仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

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洞窟

 俺達は、ジャングルの中を必死に逃げていた。生い茂った木々や草がかなり邪魔だったけど、そゆな事気にしてる暇すらない位に、逃げていたよ。

 

「ハアハア……ど、どうすの!?」

 俺は砂紗の肩に乗っかってる状態だから、赤い髪が

 かなりくすぐったい感じに当たる。

「ど、どうするって、俺に聞かれても……」

 チラッと後ろを見ると--口では言い表せない程の大きな身体を、後ろ足二本だけでバランス良く動かしながら、尚且つヨダレ滴ながら素早く走って来る緑色の生き物……恐竜が、俺達との距離を縮めて来る。

「お猿さん! 何か良い安ないのか!?」

 もう逃げるしかないのなら、何か言ってくれそうなお猿さんに聞いてみるしかなないじゃないか!!

 綺羅に抱っこされながらサラサラと日記に何かを書き込んだ後、俺達に見せる。

「ウキキ……」

 白い歯を見せながら、ニヤついた顔で見せたのは……【食べられちゃえば?】だった。

 

「却下、だ(よ、です)」

 皆一斉に、その案を却下してやった。

 お猿さんは、ちょっとだけふてかされてたけど。けど今は、そんなの気にしてる場合じゃないんだ!

 

「何処かに隠れれそうな場所ないか!?」

 俺は砂紗の肩の上から、上下左右見てみた。すると--少し上の方に小さな穴ってか、洞窟が見えた。

「皆! あの坂の上に洞窟がある。あそこなら、恐竜は入って来れない筈だ。そこまで走れ!」

 皆が俺の言葉に従って、坂を登った。

 

 ◇◇◇

 

「恐竜入って来ないね?」

 エルサが声を出したら、マナが静かにという感じで人差し指を口に立てる。

 

 俺達は緊張が入る時間をどれだけ過ごしたか……暫くすると、恐竜は諦めて帰って行った。

 

 

「っ……はああ~。疲れたぁ」

 俺達は皆一斉にその場に倒れ込む。走り疲れたのと、恐竜に食べられちゃうんじゃないかって緊張が押し寄せて来たんだ。当然と言えば当然だろうさ。

「今日は、ここで過ごしましょうか?」

 砂紗は俺を降ろしてから、焚き火の準備を始めた。何処に薪が? とかいうツッコミをする体力が残ってなかったから、黙っておくよ。

「お猿さん。何か気配とか感じる事が出来るッポイけど、この洞窟は大丈夫なのか?」

 何時の間にか俺の側に寄って来た仔トラちゃんは、俺の尻尾で遊んでいた。え? 逃げる時この子は何処に居たかって? マナが抱き締めてたよ。それを見たエルサが羨ましそうに親指しゃぶってたりもしたけどね。

 

「ウキキ……ウキッ!」

【この洞窟には、何も気配ない。でも奥に何かの遺跡の様な気配はする】だった。

「また遺跡……ですか。前の様に、下しかないなんて事はないと思いますが」

 溜め息しか出ないんだろうな。かなり憂鬱な顔してるよ。

「……今日は、奥へ行くのは止めよう。寝る事考えようぜ?」

 

 こうして俺達は、恐竜からの恐怖を一時的にだけど防ぐ事に成功した。

 

「とにかくさ、仔トラちゃんとお猿さんは、戻ってくれ。何があるか分からないからな」

 

 仔トラとお猿さんは、バイバイして消えていった。

 

「休憩するか……ってか、どうやって火付けるんだ?」

「え? 私は……無理よ?」

 焚き火の準備してる砂紗は、手を止めたね。うん。そこまで考えてなかったんだろうな……。

「で? どうするの?」

 エルサが俺に顔を近付ける。

「……動物呼び出すか? どんなやつが良い?」

 取り敢えず、皆の意見を聞こう。そう思ったんだけど……

「私はペンギンさんが良いです。あの筋肉がとても素晴らしいですし……」

 うん。何で頬を赤らめるのか……マナの趣味っていったい。

「私は、白熊さんが良い。前に焚き火作ってくれたしね」

 見事に意見別れましたーー!

 

「聞くんじゃなかったよ……」

 仕方ないな。適当なやつ呼び出すか……魔法陣を足元に浮かび上がらせ、目を瞑る。

「何が出ても、文句言うなよ?」

 そんな俺の言葉は、無惨にも動物が出現する音にかき消されちゃったよ。

「あっ! 出てき……た?」

 目を開けるとそこには……片手にひょうたん型の白い瓶を持ち、ピンクの肌には目を細めて見ないと分からない位に短い産毛を生やしたブタが居た。しかも!

 

 ドンと居座って、呑気にひょうたん型の瓶……多分お酒であろうあれを口に近付けたと思ったや、グビグビのみ始めた。

「何とまあ、器用な……」

 仰向けになりながら、お猿さんが忘れてったであろう日記をつまみ代わりにして、それを見て「ブヒブヒ」って笑ってるよ。

 

「ねえ豚さんは、何が出来るの?」

 無邪気な綺羅は、何の警戒を持つ事もなくブタさんに近付いて行ったよ。子供だから出来る事だよね?てでもおにお兄さん、純粋過ぎて逆に心配になっちゃうよ。

 

 勿論、心の中でしか言わないけどね。リアルの世界では、変な人に対して警戒心持たなきゃだけどさ。このヴァーチャルなら……。

「ブヒ?……ブヒ!」

 あれ? 綺羅の事嫌いなのか? って、思える位そっぽ向いたよ。子供嫌いとか?

「えっと……私砂紗よ。宜しくね?」

 そっぽ向かれて泣きそうな顔してるよ。綺羅を助ける為に、砂紗が入っていったか。

「ブヒ!」

 これまた、プイってそっぽ向いたな。こいつ……何なんだ?

 

 俺が近付いてみると……

「ブヒブヒ……ポッ」

 何故か、頬を赤らめた。そんでもって、俺に近付いて全身を擦り付けてくるよ。それを見た砂紗と綺羅は、ちょっとショック受けてるみたいだけど……主の特権ってやつか? ちょっとだけ誇らしくなってしまうな。

 

「この子……オスみたいだけど?」

 エルサは、そっとブタさんのお尻を確認する。

「主だって分かってるんだろ? 別に性別なんて……ん? 何書いてるんだ?」

 お猿さんの忘れた日記帳に、器用に書き込みを始めるブタ。

 

 その文字を見て、俺達は驚いた。

 

【勿論オスだね。でも……男の子好きなのよ。あ・た・し(ハート)】

 

「えっ!?」

 日記に書かれた文字を見て俺は、硬直した。

「オカマさん……でしょうか?」

 マナさん!? 口に出さないで! 思わず叫びそうになった俺達の身体をグイッと引っ張ったのは、ブタさんだった。

 そのブタさんの顔を見ると……俺に向かってウィンクしてるし! しかも、器用に投げキッスとか!

 

 

「た……助けてくれーー!」

 俺のこの声は、ジャングルの中に空しく響き渡るだけだった。

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