ハイスクールG×E   作:フリムン

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テスト終わったので書き上げて投稿。

うん、圧倒的駄文。


第58話

 

 声が聞こえた。

 喪失に慟哭する声が。己が道に懺悔する声が。

 

 歌が聞こえた。

 友の嘆きを慰撫する歌が。その門出を祝う歌が。

 

 

 

 

 

 ―――――そしてずっと、僕を呼び続ける声が。

 

 

 

 

 

 

 

『まだ、眠り続けるおつもりですか、我が君よ』

『あなたにはまだ、成したいことがあるのでしょう?』

  

 成したい、事……………

 

『それでも主は、ここで眠り続けるのか?』

 

 ううん。そんなことはしない。

 だって僕はまだ、誰も守れていないから。何も成せていないから。

 

『ならば立たねばなりませぬ、主君』

 

 うん、分かっているよ。

 だけど、足りないんだ。何かが。

 

『足りない?』

 

 今の僕じゃ、あの敵に届く気がしない。

 

『だから、立てぬと申すのですか?』

 

 ううん。立つよ、僕は。

 

 何かが足りなくて、その足りないものが何かは解らないけど、心が知っているんだ。

 何をすれば良いのか。何を課せば良いのか。

 

 だから、僕がもう一度立ち上がって、剣を握れるように、力を貸してくれるかい?

 

『無論だとも、我輩の愛しい主よ』

『妾たちは常に、あなたの味方であると言うのに』

『なにを躊躇われる必要がありますか』

 

 そっか……………そうだよね。

 君たちはいつも僕の事を想ってくれていた。

 

 だったら僕も、それに応えなくちゃ。

 

『さぁ主よ、()こうか』

『あなたが望む結末(答え)を掴むために』

『主君の守りたい者達を守るために』

 

 

 

 

 だから、そのために、僕は――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「――――――誓約を、ここに」

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 誰もが、その光景に目を奪われていた。

 

 フリード・セルゼンの嘆きと懺悔に。

 その身から発せられる、聖なる光に。

 

 祐斗くんの、同胞達との再会を。

 その力の覚醒を。

 

 

 

 私の双眸から無意識に涙が零れ落ちた。

 

 私だけじゃない。

 リアスも、アーシアちゃんも、小猫ちゃんも、その眦から涙を溢している。

 

 

「木場祐斗」

 

 光に護られたフリード・セルゼンが、祐斗くんの隣に立つ。

 

「今回だけだからね、フリード」

「当然だ」

 

 彼の隣に立つフリードの目には最早狂気は無く、ただ決意と闘志だけが輝いて見えた。

 

 

 ――――ああ。

 

 

 なんと、眩しい光景なのだろうか。

 私達(悪魔)にとって毒であるはずの聖なる光は、血の力と共に私達の心を優しく包み、安らぎを与えてくれる。

 

 

 ――――君は立てたのですね、祐斗くん。

 

 

 憎んでいた(もの)と共に。忌み嫌っていた(もの)と共に。

 

 私には、まだその決心が着かない。

 でも、立たなくちゃ。

 

 後輩()が、イッセーくんや祐斗くん達が守ると誓った子が、まだ、目を覚ましていないから。

 私達の心の支えで、私の大好きな子が、まだ目を覚ましていないから。

 

 だから立たなくちゃ。目を覚ました彼が心配しないように。いつまでも、護られてばかりにならないように。

 

 リアスが、小猫ちゃんが、アーシアちゃんが、ゼノヴィアさんが。

 皆が立った。その目に意思の炎をたぎらせて。

 

 

 

 

 

 

 そして、私達が皆立ち上がり、コカビエルと向かい合ったその時だった。

 

 

 

 

 

 また新たな光が満ちた。

 聖剣の光でもなく、血の力の光でもない、新たな光。

 

 その、黒と金で彩られた光は、まるで帯のようになり、一ヶ所から放たれている。

 

「この、輝きは………」

 

 私はこれを知っている。

 実際に見た訳じゃない。映像で見ただけだ。

 

 でも、この光を誰が放っているのか、私達は知っている。

 

 皆が一斉にその光の出どころ、後ろを振り向いた。

 そして振り向いた先には、剣を杖に立ち上がる、一人の人物が。

 

「…ハルト!」

「ハルトくん!」

 

 私と小猫ちゃんが動いたのはほとんど同時だった。

 私達はすぐに彼のもとに駆け寄り、その方に手を添える。

 

「大丈夫だよ、二人とも。僕は大丈夫」

 

