ハイスクールG×E   作:フリムン

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思ったより短かった……………これなら前の話にくっつけても良かったかな……………?

後書きにアンケートがあります。ご協力お願いします。


第60話

 

 あの戦いから二日後。

 

「「……………」」

 

 部室で僕と兄ちゃんは開いた口が塞がらない、と言う言葉をまんま体現していた。

 

「いや、あの……そんなに見つめられると、照れるな」

「いやいやいやいや……………」

 

 照れるとかそんなんじゃなくてね!?

 

「なにか、変だろうか?」

「「変だよ! おかしいところしか無い(ねぇ)よ!」」

 

 僕らの叫びに彼女――――ゼノヴィアさんは苦笑を浮かべながら頬を掻く。

 

「ていうか、え? 転生? なんで? うぇぇえ!?」

 

 驚くことに、ゼノヴィアさんの背中にはなんと、悪魔の翼が生えていたのである。

 それはつまり、彼女が悪魔になったと言うことであり、教会を裏切ったと言うことだ。

 

「………いや、な。神の死を知ってしまった私は、どうやら教会からすれば異分子、或いは危険分子そのものらしくてな、放逐されてしまったよ」

「それで、破れかぶれで彼女は私の眷属、【騎士(ナイト)】になったというわけよ」

 

 ゼノヴィアさんの言葉を継ぎながら、グレモリー先輩が部室に入ってくる。

 

「それにしても、教会もバカなことをしたわね。天然の因子保持者、それもデュランダルの担い手をアッサリと手放すなんて。まあ、そのおかげで私たちが得をした形だけどね」

 

 そう言って、ふふ、と先輩は微笑む。

 

「まあ、あのアーシアさんをアッサリ裏切るような連中ですからね。おつむがきっと頗る軽いんですよ。案外中身はスカスカ何じゃないですか?」

「お、おう、いつになく辛辣だな、ハル」

 

 全く、教会の人達って本当はバカなんじゃ無いのだろうか?

 僕の言葉に、グレモリー先輩とゼノヴィアさんは苦笑を浮かべ、互いに顔を合わせていた。

 

「だが、そうだな。これで私もアーシア・アルジェントと同じになってしまったわけだ。………これでもう、彼女の事を悪く言うこともできないな。あの蔑みの目、結構堪える物だな」

 

 ゼノヴィアさんが自嘲気味に笑うと、グレモリー先輩が「ともかく」と、話を戻す。

 

「これでうちの【騎士(ナイト)】が二人揃ったことになるわね。皆、異論は無いかしら?」

 

 そう先輩が問いかけ、皆の顔を見渡す。すると、誰もが頷き、異論は無いと意思表示をした。

 

 僕を除いて。

 

「異議あり!」

 

 僕が声を上げながら人差し指をゼノヴィアさんに向けると、周囲が困惑したように僕に視線を向ける。

 

「………ふむ、やはり君から出るか」

「なにかしら、ハルト?」

 

 ゼノヴィアさんの納得したような言葉と、グレモリー先輩の優しい問いかけが僕にかかる。

 

「ゼノヴィアさんが僕らの仲間になるのは良いです。でも、そうなる前に着けなきゃならないケジメがあるはずです」

 

 僕がそういうと、兄ちゃんが「あっ」と声を洩らす。対してアーシアさんは、何の事かわかっていないのか首を傾げている。

 

 いやいや、アーシアさん。貴方が一番関係あるんですが。

 

「ケジメ、か………いや、分かっている。ケジメを着けなくてはな」

 

 その一言で理解したゼノヴィアさんは、僕らの横を抜け、アーシアさんの前に立つ。

 

「あ、あの、ゼノヴィアさん?」

 

 いきなり目の前に立たれてわたわたとするアーシアさんに、ゼノヴィアさんは一瞬微笑んだ後、勢いよく頭を下げた。

 

