アレから一週間が経った。アレってアレね。あたしが部活見学した日ね。で、あたしはここ最近は余り一高には行ってない。家でネトゲやったりゲーセンで格ゲーやったりとぼんやりした日々を送っている。今は家のベッドでゲームをぽちぽち弄ってる。
「何してんのあたし……」
思わず声が出た。こんな青春からかけ離れた学園生活でいいの?ねぇ、ねぇ?
「全っ然良くないってのーっ‼︎」
思わず大声を上げてしまった。
「なんでゲームしてんのよあたし。このまま彼女も出来ないで何か、こう…テンプレ青春イベントとも無縁で教室の隅でゲームやってるような奴になっちゃっていいの⁉︎夏休みなのに1人、引きこもってゲームやる日々でいいのか⁉︎全ッ然よくねぇっつの!」
ハァ、ハァ……と、息を荒立てる。……………何言ってんのあたし。
「はぁ…………」
思わずため息をついた。あーあ…ゲームの世界に飲み込まれねぇかなぁ………。そんなありもしない妄想をしながら再びゲームに目を向ける。
「はっ!これがダメなんだよ!この学校終わってソッコー帰宅orゲーセンっていうのが!散歩しよう!もしかしたら飛行石をもった少女が降ってくるかもしれないしね!」
言いながらあたしは家を出た。………散歩って、どこに?今思ったけど散歩ってなんだよ。ただ目的もなく延々と歩くこと?それただの無間地獄ぢゃん。どうせなら目標があった方がいいよね。とりあえず、隣の隣の隣の隣の隣の駅辺りまで行こう。ていうか、飽きるまで歩こう。
「じゃ、レッツゴーッ!」
*
歩き始めてしばらく、気が付けばこの前の工場のあたりまで来てしまった。
「やっぱり様子見だけでもした方がいいのかなぁ……」
迷う……。いやでも、面倒ごとは御免だし。ていうか暴力は嫌いだし。やめとこう。そう思って振り返った時だ。首元でバチっと何かがなった。
「ッッ」
「けっ、捉えたぜバカが」
「いや捉えてませんけど」
「えっ」
「なるほどスタンガンか。あのタイミングならどんなフィクション物語でもあたしのこと失神させられるからね。でもね、それ、普通の人にのみしか効かないから」
「や、あれ?えっ……」
そのままあたしの蹴りがそいつの股間に減り込んだ。
*
「工場?そこに何かあるのか?」
夜。あたしは一応兄ちゃんに報告した。
「うーん、何かあるかは中見てないし分かんないけど、少し前に一高生の制服の人がそこに入ってくのを見掛けた」
「うちの生徒が?」
「それと、工場服着た人があたしのこと襲ってきた。関係あるかは分かんないけど、一応伝えとこうと思って」
「…………なぁ、美雨」
「んー?」
「そいつらの腕にリストバンドかなんかなかったか?」
「んー…むっむむ……おぼえてない。てか、見てない」
「…………そうか。ありがとうな」
「……………あいつら、なんなの?」
「お前が気にすることじゃない。ただ、喧嘩になりそうなら力を借りるぞ」
「別にいつもの事だからいいけどさ。あ、ちゃんとお小遣いちょうだいよね」
「分かっている。それと、北山さんが最近寂しそうだったぞ。明日あたり会いに来たらどうだ?」
「うん!了解!明日は雫ちゃんと……」
「エッチな事はするなよ。やるなら保健室へ行け」
「本当によくそういうこと真顔で言えるね」