 その言葉の通り、一度立ち上がってしまえば、先程までの弱々しさは消え、いつもの彼がそこにいた。

 

 普段は小動物のように臆病で、愛くるしくて、けれどいざ剣を握ると、うって変わって強く頼もしく見える、その小柄で華奢な体躯。

 

「ごめんなさい、皆。心配かけてばかりで。僕はもう、大丈夫だから」

 

 黒と金の光を纏い、彼は危なげの無い足取りで歩いていく。

 

 

 

 

 自然と、私達の立ち位置が変動する。

 

 

 

 

 ハルトくんを中心に、祐斗くん、フリード、イッセーくんと並んでいく。

 

 

 

「………あれほどのダメージを受けてまだ立つか。人間…………神結ハルト」

 

 コカビエルが忌々しそうに、ハルトくんの()()()()()

 

 

 そんなコカビエルへ、彼は剣の切っ先を向ける。

 

「ただの人間って、侮ってもらっちゃ困るよ、神話(堕天使)

「なに?」

 

 ハルトくんは不敵に笑って剣を構える。

 それに合わせて、皆も戦闘体勢に入る。

 

 

 

 

「さぁ、行くよみんな! ――――神話を喰らう時間だ」

 

 

 その途端、光が炸裂した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

『誓約を』

 

「一つ―――僕は敵を捕食する」

 

『誓約:【解き放つ本能】―――承認。残存する怪物ケルベロスの魔力を確認。これをもって誓約履行とする。拘束フレームパージ』

 

「二つ―――僕は自分の命を大きく削る」

 

『誓約:【挑戦者の選択】―――承認。そして現在の状態を誓約と認識。誓約履行。拘束フレームパージ』

 

「三つ―――皆の傷を癒したい」

 

『誓約:【捕食者の渇望】―――承認。こちらも同じく、現在の状態を誓約と認識。誓約履行。拘束フレームパージ』

 

 

 アラガミ達が、僕の立てた誓約を、どんどん承認していく。

 

 

 曰く、どうやら誓約の履行内容が多少変質しているらしい。

 どちらにせよ、こっちとしては願ったり叶ったりだ。

 

 

「以上を以て、誓約を履行する!」

 

『『『全誓約履行確認。これより、我々(アラガミ)の力を解放・顕現する!』』』

 

 その途端、白一色だった世界に、黒と金の光が走る。

 

 

『主よ。そなたがこれから歩むのは、これまでよりも辛い道となろう』

『ですが、忘れないで下さい』

『あなたの側には、いつも妾達がついているということを』

 

「うん。わかってる。でも大丈夫。だから大丈夫」

 

 僕を見つめる三組の金の瞳に、僕はそう返す。

 

「それじゃあ、行ってくるよ。勝つために。守るために」

 

 彼らに背を向けて、そこに広がる暗闇へと向き合う。

 その先に光が見える。これから僕が立つ、現実(戦場)の光が。

 

 

 

『『『―――我らが愛しき君に、勝利のあらんことを』』』

 

 

 

 アラガミ達からのその言葉を背に、僕は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 力が溢れる。

 止まること無く、金の光がまるで、僕を祝福するように。黒の帯がまるで、僕を守るように。

 二つの光が僕を包み込む。

 

「さぁ、行くよみんな! ―――神話を喰らう時間だ!」

 

 言って、神機の中心。コアの部分に手を当てる。

 説明は受けなかった。でもわかる。

 

 さぁ、解き放とう。

 

 

 これが僕の力だ。

 

 僕の想い(衝動)だ!

 

 

 

「解き放つ! 僕の大切を守る、その為に!

 

 誓約解放―――【血の衝動(ブラッドレイジ)】!!」

 

 瞬間、僕自身すらも眩む光が辺りを包み込み、形を成し、そして、

 

 

 

 

 

「光の、片翼………―――」

 

 ポツリと、誰かが呟いた。

 

「…………なんだ、それは……………」

 

 コカビエルが、僕の光を見て呆然と呟く。

 

「なんだその光は…………なんだその翼は……………私は知らぬぞ、そんなもの! 大戦中はおろか、私が生来てきて、一度も見たことがないぞ!」

 

 呟きはだんだんと大きくなり、対には叫びとなる。

 

「なんなんだ貴様は! 先程からの技といい武器といい! その光といい! 貴様はいったい何者なんだ、神結ハルト!!」

「言ったはずだよ、コカビエル。

 僕は人間だ。人間の、【神を喰らうもの(ゴッドイーター)】だ」

 

