仔猫をモフリたいなら、一緒にヴァーチャル世界を旅しないかい?(旧:キャラメイキングで猫選んだら、ログアウト出来なくなりました)   作:猫つまみ

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お金

 ようやくスライムを倒した俺と砂紗は、スライムが落としたお金を手に入れた。

「あれ? あのウサギちゃんは?」

 金の髪が風に遊ばれているらしく、ちょっとだけ鬱陶しそうに両手で髪を押さえる。

「……ああ」

 俺は、スッと前足を顔の前まであげる。

 

 そんな体毛に覆われた俺の指した先には――仁王立ちしたままのウサギが片手で持ってた棍棒を両手に持ち変えて、そのままペコリと頭を下げた。

 

 そしてそのまま、スゥ~と姿を消す。

 

「なんか、凄いね! 可愛いだけじゃなくて、強くて礼儀正しいとか」

「……俺は、お前の順応性が凄いと思う」

 普通ああゆうの見たら、呆れるか怯えるかなんだろうけど……。女の子って、凄いよなぁー。

 と、思えてしまう俺がいたりする。

 

「うーん……スライム一匹倒しただけだと、百マリンかぁ」

 もっとするかな? って思ってけど、余り落とさなかったらしい。

 

 

 この世界のお金は、マリンと呼ばれていた。一円が一マリン。数え方は変わらないのだが、形が変わっていた。

 丸い形の真ん中には大きな穴。五円や五十円の様に穴がぽっかりと開いていた。そして日本円と同じく一円十円と、五百円まで、計五種類が存在していた。このゲームを作った会社が日本だという事もあって、日本円を元に作られているとか。

 ただ違うのは、色だった。一・十・五十円は、銅。

 同じ形で同じ色だから、ちゃんと分かるのか? って思うかもしれないけど、その辺はちゃんとしてる様で、細かく数字が書かれていた。

 百円は銀。五百円は金という様に、金銀銅の順に安くなって行く。

 

「百マリンって……。まあスライムだしなぁ~。こんなもんか?」

 俺は、何処からかか取り出した財布の中にマリンをしまう。

「これで、何買えるかな?」

 猫の身体だから鎧とかは必要ないだろうし、それ以前に、これだけじゃ買えない気がする。

 

 

 

 そのまま近くにあった岩の上に座る今の俺は、普通の猫とは明らかに違っていた座り方をした。

 

 お尻だけを岩の上に乗せ、後ろ足の左足の上に右足を乗せる。身体だけはピシッと伸ばし、人間が椅子に座る形で座った。

 

 そんな俺を見た砂紗は……

「ね……猫が、人間みたいに座ってる!?」

 まあ、そうなるだろうね。

「俺の中身……現実世界の俺は、人間なの。別に猫の様に四歩足で歩くのには抵抗ないよ。むしろ、猫好きだから満喫してる訳よ? でもな?」

 ゆっくりと四歩足に戻る。

「ずっと猫の様にしろ。なんて規則すらないだろ?だったら、俺の好きにしても良いと思わないか?」

 むーー! と、頬を膨らませる砂紗だったが、残念ながらサービス精神旺盛ではない俺は、そのまま岩から降りて、むくれている砂紗に向かって「シャーー!!」と、威嚇した。

 威嚇すると中々面白い反応をしてくれるから、ついついやってしまう。

 

 

 

 

「さて……」

 そんな俺と砂紗が次にする事は、何か?

 

 簡単だ。町に行って情報集めだ。この辺りの魔物を倒しても、たいしたお金にならない事が分かったから、もうここに居る必要がないのだ。

 

 そして、俺は思った。お金は大事だけど、バグのせいで魔物が強くなってる気がする。スライムにすら苦戦してた俺達じゃ、このままだと、かなり厳しくなるんじゃないのか? だからこそ……

 

 

 ――仲間が必要。

 

 

 町に行けば、ログアウト出来ない人たちが沢山いる筈だ。

 だからこそ町へ向かう。仲間になってくれる人が居なくても、情報位は貰えるだろう。

 

 

 

 

 

 勿論俺達は、向かった町で新たな出会いが待っているなんて、分かる筈がなかったのだった。

 

 

 

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