ハイスクールG×E   作:フリムン

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第14話

 

 僕が自分の悪魔恐怖症の理由を話してから、数日がたったある日の事。

 

 僕は、大変な物を目撃してしまったのかも知れない…………。

 

「……イッセー兄ちゃん、とうとう…………お巡りさーん! この人です! この変態です!」

「ちょ!? ハル!? いきなりなんだ!」

 

 事案! 事案だぁぁぁあ!!

 

「イッセー兄ちゃん! なに? 誘拐なの!? 事案なの!? お巡りさーん!」

「ちょ、違うから!」

 

 だって、イッセー兄ちゃんが金髪美少女のシスターさんを引き連れているのだから!

 

P、Please calm down(お、落ち着いて下さい)!!」

 

 その金髪シスターさんが何か言っているが、僕にそんな英語能力を求めないで下さい。

 

「落ち着けハル! ほら、アーシアも落ち着いてって言ってるし!」

「…………え? 兄ちゃん英語できるの? うっそだー」

 

 まさか、そんな嘘だ。

 これまで兄ちゃんが成績で僕に勝った試しなんか無い。保健体育を除いて。

 

 そんな兄ちゃんが、英語、だと…………?

 

「ちょっと何に驚愕してるかわかんないけどさ、あれだからな? 別に俺が英語できるようになった訳じゃないからな?」

「あ、そうなの?」

 

 するとイッセー兄ちゃんは、僕にコソッと耳打ちをする。

 

「どうやら悪魔の能力らしくてな、ありとあらゆる言語が使えるらしい」

「え、なにそのチート。裏山」

 

 正しくは、相手にとって慣れ親しんだ言語に聞こえるんだと。

 

「んでこの子、ここの教会に赴任してきたらしくてさ、今から案内する所なんだ」

「じー」

「…………なんだよその目は」

「よし、僕もいこうか」

「え? なんで? 別に良いけどさ」

「だって、イッセー兄ちゃんだけだとこの人が危ないから」

 

 僕がそういうと、イッセー兄ちゃんの肩がガックリと落ちる。

 

「俺って、信用無いのな」

「自分の胸に手を当てて考えるといいよ」

「うぐ………」

「ほらイッセー兄ちゃん。この人に僕もついていくって言ってよ」

「わかったよ、ったく」

 

 兄ちゃんが僕も案内する事を伝えると、そのシスターさんは華やかな笑顔でこう言った。

 

Thank you very much for your help.(ありがとうございます)

 

 うん、なんて言ってるかはわからないけど、最初の『てんきゅー(Thank you)』はちゃんと聞き取れたから、多分ありがとうとかその辺だろうな。

 

「ありがとうございます、だってさ」

「うん、何となく今のは通じたよ」

 

 その後、イッセー兄ちゃんの同時通訳によって僕たちは自己紹介を済ませる。

 

 ふむふむ。アーシア・アルジェントさんね。よろしく。

 

 って言うか、

 

「…………ねぇイッセー兄ちゃん。悪魔とシスターが教会に行くって、大丈夫なの?」

「……………………あー」

 

 この人、絶対深く考えてなかったな。

 多分アレだ。アルジェントさんがあまりに美少女なもんだから、本能の赴くままに案内役を買って出たんだろうな。

 間違いない。

 

「はぁ、まあ、それが兄ちゃんだしね。仕方ないか」

 

 困っていたらどんな人でも手を伸ばしてしまう。

 それが、僕の兄貴分なんだ。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 教会へ向かう途中、公園の前を横切ると、子供の泣き声が聞こえてくる。

 

 目を向けるとそこには、膝に怪我を負った子供と、それをあやすその子の母親がいた。

 多分、あの子が転んだのだろう。

 

 僕はポケットに手を伸ばし、絆創膏を取り出して、その子供の所に向かう。

 すると、僕とほとんど同時にアルジェントさんも動き出す。

 

 一瞬目が合ったが、言葉が通じないので、互いに微笑むだけ。

 そのまま僕たちは少年の目の前に行き、まずは僕が少年に声をかける。

 

「大丈夫、ちょっと転んだだけじゃないか。ほら、絆創膏貼ってあげる」

 

 優しく声をかけながら、傷口の血をティッシュで拭き取り、大きめの絆創膏を貼ってやる。

 今度はアルジェントさんがその膝に両手をかざす。

 

 シスターのおまじないか何かかな?

 

 僕がそう思っていると、アルジェントさんの両手の両手から淡い緑の光が溢れ、少年の膝を照らした。

 

 え、なにあれ? 魔法? 回復魔法? ケ○ル的な?

 いや、でも魔法は悪魔と悪魔に通じてる人にしか使えないんだよな、確か。

 聖職者が悪魔と繋がってる訳じゃないし…………。

 

 あ、もしかして、

 

神器(セイクリッドギア)?」

 

 まるで思考がリンクしたかのように、僕の疑問をイッセー兄ちゃんが尋ねた。

 

 いつの間にか少年は泣き止んでおり、アルジェントさんの手の光も収まっていた。

 少年は、どこか不気味なものを見るような目を向けつつ、頭を下げている母親に手を引かれながら歩いていく。

 

「ありがとう! お兄ちゃん、お姉ちゃん!」

 

 きっと母親の方は、あの光の正体が分からなくて怯えたんだろうな。その分、子供は無邪気だなぁ。

 

 イッセー兄ちゃんが子供の言葉をアルジェントさんに通訳してあげると、アルジェントさんが嬉しそうに顔を綻ばせた。

 

 

 

 あと、やっぱりあれ神器(セイクリッド・ギア)みたいだ。何か事情がありそうだけど。

 

 

 

 教会まで送ると、イッセー兄ちゃんが途中で足を止める。

 

 …………あー、そういや悪魔って、こう言うところ入れないんだったっけ?

 

 仕方ない。

 

「兄ちゃん、通訳お願い」

「ん?」

「ゴメンね、アルジェントさん。僕ら今から向かうところがあるんだ。だから悪いけど、ここまでで大丈夫?」

 

 それを通訳してもらうと、アルジェントさんがなぜか慌てたように頭を下げる。

 

「お忙しいところご迷惑を掛けました、だって」

「そんなこと無いよって通訳して」

「おう」

 

 

 

 そして僕らは、アルジェントさんに手を振り別れを告げた。

 

 うん、言葉は通じなかったけど、いい人だったなぁ。

 また縁があれば会えるだろうな。

 

 

 

 

 ――――グゥゥゥ…………。

 

 

「兄ちゃん、お腹すいたからどっか食べに行こうよ」

「ん? ああそうだな。もうそんな時間か」

 

 

 

 最近、また少しずつお腹が空いてきた。

 おかしいなぁ。一旦治まってたんだけど…………。

 

 

 そういや、いつから治まってたっけ?

 多分確か、神機を初めて使った辺りからか。あの時僕、軽くアラガミ化してたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………アラガミ化? 強烈な空腹?

 

 

 

 

 

 

 まさかね。多分僕の思い過ごしだ。

 

 

 

 

 




バトル…………バトルが書きたいんじゃぁぁぁ…………。

じゃないと、GE設定が使えない。
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