結構な難産ってか、文章表現が難しかったです。あと流れがあんまり浮かばなかったです。
部室を模して作られた部屋で、僕らはテーブルを取り囲むように向き合う。
グレモリー先輩が口を開く。
「皆には、二人一組で動いてもらうわ」
「編成はどうしますの?」
すかさず、姫島先輩が質問する。
「剣士同士、肉弾戦同士で固まってもらうわ」
「つまり、僕とハルトくん。イッセーくんと小猫ちゃんの編成ですね」
「ええ。そしてアーシアは私と来なさい」
「あらあら、私が一人余ってしまいましたわ」
「わかってるクセに…………まあいいわ。朱乃は遊撃奇襲として単独行動をお願いね」
編成を伝え終えると、今度は詳しい作戦を考える。といっても、確認のような物だが。
向こうは何度もゲームをしたことのある経験者で、こちらは毛も生えていないようなド素人だ。
正直、こんな作戦が通じるかどうかも判らないが、これが今の僕らの精一杯なんだ。
「皆、不安?」
ふと、グレモリー先輩がそんなことを言う。
「確かに相手は強いわ。ゲーム経験者で、不死のフェニックス」
そう、相手は
「それでも、信じなさい」
誰を、とは誰も聞かなかった。
「信じなさい、自分と、修行した時間と、そして―――皆の【王】である、このリアス・グレモリーを。いい?」
堂々と。
まさに威風堂々という言葉が似合う立ち振舞いと共に、グレモリー先輩が言い放つ。
―――っ、なんだろうね。不安なんか、一瞬で吹き飛んでしまったよ。『鼓舞』は兄ちゃんの力のはずなのに、一気に元気付けられてしまった。
だから、
『はい、部長!!』
僕らは一斉に返事をした。
◆◆◆◆◆◆
「ハルトくん、準備は言いかい?」
「はい、木場先輩」
イッセー兄ちゃんと小猫ちゃんは体育館へ、僕と木場先輩はグラウンドへそれぞれ向かっていた。
僕らは、音を立てないように隠れながら移動し、物影からグラウンドを覗き込む。
と、そこで前を歩いていた木場先輩が止まれのジェスチャーをする。
「見つけた」
小声で言った木場につられて、僕も物影から確認する。
そして、そこで見た光景に疑問を抱く。
「あれは…………」
僕らの位置だと、彼女らは横向きだが、問題はそこではなく、
「隠れてない?」
隠れるどころか、グラウンドの真ん中に10名近い人数が固まって立っていた。
「多分、待ってるんだ」
「待ってる?」
「そう。奇襲なんか自分達には通じないから、真正面からかかってこい、ってね」
「良く分かりますね」
「ま、勘だけどね」
でも、当たっているような雰囲気を、彼女たちは醸し出している。
「ふふ」
つい、そんな笑みが零れてしまう。
「ハルトくん?」
不思議そうな顔をした木場先輩が僕を見る。
「いえ、ただ…………狙いやすいなぁ、って」
そう言って、僕は神機を握り直す。
「木場先輩。少し、静かにしてもらっても良いですか?」
「あ、ああ、構わないよ。でも、いったい何を?」
「何って、狙撃ですよ」
言って、まずはスキルを発動させる。
「スキル発動。【サイレントキリング】」
これで、僕の音は誰にも聞こえなくなる。
そして、
「ステルスフィールド、展開」
神機を銃形態にし、フィールドを展開する。
そして、僕はそのまま物影から出る。
「…………っ!?」
いきなり姿を晒すような行動をした僕を見て、木場先輩が驚いたように表情を変化させるが、そこは流石、先輩は声を押し殺した。
右膝をつき、神機を構え、スナイピングの姿勢を取る。
「スコープ、倍率++。狙い、良し」
狙うのは、魔女っ子装束の女の人。
「ファイア!」
引き金を引けば、大きな音と共に、心地よい振動が僕に伝わってくる。
「きゃぁぁあ!?!?」
右肩を撃ち抜かれたその人は、一瞬にして光に包まれ退場する。
『ライザー・フェニックス様の【
グレイフィアさんの声でアナウンスがされ、それと同時に彼女たちは反応する。
「シュリヤー!? どこから?!」
「向こうですわ! 皆さん、構えて!」
「お嬢様は下がってて下さい!」
何か騒いでいるようだが、こちらまでは声が聞こえない。
「木場先輩!」
「了解!」
僕の呼び掛けに、木場先輩は準備していたのか、即座に最高速度で飛び出す。
「もう一人!」
今度は、特に狙いも定めずに引き金を引く。
「イザベラ!」
「くっ!?」
仮面をつけた人が反応して躱すと、その後ろにいる人に命中し、その人も一瞬でリタイアする。
『ライザー・フェニックス様の【
「マリオン!! くそ!」
されるとは思っていなかった奇襲で二人もやられたせいか、彼女たちは激昂した様子で僕の所へ向かってくる。
でも、
「実はそれが狙いだったりして」
「僕を、忘れて持っちゃ困るな!」
僕を向く彼女らの死角、つまり後ろから、そこに回り込んだ木場先輩が斬りかかる。
『ライザー・フェニックス様の【
「後ろからだと!? 卑怯な!」
「生憎、こちとら数が少ないんでね! 少々狡い手を使わせてもらう!」
「そう言うこと! 【サイレントキリング】解除! 【乱戦の心得】発動!」
僕と木場先輩は一度背中を会わせると、互いを確認することなく同時に飛び出す。
「【
「ブラッドアーツ発動! 【波濤斬り】!」
2対多数という、圧倒的不利の中、僕らは信じられないくらいの快進撃を続ける。
最初に向こうのペースを崩したとはいえ、ここまで容易く瓦解するとは、驚きだよ。
その時、閃光と爆音が、僕らの視界と聴覚を覆い尽くした。
「な、なにごと!?」
『ライザー・フェニックス様の【
おお! これは作戦通りに姫島先輩が決めてくれたと言うことか!
