文字数が足りなくて仕上げるのも遅くなるし…でもようやくゴールデンウィークです!その時にもう一話くらいまでいけそうですので期待してください!
あのおじさんの言うとおりに洞窟を見つけ私達は魔物を倒しながらも東の大きな川を越えた。その最中で青銅の盾やお金を拾ったりといいことだらけだった。
「それにしてもあの洞窟は魔物がウヨウヨいたな。ターニアちゃんはサポートだから守るのは当たり前だとしてもレック、お前は前衛もこなせるんだから自分の身は自分で守れよ?」
「その心配はないよ。さっきの見たでしょ? 僕の無双」
お兄ちゃんは洞窟に入ってから絶好調でブーメランを投げればその場にいたバブルスライムが真っ二つになって、剣を振るえばギズモを一振りで倒してしまう。そのくらい絶好調だった。
「確かにな。ドジさえなければ俺と互角かもな」
ハッサンさんはお兄ちゃんをジト目で見る……
もちろんお兄ちゃんのドジがなくなったわけじゃない。ブーメランを投げた時はバブルスライムの毒がお兄ちゃんの手についてしまい、毒にかかって毒消し草を使うことになって……ギズモを倒した時は剣がすっぽ抜けて、寝ているテールイータもろとも巻き添えにし、岩に刺さって抜けなくなったりとドジばかりだった。
「ま、まあそれはともかく東へ行ってみよう! そこにゾーマ神殿があるみたいだし!」
「お兄ちゃん、ゾーマじゃなくてダーマだよ……」
ゾーマ神殿だと邪悪な神殿のように聞こえる……実際にファルシオンも機嫌悪いし、後で蹴り飛ばされても知らないからね。
「言い間違えただけだよ! ダーマもゾーマもそんなに変わらないはず!」
お兄ちゃん……ラーとダーマと似ているって言ったおじさんと同じレベルよ……それ。
そんなこんなでダーマ神殿らしき場所に向かってみたけれど……そこには私達が旅をするきっかけになった大穴があった。
「おいおい! どういうことだ!? どうして穴の下に地面があるんだ?!」
ハッサンさんはその穴よりも穴の下にある地面を気にしていた。大工の仕事をしていたからかな……?
「……それと似たような穴に落ちたことがあるよ」
「本当か!?」
お兄ちゃんの言葉にハッサンさんが驚きの声を上げた。
「うん……ターニアと一緒に落ちたけど命を落とすどころかむしろ無傷で済んだ。その穴の下の地面じゃ僕達は幽霊のように半透明になって誰からも認識出来ないようになっているんだ」
「その穴に落ちても無傷か……ありえねえな」
信じられないよね……普通だったら窒息して死んじゃうか潰れたトマトのようにグチャグチャになって死んじゃうかのどっちかしかないもん……
「だがレックはともかくターニアちゃんが嘘をつくとは思えないし、ここにいるのが何よりの証拠だ。それにしてもどうやって元に戻ったんだ?」
「井戸を使ったら何故か元に戻れたよ」
「……井戸?」
「僕にもさっぱりわからないよ。何がどうなっているのか……でも井戸を使ったら僕たちの世界の井戸に繋がっていた」
お兄ちゃんは眉をハの字に寄せて困った顔になった。
「井戸か……何にしてもここから動かなきゃ手がかりはなさそうだぜ」
「……お兄ちゃん行こう。どうせここから落ちても死なないのはわかっているんだし」
「じゃあ、行こう! いっせーの……」
「「「せっ!」」」
私達はそこから飛び降り、再び半透明になる地面へと降り立った。
「ここは?」
私が周りを見ると瓦礫の山と人工物で出来た床が目に映った。
「随分とボロっちい建物だね」
「その割には石造物の面積が広いな……まさかとは思うがここがダーマ神殿なのか?」
「あり得りそう。魔王ムドーがダーマ神殿を滅ぼしたと考えると辻褄が合う」
