ハイスクールG×E   作:フリムン

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何度書き直してもようやくこの出来。
 
結構な難産ってか、文章表現が難しかったです。あと流れがあんまり浮かばなかったです。


第36話

 

 部室を模して作られた部屋で、僕らはテーブルを取り囲むように向き合う。

 グレモリー先輩が口を開く。

 

「皆には、二人一組で動いてもらうわ」

「編成はどうしますの?」

 

 すかさず、姫島先輩が質問する。

 

「剣士同士、肉弾戦同士で固まってもらうわ」

「つまり、僕とハルトくん。イッセーくんと小猫ちゃんの編成ですね」

「ええ。そしてアーシアは私と来なさい」

「あらあら、私が一人余ってしまいましたわ」

「わかってるクセに…………まあいいわ。朱乃は遊撃奇襲として単独行動をお願いね」

 

 編成を伝え終えると、今度は詳しい作戦を考える。といっても、確認のような物だが。

 

 向こうは何度もゲームをしたことのある経験者で、こちらは毛も生えていないようなド素人だ。

 正直、こんな作戦が通じるかどうかも判らないが、これが今の僕らの精一杯なんだ。

 

「皆、不安?」

 

 ふと、グレモリー先輩がそんなことを言う。

 

「確かに相手は強いわ。ゲーム経験者で、不死のフェニックス」

 

 そう、相手は不死鳥(フェニックス)なのだ。聞いた話によると、精神を折ってしまうか、蘇生の間に合わない攻撃をすると倒せるそうだが、それでも現状の僕たちでは難しいのではないのだろうか。

 

「それでも、信じなさい」

 

 誰を、とは誰も聞かなかった。

 

「信じなさい、自分と、修行した時間と、そして―――皆の【王】である、このリアス・グレモリーを。いい?」

 

 堂々と。

 まさに威風堂々という言葉が似合う立ち振舞いと共に、グレモリー先輩が言い放つ。

 

 ―――っ、なんだろうね。不安なんか、一瞬で吹き飛んでしまったよ。『鼓舞』は兄ちゃんの力のはずなのに、一気に元気付けられてしまった。

 

 だから、

 

『はい、部長!!』

 

 僕らは一斉に返事をした。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「ハルトくん、準備は言いかい?」

「はい、木場先輩」

 

 イッセー兄ちゃんと小猫ちゃんは体育館へ、僕と木場先輩はグラウンドへそれぞれ向かっていた。

          

 僕らは、音を立てないように隠れながら移動し、物影からグラウンドを覗き込む。

 

 と、そこで前を歩いていた木場先輩が止まれのジェスチャーをする。

 

「見つけた」

 

 小声で言った木場につられて、僕も物影から確認する。

 そして、そこで見た光景に疑問を抱く。

 

「あれは…………」

 

 僕らの位置だと、彼女らは横向きだが、問題はそこではなく、

 

「隠れてない?」

 

 隠れるどころか、グラウンドの真ん中に10名近い人数が固まって立っていた。

 

「多分、待ってるんだ」

「待ってる?」

「そう。奇襲なんか自分達には通じないから、真正面からかかってこい、ってね」

「良く分かりますね」

「ま、勘だけどね」

 

 でも、当たっているような雰囲気を、彼女たちは醸し出している。

 

「ふふ」

 

 つい、そんな笑みが零れてしまう。

 

「ハルトくん?」

 

 不思議そうな顔をした木場先輩が僕を見る。

 

「いえ、ただ…………狙いやすいなぁ、って」

 

 そう言って、僕は神機を握り直す。

 

「木場先輩。少し、静かにしてもらっても良いですか?」

「あ、ああ、構わないよ。でも、いったい何を?」

「何って、狙撃ですよ」

 

 言って、まずはスキルを発動させる。

 

「スキル発動。【サイレントキリング】」

 

 これで、僕の音は誰にも聞こえなくなる。

 

 そして、

 

「ステルスフィールド、展開」

 

 神機を銃形態にし、フィールドを展開する。

 そして、僕はそのまま物影から出る。

 

