ドラゴンクエストⅥ〜ターニアの冒険記〜   作:ディア

12 / 14
何とかゴールデンウイーク中に仕上げ終わりました。


10人中10人が見惚れる麗人、登場!

 メラニィさんが納屋に閉じ込められてから夜が明けた。

 

「畜生が!」

 

 特にハッサンさんは大荒れで樽を蹴っ飛ばして破壊する。誰にもそれが気づかれず、静まり返った状態でお兄ちゃんが口を挟んだ。

 

「落ち着いて、ハッサン。そりゃ僕だって悔しいのはわかるよ。でもさ……」

 

「だからって泣き寝入りするっていうのか!? あのクソ女相手にか!?」

 

 相当気に食わなかったみたい。それもこれもメラニィさんを信じてあげなかった村長さんにも責任がある。もしメラニィさんを信じてあげればこうなることもなかったと思う。

 

「こんな時は魔物を倒してスカッとしたいがそんなことでストレスを発散しても仕方ねえ」

 

「ハッサンだけに?」

 

「ホワタァッ!」

 

 お兄ちゃんのくだらないギャグを聞いてハッサンさんの容赦ない裏拳がお兄ちゃんに炸裂し、顔にめり込む。

 

「〜っ!!」

 

 顔がめり込み、呪文が唱えられなくなっただけでなく薬草も使えない状況でお兄ちゃんはジタバタしていた……お兄ちゃん。失言はほどほどにね。

 

 

 

 数分後、お兄ちゃんが回復し、ハッサンさんも冷静になると私の話を聞くことにした。

 

「お兄ちゃん、ハッサンさん……真犯人のアマンダって人はボロを出さないでしょうし、私達が見たと言っても聞こえないんじゃどうしようもないよ」

 

「だからってこのまま泣き寝入りするのかよ?」

 

「そんなことはしないよ。でも私達が今出来ることにそれは含まれていないということよ」

 

「ん〜? ますますわかんねえな」

 

「まず最初にやるべきことは私達が透けている状態から脱出しなきゃいけない。そうすれば真犯人に関する情報を村長さんに告げたり、ラーの鏡を探すのに必要な情報を集めたりすることが出来るでしょ?」

 

「なるほど。そういう考えもあるか。このままでも案外情報を集めるのに不便じゃないと思っていたからな」

 

「とりあえずここにいる人達はほぼ全員集められる情報は集められたし……他の町へ行ってみる?」

 

「そうだね。探せるものは探したし、他の場所を散策してみようか」

 

 そしてお兄ちゃんを先頭に町を出ようと歩くと、男の人の声が聞こえた。

 

「……それにしてもさっき町に入ってきた女の人物とんでもなく綺麗だったな。誰かを探して港の方へ行ったようだけど俺もあんな風に探されてみたいよ」

 

「……ターニア、ハッサン」

 

 お兄ちゃんがそう呟いて、ピタリと足を止めると振り向いて後ろにいる私達を見た。

 

「お前まさか……?」

 

「一度その美人さんに会ってみない? どうせ声をかけても迷惑にはならないしさ」

 

「ダメだ……っていいてえところだが時間はまだあるし少し見る程度ならいいか」

 

「ターニアは?」

 

「お兄ちゃんが変な行動をしなければそれでいいよ。ドジとか」

 

「……善処するよ」

 

 お兄ちゃんは苦笑いでそれを返すと港の方へと歩いていった。

 

 

 

 〜港〜

 

 

 

「噂通り凄い綺麗な人……」

 

 私はそのお姉さんを見て思わずため息を吐いてしまう。普通の美人さんなら嫉妬してしまうけれどこのお姉さんはもう美し過ぎて、敵わない。あのお姉さんはそんな気持ちにさせられる。

 

「同感だ。ターニアちゃんは可愛い系だから比べることは出来ねえけど、あれで美人でなきゃ誰が美人じゃないんだ?」

 

