ではどうぞ!!!
〜北西の森〜
「暴れ馬注意! ──ってことはここに住んでいるみたいだね」
私が看板を読むと2人は唸り首を捻り考え始めた。
「いるんだろうな、ここに」
「覚悟は決まってる。いこうか」
あれ? なんか物凄くやる気に満ちているけど何かあったの? お兄ちゃん達。
「あ! 待ってよ! ハッサンさん、お兄ちゃん!」
私が唖然としているとお兄ちゃん達が先に行ってしまい、はぐれてしまった。もう知らない!
どんっ!!
「キャァッ!?」
私は何かにぶつかり尻餅をついて擦り傷をしてしまった。
「痛っ……! 何が起きたの?」
そのぶつかってきた物を見るとそこにいたのは白馬だった。ただし目つきは猛獣のような目つきで柵を蹴っ飛ばしたら致命傷を負って安楽死させられそうな馬じゃなく、むしろ世紀末の荒くれ達を蹴っ飛ばして無双しそうな某黒馬のイメージがわいた。
「ブルル……」
えっ!? 私の傷を舐め始めた?
「ありがとう……優しいのね。でも大丈夫だよ。呪文を使えるからね」
私はホイミをかけて擦り傷を治し、鬣を撫でた。
「ブルル……!」
とっても嬉しそう……私はその白馬の鬣を撫でてあげた。
「はぁっ……はぁっ……なんだよターニアちゃんが捕まえたのか?」
「それじゃ働き損?」
「かもな」
ハッサンさんとお兄ちゃんが近寄って馬に触ると……後ろ足で蹴っ飛ばした。
「暴れ馬ってのは本当だな……」
ハッサンさんはそれを受け止め、持ちこたえたけど……問題はもう一人お兄ちゃん。
「あぐぅぅぅぅ……」
お兄ちゃんは脂汗をかき、股間を抑えて転がっていた……
「レック……その様子だとタマに当たったのか?」
ハッサンさんが尋ねるとお兄ちゃんは声を出す代わりにものすごい勢いで首を縦に振り、苦しそうにしている。私は男じゃないからわからないけどそんなに苦しいものなの……?
「ホイミ」
ホイミをかけた後、私はお兄ちゃんを優しく介護した。
〜この痛みはご婦人の方には理解出来ません〜
「それじゃ名前を付けようぜ。このまま名無しの白馬じゃかわいそうだろ?」
それから数分後、お兄ちゃんが内股ではあるものの立てるまで回復したので名前を決めることにした。
「はいはい! それじゃゴールドキッ……痛い痛い!」
お兄ちゃんが自分の急所を蹴られたことを根に持っていたのかそんな名前を提案しようとして、気づいた白馬がお兄ちゃんの頭をガリガリと噛んだ。誰だって
「確かに悪くねえけどなんつーかこいつのイメージに合わないような気がするぜ。急所をわざわざ狙うイメージよりも強そうな感じがするしな」
ハッサンさんはお兄ちゃんの意見を切り捨て、腕を組んだ。
「じゃあファルシオンって名前……どうかな?」
「強そうな名前で良さそうだな! よし! ファルシオンよろしくな!」
そしてハッサンさんがポンとおくとファルシオンが立ち上がった。
「コ──ロ──スー!!」
物騒な事を言い出し、ファルシオンは後ろを向いてお兄ちゃんを土まみれにするとその場から逃げてしまった。
「あっ!? 待てよ!!」
ハッサンさんが追いかけるのを見て私は土を取ってお兄ちゃんを慰めた。
「酷い目にあった……」
お兄ちゃんの目が死に、ふらふらと歩きながらゆっくりとハッサンさんとファルシオンが向かった方向へと歩きだす。
「お兄ちゃん大丈夫?」
私は肩を出し、お兄ちゃんの手をそこに乗せた。
「生きている程度にはね。ハハハ……でもターニアは?」
「お兄ちゃんのおかげでなんとか」
「そりゃよかった……」
そうして歩いているとファルシオンとハッサンさんが男の人と戦っていた。
「ヒンッ!」
そして得意の急所後ろ蹴りが炸裂すると男の人はうずくまり、内股になってハッサンさんに縄で縛られた……卑猥な表現になるのは何で?
