ハイスクールG×E   作:フリムン

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遅れてすみませんでしたぁぁ!!
いや、オレは悪くない! 強いて言うなれば積み本とゼノブレイドクロスが面白いのが悪いんだ!

『だから僕は悪くない』!





あ、はい、土下座します。

あぁ、まって僕を埋めないで! なろうの方でも埋められてきたんだからぁ!


停止教室のヴァンパイア
第61話


 夢幻の中を、意識が揺蕩う。

 

 朧気な微睡みの中、どこか苦しくなるような郷愁にも似た感情と温もりが、僕の心を埋め尽くす。

 

 

 これは記憶()だ。

 遠い遠い、(誰か)(記憶)

 

 

 

 

 

『ねぇ、君は将来、何になりたい?』

『なにさ、藪から棒に』

 

 黄昏の茜に染め上げられた夏の河川敷を、僕は幼馴染みと二人で歩いている。

 学校の制服に身を包んだ帰宅途中の、とりとめの無い会話のやり取り。

 

 そんな会話の中で、彼女がふと、そんな質問をしてきた。

 

『んー、ほら、だって私もうすぐ卒業でしょ? 高校三年生だし。そろそろ考えなきゃって』

『そう言われてもね……………だって僕まだ中学三年だし』

『今から考えてても良いじゃない。どうせうちの高校来るんでしょ? あんな何の特徴もない学校に』

 

 そういって、彼女が笑う。

 その笑顔が好きで、彼女が笑うといつも見入ってしまう。

 

『いいよ、別に。だってその学校には■■姉ちゃんがいるし』

『入れ替えだけどね。………わかった、それで? 話を戻すけど、将来の夢は?』

『夢、ねぇ……………そうだね、強いて言えば』

『強いて言えば?』

 

 僕の顔を姉ちゃんが覗き込んでくる。

 長い綺麗な黒髪がサラサラと流れて、夕陽の光に反射する。

 

 そのあまりに美しい景色に目を細めながら、それでもしっかりと僕は言葉にする。

 

『大切な人の居場所になりたい』

 

 夢と言うには抽象的過ぎるかもしれない。夢と言うにはあまりにも夢が無さすぎるかもしれない。

 

 でも、それで良いんだ。

 

 確かに将来は何かしらの仕事に就くのだろう。けど、それは手段であって目的じゃない。

 

 だって、僕の大切な人は――――――

 

 

『良い夢だね』

『え?』

 

 彼女はそういって少し駆けて、僕の前に立つと、振り返ってこちらを見る。

 

 

『大丈夫、君なら出来るよ』

『そうかな?』

『そうだよ! だって君優しいもん』

 

 

 

 

『だから大丈夫。その夢叶うよ、悠斗なら!』

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 うっすらと瞼を開けると、カーテンの隙間から朝日が射し込んだ、薄暗い自室の天井が見える。

 

「……………」

 

 

 ―――だから大丈夫、その夢叶うよ、ハルトなら!

 

 

「………あの夢」

 

 あれは、あの河川敷はどこなんだろう。

 少なくとも、僕はあんな会話をしたことも無いし、姉ちゃんと呼んだことのある人も居ない。

 ましてや、僕の幼馴染みはイッセー兄ちゃんだけだ。

 

 それなのに、なんなんだろうか、この感情は。

 

「……っ………っ!?」

 

 なんで、こんなにも涙が溢れるんだろう。

 

 こんなにも気持ちが溢れる夢だったのに、なのに僕は覚えていない。思い出せない。

 あの会話も、あの人の名前も、その顔も、全部。

 

「あの人は、誰だったんだろう?」

 

 本当に不思議な夢だった。

 とある初夏の日に見た、不思議な夢。

 

 

 

 

 

 これが意味するところを、僕はまだ知らずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこまでも高く碧い空! 揺蕩う大きな白い雲! 真っ白に輝く太陽! 響き渡る蝉の声! 陽射しを反射し煌めく澄んだ水面!

 今はまさに、命燃え盛る真っ赤な季節! そう、夏! 高校初めての夏! みんなの青春!