 ……可愛いってそんなに可愛いかな……? 私は顔を紅潮させてそんなことを考える。ハッサンさんの言うことってお兄ちゃんとは違ってしっかりしているから妙に説得力がある。だからこんなに赤く顔を染めたのかもしれない。

 

 

 

「あらこんにちは。随分仲が良いわね」

 

 金髪のお姉さんが私達に声をかけて微笑んできたので私は笑顔でそれに答えた。

 

「お姉さんこんにちは──ってあれ?」

 

 私が声を出す……けれど今の私達の声は聞こえないのを思い出して頭に? が一杯付く。

 

「別にこれは独り言で言っている訳じゃないわよ。ちゃんと貴方達が見えるし、ここで貴方達を待っていたわ。私の名前はミレーユ。貴方達は?」

 

「それよりも何で僕達が見えるんだい?」

 

 私の代わりにそう声を出したのはお兄ちゃんだった。お兄ちゃんはやるときはやる。それこそこの中で最もリーダーにふさわしいくらいに。……ドジだけど。

 

「うふふっ。私に貴方達が見えるみたいで驚いているみたいね。どうして私だけが見えるのか、その理由が知りたければ私に着いていらして。街の外で待っているわ」

 

 お姉さん。もといミレーユさんがそう言ってお兄ちゃんの耳元で何かを呟いて街の外に行くとお兄ちゃんは顔を真っ赤にして、ハッサンさんは眉を顰めた。

 

「何だか怪しいな……でも今の俺達に他に出来ることなんてねえし、行ってみるしかなさそうだな。……ってどうしたレック?」

 

 ハッサンさんが結論を出すとお兄ちゃんの様子が変なことに気がついて、声をかけた。

 

「な、何でもない! さあ、それよりも行こう!」

 

 私はお兄ちゃんの様子を見て悟ってしまった。

 

 

 

 やっぱり兄妹なんだな……って。

 

 

 

 お兄ちゃんの様子から考えると、ミレーユさんに……エッチい感じのセリフを聞かされたんだと思う。田舎育ちは結婚した大人達やエッチいことしか考えていない村人達はそう言ったことに耐性はあるけど私達は違う。まだまだ恋人も経験していない。初心になるのは当たり前の事だった。

 

 

 

「いや、教会でお祈りして行った方が良いかもしれないぜ」

 

 ごもっともだけど今の私達はやましいことばかり考えているのでお祈りも猪もあったものじゃない。

 

 

 

「ふふふ……やっぱり来ちゃったね」

 

 結局、数分後町の外で待っているミレーユさんを待たせる訳にもいかないのでお祈りをせず町の外へと出てミレーユさんと合流し、着いていくと一軒家サイズの館みたいな場所についた。

 

「さあどうぞ。こっちよ」

 

 ミレーユさんが入り口から見て右方向に案内するとお婆さんが私達を見て機嫌良さそうに口元に笑みを浮かべた。

 

「ひゃーひゃっひゃっ、おかえりミレーユ。どうやら見つけてきたようじゃね」

 

「ただいまお婆ちゃん。その通り、見つけてきたの」

 

 ……何をどう見つけたの? 私達を置いてけぼりにして謎のお婆さんとミレーユさんが話を続ける。

 

「お婆ちゃんの言う通りだったわ」

 

 言う通り……ってことは見た目からして占い師かな? そう考えているとミレーユさんが私達が困惑していることに気がついて私達に向けて口を開いた。

 

 

 

「こちらは夢占い師のグランマーズ。貴方達を待っていたのよ」

 

「ま、そういうことじゃ。確かお前さんはレックとハッサン、そしてターニアだったね?」

 

「えっ? どうして私達の名前を? それにどうして私達の姿が見えるの?」

 

「ふぉっほっほっ。まあそう焦りなさんな。まず最初にわしやミレーユにどうしてお前さん達の姿が見えるのか。そもそも何故お前さん達がこの世界で姿が見えないのか、あれこれわからなくて困惑しているんじゃろ?」

 

「あ……はい!」

 

