文章にしやすい内容としにくい内容………他の書き手さん達はどうやって乗り越えてるんだろう……………。
もっと文才が欲しいと願うフリムンなのです。
イッセー兄ちゃんがトドメの一撃を入れ、ライザーさんが倒れると、会場には沈黙が訪れた。
沈黙する悪魔の人達の殆どはその顔に驚きを浮かべていたけれど、僕たちオカ研メンバーはむしろ誇らしげな表情をしていたと思う。
「部長、帰りましょう」
沈黙した空気のなか、戻って来たイッセー兄ちゃんが、ボロボロの笑顔でグレモリー先輩に右手を伸ばす。
「……………っ、イッセー!」
途端、涙を堪えきれなくなったグレモリー先輩は、イッセー兄ちゃんに抱きついて、その胸に顔を埋める。
それを見た僕らオカ研メンバーが苦笑いを浮かべて顔を見合わせると、後ろから拍手が鳴り響く。
「はははは! 素晴らしかったよ、兵藤一誠くん。まるでお伽噺のお姫様と騎士のようだった」
そこにいたのは、グレモリー先輩と同じ紅髪の男の人。グレモリー先輩のお兄さんだ。
グレモリー先輩のお兄さん、ルシファーさん………さま、の方が良いのかなぁ………とりあえず、ルシファーさんを見たイッセー兄ちゃんは、直ぐに頭を下げた。
「魔王さま! 勝手な真似をして申し訳ありませんでした。でも、この人は連れて帰ります!」
「ああ、もちろんだとも。それが君との約束だからね。それに謝る必要はない。君を呼んだのは私だからね」
「でも…………」
「君がここに来るために使った魔方陣、いったい誰が作ったと思ってるんだい?」
そういって笑ったルシファーさんの顔は、悪戯に成功した子供の様だった。
「ほら、早く行きたまえ。お姫様を助けたのならとっとと立ち去る。それが物語の終わり方だろう?」
「は、はい! ……って、どうやってですか?」
「………仕方ない、これを貸してやろう」
ルシファーさんが手をかざすと魔方陣が表れ、その魔方陣から、なにか生き物が出てきた。
「グリフォン……」
会場の誰かからそんな言葉が聞こえる。
兄ちゃんと先輩がその上に乗ると、グリフォンは羽ばたきを始め、宙に舞い上がる。
「先に部室で待ってるからな!!」
兄ちゃんのその言葉に、僕たちは笑顔で見送るのだった。
◆◆◆◆◆◆
イッセー兄ちゃん達を見送ったあとは特にする事もなく、僕らは帰る支度を始めていた。
いや、だって今回の主役であるはずのライザーさんは伸びてるわ、グレモリー先輩はいないわで、事実やることが無いんだよね。
本来なら叱られても可笑しくない僕らだけど、そこは魔王さまのお達しということで責められることも無い。
精々が、なんだか居心地が悪くてそそくさと帰るくらいかな。
………なんで皆そんなに堂々としてるのさ? 僕はさっきから居心地が悪くてたまらないんだけど。
あと、これで他の悪魔に話しかけられようものなら、一瞬で気絶する自信があるね。
……………今思えば、きっとこれがフラグだったんだろう。
「少しいいかな? 神結ハルトくん」
ぼくに はなしかけてきたのは まおうさま だった。
「……………きゅう」
「は、ハルトくん!?」
「う、迂闊でしたわ! ただでさえ悪魔が苦手なハルトくんが魔王さまに会ったらこうなることは予想できて今したのに!?」
「で、でもさっきまでは……………」
「…きっと、緊張が解けたせいで………」
曰く、相当な大騒ぎだったらしい。
なんせあの姫島先輩すらもが慌てふためいたというのだから。
「……………えっと、僕なにかしたかな?」
「いえ、ご心配無用ですわ、魔王さま。彼は少々人見知りなので」
「ひ、人見知りで気絶するのかい?」
「そ、それで魔王さま? ハルトくんになにかご用がおありで?」
「ああ、それなんだけど、彼が目を覚ましたらこれを渡してくれないかな?」
「これは……………」
◆◆◆◆◆◆
「それで渡されたのが、このチョーカーですか?」
「そうだよ。それと、魔王さまから君に伝言」
「伝言?」
電車の中で木場先輩から渡されたチョーカーを首に着けようと格闘しながら、僕は先輩に目を向ける。
「んん、……『この間のゲームは楽しませて貰ったよ。これはそのささやかなお礼だ、受け取ってくれると嬉しい。そのチョーカーには我々悪魔と同じ能力、つまり、言語同時通訳機能が備わっている』………だって」
「同時通訳…………って、それまさか、これをつけてる限り僕、世界中の人とお話しできるってこと?」
「そう言うことだね」
なにその未来こんにゃくに付与されてそうな機能。すこぶる便利。
それにしても……………
「ほっ、やっ………あれ? 着かない………こうかな? っだだだだだ!! 皮挟まった!!」
なにこれ、すんごい着けにくいんだけど。
さっきからこんな調子で苦戦しまくり。チョーカーってこんな着けづらいもんなの?