お兄ちゃんがハッサンさんの意見に頷くと階段を降りて行くと井戸がそこにあり、そこの縁にお兄ちゃんが座った。
「それにしたって何の目的で?」
「わからないけど、おそらくダーマ神殿が邪魔だったとか?」
「そう考えると不思議でも何でもないな」
「とにかくここから出て他の場所に行こぉぉっ!?」
お兄ちゃんが手を滑らし、井戸の中に入ると途中で声が聞こえなくなった。
「もしかしてここが例の井戸なのか?」
「そうみたい」
「なるほどな……じゃあとりあえず階段から上がってレックを待とうぜ。きっとあいつもやってくる」
「そうだね」
そして階段を上り、地上に上がるとお兄ちゃんの声が聞こえた。
「ハッサンー! ターニアー!」
「ここだここ!」
ハッサンさんが手を振って私達の場所を知らせる。
「いたいた! それじゃ報告するよ」
「報告? 何の報告だ?」
「僕が井戸に落ちた後の事だよ。前回僕たちが落ちた井戸は他の場所の井戸に繋がっていたんだけど今回は違った」
……そういえば井戸から井戸へ繋がるとは限らないことを頭に入れていなかった。
「へえ……でもすぐに帰って来れたってことは落ちた穴の近くだったのか?」
もし、お兄ちゃんが落ちた穴の近くじゃなく遠い場所だったらずっと会えなくなっていたかもしれない……そうなったら私達はラーの鏡の前にお兄ちゃんを探さなきゃいけなくなる。本当によかった。
「そんなところ。まあ詳しい話は歩いてでも出来るし、近くの町を探そうか」
「確かにな」
「賛成!」
「それじゃ近くの町へレッツゴー!」
旅をしてようやくわかったけどこういう時のお兄ちゃんはだいたいドジを踏む。何故だかわからないけれどもお兄ちゃんのドジはお兄ちゃんがテンションが上がった時……悪く言えば入れ込んだ時に効果を発揮し、魔物を倒す時なんかもお兄ちゃんが入れ込んだ時だった。その結果都合良く魔物を倒せるんだからただのドジじゃない。ドジの神様に愛された存在だと思う……お兄ちゃんからしてみれば迷惑極まりないけど。
「町だーっ!!」
そんなことを考えている間に珍しくお兄ちゃんがドジを発揮せず町について叫んだ。
「こんな時にハッサンさえいてくれたら……」
「バッキャロー! そんな奴の名前を出すんじゃねえ! バカ息子は勝手に出て行ったんだ。あんなガキ俺の知ったこっちゃねえ!」
そんな怒鳴り声が家から聞こえ、ハッサンさんは戸惑った。
「へえ、あそこの家にいた息子もハッサンって名前なんだな。妙な偶然もあるもんだ」
「そうだね。そのハッサンさんって人はどんな人なのか見てみたい気もする……」
「あんな親父が父親じゃなくてよかった……」
ハッサンさん苦手そうだよね。ああいうの。
パリーン! ガラガラドシャン!
……何やっているのお兄ちゃん? 窓は壊すものじゃないよ。
「なんだなんだ!?」
「ドロボー!!」
お兄ちゃんのせいで話が聞けなくなったのでお兄ちゃん一人にして解決させてやりたいという気持ちからこの場から立ち去った。
「ちょっ!? 待って! 二人とも置いてかないで!!」
お兄ちゃんが何か叫んでいるみたいだけど私とハッサンさんは聞かなかったことにした。お兄ちゃんならほっといても大丈夫。ドジでも問題ないくらいには活動出来るし……
「わぷっ!?」
「痛っ!?」
いきなり先頭を走っていたハッサンさんが止まり、私達は玉突き事故のように転んだ。
「いきなり止まってどうしたの?」
そう言ってハッサンさんに尋ねるとハッサンさんが指をさした。
「静かにしろ。いい雰囲気なのにぶち壊すのは野暮ってもんだぜ」
いい雰囲気……あっ!?