 私が代表して答えるとグランマーズお婆さん、マーズお婆ちゃんでいいかな? マーズお婆ちゃんが満足げにうなづいた。

 

「……ふむそうかい。しかしお前さん達にはしっかりと目的があるそうじゃ」

 

「その通り! それは……」

 

「言わんで良い」

 

 お兄ちゃんがドヤ顔をして答えようとするとマーズお婆ちゃんに遮られた。

 

「レイドック王の兵士としてラーの鏡を探せと……そう言われているはずだからのう。だがその為にはお前さん達の姿をどうにかせにゃいかん。この世界で姿が見えなければレイドックへの乗船券も買えないのじゃから」

 

 マーズお婆ちゃんの言う通り。私達のこの姿でやれることはごく限られているそのやれることも魔物退治とか空き巣とか……そんなことしかできない。もっとも空き巣なんてのはやらないけど。

 

「確かに乗船券は買えないけど船に乗って移動することはできるんじゃないかな?」

 

「レックお前、タダ乗りする気か? そんな犯罪じみたこと俺達にもやれってか?」

 

「というか犯罪ね」

 

 お兄ちゃんの案にハッサンさんとミレーユさんがダメだしをしてお兄ちゃんがショボンとなるとマーズお婆ちゃんが咳払いをした。

 

「ただ、お前さん達を助けるには少しばかり準備が必要じゃ。ともかく今日のところは一休みおし。話の続きはまた明日にしよう。さ、そこのベッドでお休みなさいな」

 

「グランマーズさん。その前にいいですか?」

 

「何だね?」

 

「マーズお婆ちゃんって呼んでもいいですか? 私達は両親が早くから死んで祖父母もいなかったから……グランマーズさんを見ているとそう呼びたくなるの」

 

「勝手におし」

 

「やったー! ありがとうマーズお婆ちゃん!」

 

「それじゃわしも寝るかね」

 

 マーズお婆ちゃんはベッドで眠りにつくと、私達も眠りについた。

 

 

 

 〜深夜〜

 

 

 

「……っくり……」

 

 ……夜中に目が覚め、目だけを開くとその視線の先にはお兄ちゃんの髪を弄っているミレーユさんが見えた。

 

「うん……後はこうしてと」

 

 そして髪を弄る為にお兄ちゃんの顔を横にすると、そこには私の顔があった。正確にいうとお兄ちゃんが化粧させられていて私の顔になっていた。

 

「ターニアちゃんの髪の毛は……」

 

 ビクリとして私は慌てて目を閉じる。その選択肢は正解だったようでミレーユさんが私に近づくと髪の毛を撫でた。

 

「ターニアちゃんの髪の毛の柔らかさはこんなものね」

 

 そしてミレーユさんはお兄ちゃんの髪の毛を再び弄ると鏡の中の私がそこにいた。

 

「今度は起きている時にやって楽しみましょう……お休みなさい」

 

 ミレーユさんがベッドで眠りに着くと私の顔になったお兄ちゃんを見て私も寝た。

 

 

 

 翌朝、お兄ちゃんの顔を見たハッサンさんが大笑いしたのは言うまでもない。




ターニア&レック「ターニアとレックの後書きコーナー!」
ターニア「はい。というわけで今回はミレーユさんの登場回でしたね。」
レック「東城会?あのヤクザの人が活躍するあのゲームの組織?」
ターニア「お兄ちゃん、そんなこと言っているとお兄ちゃんの女装シーンが増えるだけだよ?」
レック「…ごめん。だけど前回の宣言だとミレーユが癒し要素になったって聞いていたんだけど…」
ターニア「作者がゴールデンウイーク中に仕上げるのに『そこまでは無理だ』って思って諦めたんだって。」
レック「だったら僕の女装シーンを省いてよ!」
ターニア「お兄ちゃんのドジをなくすにはそれが一番だと思うけどな…」
レック「ああもう!時間になっちゃったよ!」
ターニア「感想・評価よろしくお願いします!」
レック「誤字報告は誤字にて、要望は作者のメッセージボックスにてお願いします!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。