夢を見た。
あれは、僕が寝る前にやっていたゲームの夢だ。
荒廃した世界で、人類の天敵となった神を、人類が力をつけて逆に喰らうゲーム。
僕はそのゲームが好きで、毎日やっているし、そのゲームのストーリーで妄想したりもする。
「…………だからって、あれは無いよなぁ…………」
その夢のなかで、僕はゲームの主人公だった。神機を手に、仲間と共に沢山の荒ぶる神を狩っていた。
仲間はみんな笑顔で優しくて、夢の中なのに、ゲームの登場人物だったのに、軽く惚れかけた女性キャラもいたくらいだ。
…………あのおっぱいは反則だと思うんだ、シエルちゃん。
だけどその夢で、僕は…………。
「デッドエンドって、僕はいったいどんな夢を見ていたんだ、ホントに…………」
僕は夢のなかで死んだ。
しかもアラガミに食われたとかじゃなくて、事故死…………。
「普通、あれで死ぬか? おのれエミール許すまじ。マジで」
死因:エミールが落下してきたことによる頸椎骨折。
さすがにゴッドイーターの首でも人一人の重さには耐えきれなかったようだ。
「ホント、考えれば考えるだけアホな死に方だよなぁ…………。もうちょっと真面目な理由とかが良かったな、うん。それはそうとエミール、次会った時が…………って夢の中だから無理か。くそう」
僕がそんな悶々とした感情を抱いていると、部屋のドアが開かれる。
「ハルー、そろそろ起きなさい? 入学式当日に遅刻はしたくないでしょ?」
「うぇーい…………」
そうだった。
僕こと『
それも、あの有名な元女子高、《駒王学園》に! あそこは元女子高で、しかも可愛い女子が多いと評判で、そして何より、『二大お姉様』なる先輩がいるそうじゃないか!
…………ふ、ふふふふ! テンション上がってきた。
ベッドから起き上がり、背伸びをする。
そこで僕は、一枚の写真を目にする。そこに写っていたのは、一匹の白い小さな猫。
昔僕が拾ってきた子猫で、一時期うちで飼っていた猫だ。名前は『小猫』。だって小さかったから。
『一時期』、とつけた理由は、今はもううちにいないから。別に死んだとかじゃない。
猫というのは気ままな物で、ある日朝目が覚めたらどこにもいなかったんだ。
…………あれは泣いたね。すごく探したけど、結局見つからなくてさ。
一緒に昼寝したり、結構懐いてくれてると思ってたんだけど。
「いってきます、小猫」
そう言って、僕は部屋を出た。
その時僕はまだ、自分の右腕の異変に気づけてはいなかった。