 そして僕は、荒ぶる衝動のままに、剣を携え、地面を蹴りだしたのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「神喰いだと? 神話を喰らうだと? 人間が? は、ははは……ハハハハハハハハハハッ! 思い上がるなよ、人間風情が! 消えろ! 【七星の裁決(ウルサマヨル・サンクティオ)】!」

 

 俺達を吹き飛ばしたあの極光が放たれる。

 それも、見る限り先ほど以上の出力を持ってだ。

 

「ハル!」

 

 とっさに俺はハルの名を呼ぶ。

 しかしハルはその足を止めず。剣を前に構えて、叫ぶ。

 

「【IE肆式・轟爆】!」

 

 次の瞬間、神機から放たれたのは紫色の光を放つ眩い爆発。

 一度で光を削り、二度目で動きを止め、そして三度目の爆発が、あの極光を吹き飛ばしてしまう。

 

「小僧がぁぁぁあ!!」

 

 猛り叫んだコカビエルが、聖剣に光を纏わせて剣を振り上げる。

 

「死ねぇ!」

 

 だが、

 

「させるものか! ブラッドアーツ【ブレード・シールド】!」

 

 コカビエルとハルトの間に突如として現れた数本の聖魔剣が折り重なり、エクスカリバーを受け止め、弾き返す。

 

「バカな! たかが神器(セイクリッド・ギア)の剣に、本物の聖剣が負けるなど!」

 

 弾き返された事が信じられないのか、コカビエルが聖魔剣を何度も叩きながら激昂する。

 

 すると、それに返答したのは、未だ剣を持たぬフリードだった。

 

「わからねぇか? コカビエル。

 聖剣は、因子があれば絶対に使えるって訳じゃねぇんだ」

「…………どういうことだ」

「聖剣も、持ち主を選ぶってことだよ!」

 

 そう言うや否や、フリードは右手をかざし、叫ぶ。

 

 

「さあ、来いよ。最強と謳われた聖剣よ! 憎くて憎くてたまらねえクソったれ(エクスカリバー)!」

 

 その瞬間、コカビエルの手に握られていた聖剣は、まるでコカビエルを拒むようにその手を弾き、真っ直ぐとフリードの手元へ飛んでいく。

 

「バカな………バカなバカなバカな!」

 

 聖剣を奪われたコカビエルは、ひどく激昂し、翼を広げて飛び上がる。

 

「バルパー! あれを使う! 下がっていろ!」

 

 しかし、その言葉に答える声はなかった。

 

「何をしている、バルパー!」

「聖と魔の融合……………? そんな、バカな……………そんなこと、神が許すわけ……………」

 

 コカビエルが振り向いた先には、膝を付き、まるで何かに絶望したような表情をした老人の姿が。

 

「教えてください、コカビエル様……………神は……………神は一体どうなったと言うのですか! なぜ、聖と魔の融合などという禁忌がこうも容易く!」

「ええい、黙れ! 神はとうの昔に死んでおるわ!」

「なっ!」

 

 バルパーが驚いたような声をあげる。

 

 けど、それはこっちだって同じこと。現に、部長や朱乃さんは目を見開いている。

 

「そんな……………主が、もういないというのか……………」

「ぅ、ぅうう……………」

 

 特に、アーシアとゼノヴィアの表情は、驚きを通り越して、絶望に染まっていた。

 

「そうか、神はもう、死んで……………嗚呼、死んでいたのか……………ひ、ひひひ、ひひひゃひゃひゃ!!」

 

 突然、バルパーが狂ったように笑い出す。なんだってんだ?

 

「ああ、死んだのですね神よ! 私が復讐するでもなく、侵すでもなく、とうにあなたは! ひひひひひ! ならば、ならばならば、私のこの想いはなんだというのですか!」

 

 泣きながら笑う老人の姿に、俺たちは動くことができなかった。

 ただ一人を覗いて。

 

「ちぃ、役立たずが!」

「おお、神よ! …ごぶっ……か、み………よ……」

 

 コカビエルが投げた光の槍は、あっさりとバルパーの胸を貫き、老人は何も理解しないままに息絶えた。

 

「まあいい。これでいつでも使えるわ!」

 

 

 空高く舞い上がったコカビエルが両手を天に掲げる。

 

「図に乗った悪魔と人間どもよ! 後悔と共に感謝するがいい! 我が最大の光で葬ってくれるわ!」

 

 

 

 そして、その言葉と共に、夜空が明るく照らし出さるのだった。

 

 

 

 

 

 




やっとブラッドレイジ出たのに戦うのは次回からと言うね。

期間が空くと本当書き方忘れて困る(´・ω・`)
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