「…………っ!?」

 

 いきなり姿を晒すような行動をした僕を見て、木場先輩が驚いたように表情を変化させるが、そこは流石、先輩は声を押し殺した。

 

 右膝をつき、神機を構え、スナイピングの姿勢を取る。

 

「スコープ、倍率++。狙い、良し」

 

 狙うのは、魔女っ子装束の女の人。

 

「ファイア!」

 

 引き金を引けば、大きな音と共に、心地よい振動が僕に伝わってくる。

 

「きゃぁぁあ!?!?」

 

 右肩を撃ち抜かれたその人は、一瞬にして光に包まれ退場する。

 

『ライザー・フェニックス様の【兵士(ポーン)】一名、リタイアです』

 

 グレイフィアさんの声でアナウンスがされ、それと同時に彼女たちは反応する。

 

「シュリヤー!? どこから?!」

「向こうですわ! 皆さん、構えて!」

「お嬢様は下がってて下さい!」

 

 何か騒いでいるようだが、こちらまでは声が聞こえない。

 

「木場先輩!」

「了解!」

 

 僕の呼び掛けに、木場先輩は準備していたのか、即座に最高速度で飛び出す。

 

「もう一人!」

 

 今度は、特に狙いも定めずに引き金を引く。

 

「イザベラ!」

「くっ!?」

 

 仮面をつけた人が反応して躱すと、その後ろにいる人に命中し、その人も一瞬でリタイアする。

 

『ライザー・フェニックス様の【兵士(ポーン)】一名、リタイアです』

「マリオン!! くそ!」

 

 されるとは思っていなかった奇襲で二人もやられたせいか、彼女たちは激昂した様子で僕の所へ向かってくる。

 

 でも、

 

「実はそれが狙いだったりして」

「僕を、忘れて持っちゃ困るな!」

 

 僕を向く彼女らの死角、つまり後ろから、そこに回り込んだ木場先輩が斬りかかる。

 

『ライザー・フェニックス様の【僧侶(ビショップ)】一名、リタイアです』

 

「後ろからだと!? 卑怯な!」

「生憎、こちとら数が少ないんでね! 少々狡い手を使わせてもらう!」

「そう言うこと! 【サイレントキリング】解除! 【乱戦の心得】発動!」

 

 僕と木場先輩は一度背中を会わせると、互いを確認することなく同時に飛び出す。

 

「【魔剣創造(ソードバース)】! 氷の魔剣よ! 凍てつけ!」

「ブラッドアーツ発動! 【波濤斬り】!」

 

 2対多数という、圧倒的不利の中、僕らは信じられないくらいの快進撃を続ける。

 最初に向こうのペースを崩したとはいえ、ここまで容易く瓦解するとは、驚きだよ。

 

 

 その時、閃光と爆音が、僕らの視界と聴覚を覆い尽くした。

 

「な、なにごと!?」

 

『ライザー・フェニックス様の【兵士(ポーン)】三名、【戦車(ルーク)】一名、リタイアです』

 

 おお! これは作戦通りに姫島先輩が決めてくれたと言うことか!

 

 と、僕が喜んだのも束の間、続いて聞こえてきた爆発音とアナウンスが、そんな浮わついた気持ちを打ち消した。

 

『リアス・グレモリー様の【戦車(ルーク)】一名、リタイアです』

 

「ッ! 小猫ちゃん!」

「余所見をしている暇があるのか!」

 

 しまった! 今の一瞬で間合いに入られるとは!

 

 僕に肉薄した鎧姿の女の人が、僕に剣を振るう。

 このままでは間に合わない!

 

「させない!」

 

 ガキン! と、金属同士のぶつかる音を響かせて、僕に振るわれた剣を、間に入ってきた木場先輩が受け止める。

 

「後ろががら空きですわよ!」

 

 しかし、僕と木場先輩が一ヶ所に固まったのを見計らって、上空から火の玉が投げ落とされる。

 これが狙いか!

 

「しまった!」

「任せて下さい!」

 

 

 ―――頼んだよ、サリエル!