「メラニィ、どうして僕の気持ちをわかってくれないんだい? こんなに君を愛しているのに……」
「私だってジョセフ様のことを愛しています! ……でもご主人様のことを思うと……」
「パパだっていつかは僕達の結婚を許してくれるさ。もし許さないようだったら僕は家を出るよ」
「それはいけないわ。ジョセフ様はいずれはお父様の後を継いで町長になる人。私よりも優れた人、素敵な人が現れますわ」
身分違いの恋人が互いに想いあっているのに身分が違うだけで叶わない恋になってしまう……まるで物語の中のお話みたい。私は唾を飲み込み、その様子を見る。
「メラニィ……僕は!」
ジョセフさん、そこで一押ししちゃえば勝ちだよ!
プゥ〜……
こんな時にオナラの音が聞こえ、せっかくの告白の雰囲気が台無しになった。
「お兄ちゃん! 空気壊さないでよ!」
「ごめん!」
もう! おかげであの二人も戸惑っているじゃない! あれ? 私達が声をかけても反応しないくせにオナラの音で反応するってことは私達はオナラ以下ってこと? 世の中は理不尽っ!
「あっ! そろそろご主人様の元へ戻らないといけませんので失礼します!」
メラニィさんがお兄ちゃんのオナラの音で台無しになった空気を誤魔化そうとその場を立ち去ってしまった。
「待ってくれ、メラニィ。僕は君のことが──」
ジョセフさんは言葉を切るとため息を吐き、私達は居た堪れなくなりその場から逃げた。
「あれでメラニィさんとジョセフさんが結ばれなかったらお兄ちゃんのせいだからね。人を不幸にした責任は重いわよ」
「う、反省してます」
私はお兄ちゃんを説教して、注意させる……
「でもお兄ちゃんが全部悪いってわけじゃないのはわかってるわ」
けれどもよくよく考えてみれば生理現象……どうしようもないことだと気づいて私は切り上げた。
「ターニア!」
お兄ちゃんが希望に満ちた顔を見せ、笑顔になる。
「昨日だって寝ている間にお兄ちゃんのパンツが白濁した液体にやられちゃったもんね」
「〜っ!!」
お兄ちゃんは顔を真っ赤にして縮こまってしまった。
「ターニアちゃん、そのくらいにしておけ。レックが可哀想……ん?」
ハッサンさんが私を咎めようとした瞬間、近くのドアを開いてそこに入り私達もそれに続くと女の人が鍋で何かを作っている姿が見えた。
「えーっと後はこの草を入れれば出来上がりっと。うふふ……メラニィの困った顔が目に浮かぶようだわ。見てらっしゃい。私のジョセフに手を出したりして許さないんだから……」
その女の人はそそくさとその部屋を出て行ってしまい、私達はそれを唖然と見過ごした。
「……っ! ハッサン、ターニア! 行こう!」
「ああ……!」
そして先回りしようとした瞬間、お兄ちゃんが転んでしまい、私達も巻き添えにした。
「これをペロの餌に混ぜて……これで良いわ。運が悪かったと思って諦めるのね。メラニィ。ジョセフは渡さないわ」
結局、私達はその女の人を止めることは出来なかった。その毒の餌を処分しようにもメラニィさんが予想以上に早くペロに餌を食べさせてしまったせいで何も出来ず、私達はメラニィさんの濡れ衣を着せられる瞬間を見つめるしかなかった。
ターニア&レック「ターニアとレックの後書きコーナー!」
ターニア「はい、という訳で今回はお兄ちゃんのドジが切れる回だったね。」
レック「酷いよ…。前回よりもドジが酷いって遊び人じゃないんだから…」
ターニア「そんなお兄ちゃんの内心はどうでもいいよ。それよりも次回、物凄い美人さんがお兄ちゃんの心を癒してくれるかもよ。」
レック「えっ!!?嘘…」
ターニア「ただしキャラ崩壊注意。」
レック「えっ…何それ…って時間がない!」
ターニア「感想・評価よろしくお願いします!要望はメッセージボックスまで!」
レック「誤字報告は誤字にてお願いします!次回もお楽しみに!」