声に混じって「ウキキ……」等と、猿の様な声すらも聞こえてくるじゃないか!
「って、ジャングルじゃねぇか!?」
俺のこの声は、近くに居た鳥を逃がしてしまうかの様な大きな声になっちゃったよ。
まさかの場所に誰もが呆けてしまっていて、俺達を見る不審な視線に誰も気づかなかったのだった。