ハイスクールG×E   作:フリムン

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(祝)総合評価1000pt突破!\(^-^)/
読者の皆様、本当にありがとうございます!

おかげで筆が乗って本作最多の7600字超え! ……………やっぱ基本が一万字超えの人達ってすげぇっすわ。


それでは皆さん、ブラッドレイジの歌を斉唱しましょう。

せーのっ!

フリ<マヨマヨファーンタジー(違)


第59話

「限り無き我が権能たる星の光よ、最果てに煌めけ! 【終 星 崩 却 光(ステルラ・フィーニス・エールプティオー)】!」

 

 放たれた光は、僕が盾で辛うじて防いだあの光よりも大きく、荒々しく、莫大な質量を持って、僕らを押し潰そうとしてくる。

 でも、怖くない。

 

 だって、

 

「血の力【鼓舞】!」

「血の力【支配】!」

 

 二つの、頼もしい声と光。

 真っ先に動いたのは、兄ちゃんだった。     

 

「いくぜドライグ! 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)! ブラッドアーツ!」

『Boost!! Boost!! Boost!! Boost!! And Blood Arts Operation!!』

「食らいやがれ、【ドラゴン・ショット】ォ!!」

 

 神器(セイクリッド・ギア)によって強化された赤い龍の一撃は、光の中心に当たり、その勢いを若干だが押し返す。

 

「私たちもイッセーに続くわよ、皆! ブラッドアーツ【滅魔ノ戯曲・巨星】!」

「ええ、リアス! 雷撃よ!」

 

 グレモリー先輩と姫島先輩の攻撃。

 そして、それに続くのは僕……………ではなく意外な人物だった。

 

「………次は私だな」

「ゼノヴィアさん!? でも、武器は……………」

「案ずるな神結ハルト。ちゃんと自前がある」

 

 そういうと、ゼノヴィアさんは虚空に手をかざし、

 

「私の声に答えてくれ、デュランダル!」

 

 その虚空から、一本の大剣を取り出した。

 

「それは……………」

「元々、私はデュランダルの担い手でね。まだ未熟だから使っていなかっただけさ」

 

 軽く説明をしたゼノヴィアさんは、その剣を大上段に構える。

 

「輝け、最硬の聖剣よ! 邪悪を打ち払え!【不壊剣の煌輝(デュランダル・レイ)】」

 

 降り下ろした聖剣から、莫大な聖のオーラが放たれ、コカビエルの光をさらに削る。

 

「おのれ………小賢しい足掻きを!」

 

 コカビエルの吠える声が聞こえ、光の威力が少し回復してしまう。

 まだ、余力があるのか!

 

 剣を握り直し、迫り来る光を見据える。

 

「俺を選んだのなら、俺の意思に従えよ、エクスカリバー! 【星造剣の刺突(エクスカリバー・ペネトレイト)】!」

 

 後ろから声が聞こえたと思ったら、僕の横をフリードが駆け抜け、その助走から繰り出した刺突により、エクスカリバーから光が迸り、また削る。

 

「聖剣よ、魔剣よ! 僕の想いに応えてくれ! ブラッドアーツ! 【背信者の斬撃(ビトレイヤー・オブ・キャリバー)】!!」

 

 次に、木場先輩の放った、黒と白の折り重なった斬撃が光を大きく削り、放たれた当初に比べて随分と小さくなる。

 

 だが、

 

「削り、切れない!」

 

 グレモリー先輩の叫びが聞こえ、コカビエルの嘲笑が響く。

 

「ふはははは! 所詮はこの程度なのだよ貴様らは! まあ、十分に楽しめたぞ、雑魚ども!」

 

 既に勝ち誇った声をあげるコカビエル。

 

 全く、

 

「僕を忘れてもらっちゃ、困るよ」

 

 神機を構える。

 あそこまで削れたのなら、今の僕なら切り裂けるはずだ。

 

「ブラッドアーツ……………」

 