と、僕が喜んだのも束の間、続いて聞こえてきた爆発音とアナウンスが、そんな浮わついた気持ちを打ち消した。
『リアス・グレモリー様の【
「ッ! 小猫ちゃん!」
「余所見をしている暇があるのか!」
しまった! 今の一瞬で間合いに入られるとは!
僕に肉薄した鎧姿の女の人が、僕に剣を振るう。
このままでは間に合わない!
「させない!」
ガキン! と、金属同士のぶつかる音を響かせて、僕に振るわれた剣を、間に入ってきた木場先輩が受け止める。
「後ろががら空きですわよ!」
しかし、僕と木場先輩が一ヶ所に固まったのを見計らって、上空から火の玉が投げ落とされる。
これが狙いか!
「しまった!」
「任せて下さい!」
―――頼んだよ、サリエル!
《はい! 我が身に代えても!》
装甲を展開し、真正面から火の玉を受ける。
直後、轟音と共に、凄まじい熱気と衝撃が僕らに伝わり、辺りを煙が覆い隠す。
「…………っ、はぁ、はぁ、大丈夫ですか? 木場先輩」
「あ、ああ、なんとかね。…………でも」
「これはちょっと、ピンチですかねぇ……」
僕と木場先輩は、お互いの剣を構えながら辺りを見回す。
僕らを取り囲むように、フェニックスさんの眷属の人達が立ち、そして彼女らと僕らを区切るように、炎の壁が勢い良く燃え上がっている。
「やっぱ、二人はキツかったかなぁ」
「泣き言言ってても意味がないよ、ハルトくん。それより、僕が氷の魔剣で道を開く。そこから一気に離脱するよ!」
「はい!」
僕がその言葉に頷くと、炎の向こう側から声が届く。
「そう簡単には、逃しませんわ!」
先程炎を放ったドリルちゃんが、また炎を両手に溜める。
「…………ごめんハルトくん。ちょっとキツいかも。流石に、模造の魔剣じゃ、フェニックスの炎には届きそうにないや」
「なら、僕に任せて下さい」
苦笑いを浮かべる木場先輩の肩を叩き、僕が前に出る。
「燃え尽きなさい! 【
真ん前から、巨大な炎が迫り来る。
本来なら、こんな避ける場所もないところでこんな攻撃をされたら、それこそひとたまりもないだろう。
本来なら、ね。
「これはむしろ好都合! いくよ木場先輩! 着いてきて!」
「わ、わかった!」
迫り来る炎を見据えながら、神機を水平に構え、
「ブラッドアーツ発動! 【バリア・スライド】!」
目の前にできた不可視の障壁が炎を防ぎ、僕らを前に突き進ませる。
「おおおおお!」
「お嬢様!」
炎から抜け出し、神機を振り抜くと、この手に斬った感触を得る。
『ライザー・フェニックス様の【
抜けた!
そう実感した瞬間、僕らは駆け出した。
僕らが向かう先には、
『Dragon Booster second Liberation!!』
見た目が変化した籠手を構える、イッセー兄ちゃんの姿が。
「ハルゥゥゥウ! 木場ぁぁぁあ! 受けとれ!
【
『Transfer!!』
兄ちゃんが僕らに触れた瞬間、体の底から力が沸き上がってきた。
「これは…………そうか! 【
先輩が叫びながら剣を地面に突き刺す。
すると次の瞬間、地面からいくつもの剣が生え、僕らを追ってきていた人達は、空を飛んでいるドリルちゃんを除いて、その全員がその剣の餌食となった。
「「「「…………うわぁ」」」」
その一言が、その光景を目の当たりにした四人の素直な感想だった。
「あ、あなた方…………なんて酷いことを…………」
「そうだよイッセー兄ちゃん。酷いなぁ」
「全くだね」
「ちょ!? おい木場てめえ! この実行犯!」
なんて、僕らは敵がいなくなったことに安心して、ついそんな言い合いを初めてしまった。
多分、と言うか絶対、それがダメだったのだろう。
僕たちは、上空にいる存在に、気づくことができなかった。
「余所見は、厳禁よ?」
『リアス・グレモリー様の【
さーて、明日は休みだ! レポート頑張るぞー! …………栄養ドリンク用意しよっと。