仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

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綺羅の大活躍劇~♪

 まさかの綺羅が、このピンチを乗り切る方法を持っていたなんて……スッ転んだ俺は、空を飛んでいる蜂を見ながら「ああ……ハチミツ美味しそうだな」なんて、現実逃避しちゃってるよ。

 

「ん? ちょっと待て。そもそも、どうやって?」

 そうだった。肝心な事を聞くの忘れてたよ。綺羅がそう言ってるだけで、何の証拠もないじゃないか。

「クリス……何か、凄い必死だね?」

 エルサが何かに勘づいたらしく、俺の行動を不信がってるよ。

 

 痛い! その目は、もの凄く痛いから、止めて!

 

「い……良いじゃないかよ、別に」

 鋭いなぁ……そうだよ! 今まで子供だったから何もして来なかった綺羅が、突然何か出来るキャラだって解ったら、何もしてない俺は用済みって事じゃないかよ!

 只でさえ周りが女の子まみれで肩身狭い思いしてるってのに、そこに追い討ちするかの様に子供の綺羅が使えるキャラだと知ったら、俺……余計に肩身狭くなるんですけど?

 

 なんて考えてたりもするけど、絶対に口に出しちゃいけないよな?

 

「……今は俺の事よりも、蜂をどうにかしなきゃだろ? 綺羅。取り敢えず教えてくれないか?」

 この際、プライドとかは捨てるべきだろうな。そうこうしてる間に、戦ってくれてるペンギンさんと白熊さんの息が、かなりあがって来てるし。時間的にも限界なんだろうさ。

「えっとね?」

 何もない宙に指で何かをしているのを見ると、恐らくメニュー画面を見てるんだろうな。

「あったぁ~♪」

 草の上に小さな音を立てながら落ちたのは……ピンクの大きなリボンが特徴の、白い靴だった。

「靴?」

 誰もが首を傾げたね。そりゃそうだろ。これで何をするっていうのか。全く想像出来ないからだ。

 

「靴だけじゃないよ。そおーれ」

 再び何かが草の上に置かれた。

 

「んん? 服?」

 白くてあちこちヒラヒラした布が沢山付いていて、いわゆるゴスロリってやつだった。他にも、同じ白を強調した頭に着けるやつ……

「これ、何て言ったっけ?」

 砂紗に聞いてみると、「ヘッドドレスよ」って笑顔で教えてくれた。

 

 心なしか、皆キラキラと瞳が輝いてるよ。女の子って、何でこんなの好きなんだろうな?

 

「って、何してるんだ?」

 綺羅が突然服を脱ぎ出したよ。

「着替えるんだよ」

「ふうーん……って、何で俺の目を隠すかな?」

 エルサの両手が、俺の両面の上に被さった。

「女の子の着替えをマジマジと見るのは、男としてダメだよ」

「……エルサさん? 俺、ロリコンじゃねぇんだけど?」

 そうこうしてる内に着替えが終わったらしく、「エッヘン」って声が聞こえて来た。エルサの手が離れていった。

 

 見てみると、出した物全てを装着していた。

「キラッと光る瞳は、正義の印。魔法少女綺羅登場~♪」

 片手を前に出して、ウィンクしながらポーズを決めていた。

 

「ま……魔法少女来たぁー!?」

 まさかこんな世界で、魔法少女を見れるとは思ってもみなかったよ。

 ちょっとだけ喜んじゃった俺だけど、直ぐに咳払いして本題に入った。

「その格好は良いけど、どうするんだ?」

 魔法少女って言えば、ステッキとかで攻撃のイメージがあるけど……そのステッキが見当たらないから違うんだろうな。

「えっと……ね。この靴で、空を飛ぶんだよ」

 少しずつ地面から足が離れていき、綺羅の身体がどんどん空へと近付いて行く。

「「「おおーー!」」」

 俺達は、ついついはしゃいだ声を出してしまった。マナは相変わらず、「素敵」なんて言いながら頬を赤らめてたけどね。

 

「あっ、綺羅。俺も連れてってくれよ。大まかな指示が必要だろう? マナは、ペンギンさん達に回復魔法掛けてやってくれ」

「はい。分かりました。エルサさんと砂紗さんはどうすれば?」

 シスター服のスカートをむんずと掴まえて、砂紗とエルサを見た。

「エルサは、遠距離の弓でカンガルーさん達が殺しきれなかった蜂を落としてくれ」

「うん。分かった」

 頷いた後エルフ専用の弓を出して、カンガルーさん達の元へと駆け寄って行った。

「……私は?」

 砂紗はこのままでは、一人だけやる事がなくなってしまう。そう思ったらしく、少々焦ってしまっていた。

「ん? 大丈夫だよ。ちゃんと役割はあるさ。今はまだ、ちょっとだけその時じゃないってだけだ」

 ちょっとした謎かけみたいな言い方になっちゃったけど、必ず見せ場はあるさ。

 

 俺の考えてる作戦通り行けばね。

 

「さてと……綺羅。俺をあの花の上まで運んでくれ。多分俺みたいな仔猫なら、体重とかの重さを感じる事はない筈さ」

「うん」

 俺を持ち上げて、ふわふわと宙を高く登って行く。

 

「砂紗ー! 俺があの花に火炎魔法をぶつけたら、皆を遠くに避難させてくれー」

 段々俺の声が届かない距離まで来ちゃったらしく、残念ながら俺の声が届いたのかは分からない。

 

「さてと……聞こえたかどうかはあれだけど、ブタさんは俺のやりたい事理解してるみたいだから、何とかなるかな?」

 カンガルーさんと恐竜の顔が見える位置まで飛んで来て、カンガルーさんに耳打ちした。

 

 カンガルーさんは了解。って感じで、片手でOKサインを出した。

「分かってくれて助かるよ。さてと……反撃開始と行きますか?」

 綺羅に抱っこされながらの俺だったけど、そんなの気にしてられないんだ。

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