 僕の体内のオラクルを凝縮し、珠を作り出し目の前に浮かべる。

 放つのは、単発において一、二を争う秘剣。

 

「【IE零式・斬】!!」

 

 そしてその一撃が、ついにコカビエルの光を切り裂くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカ、な………バカなバカなバカなバカな、そんなバカなぁぁあ! なぜだ、なぜ私の光が敗れる!? 神話の光だぞ、私が神から星座を簒奪した、原初の光ぞ! それが何故!」

 

 コカビエルが、信じられないと言うように神を振り乱しながら叫ぶ。

 だから僕は、それに答えた。

 

「だから言っただろう、コカビエル。神話を喰らうってさ。ブラッドアーツ【ソニック・キャリバー】!」

 

 牽制として斬撃を飛ばす。

 

「くそったれがぁぁあ!!」

 

 コカビエルが投げたのは、技でもなんでもない、ただの光の槍。

 一本だけなら、【ソニック・キャリバー】は負けなかったが、雨霰と投げつけられた光により、僕の攻撃は無効化されてしまう。

 

「クソ、クソクソ、クソクソクソ!」

 

 自棄になったのか、コカビエルはただ技も何もなく、がむしゃらに光の槍を投げつけてくる。

 そこに最初の余裕は無くなっていた。

 

「くっ!」

 

 だが、それが功を奏し、がむしゃらな光には規則性がなく、僕らは回避に集中するしか無くなった。

 

「くそ、このままじゃ埒があかねえ!」

 

 兄ちゃんが舌打ち混じりに光槍を避ける。

 

 兄ちゃんの言う通りだ。それに、この状態(ブラッドレイジ)も、そこまで長く持つ訳じゃない。

 

 ……………勝負時か。

 

「兄ちゃん! あいつを叩き落とす! 手伝って!」

「ハル!? ………へへ、了解! 行くぞ!」

 

 僕と兄ちゃんは同時に走り出した。

 

 と、そのとき、兄ちゃんに当たりかけた光が、紅黒い魔力によって打ち消される。

 

「皆、イッセーとハルトの援護を! 小猫はイッセーの射出台に!」

『了解!』

 

 皆が一斉に動き出す。

 

 降り注ぐ光を、聖剣や聖魔剣、雷撃、魔力等が打ち払い、僕らの道を拓く。

 

「僕から行くよ!」

 

 両足に力を込めて、飛び上がる。

 ブラッドレイジによって強化された脚力は、一度でかなりの高度を稼ぎ、コカビエルの元まで到達する。

 

「スキル【飛将】! ブラッドアーツ【夢想ノ太刀・黒】【無尽ノ太刀・蒼】!」

 

 空中戦のスキルを発動させ、さらに二つのブラッドアーツを同時に発動し、剣を振るう。

 前までなら、こんなことをしたらすぐ気ガタが来て、血塗れになったのだろうが、今の僕ならやれるはずだ。

 

 空中で何度も剣を振るう。

 ゴッドイーターの、空中で剣を振っている間は滞空する、という特性を生かし、コカビエルを光ごと叩ききる。

 

「………ぐぅぅ……神結、ハルトォ!」

 

 血反吐を吐きながら僕の名を叫び、光の槍を直接振るうが、それをジャンプの二段目を利用し避け、そのまま背後へ回り込む。

 

「ブラッドアーツ解除! スキル【バックスタブ】!」

 

 二つのブラッドアーツを解き、背後攻撃スキルを発動させ、次のブラッドアーツを選択する。

 

 選択するのは、安定した攻撃力と攻撃範囲を持つブラッドアーツ。

 

「【朧月】!」

 

 一撃目で、左の三枚を切り落とし、もう一度で、右の三枚を切り落とした。

 

「ぎゃぁぁぁあ!!」

 

 絶叫が響き渡る。

 翼を失ったコカビエルは、空中でのバランスを崩し始める。

 

 そしてそこに、小猫ちゃんによってぶん投げられたイッセー兄ちゃんが到着する。

 

「もう一度堕ちろ、堕天使。てめえの負けだ。ブラッドアーツ【破撃ノ拳打・龍】!」

 

 その赤い拳を勢いよく叩きつけられたコカビエルは、そのまま地面に激突し、クレーターを作り上げた。

 

 もうもうと土煙が上がり、振動と爆音が当たりに響き渡る。

 

「負けるはずが無いんだ……………この俺が、負けるなど………そんなこと……………」

 

 っ! まだ立つのか!