 

 そして、

 

「兄ちゃんのバカぁぁぁああ!!」

「ほげらぁぁぁあ!」

 

 飛び散る鮮血、舞い上がる変態(兄ちゃん)

 

「お、落ち着けハル!」

「落ち着いてるよ!」

「嘘こけ!」

 

 さて、今現在なぜ僕と兄ちゃんが言い争っているのかというと、事は数時間前に遡る。

 

 

 ちなみに、なぜプールに来ているのかは数日前に遡る。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「プール清掃?」

 

 僕の風邪が見事に完治して数週間後、暑さの増してきた初夏のある日、部室に入ってきたグレモリー先輩が持ち出した話に僕は疑問を浮かべる。

 

「ええ。ソーナ……生徒会からの依頼でね、夏の水泳授業に使うプールの清掃をお願いしたいんだそうよ」

「でも、なんで俺ら何すか?」

「人件費削減ですって。うちのプール、屋外だし広いか

ら清掃となるとそれなりに人手が必要らしいの」

「それで何で僕らに?」

 

 僕が問うと、グレモリー先輩は少し苦笑いを浮かべて言う。

 

「私たちは悪魔でしょ? ハルトは違うけれど。だから人間がやるより早く済むからですって」

「生徒会は?」

「冥界に送るものも含めて、書類仕事に追われてるわ」

「うへぇ」

 

 書類仕事って言葉を聞くだけで頭痛くなりそうだ。

 生徒会って大変だなぁ。

 

「ああ、あと報酬で、プールは好きに使って良いそうよ」

「マジすか!?」

 

 兄ちゃんがいきなり立ち上がってガッツポーズをする。

 

「みんなの水着が見られるぜひゃっほい!」

「もう、そんなに喜ばれたら僕恥ずかしいよイッセーくん」

「てめえじゃねぇぇぇえ!!」

 

 兄ちゃんの言葉に頬を赤らめる木場先輩。絶叫と共に胸ぐらに掴みかかるイッセー兄ちゃん。

 

 …………うん、いつも通りだ。いつも通り過ぎて時既に時間切れだった。

 

「…水着かぁ………」

 

 水着と言う単語に小猫ちゃんが思案するように呟く。

 わぁ、目の前の出来事をガンスルーだよこの子。

 

「……ね、ねぇハルト、今度いっs…「一緒に買い物いきましょう、小猫ちゃん」

 

 なにかを決意したように頷いた小猫ちゃんが僕に語りかけようとしたその時、いきなり横合いから別の声が聞こえ小猫ちゃんの言葉が書き消される。

 

「…あ、朱乃さん?」

「うふふ、良いじゃないの、小猫ちゃん」

 

 驚きと疑問の視線を向ける小猫ちゃんに、姫島先輩は彼女の頬をツンツンと突っつきながらイタズラっぽく笑う。

 そして彼女の耳に顔を近づけ、

 

「(本番で見せた方がサプライズ感あるじゃない?)」

「(……………っ!!)」

 

 なにかを囁いた途端、小猫ちゃんが驚いた顔をして、そのあと頷きを返えし、僕を見つめる。

 

「え、な、なに?」

「…ううん、なんでもない」

「うふふ、ええ、なんでもありませんわ、うふふふ」

 

 な、なんだろう、この二人のたまに見せる妙に息のあった意思疏通は………。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 そして、そんな事があった三日後の土曜日。

 

「夏だ!」

「休みだ!」

「「プールだぁぁぁあ!!」」

 

 僕と兄ちゃんは、プールの扉を前に拳を突き上げる。

 

「二人とも元気ね」

「そりゃそうですよ部長!」

「夏のプールですよ!? テンション上がらなきゃそいつは日本人じゃない!」

「日本人はあなた達と朱乃と小猫の二人だけよ」

「「あっ………」」

 

 そ、そうだった………8人中半分が外国人だった……………。

 

「ま、まぁとりあえず、いくぞハル! 俺たちの希望(水着美女)が、そこで待っているんだから!」

「その希望とやらには同意しないけど、うん、わかったよ兄ちゃん!」

 

 僕たちは同時に駆け出す。後ろから木場先輩とグレモリー先輩の声も聞こえたが、そんなものは気にしない!

 

「あ、ちょ!」

「まって二人とも! プールはまだ!」

 

 

 そして僕たちは、その扉を押し開けるのだった!