「ふぅーっ……いやしかし参ったぜ。ファルシオンがいきなり暴れたから背中に乗っかったら盗賊達が商人を襲ってたから一緒に大暴れしてやったぜ!」
「そう言えばこの情報を教えてくれた人も盗賊行為をしたって言ってた気がする」
「もしかしたら悪い奴に反応する馬なのかもな」
確かに……お兄ちゃんなんかは悪意ある名前をつけようとして頭かじられてたもんね……でもそうだとするならお兄ちゃんは悪意を持ってファルシオンに触ったってことになるよね? 急所蹴られたんだし……
〜レイドック城〜
「まさかその馬鹿でかい馬を城の中へ連れて行く気ではあるまいな?」
「そうですけど……」
「なんとその馬を連れて城の中に入るつもりなのか!? ……よし、今回だけは目を瞑ろう。ただし、二階まで連れて上がったりするなよ」
やった! お爺さんのところへ連れて行こう!
「おおおおおおっ、おぅーっ!! これはなんとすごい馬だ! これならいける! いけるぞぉぉーっ!! お願いじゃ、こいつをワシに任せて貰えないか!?」
「もちろんですよ」
「フハハハーッ!! これでこの馬車の雄姿が再び見られるっ!!」
すごいテンション……ポックリ逝っちゃわないか心配……
「このことは王様に報告しておく! さあ行きなされ!」
「見事であった!」
お爺さんが話しを終えると後ろから声がかかった。
「ソルディ兵士長……!」
「そなた達三人の働きはしかと見届けた! 三人共、王宮の兵士として充分な資質を兼ね備えている」
「ってことは……!」
「この私の責任でハッサン、レック共に王宮の兵士として働いて貰おう!」
「やった!」
「しゃあっ!」
お兄ちゃんとハッサンさんがハイタッチをして喜んでいた。
「浮かれるでない。すでに聞き及んでいるだろう。魔王ムドーの存在をっ! この忌まわしきムドーを倒すべく我が国王は眠る間も惜しんで事を進めておられる。さあついてこい、お前達をレイドック王に引き合わせよう」
ついにレイドック王とご対面か……ドキドキするな。
「あいたっ!!」
お兄ちゃん……そんなところで転ばないでよ……
〜王室〜
「陛下! この度新しく兵士に選ばれた三名を連れてまいりました! この三人はこう見えてもあの馬車の馬を見つける程優秀です。もし陛下のお役に立てそうであれば何なりとお申し付けください」
ソルディ兵士長が私達を紹介すると王様は私達をじっと見つめた。
「……三人とも中々良い目をしている。特にそこの女子は力強い精神力を感じるな」
「ありがとうございます!」
「礼儀も知っているか。よろしい! 早速だが君たちにも手伝ってもらうことにしよう!」
王様、本当に眠っていないの……? 声が大きくハキハキとしている。寝不足だったらイライラしたりするけど……
「どんなことですか?」
「この世界のどこかに真実をうつすラーの鏡というものがあるらしい。あと少しでその姿をかき消してしまう魔王ムドーだがそのラーの鏡さえあれば奴の化けの皮をはがせるはず! そこでラーの鏡を見つけ出して持ち帰って欲しいのだ」
「わかりました。探して持ち帰ってみましょう」
「うむ、君たちの働きに期待しているぞ! では行け! 我が兵士達よ!」
私達以外の兵士達は張り切り、「ヒャッハー」と言いながら出て行くとお兄ちゃんが巻きこまれて、ファルシオンがお兄ちゃんを取り返すとお兄ちゃんと兵士達はボロボロになってしまった。……ごめんなさい。
ターニア&レック「ターニアとレックと後書きコーナー!」
ターニア「ようやくレイドックから抜け出せるような状態になったねお兄ちゃん。」
レック「うん…」
ターニア「お兄ちゃん、どうしたの?作者が去年までに書き終えるつもりが今月まで引き延ばしてしまったことを気にしているの?」
レック「それもあるけど今回の僕酷い扱いだよ…多分これ以上ないくらい扱いが酷い!」
ターニア「確かに今回のドジさはひどかったよね。」
レック「男のドジ属性なんて需要ないのに…もう時間だよ。」
ターニア「感想は感想にて、その他要望はメッセージボックスへ!誤字報告は誤字へ!評価もお待ちしております!」
レック「では次回もお楽しみに!」