 

 着地しながら前を見ると、虚ろに呟きながらコカビエルが立ち上がっていた。

 

「消えろ消えろ消えろ! 【光槍四散】!」

 

 次の瞬間、奴を中心に光の槍が展開され、一斉に射出される。

 僕は咄嗟に盾を開き、近くにいた兄ちゃん、小猫ちゃん、姫島先輩の前に出る。

 

「スキル【穴熊】!」

 

 くっ、なんだこの密度は!?

 さっきまでのがむしゃらな攻撃と違って、攻撃の間隔が短すぎる!

 

 向こうでは、グレモリー先輩が消滅の魔力で生成した壁で光を防いでいた。

 

 ………あれ? 木場先輩とフリードは?

 

「木場ぁぁぁあ!! フリードぉぉぉお!!」

 

 その疑問を抱いたとき、兄ちゃんが叫んだため、兄ちゃんの視線の先に目をやる。

 

 するとそこには、聖剣と聖魔剣で光を叩き落としながら駆け出している二人の姿が。

 

「行け! 行けぇぇえ!」

 

 兄ちゃんが、二人の後押しをするように、鼓舞する。

 

 

 

 ……………そうか。この戦いは、あの二人にとっては何よりも意味のある物なんだ。

 だったら、決着を着けるのはあの二人に他ならないはずだ!

 

「…祐斗先輩! 行ってください!」

「行きなさい、祐斗! フリード!」

「二人とも、行って!」

 

 兄ちゃんに続くように、皆が二人を後押しする。

 

「「うぉぉぉぉぉぉお!!」」

 

 その言葉に応えるように、二人は雄叫びをあげ、光を切り裂きながら駆け抜けていく。

 

 

 

 

 そうだ、行け。行って、全てを終わらせて!

 貴方達が囚われていた過去を! その元凶を!

 

 乗り越えた刃で、辿り着いた力で、その未練を、妄執を、後悔を……………

 

 

「断ち斬れぇぇぇぇええええ!!」

「「おおおおおおおおおおおお!!」」

 

 

 そしてとうとう二人は、その光の弾幕を乗り越え、コカビエルのもとへと辿り着いた。

 

 

 

「認めるものか………認めるものか! この俺が負けるなど、そんなふざけた事など、認めるものかぁぁぁあ!!」

「いいや、僕たちの勝ちだよ、コカビエル! ブラッドアーツ【聖魔ノ剣舞・煌月】!!」

人間と悪魔(俺たち)を、なめるなよ!」

 

 

 そして、二本の剣が同時に振り下ろされる。

 その斬撃は、両肩から真っ直ぐ下に切り裂いた。

 

「認め………ん……………」

 

 斬られたコカビエルは、よろよろと数歩後ずさり、そこで俯せに崩れ落ちた。

 

 

 

 

 辺りが静寂に包まれる。

 

「終わった、のか……………?」

 

 ポツリと零れたゼノヴィアさんの呟きが、やけに大きく響き、そして実感が徐々に沸いてくる。

 

「勝った………勝ったんだ、俺たちは!」

「本当に、神話に勝つなんて……………自分の事なのに、未だ不思議な気分よ」

「わ、私もです……………」

 

 兄ちゃんがガッツポーズから雄叫びをあげ、グレモリー先輩とアーシアさんは力が抜けたように座り込んでいた。

 

