ちくしょう、誰だよ実験レポートなんてシステム考えたの……………
酒呑童子かわいい(当てた)
「……………」
「……………」
「……………」
「……………ぽっ」
「ブラッドアーツぅ!」
「待て落ち着け! 冗談、冗談だから! 待って!」
数秒間僕を見つめ、頬を染める動作をした兄ちゃんに向けて神機を構える。
「死んでしまえ変態!」
「お前自分から着たろうが!」
「これしか無いんだから仕方ないじゃないかぁ!【インパルス・エッジ】!」
「あんぶら!?」
◆◆◆
「はい、いっちにー、さんしー、いっちにー、さんしー、息継ぎー」
「…ぷはぁ!」
僕の号令に従って、バチャバチャさせていた小猫ちゃんが水面に顔を上げる。
「ほら、もうちょっとだよ、頑張って」
僕の言葉に頷いた小猫ちゃんは、もう一度水の中に顔を沈める。
僕はそんな彼女の手を取って動きに合わせて後ろに下がっていく。
「あぅぅう、少し怖いです………」
「大丈夫だって。ほら、俺が手を持っとくから」
隣では、小猫ちゃんと同じくスク水を身に付けたアーシアさんが、兄ちゃんに手を引かれて泳ぎ始めていた。
「っと、はい到着」
壁に着きそうな所で僕は横に退き、小猫ちゃんの手を壁に触れさせる。
「…むぅ」
「? どうかしたの?」
きちんと誘導して丁寧に教えたハズなのに、何故か小猫ちゃんは顔を頬を膨らませて僕をじっと見つめる。
……………何かしただろうか?
「…別に(あわよくば抱き付こうと思ったのに……)」
んー? なんだろう、すごく不機嫌だ。
と、その時横から『Transfer!!』なんて音声が聞こえ、その方向に顔を向けると、兄ちゃんが籠手を出現させて沈んでいた。
その様子は何かを見ているようで、その視線を辿っていくと……………。
「…ハルト」
「ヤヴォール」
小猫ちゃんの右の親指が、彼女の細い首の前を横切り、下に向けられる。
そのハンドサインを見た僕は、拳を握りしめて振り上げる。
「ふん!」
ごんっ! と、水中からでも良く聞き取れる鈍い音が響き渡る。
直後、大量の空気が兄ちゃんから吐き出され、そしてそのまま沈んでいき……………。
「
「…南無」
「え、あ、えっと………南無?」
僕と小猫ちゃんが合掌し、それに釣られてアーシアさんも手を合わせる。
いや、あなたキリストでしょうに。
「…あ痛!」
「あぅ!」
祈った事による頭痛に二人がやられ手いると、隣にあった
「ぶふぁぁぁあ!! 殺す気か! 死ぬかと思ったわ!」
立ち上がって何事かを叫び出す兄ちゃん。
その頭頂部には、大きく膨れたたんこぶが己の存在を主張していた。
「ん? どうかしたの? 兄ちゃん?」
「白々しいぞハルぅ! お前だろ!」
「何のこと?」
「いや、だからお前が―――」
「何のこと? ん?」
「目が笑っていないだと………(震え声)」
はっはっは、おかしな事を言う兄ちゃんだ。
「兄ちゃん、怒るよ?」
「………あい」
◆◆◆◆◆◆
「あー、泳いだ泳いだー」
ごろん、と兄ちゃんがビニールシートの上に寝そべる。
「やっぱプールはいいねぇ」
その隣に腰掛けながら、小猫ちゃんと木場先輩の水泳競争を眺める。
パワーに物を言わせた小猫ちゃんのバタフライと、スピードで勝負している木場先輩のクロールによる競泳は、現在3往復目に突入していた。
「小猫ちゃんがんばれー」
僕がそう声をかけると、小猫のスピードが二段階ほど上がる。うわ、水しぶき凄い。
そんな感じで休んでいると、突然兄ちゃんが立ち上がり、反対側のプールサイドへ猛然と駆けていく。
その方向に視線を向けると、サンオイルを持ったグレモリー先輩が手招きをしていた。
「………あー」
なんと言うか、その、見せつけてくるなぁ……………ぺっ、このリア充めが。
と、そうやって僕が非リアの代表として、怨嗟の唾を(心の中で)吐き出していると、いきなり後ろに気配を感じ、振り向こうとする。
だが、その動きをすることはできなかった。
まず認識したのは、後ろから首に回された白く細い腕。
次に、その腕の持ち主の温もり。
そして―――――二つの柔らかい、けれども弾力のある暖かい感覚……………。
「うふふ、ハールトくん」
耳元で跳ねる、楽しげな、けれどどこか色気を含んでいる声。
押し付けられたあと、擦り付けるように上下している背中の柔らかい二つの感触。
「―――――」
「あらあら、ビックリして固まってしまったの? うふふ、可愛いんだから……………かぷっ」
「ひょぁぁぁあ!?」
あまりの出来事に思考が停止していると、突如右の耳たぶを咥えられてしまう。そしてそのまま艶かしい音を出しながら耳朶を甘噛みされる。
「はむ、んむんむ、ぺろっ」
「んっ………んんっ………ひょあ!?」
ゾゾ、と耳から背筋にかけて、得も言われ得ぬ感触が駆け巡る。
意外と強い力で抱きつかれているため、少し力を込めた位じゃ抜け出すことが出来そうにない。
その間も、甘噛みは続けられていく。
「はむはむ……」
「んんん………ストップ!」
ダから僕は意を決して、少し強引にホールドから抜け出し、すぐに距離をとる。
「な、なにするんですかぁ!」
「うふふ、ごめんなさい? あまりにもハルト君の反応が可愛くて」
「可愛いって………」
危なかった。
もう少しで男としての大切な何かを無くすところだった。
え? スク水着てる時点で手遅れ? うるさいよ。
僕の抗議に、科を作ってそう答えた下手人である姫島先輩は、楽しげに笑っていた。
「……そうやってからかうの、良くないですよ」
「大丈夫よ、貴方にしかやらないもの」
「いや、そういうことじゃなくて………」
それで僕が勘違いしたらどうするんですか!
