プロジェクトR!   作:ヒナヒナ

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※開発して無い回 短いです


B-3B“METALIC DAWN”

一番暗い時間が過ぎて朝が始まる払暁。

そろそろ海の中から朝日が昇ってくる時間だ。

艦艇勤務では一番辛い時間帯が終わると、皆が息を吐いて水平線を見つめており、

暑くなりすぎる前のさわやかな空気を吸い込もうとしていた。

 

 

エーギル級水上攻撃艦

それは縮小に縮小を重ねた海軍がほぼ唯一の独自兵器として保有している艦艇である。

旧世代、海の上しか移動出来なかった頃の巡洋艦の様に見えるが、

レーダー機能を目一杯に拡張させ、ミサイル誘導機能に特化した艦である。

垂直離陸が出来るR機の母艦としての機能もあるが、空母とは呼ばれない。

今や空母とは、R機50機以上の即時展開機構を備えた宇宙艦のみに用いられる用語だ。

海上監視能力とそこそこの即時対応性こそが、海軍に求められるものだ。

地球の大洋にはそういった艦が常に何隻も回遊しており、警備網を担っている。

 

 

地球連合軍では各クラスの艦艇でほぼ全ての環境で運用できるため、定期的に水上艦艇の廃止論すら起きている。

しかし、上層部は保険として水上艦艇の開発運用を細々と維持している。まあ中身のR機があれば戦力としては上等である。色々あるが最終的には枯れた技術がもっとも信用がおけるし、なにより一度失ったノウハウを復活させるのは大変な労力がかかる。そのための技術力の維持のためという側面もある。

 

 

今日も平和な艦上勤務が始まると皆が思っていたそのとき、

朝日が顔を出すより前に警報が鳴り響いた。

甲板にいた者達も部屋で寝ていた者達も急いで持ち場に向う

 

 

「艦長、E223エリアでバイド反応増大しています」

「精査をかけろ。警戒態勢。R機部隊に防衛出動を」

「R-9E発進準備中、R機隊も待機中です」

 

 

管制指令室がざわめきと緊張で支配された。

地球に配備されたエーギル級水上攻撃艦は海上での防衛のため、

主要都市近海と大洋上を巡回している。

ミサイル搭載艦であり武装は勿論持っているが、

どちらかというと警戒網兼海上R機発着基地としての役割が大きい。

ここエバーグリーン墜落跡地のような重要地点を巡回している。

 

 

地球連合軍は民衆感情をコントロールするため

公式には地球上にはバイドはいないとしているが、そんなことは無い。

海上に突き刺さる宇宙コロニーエバーグリーンの残骸周辺はバイド係数が高い

しかし、なぜか残骸の破壊作戦や討伐作戦は行われない。

海軍の船乗りの間では、中はTeam R-TYPEの実験場になっているなどと噂がある。

 

 

「エバーグリーン残骸から小型バイドがさまよい出てくるにしては妙ですね」

「ああ、エネルギー係数が大きすぎる」

「艦長、ワープアウト反応検知しました」

「敵味方識別は?」

「LD71味方機の信号を出していますが、高めのバイド係数検知をしています」

「バイド装甲機の可能性は?」

「ありますが、識別通信に応答しません」

「分かったバイドであることを前提に対応する。第一種戦闘配備。R機隊展開急がせろ。ミサイル戦準備」

「了解しました。……本部のTeam R-TYPEから通信が入っています」

 

 

舌打ちをして通信に出る艦長。

Team R-TYPEなどバイドもどきの機体を弄くり回している碌でもない集団だ

一応、部下達に聞こえないように声を小さくして通話している。

しばらくして受話器を乱暴に叩き付けると、周囲の人間はやはりという顔をする。

 

 

「……R機隊発進中止。アレは見送れとのことだ」

「未確認小型バイド、上空通過します」

 

 

苛立ちを隠さない艦長が吐き捨てると同時に、銀色が艦の上を通り過ぎていく。

一瞬見えた機影はR機の形状に見えた。

しかし、銀一色のそれは、既存の機体ではない。

どちらかというとディティールのあまいオモチャの様にも見える。

メルトクラフトと呼ばれる種類の小型バイドに似ているが、それらよりバイド係数が高い。

 

 

「人口密集地に向かうようなら命令違反でも撃墜する。ロックオン維持せよ」

「了解しました。味方機のコードということは突入失敗で汚染されたのでしょうか?」

「分からん。しかし通信を寄越したくらいだ、あの狂科学者どもが何か噛んでいるに違いない」

 

 

未確認機を示す光点が、指令室の戦術地図上を横切っていくのを見つめる要員達。

それは住宅地ではなく基地方面に向かっているらしい。

張り詰めた空気が少し緩む。

 

 

「本部の方角に向かっている様です。あと30秒で監視空域を抜けます」

「本部の防衛部隊にレーダー監視を引き継ぐ。Team R-TYPEの横槍の件もつけ足してな!」

「まったく碌でもない夜明けですな」

 

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