「…ハルト! やった!」

「勝ちました、私たち勝ちましたわ!」

 

 そして小猫ちゃんと姫島先輩は、何故か僕に抱きついてくる。

 

「うん、うん、勝ったんだよ、僕たち!」

 

 いつもなら緊張で動けなくなる僕も、この時ばかりは高揚のあまり、そのまま二人を抱き締めてしまう。

 あとで悶死するかもだけど、今はこれでいい。

 

 

 ふと目をやれば、木場先輩とフリードが、倒れたコカビエルを無言で見つめている。

 

「とうとう勝ったね、僕たち」

「ああ、確かに勝った……………けど」

「うん。何か、虚しいね」

 

 そうか、二人は道は違えど、見つめた物が光と闇であれど、どちらも復讐を心の支えに生きていたから、それが果たされた今、二人の心は……………。

 

「なぁ、フリード」

「なんだよ」

「僕には仲間がいる。この虚しさを埋めてくれる仲間が」

「おう」

「だからさ、君も……………」

「けっ、断る。誰が好き好んでこれまで殺してきた悪魔になんかなるかよ」

「……………」

「………ちっ、そのやっぱりって目、腹立つぜ」

 

 

 けど、その虚しさはいつか消えるだろう。生きている限り、出会いがあるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざ、けるな……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時の僕らの動きは自分でも驚く程に機敏だった。

 

 倒れていたはずのコカビエルから言葉が発せられ、動き出す。

 

「そんな!」

 

 あれだけの攻撃を浴びせてまだ立てるだなんて!?

 

 心のなかで盛大に舌打ちし、駆け出すために脚に力を入れた瞬間、

 

『ダメだ主! これ以上は!』

「……………なっ! この、タイミングで!?」

 

 体から力が抜け、光の片翼が霧散する。

 

 膝を着く。体に上手く力が入らず、立つことも覚束ない。

 これは、ブラッドレイジ強制終了………だけじゃない。きっと、ブラッドアーツを二つ同時に使用した反動と、蓄積されたダメージによるもの。

 

「くそ! また、僕は!」

 

 大事なときに、選択を誤ったのか!

 あの時、一つにしておけば……………。自分の愚かしさに腹が立つ。

 

 けど、今はそんな自責をしている場合じゃない!

 

「俺は、負けぬ…………俺が負けるなど、あり得ぬ……………思い上がるなよ、下等種族どもが!」

 

 先程までと同じ言葉を繰り返したコカビエルが、その手に何かを召喚する。

 

 あれは…………

 

「注射器?」

「これはあまり使いたくなかったが………っ!」

 

 注射器を握ったコカビエルは、何の躊躇いもなく自分の首筋に刺し、その中の薬品を体内に注入する。

 

「なにを!?」

「なんだかはわからねぇが、させるかよ!」

 

 木場先輩とフリード、そしてイッセー兄ちゃんが同時に駆け出し、コカビエルにトドメを刺そうとする。

 

 が、

 

「くはははは! 無駄ぁ!」

 

 コカビエルの周囲に展開された光の障壁により、受け止められてしまう。

 

「くくく、ははははは! 溢れてくる……力が溢れてくる………凄まじい…………これが『魔人薬』の力か! これで試作品とは恐れ入る!」

 

 まじん、薬………? つまり、ドーピング剤のような物か?

 

「死ねぇ! 【射手の矢滅雨(サギッターリウス・テンペスタース)】!」

 

 奴が腕を振り下ろすと、上空からいくつもの光の矢が降り注ぐ。

 それは、一発一発は軽いものの、触れた瞬間爆発を引き起こすものであった。

 

「あぁぁあ!」

「ぐぅ!」

「きゃぁぁぁ!」

 

 結果、受け止めた僕たちはその光に吹き飛ばされ、地面に倒れた。

 

「ははは! 思い知ったか人間! 思い知ったか悪魔ども! これが至高の力! 我々堕天使の力だ!」

 

 倒れた僕らを見て、コカビエルが哄笑をあげる。

 

 悔しさに、僕は地面を握りしめる。

 勝てない、のか?