 

 

 

 

 

 

 

「……そん………な…………」

「なんだよ、これ………」

「こんなのって……こんなのって無いよ………っ!」

 

 その光景を見た僕らは、膝を突き項垂れる。

 下唇を噛み締め、拳を地面に叩きつけ、何度もかぶりを振って否定しようとする。

 

 

 頭に描いていたのは、プールのそこの青と、日差しを反射する水面。そのコントラストが描き出す青春の一コマ。

 

 だがしかし、僕らの眼が捉え、網膜に焼き付けたその光景は、あまりにも非情(現実的)だった。

 

「なんで……なんでだよっ!」

「あんまりだ、こんなの、あんまりだ!」

 

 顔を上げて見つめた先には、青と緑と、青と緑と緑と緑と緑と緑と……………。

 

 

「こんなに()だらけだなんて!」

 

 

「そりゃそうよ。だってまだ掃除してないもの」

「あはは、残念だったね、二人とも」

「うふふふ」

 

 声のする方向、後ろに顔を向ければ、苦笑を浮かべたオカ研の面々。

 皆の水着などではなく、汚れてもいい学校指定のジャージを着ていた。

 

「「……………」」

 

 僕らは顔を見合わせる。

 

「俺らも着替えようか」

「そうだね」

 

 その結論に至った僕らは、トボトボと更衣室へ向かうのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「全力でやるぞおらぁぁぁあ! 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ぁぁぁ!! あ? こんなことに使うな? 馬鹿言えドライグ! こんなときに使わずしてなにが赤龍帝だゴラァ!」

 

 なんて兄ちゃんの暴走もあり、掃除は滞りなく、兄ちゃんが自滅して藻まみれになったこと以外特に問題は無かった。

 

 え? ブラッドアーツ? ははっ、やだな、こんなことに僕がそれを使うわけ無いだろ?

 

「…ハルトの【波濤斬り】だっけ? 広範囲が掃除できて便利だね」

 

 …………………………。 

 

「…? どしたの、急に口笛なんかして」

「べ、べべべっつにぃー?」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「そんなわけで、夏だ!」

「や、休みだ?」

「ノリが悪いぞ木場! プールだぁぁぁぁ……………ぶぼれ!?」

「ばかぁぁぁあ!!」

「イッセーくん!?」

 

 水を張ったプールの前で、木場先輩と一緒に拳を突き上げていた兄ちゃんの背中に、ドロップキックをぶちかましプールに叩き込んだ僕は、上半身だけ服を脱いだ姿で兄ちゃんに怒鳴る。

 

「ごぼぼぼ………ぷはっ! 何すんだハル!」

「兄ちゃん! 僕の水着どこやったの!」

「ちゃんと鞄に入れたじゃないか!」

「これが!? 僕の!?」

 

 そう言って、持っていた鞄から僕の(らしい)水着を取り出す。

 

 濃い紺色で、少し硬めの生地。

 上と下が別れていて、上は胸元までで肩までの紐がある。

 胸には白いゼッケンがあり、「はると」とかかれている。

 

「……………」

 

 無言で、上がってきて隣に立った兄ちゃんを向く。

 

「……………兄ちゃん」

「なんだ?」

 

 僕の呼び掛けに、キョトンとした顔をする兄ちゃん。

 そうかそうか、兄ちゃんのなかではこれが普通なんだな。

 

 ………よし殺そう。

 

「スク水(♀)じゃないかぁぁぁあ! 兄ちゃんのばかぁぁぁあ!」

 

 振り上げた拳は、身長差も相まって最もスピードの乗った場所で兄ちゃんの顎を下から捉える。

 

「ほげらぁぁぁあ!!」

 

 ゴッドイーターの膂力でカチ上げを食らった兄ちゃんは、くるくるときりもみ回転しながら飛んでいき、派手な音をたてて着水した。

 

「殺す気か!?」

「死んでしまえ!」

 

 そんなやり取りをガヤガヤとやっていると、当然女子更衣室にも聞こえるようで、グレモリー先輩の声が聞こえてくる。

 

「どうしたのよハルト。そんなに騒いで」

「聞いてくださいよグレモリー先輩! 兄ちゃんがですね……………」

 

 言いながら振り向き、そして固まる。

 

 明らかに布面積の少ない赤いビキニを纏うグレモリー先輩。

 露出は控えめで、けれども自身の体のメリハリを強調する某有名メーカーの競泳水着を纏う姫島先輩。

 青いビキニとパレオで脚を魅せるゼノヴィアさん。

 

