仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

6 / 55
これからどうしよう……

 俺達は、先立つ物がないと何も始まらない。そんな結論が出て、戦闘をする事になったのだが……。

「猫の俺に、どうしろと?」

 取り敢えず、体毛のせいで砂紗よりも体温が高くなってる俺は、日陰を探してゆっくり座っていた。

「クリスーー! メニュー画面開けるでしょ? そこにスキルとか職業とか書いてなぁい?」

 ちょっと遠くから聞こえる砂紗の声の教えに従って、メニュー画面を開く。

 

【名前:クリス LV:? 種族:猫 職業:魔術師 スキル:召喚 VR:??】

 

 ざっとこんな物だろうか?

「名前はいいとしても、職業猫って……。召還も何を召還出来るのかすら分からないし。それに、何でLVとこのVRってやつが、見えないんだ? そもそもこのVRって?」

「どうしたの?」

 金の髪を耳に掛けながら覗き込む姿は、正しく女神だった。テカテカと照り返す太陽の光りを髪に受けて、ますます綺麗に輝く。

「ち……ちょっと……胸当たってる!」

 この女は、俺の身体に自分の身体を平気で近付けて来る。

 恥じらいとかないのか? それを言おうとした矢先に、砂紗の顔が赤くなった。

「ご……ごめんなさい!!」

 良かった。一応の恥じらいはあるらしい。

「はあ。なあ、このVRって、何だ?」

 気を取り直して、これについて聞いてみるのだが……。

「んん? 何それ?」

「やっぱり分からないか」

 ログアウト出来ない訳も、未だに不明。何もかもが分からないままだった。

 

 ザアっと、砂漠の風が、俺と砂紗の二人の会話を遮るかの様に強く吹く。

 

「兎に角さ? 私と貴方で、あれ倒してみない?」

 砂紗が指を指した先には……。

 ブヨンブヨン動く透明な身体を持ったスライムだった。

「良いけど……多分俺、あんまり役に立たないかもだよ?」

 俺の尻尾はいつの間にか、タシタシ!! と、地面を叩いていた。

 そんな俺の尻尾が気になるのか、触ろうする砂紗を、猫の【シャーー!】という威嚇で阻止した。

 ちょっと悲しそうな顔をしていたが、今はお金とか必要だろうから、我慢してもらう事にした。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 砂紗は、何時の間にか大きな大剣を担いでいた。

「剣士なんだな?」

 胸を守る様にしてある木の鎧を見た時から、そうなんだろうとは、思っていた。

「期待を裏切らないね?」

 ボソッと呟いただけだから、砂紗には聞こえないのだろう。

「ん?」

 何でもないよ。ニッコリ笑う俺を見て、やはりと言うべきか……触りたい衝動に刈られているのだろう。

 

 けれど今は、あのスライムだ。

 

「さあ。退治しようか?」

 さっき見たステータスを見る限り俺は、魔術師の類いなんだろう。

 

 取り敢えずは……

 

 両手両足に力を込めて、魔方陣をイメージする。

 俺の足元には徐々に六傍線が出来て行き、最終的にはその六傍線を囲む様にして、大きな円が描かれて行く。

「まあ、猫の姿になって初戦だからな」

 猫なのに、不敵に笑ってみたりする俺を見ている砂紗は、可愛い。と、言ってたりするのだが……。

「行くぞ……。【火炎魔法(ファイアーマジック)】」

 笑った瞬間牙がちらっと見えたらしく、砂紗は少しだけビクッとなった。

 

 魔法はそのままスライムに直撃し、焼け死んだ……と、思ったのだが……。

「「え!?」」

 俺も砂紗も、驚いた。

 

「嘘!? 魔法よ? 結構強力だった感じするけど、弱かったの?」

 ふるふる。俺が首を振っただけで、何が言いたいのか察したらしく、「そっか」と、一言言うだけだった。

 

 

 この戦闘は、以外に苦戦するかも知れない。

 俺も砂紗もお互いにそう感じているのか、かなり緊迫した雰囲気になっていた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。