 

 

 

 

 その時だった。異変が起きたのは。

 

「ぐっ!? な、なんだこれは…………なぜだ、なぜ力の奔流が止まらぬ!? ま、まて、よせ! これ以上は俺が、た、耐え……………たえぶろぁ」

 

 

 

 コカビエルの形が崩れた。

 まるで奴が粘土で出来ているとでも言うように、内側からグニャリと、ねじ曲げられて。

 

「や、やべろ………ごデ以上は………体、潰れ――――」

 

 コカビエルの言葉はそこまでだった。

 残りのすべては、コカビエルの言葉ではなく、化物の咆哮そのものだった。

 

 

 なんだ、これは。

 

 それが多分、この場にいる僕ら全員の思ったことだろう。

 

 圧倒的な力の波動は、僕にも伝わってくる。

 けど、そこに意思は感じられない。

 

 意思無く、言葉無く、ただ無秩序に力を振るう。

 

 それは正しく獣……いや、化物そのものだった。

 

 

 だが、そんな暴力でも、当たれば死ぬだろう。

 

 

 

 

 もうどうにも、出来ないのだろうか……………。

 

 唯一、援軍として希望できそうな生徒会組は、この惨劇を外に気取られまいと、今必死に結界を維持しているはずだ。

 

『―――――――!!』

 

 化物が咆哮を上げ、上空に光の珠が作り出される。

 あれは、僕が盾でギリギリ防いだやつか。

 

 ここまでなのか。

 

 

 誰もがそう諦めた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Divide!!』

 

 

 無機質な声が響き渡る。

 その途端、光の大きさが半分になる。

 

「え?」

 

『Divide!! Divide!! Divide!!』

 

 音声が鳴り響く度に、光は縮小し、遂には消滅してしまう。

 

 その声の元を探して、僕は空を見上げる。

 

 

 

 

 

 ―――――白銀。

 

 

 

 

 

 月明かりに照らされた夜空に、白銀が浮かんでいた。

 僕はその美しさに、思わず見とれてしまう。

 

 そしてその白銀は、イッセー兄ちゃんの赤い鎧と、とてもよく似ていた。

 

 

 白銀が、コカビエルだった物の前に降り立つ。

 

「不様な物だな、コカビエル。あれほど力と闘争を求めながら、魔人薬(そんなもの)などに頼るから、力に飲まれて自分を見失うんだ」

 

 化物に歩み寄りながら、白銀は語る。その間にも、体の宝玉からは無機質な声が響き渡っている。

 

「ほう? 少しの意識は残っているのか? なぜ触れなければ半減出来ない俺が、お前を半減できるのか不思議そうな顔だ」

 

 くつくつ、と白銀が静かに嗤う。

 

「無論触れたさ。俺の鎧の一部が」

 

 そういうと彼は、化物の懐に手を突き刺し、銀色の塊を取り出す。

 

「お前は要注意人物だったからな。アザゼルにに言われて、お前の体内に仕込ませて貰っていたよ」

 

 化物が弱々しい声を上げながら倒れると、白銀は僕らに目をやる。

 

「そう睨まないでくれよ、悪魔たち。うっかり戦いたくなってしまう。

 安心してくれ。こちらに敵対の意思はないし、今回の権もコカビエルの独断で、堕天使の総意ではない。そこんところよろしく頼むよ。こいつはうちで裁くから、持っていく。追々、堕天使側から悪魔側に謝罪があるはずだ」

 

 一方的にそう語った白銀は、コカビエルを俵持ちにして翼を広げて飛び立とうとする。

 

 

 その時、

 

 

『挨拶も無しとは随分と冷たいじゃないか。え? 白いの』

『なんだ、起きていたのか赤いの』

 