「アーシア・アルジェント、初めてあったとき、君の事を魔女などと罵倒してすまなかった! 私も異端として放逐されたときに味わったよ、あの悲しみを。それなのに、何も知らない私があのようなこと……………本当にすまなかった! 君の気がすむのなら、殴ってくれてもいいし、罵倒しても構わない!」

 

 突然のことに、アーシアさんは目を白黒させる。

 

「そ、そんな、殴るなんてそんなこと……………」

「いや、せめて一発でいい! でなければ私は私が許せない!」

 

 ゼノヴィアさんの懇願に、アーシアさんは困ったような顔をし、こちらに助けを求める視線を向けるが、僕らは敢えてそれを無視した。

 

「あ、あぅぅぅ…………え、えいっ!」

 

 困ったアーシアさんは、悩んだ末にペチンと、軽くゼノヴィアさんの頭を叩いた。

 

「え………アーシア・アルジェント?」

 

 叩かれた衝撃の弱さに、ゼノヴィアさんはポカンとした表情で顔を上げる。

 

「いいんです。そもそも、もう怒ってませんから。それに、私の事はアーシアと呼んでください。そしてできれば、私の友達になってください」

 

 そう言って彼女は微笑む。その微笑みはまさに……………

 

「聖母だ………聖母がいる……………」

 

 ゼノヴィアさんが呆けたようにそう呟く。

 わかる、その気持ちは凄くよくわかる。

 なんせアーシアさんは心身ともに我がオカ研の癒し担当だからね。

 

 え? なに小猫ちゃん? 私も? いやぁ、小猫ちゃは癒しと言うよりマスコット………いたたた! わき腹抓るのは痛いって!

 

 僕と小猫ちゃんがそんなやり取りをしていると、ゼノヴィアさんが僕らの方に振り向く。

 

「神結ハルトに兵藤一誠。二人もすまなかったな」

「いいよ、気にすんな。あと、俺の事はイッセーって呼んでくれ」

「そですね。あ、僕もハルトでいいです」

「そうか………ありがとう」

 

 僕らがそう返すと、彼女は嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「それじゃ、新たな眷属【騎士(ナイト)】として、これから世話になるゼノヴィア・クァルタだ。みんな、これからよろしく頼む」

 

 

 そしてその日、僕らの仲間が一人増えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「僕の歌を聞けぇぇぇえ!!」

 

 僕の声が部屋一杯に広がる。

 

「待ってましたー!」

「合いの手は要るかー!?」

 

 松田先輩と元浜先輩のヤジも響き渡る。

 

 

 

 

 あの後、僕らは前々から計画していたカラオケに来ていた。

 お祝いにゼノヴィアさんも誘ったのだが、転入手続きやその他やることがあると断られてしまった。

 

 面子は僕、兄ちゃん、アーシアさん、小猫ちゃん、松田先輩、元浜先輩、桐生先輩。

 そして意外なことに、木場先輩が来ていた。

 

「きーみーがーよーはー、ちーよーにー……………」

「なぜその選曲!?」

 

 僕の曲が始まり、歌い始めると兄ちゃんからの良いツッコミが入り、笑いが起きる。

 

「よっしゃ木場! ハル! トリオ行くぞ!」

「え、え? い、イッセーくん!?」

「らじゃ! せーの!」

 

 

 

 その後は、代わる代わるマイクを交換しながら歌い、時には奪い合い、時には僕の腹パンが兄ちゃんに炸裂し、時には肩を組んだ木場先輩と兄ちゃんの画像がばらまかれたり、僕と小猫ちゃんとデュエットしたりなど、その日のカラオケは、今までに無いほどのどんちゃん騒ぎだったと、ここに記しておこう。

 

 

 

 

 

 あと、後にトリオの画像が流出し、僕らの『禁断の三角関係』と言う噂が流れたのは、まことに遺憾である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごぶっ………! げほっ、げほっ!」

 

 口から大量の血が溢れ、思わずむせてしまう。

 

「くっそ、だりぃ………」

 

 再び血の滲み出した腹を押さえながら、俺―――フリード・セルゼンは一人、森の中を歩く。

 