「…貸してハルト。着けてあげる」
「ありがとう、小猫ちゃん」
「…よし、着いた」
カチリ、と小さな金属音がなり、小猫ちゃんの満足げな声が聞こえてくる。
首にそっと手を触れてみると、布の帯が首についていて、後ろの金具でぴったりとくっついている。
「ど、どう? 似合うかな?」
「「「……………」」」
同じ車両に乗っている小猫ちゃん、姫島先輩、木場先輩に訪ねてみると、三人とも固まったように沈黙する。
「え、えっと?」
「「「……………か、かわいい」」」
「ほぇ?」
「…魔王さま、ぐっじょぶ!」
「こ、これは凄まじい威力ですわね………」
「元々子犬っぽかったけど、チョーカーが加わることでより一層…………………
……………………あ、鼻血が」
木場先輩の言葉に身の危険を感じたのは僕だけではないと信じたい。
《おのれ魔王、我らが主に首輪など着けおって……………》
《これではまるで、主君が魔王に飼われているようではないですか!》
《首輪……緊縛……じゅるり……………ハッ!? おのれ木場祐斗!》
三人とも落ち着いて! それとサリエルはいったいどこを目指して突っ走ってるの!?
《しかしまぁ、よく似合っておるぞ、主よ!》
《ええ、本当に》
《もういっそのこと、妾達で監禁したいくらい》
ねぇもう誰かサリエルを止めて! ちょっと今の本気で身の危険を感じたよ!? サリエルの目に光が灯ってないし!
《安心せい、主よ。いざという時は我が輩がついておる》
……………本当?
《う、うむ! 主の笑顔の為ならばそれくらい――――》
だったらさ、
《うん?》
「この先輩どうにかして! 鼻血出して貧血起こしてるんだけど!?」
そうなのだ。とうとう鼻血を堪えきれなくなった木場が、滝のようにそれを流し、たった今血の海に沈んでいる。
《《《そのまま死んでしまえばいい》》》
どうしてこうなった。いくらなんでも急展開過ぎる。
「つ、ついに抑えきれなくなりましたわね、彼」
「…はい。早くハルトを引き離して、祐斗先輩を隔離しましょう」
と、二人がこんな会話をしているなか、血の海に沈んだ木場先輩が動き出す。
いろんな意味で怖いです。
「だ、大丈夫です………ちゃんと、世間体と言うものは、知ってます、から…………」
「いやその状態で世間体って言われても……………」
時既に時間切れ感が半端ないです。
『姫島朱乃さま、木場祐斗さま、塔城小猫さま、神結ハルトさま。もうまもなく駒王町に到着いたします。お忘れ物の無いようにご注意下さい』
と、そんなアナウンスが流れ、列車の速度が心なしか落ちていく。
「…安心して眠ってて下さい、木場ホモ先輩」
小猫ちゃん、なんて辛辣な子!!
そして、未だ血の海に沈む木場先輩は列車の中に放置されたまま、僕らは、と言うか二人は僕を引きずって列車から降りるのであった。
……………ちなみに、部室に戻ったらグレモリー先輩とイッセー兄ちゃんがイチャイチャしてて、なんか腹がたったからアーシアさんを呼んで意図的に修羅場を作り上げたのはここだけの話。
爆ぜろリア充。ぺっ!
でも、グレモリー先輩が戻ってきてよかった。これでまた明日からいつも通りだね!
部室から見上げた空には、満月から少し欠けた、半月よりも膨らみのある月が煌々と夜の町を照らしていた。
……その月に爽やかスマイルを浮かべた木場先輩が見えたのは、きっと僕だけのはずだ。
あの人は………うん、多分もう手遅れなんだろうね。強く生きて、木場先輩。
一章がプロローグを抜いて話数26話。
二章が閑話抜いて話数16話。
導入部が無いとはいえ、二巻の内容少なすぎやしないかい?
そしてそれに手間取って駄文回が増えた奴←
つ、次からは頑張るぞい!
ところで質問です。
次回は毎度恒例(2回目)の閑話を書く予定でして、その内容は『小猫とのデート』な訳ですが、そのデートコースを次の中から選んで、『アンケートⅢ』にお答え頂けるとありがたいです。
A、お化け屋敷
B、スイーツ巡り
C、映画館(恋愛)
D、映画館(ホラー)
E、ショッピング
この中から最大二つでお願いします。
……………駄文にならないように気を付けなきゃ。