 

《はい! 我が身に代えても!》

 

 装甲を展開し、真正面から火の玉を受ける。

 

 直後、轟音と共に、凄まじい熱気と衝撃が僕らに伝わり、辺りを煙が覆い隠す。

 

「…………っ、はぁ、はぁ、大丈夫ですか? 木場先輩」

「あ、ああ、なんとかね。…………でも」

「これはちょっと、ピンチですかねぇ……」

 

 僕と木場先輩は、お互いの剣を構えながら辺りを見回す。

 

 僕らを取り囲むように、フェニックスさんの眷属の人達が立ち、そして彼女らと僕らを区切るように、炎の壁が勢い良く燃え上がっている。

 

「やっぱ、二人はキツかったかなぁ」

「泣き言言ってても意味がないよ、ハルトくん。それより、僕が氷の魔剣で道を開く。そこから一気に離脱するよ!」

「はい!」

 

 僕がその言葉に頷くと、炎の向こう側から声が届く。

 

「そう簡単には、逃しませんわ!」

 

 先程炎を放ったドリルちゃんが、また炎を両手に溜める。

 

「…………ごめんハルトくん。ちょっとキツいかも。流石に、模造の魔剣じゃ、フェニックスの炎には届きそうにないや」

「なら、僕に任せて下さい」

 

 苦笑いを浮かべる木場先輩の肩を叩き、僕が前に出る。

 

「燃え尽きなさい! 【不死鳥の息吹(フェニックス・ブレイズ)】!」

 

 真ん前から、巨大な炎が迫り来る。

 本来なら、こんな避ける場所もないところでこんな攻撃をされたら、それこそひとたまりもないだろう。

 

 本来なら、ね。

 

「これはむしろ好都合! いくよ木場先輩! 着いてきて!」

「わ、わかった!」

 

 迫り来る炎を見据えながら、神機を水平に構え、

 

「ブラッドアーツ発動! 【バリア・スライド】!」

 

 目の前にできた不可視の障壁が炎を防ぎ、僕らを前に突き進ませる。

 

「おおおおお!」

「お嬢様!」

 

 炎から抜け出し、神機を振り抜くと、この手に斬った感触を得る。

 

『ライザー・フェニックス様の【騎士(ナイト)】一名、リタイアです』

 

 

 

 抜けた! 

 

 そう実感した瞬間、僕らは駆け出した。

 僕らが向かう先には、

 

『Dragon Booster second Liberation!!』

 

 見た目が変化した籠手を構える、イッセー兄ちゃんの姿が。

 

「ハルゥゥゥウ! 木場ぁぁぁあ! 受けとれ!

 【赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)】!」

 

『Transfer!!』

 

 兄ちゃんが僕らに触れた瞬間、体の底から力が沸き上がってきた。

 

「これは…………そうか! 【魔剣創造(ソードバース)】!」

 

 先輩が叫びながら剣を地面に突き刺す。

 すると次の瞬間、地面からいくつもの剣が生え、僕らを追ってきていた人達は、空を飛んでいるドリルちゃんを除いて、その全員がその剣の餌食となった。

 

 

「「「「…………うわぁ」」」」

 

 

 その一言が、その光景を目の当たりにした四人の素直な感想だった。

 

 

「あ、あなた方…………なんて酷いことを…………」

「そうだよイッセー兄ちゃん。酷いなぁ」

「全くだね」

「ちょ!? おい木場てめえ! この実行犯!」

 

 

 

 

 

 

 なんて、僕らは敵がいなくなったことに安心して、ついそんな言い合いを初めてしまった。

 多分、と言うか絶対、それがダメだったのだろう。

 

 

 

 

 

 僕たちは、上空にいる存在に、気づくことができなかった。

 

 

 

 

 

 

「余所見は、厳禁よ?」

 

 

 

 

 

 

 

『リアス・グレモリー様の【女王(クイーン)】、リタイアです』

 

 

 

 

 

 




さーて、明日は休みだ! レポート頑張るぞー! …………栄養ドリンク用意しよっと。
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