 

 

 

 あの戦いの後、集まってきた悪魔達に囚われないよいに、コカビエルから渡されていた長距離転移魔札(トランスファー・ゲート)を使って、その場を離脱した。

 

 特に行き先も指定せずに転移したため、自分がどこの国の、どこの森に出たのかは分からない。

 ただ、理由もなく今は歩き続けている。

 

 俺にはなにもない。

 木場祐斗のように仲間も、これからの目標も、居場所も、生きる意味も……………。

 

「……………へっ、ここまでかよ」

 

 森の少し開けた場所に出て、手頃な木の根本に凭れかかる。

 

 見上げれば、夜明けの近い空にはまだ星があり、その星座から、日本からはさほど離れていない場所なのだとわかる。

 

 

 星座、か……………。

 

 俺の仇敵であり、上司だった堕天使がかつて司っていた物。

 …………なんか、複雑だな、おい。

 

 

 

 意識が朦朧とし、少しずつ遠ざかっていく。

 

 ………少し、疲れた。ちょっとだけ眠ろうか、ちょっとだけ……………。

 

 

 重たい瞼に逆らわず、俺は瞼をとじた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頬を撫でる、暖かい感触があった。

 

 俺の名を呼ぶ、愛らしい声がした。

 

「……………」

 

 瞼を持ち上げる。

 すると、そこには―――――

 

 

「よう…………お前ら」

 

 あの戦いの時、俺の元に現れた少年少女――――キャサリン達だった。

 

『お疲れさま、お兄ちゃん』

 

 前より、声がハッキリ聞こえる。

 

『やっぱり、カッコ良かったぜ、兄ちゃんはさ』

「そうかい」

 

 子供達の言葉に、力無く笑う。

 

『お兄ちゃん、眠るの?』

「ああ、少しだけな」

『そっか』

「少しだけ休んだら、俺、頑張るよ」

『うん』

「これから行くところは、地獄って所だろうけどさ」

 

 空を見上げる。空は夜明けの光に照らされ、瑠璃色と白色に変わり始めていた。

 

「多分、すっげぇ時間かかるけどよ、絶対に、お前らの場所に帰るからさ」

 

 ―――――だからさ、

 

「もう少しだけ、待っててくれや」

 

 俺の言葉に、応える声はなく、彼らはただ、優しそうに微笑むだけだった。

 

 

 無意識に、手を伸ばす。

 

 最期に彼らに触れたくて。

 その温もりを感じてみたくて。

 

 けど、

 

『じゃあ、待ってるね、お兄ちゃん』

『ずっとずっと、お兄ちゃんが来るまで』

『だから、寄り道しちゃダメだぜ?』

 

 そう言って、彼らは霧のように消えていった。

 

 伸ばした手は何にも触れることもできず、ただ、宙を彷徨う。

 

「あっ………」

 

 情けない声が、不意に零れてしまう。

 

 

 

 

 夜が明ける。

 木々の葉に付いた朝露が、暁光に反射し、キラキラと輝く。

 

 その光景は、あまりに無垢で、美しくて―――――

 

 

 

 

 

「―――――ああ、綺麗だ………」

 

 

 

 

 薄れ行く意識のなかで、俺はそう、最期に溢したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光に照らされた青年が、その体から長く長く息を吐いて眠りに付いた。

 二度と目覚めることのない、安息の眠りに。

 

 その顔は、何処までも安らかで、少し、微笑んでいるように見えた―――――。

 

 

 




そろそろこの小説のあらすじを変えようかと考える今日この頃。
だって主人公が無双しないしフルボッコもしないし……………


まあ、それは置いといて、アンケートです。解答は活動報告へお願いします。


【閑話3】について

①少年と巫女の休日(朱乃とデート)
②風邪引き少年と看病(風邪を引いたハルを看病する話)
③ガールズトーーーーーク(ヒロインズ)
④ガールズトーーーーーク(アラガミズ)
⑤その他

 よろしくお願いいたします。

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