…………三人称は難しかった。
閑話 とある三神の談話
ここは、一言で表すなら精神世界。
複雑に言い表すならば、現世にして夢幻、
彼らの宿主である神結ハルトが未だ気づかぬ、彼らの棲み家。
宿主が気付いていないが故に、本来なら語られることも、認識されることも無かったであろう。
だが時として、それは
これは、そんな覆された法則によって垣間見られる、神々の対話の記録である。
◆◇◆◇◆◇◆
「さて諸君。突然だが我輩は、諸侯らに一つ、とある議題を呈したい」
ふと、そんな言葉が白狼王の口から放たれる。
「ほう、議題とな、白狼王?」
「して王よ、その議題とは?」
それに応えるのは魔女王と鋼騎士。
彼らは一ヶ所に集まり、顔を見合わせる。そして、その
「我輩が呈示する議題…………それは」
ごくり、と固唾を飲む音を出したのは、果たしてどちらか。
「それは、我らが宿主にして主、神結ハルトを如何様に愛でるか、だ!」
「なん…………っ!」
「ですって!?」
驚愕する二人に、白狼王は声高に唱える。
「諸侯らも見たであろう! 我輩らが主の愛くるしさを! 戦闘時における猛々しさを! あれをギャップと、萌えと呼ばずしてなんと呼ぶ!
普段は頼りなく、愛玩動物が如き愛くるしさを誇る主!
だが一度我輩らを手に取り、倒すべき対象を前にした主のあの猛々しさ!
…………素晴らしかろう? 尊かろう? のう、魔女王、鋼騎士よ」
怒濤の勢いで捲し立てた白狼王は、満足げに息を吐き、二人に問いかける。
本来ならドン引きしても已む無しな内容であるが、しかし、二人の反応は違った。
「ふ、ふふふ! そうか、そうであるか! ようやくそなたも気付いたか! 我が君の真価に! 無論、妾は初めから気付いておったとも」
「さ、流石ですぞ、白狼王、魔女王! 若輩者である拙者、つい先頃まで思いもよりませんでした! しかし、確かに言われてみれば、一理あるものです!」
「一理? 一理とな? 鋼騎士よ。
「い、いえ! そのようなことは決して!」
「我が君の愛くるしさは、一理などという矮小な理に収まるわけが無かろう!」
「「あれを真理と、万象の理と呼ばずして、なんと呼ぶ!」」
たった一人を議題に、彼らは白熱した議論を繰り広げる。繰り広げてしまう。
端から見れば変態の集まりなのだろう。
だがここは精神世界。
彼ら以外に存在するものは、形と言葉を持たぬ《紡ぎ手》のみ。
故に彼らは止まることを知らない。止まろうとしない。
議論はなおも繰り広げられている。
「ああ、妾、あの方の笑顔も好みであるが、あの泣き顔もまた捨てがたく…………」
「馬鹿者め、それよりも、戦闘時のあの凛々しく雄々しい、まさに戦士然とした表情とのギャップである、普段の頼りなさであろう!」
「いえ、しかしやはり、寝顔ではないかと!」
「「…………っ!? なんたる不覚っ!!」」
彼らの議論は止まらない。
彼らにとって、新たな主であるハルトは、宝の宝庫であり、共に過ごせば過ごすほど、彼に対する情愛が募っていくのである。
「嗚呼、早く我が君が覚醒し、妾達とまともに言葉を交わせる日が来ないだろうか…………」
「そう逸るな、魔女王」
「そうですとも。いずれ、時が来れば…………」
「「「ふふふふふ…………」」」
ハルトが彼らの本性を見るのは、まだ先の話である。
ここで一つアンケートをば。回答はお手数ですが、「アンケート的なやつ②」の方にお願いします。
えー、血の力を考えたいのですが、何人かの能力が決まりません。
そのキャラクターの能力名と効果の意見を下さると助かります。