プロジェクトR!   作:ヒナヒナ

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R-9WZ“DISASTER REPORT”

R-9WZ“DISASTER REPORT”

 

 

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

Op.Last Danceの作戦延長に伴い、遺憾ながら民衆からは連合政府への不満の声が上がっている。

特にバイドとの戦線が近く、独立性の高い外惑星周辺の主要都市では

諸々の反政府的運動が実施されている。

昨今の市民感情を鑑みて、政府では防衛能力の向上を図るため、

防衛用次期主力機として新型機R-9Wワイズマンを採用し、

民衆の不安を取り除くとともに、

民衆の不安を煽る扇動活動を静めるためのR機の開発を推進したい。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re:治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

Team R-TYPEとしては、

暗殺用ステルス機、対人用広域殲滅機など想定されますが、

どのような機体がよろしいでしょうか。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:Re2: 治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

政府が対人用に対バイド兵器を用いることはないので

暗殺、殲滅などの言葉は不適切と考えざるを得ない。

政府は、活動家たちに扇動活動を自粛せざるを得ないと思わせる兵器情報を望む。

政府が求めているのは確実に事を成すための技術であり、成果物の形状は問わない。

なお、これは仮定の話である事を含み置くよう。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re3:治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

Team R-TYPEで検討の結果、事前処理という前提条件において

反政府的活動集団の主要人物の暗殺が作業効率的に最適であり、

もし、不満分子までの処理が必要であれば、

反戦集団を殲滅した方が安全であると分析しましたが、

政府が直接的な手段を取るべきでないと考えるならば、

事故などその他の事象を引き起こすことによって

不満分子と主要人物を同時に処理するのが良いという結論に達しました。

ついてはケルベロス等のライトニング波動砲による処理を推奨します。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:Re4: 治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

R機は目立つため、先のTeam R-TYPE案は棄却する。

R機に限らず他案を要求する。

また、万が一、なんらかの事象により

政府が活動自粛を通達している活動家が死亡する事態になった場合、

既存の手段により殺害されたと邪推される事態を避けるべきである。

Team R-TYPEにはその技術的解決を求める。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re5:治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

惑星上であれば、波動エネルギーを源としたナノマシンの微弱力場形成により、

大気、地殻を撹乱し、災害を誘発させる事が可能です。

また、宇宙空間でも同様に小型の岩石の運動量を変動させ、

任意の方向に移動させる事も可能ですが、

出力とのバランスがあるので現在研究中となっています。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:Re6: 治安維持に関わる技術的案件について

 

本文:

議案解決確度の検討のため技術資料の提出を求める。

 

 

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送信者:Team R-TYPE

件名:Re7:治安維持に関わる技術的案件について

添付ファイル:[R-9WZ_wavecannon_internal_spec.trtp],[R-9WZ_internal_spec.txt]

 

本文:

返信が遅れてしまい申し訳ありません。

政府より請求のあった災害型波動砲および、

その搭載機R-9WZ試作機の開発が終了しました。

なお、R-9WZはその用途からディザスターレポートと仮称を付けました。

波動砲にナノマシン制御を用いることと、パイロットの素性を隠す必要から、

現場での乗降の必要のない試験管コックピットとしました。

災害型波動砲は落雷により要人暗殺、竜巻により集団の殲滅が可能となっており、

また、敵が地下施設等へ退避する事態を想定し、隕石の投下を実施できます。

その他の仕様については、ファイルを添付しました。ご覧下さい。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:災害型波動砲およびその搭載機について

 

本文:

資料を要求したのに、なぜ、実機を作ったのか。

この件に関しては技術資料の提供依頼であり、開発命令では無い。

なぜ、開発を強行したのか説明を求める。

また、本件に関しては些かも公にすべきではない。

災害型波動砲の開発とR機への搭載を即刻中止するよう要請する。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re:災害型波動砲およびその搭載機について

 

本文:

公安委員会案について、開発部内で検討の結果、

本件コンセプトでの開発が可能であることが示されたため開発開始に至りました。

また、公開については通常予算を投入しているので、政府監査がありますが、

“対バイド兵器及び、R型異相次元戦闘機開発に関する法令”

の機密維持条項により、政府外に漏れる事はありません。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:Re2:災害型波動砲およびその搭載機について

 

本文:

政府のその他の部署に情報が漏れる事が問題であり、

テロ防止及び、機密維持上の観点からも些かも許容はできない。

即刻、本件についてのすべての事項について秘匿せよ。

 

 

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送信者:Team R-TYPE

件名:Re3:災害型波動砲およびその搭載機について

 

本文:

公安委員長からの要請により当機は本日を以って通常機密から

A級機密扱いになったため、

詳細は防衛大臣および関連部署のみの閲覧となります。

なお、すでに削除しましたが研究課題として

災害型波動砲とR-9WZの名称は掲示済みとなっております。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:連合政府公聴会について

 

本文:

災害型波動砲およびその搭載機について政府人権委員会から突き上げが行われた。

当件に関し査問委員会及び公聴会が開催されることになり、当委員長が召喚される。

Team R-TYPEからも召喚されることになるので、

災害型波動砲に関しては、説明および差し障りのない資料の製作を求める。

 

なお、当メールおよび、今までの当委員会からの

問い合わせ関連資料については一切の破棄を要求する。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re:連合政府公聴会について

添付ファイル:[R-9WZ_wavecannon_external_spec.trtp]

 

本文:

“対バイド兵器及び、R型異相次元戦闘機開発に関する法令”に基き、

Team R-TYPEは研究開発そのものについて、実質その責を負う事はありません。

よって当所から公聴会への参加は証言者としてのみの出席になります。

資料については添付のものをご利用ください。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:Re2:連合政府公聴会について

 

本文:

意味が分からない。

なぜ、軟着陸に足る資料を要求したら、より危険な資料が送られてくるのか

なぜ、波動砲で地震が起こる事になっているのか

なぜ?

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re3:連合政府公聴会について

 

本文:

まず、災害型波動砲で地震が起すことは理論上可能です。

ただし、チャージに戦艦クラスのエネルギーが必要であることと、

ナノマシンでの力場形成の演算により一瞬で被験者の脳細胞が焼き切れるなどの

欠陥が見られたため失敗作としてオミットしたものです。

今回は、ダミー案として棄却案を資料化しました。

これにより、R-9WZの災害型波動砲が

都市規模での大規模破壊兵器であることが提示でき、

人権委員会その他が疑っている要人暗殺といった用途には向かない機体であると、

一般にも理解できると思います。

では、明日からの公聴会でお会いしましょう。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:大規模破壊波動砲の使用禁止条約について

添付ファイル:[大規模破壊波動砲の使用禁止条約(案).txt]

 

本文:

先日、公聴会で君らが巻き起こした騒動で退場させられたあと、

災害型波動砲は惑星上において一切の使用を禁じるという条約が、

各都市間で結ばれることになった。

また、公聴会であった通り、

本委員会は連合議長らによる指導を受ける事になった。

当面独自裁量での行動が制限されることから、

これ以降のやり取りは無いものと思ってほしい。

 

 

***

 

 

送信者:Team R-TYPE

件名:Re:大規模破壊波動砲の使用禁止条約について

添付ファイル:[R’s MUSEUM案内パンフレット.pdfg]

 

本文:

承知しました。

地上での実戦データが取れなくなった件については誠に残念です。

災害型波動砲は宇宙空間においては、その威力が十全に発揮されず、

他の波動砲に劣ることから、その搭載機R-9WZディザスターリポートごと、

建設中のR博物館への展示物として貸し出されることになりました。

施設に関しては資料を添付しましたので、機会がありましたらご覧ください。

様々なインスピレーションを頂いた公安委員会の

組織整理は悲しむべき事ではありますが、

新生組織としての門出を蔭ながらお祝い申し上げます。

 

 

***

 

 

送信者:政府公安委員会

件名:意味が分からない

 

本文:

本当に意味が分からない

 


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