 そして、旧式のスクール水着を着ている小猫ちゃんとアーシアさん。

 

「なにがあったの?」

「………はっ! いや、兄ちゃんが僕の水着にこれをって……………」

 

 グレモリー先輩の問いかけにハッとした僕は、先輩に自分の持つ水着を渡す。

 

「これは………はぁ」

「あらあら、うふふ」

「…かわいい」

 

 グレモリー先輩は額に手を当ててため息を吐き、姫島先輩はなに考えてるのか分からない笑顔で笑い、小猫ちゃんは可愛いと宣う。

 

「かわいいですよね、部長! ……って部長のおっぱいがブフォ!?」

 

 隣に上がってきてそんなことをほざいて鼻血を撒き散らす兄ちゃん(変態)の鳩尾に一発入れて踏んでおく。

 

「ま、まあ可愛いけど、流石にこれは可哀想だわ。ハルト、普通ので良いわよ」

「はい!」

 

 そこ! 残念そうな顔をしない!

 小猫ちゃんとか姫島先輩とか木場先輩とか、不特定多数の皆とか!

 

「……………あっ」

 

 ふと、僕の足の下でそんな声が聞こえる。

 

「どうしたのイッセー?」

「あー、その………」

 

 なぜか口ごもる兄ちゃん。

 イヤな予感がした。

 

「ハルの水着、忘れちまった!」

「はぁぁぁ!?」

 

 なんだよそれ! え? じゃあなに? 朝うちに来たそのときに仕込んでたの?

 

 そう問うと、是の言葉が帰ってくる。

 

「それで、その時僕の水着を出してしまうのを忘れたと」

「……………はい」

「死ね」

「あだだだだだ!! まって! 止めて! 両腕が! 俺の両腕がぁぁあ!!」

 

 背中を踏みつけている状態で、兄ちゃんの両腕を後ろに引っ張る。

 

 その時、ぽん、と右肩に置かれる誰かの手。

 思わず振り向くと、ほっぺにその人の人差し指が刺さる。

 

「うふふ、良いじゃないですかハルトくん。着ましょ?」

 

 イタズラをした姫島先輩は、とってもいい笑顔でそんな事を宣った。

 

「え?」

「だって、水着が無いと泳げないでしょう?」

「いや、でも………」

「…一緒に、泳がないの?」

「うぐっ………」

 

 その顔は反則だって、小猫ちゃん。

 

「うううぅ……」

「着てくれたら私、ハルトくんになんでもしてあげますわ、うふふ」

 

 ……………ん? 今、なんでもって…………………………へ?

 

「え?」

 

 固まった。

 耳元でそんな事を囁かれて、固まった。

 

「料理でもデートでもマッサージでも、それ以上のあれやモゴゴゴ……なんですか小猫ちゃん」

「…なんでもないです」

「あらあら、まったく、うふふ。とにかく、私に出来ることなら何でも聞いてあげますわ」

 

 それを聞いて答えないのはきっと、男じゃないのだろう。

 いや、スク水着るのもあれだけどさ。

 

「着ます」

 

 故に即答した。

 迷いなど、無…………………………かった。うん。

 

 その時だった。

 

「あででででで……(コキャ)……あふん……………」

「上半身でもギリギリだったのに、ハルトきゅんのスク水……………ゴファ!」

 

 両腕から小気味の良い音がなって脱力する兄ちゃんと、鼻血と吐血を同時に行って倒れ伏す木場先輩。

 

 ………いやぁ、いつもの日常だぁ、あっはっは……………おそらがあおい、わぁい。

 

「はぁ………アーシア、イッセーを治してあげて。小猫とゼノヴィアは、プールが汚れるから祐……ホモを外に捨ててきて。ハルトは着替えてらっしゃい」

 

 グレモリー先輩の指示に従ってそれぞれがそれぞれの支度を始める。

 

 

 

 

 

 

 こうして、僕らの夏の最初のイベントは、なんの問題もなく始まったのであった。

 

 問題なんてなにもなかった、いいね?

 

 

 

 




書いてて思ったこと。
「あれ? この作品ゴッドイーターでやる意味無くねぇ!?」

そ、そんなことないですよね? ね?(震え声

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