「それよりもハルトくん」
「……なんですか」
「もう、そんなに怒らないの………ねぇ、リアスやイッセーくん達見たいに、私にサンオイルをぬっt「ちょっと雉撃ってきます!」………あら」
はると は にげだした。
へたれ の しょうごうを手にいれた。
やかましい! ヘタレてないやい! まだ自分から女の子の素肌に触る勇気が無いだけだい!
そのまま更衣室へと駆け込んだ僕は、扉を閉めてため息をつく。
「ビックリしたぁ………いきなりあんなことしてくるんだもんなぁ……………」
はぁ、ともういちどため息をつきながら座り込む。
すると、
「ビックリしたのはこっちだぞ、ハルト」
という言葉が更衣室に響き渡る。
その、言葉の主を探してキョロキョロと辺りを見回すと、ロッカーの物陰からゼノヴィアさんが姿を現した。
「なにしてるんですか?」
「ん、なに、探し物をな」
ゼノヴィアさんを見た僕は、そう訪ねずにはいられなかった。
そういや、さっきから姿が見られないなぁ、とは思っていたけど、なるほど探し物か。
……………いやまて。ちょっと待て。それよりも問題が一つ。
「……………
そう、ここは男子更衣室だ。
つまりここにあるのは、僕と兄ちゃんと木場先輩の私物だけ。女性であるゼノヴィアさんの持ち物があるとは思えない。
「……………ふ、まぁ、細かいことは気にするな。禿げるぞ」
一瞬の沈黙の後、スッと目を逸らしてそう宣うゼノヴィアさん。あからさまに怪しい。
「いや、細かくないよね? 割りと重要だよね?」
「神結ハルト!」
「ひゃい!?」
僕がそのあからさまな怪しさに踏み入ろうとした瞬間、ゼノヴィアさんが僕のフルネームを大声で呼んだ。
突然の事だったので、ビックリして変な声を上げた僕は、立ち上がって固まってしまう。
大声を出したゼノヴィアさんは、感情の読めない表情のまま、ゆっくりと僕の方へ歩を進めてくる。
その姿に、どこか恐怖を覚えた僕は、ゼノヴィアさんの歩みに合わせてゆっくりと後ろへ下がっていく。
が、しかし、悲しいかな、直ぐに扉にぶつかり、これ以上は下がれなくなってしまう。
ドンっ!
いきなり横からそんな音がして、それにビックリした僕は思わず肩を疎ませる。
見ると、ゼノヴィアさんの左手が、ドアを押さえるようにして僕の顔の横に押し付けられていた。
「あ、あの………ゼノヴィア、さん?」
様子のおかしい彼女に、恐る恐る声をかけるが、彼女はそれに応じず、僕の首もとに顔を近づける。
そして、
「―――すんすん、はぁ……やはり、良い匂いだ」
僕の首筋の匂いを嗅いだゼノヴィアさんは、恍惚とした声音で表情を崩す。
「 」
「すんすん、すんすん、はぁ………プールで少し薄れてしまっているが、やはり衣類よりも生の香りは素晴らしい……………」
絶句した。言葉を失った。
まさにそんな言葉が当てはまる状況だった。
何が起きてる? ゼノヴィアさんに匂いを嗅がれてる? まって? え? まずその右手に握られてる布は何? 僕の服? パンツは勇気がでなかった? わっつ?
あまりの衝撃に僕が混乱していると、太ももに手が添えられる。
「うひぃ!」
その手は、まるで僕の体を這うようにまさぐられ、そして徐々に上がっていき………
「ぁぁ、これが強い雄の、私の本能が欲する雄の臭いか……………」
ゼノヴィアさんが色っぽい声でそう呟く。
僕の太ももを這うように彼女の手が僕の大事な所に…………
その瞬間だった。
「チェストぉぉぉお!!」
けたたましい音を響かせて、窓ガラスをぶち破って現れたのは木場先輩だった!
いや、正確には木場先輩をぶん投げて突入してきた小猫ちゃんとイッセー兄ちゃんだった!
「…ハルト、無事?」
「う、うん」
「………投げといてあれだけど、おーい木場、無事か? ………返事がない、まるでただのしかb……………
続いて入ってきたのは、姫島先輩とグレモリー先輩。
「ゼノヴィア! あなたいったい何をしているの!」
「………む、私はただ、悪魔になったからやりたいことをしようと……………ひぃ!」
「うふふふふふ、ゼノヴィアさん? ちょーっとこちらに来てくださいね? お話がありますので」
そして、姫島先輩に連れていかれるゼノヴィアさん。
危なかった………なんとか僕の貞操はぎりぎり守られたようだ。
そして、この日、僕はゼノヴィアさんのことが少しだけ……少し? いや、割りと苦手になったのだった。
ええい、グレモリーの【
今回書いてて思ったこと。
ど う し て こ う な っ た (二回目)。