 兄ちゃんから……いや、兄ちゃんの籠手、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が輝き、そこから声が響くと、それに応えるように白銀からも先程とは違う声がした。

 

『あまりに貴様の気配が弱々しかったのでな。てっきり眠っているのかと思ったわ』

『はん、言ってろ』

 

 どうやら、兄ちゃんの籠手に宿る、『赤い龍』というのと、あの白銀に宿る存在は、何らかの因縁があるらしい。

 

『それよりも赤いの。今回は随分と敵意が無いじゃないか』

『それは貴様にも言えた事だろう?』

『……ふっ、今はお互い、決着よりも興味のあるものがある、ということか』

『そのようだな』

 

 そこで、鎧と、籠手からの光が消える。

 

「もういいのか、アルビオン? ……そうか」

 

 白銀はなにかしらを鎧とやり取りし、そのあと兄ちゃんの方を振り向く。

 

「君の名を教えてくれるかい? 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の所持者くん」

 

 そう言って彼はフェイスメイルを外し、素顔をさらす。

 

「俺は君の神器(セイクリッド・ギア)と対をなす神器(セイクリッド・ギア)、【白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)】の所持者、ヴァーリだ」

「……………兵藤一誠」

「そう警戒しないでくれよ宿敵くん。今の君は弱いから、戦っても楽しくないよ。早く上ってきてくれ」

 

 

 ――――俺の領域まで。

 

 

 そう言って白銀………いや、ヴァーリさんは僕たちに背を向け、コカビエルを連れ去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 激戦の終わりは、何とも呆気ないものだった。

 けど、残された激闘の傷跡は、凄まじいもので、校舎は半壊、地面は抉れ、見るも無惨な状態と成り果てていた。

 

 校舎だけでなく、僕らもボロボロで、アーシアさんが滝のような汗を流しながら、みんなを懸命に治療して回っていた。

 もっとも、途中から疲労が酷かった為、無理やり休ませたけど。

 

 無防備なまま、攻撃をほとんどまともに食らったイリナさんは、結局目を覚ますことはなく、ゼノヴィアさんに背負われて、教会直轄の病院へと運ばれていった。容態が悪化しなかったのは、一重にアーシアさんのお陰だろう。

 

 

 あのあと、設置型の結界を張った生徒会組が到着し、僕たちの治療をしながら、遅れて到着した冥界からの援軍と協力して校舎を直していた。

 

 その時、援軍の隊長らしき人が、何度もグレモリー先輩に頭を下げ、遅れた事情を説明していた。

 

 なんか色々言ってたけど、要約すればこうだ。

「大王派の老害どもが何をとち狂ったか、やたら地味に面倒な妨害をしたため」とのこと。

 

 どこの世界も、権力闘争は厄介な物だね。

 

 

 

 空が朝日によって瑠璃色へと変化した頃、僕らはようやく、学校の修復を終えた。明日………いや、もう今日か。とにかく、今日が日曜日で本当によかった。

 と、そこで僕はある人がいないことに気がつく。

 

「あれ? フリードは?」

 

 今回の主役である一人。複雑な心境と立ち位置ではあるけれど、彼だって立派な立役者だ。

 

 その彼の姿が見当たらない。

 

 みんなも僕の言葉で彼がいないことに気付き、辺りを見回す。

 

 

 

 

 

 

 それでも彼は見つからなかった。ただ、フリードが持っていた聖剣は、学校の昇降口前に突き立てられ、夜明けの曙光に煌めいていた。

 

 

 

 

 

 




コカ「俺と戦えー」

コカ「もっと熱くなれよぉぉぉ! 全力でこぉぉおい!」

コカ「べ、別に負けてねぇし! 認めんし! 本気(おクスリ)出すからもっかい!」

コカ「(。∀°)<アパー」


フリード「俺たちを、無礼るな!」


要約するとこんなお話(白目)




※人物紹介の木場祐斗の項目を更新しました
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