でもまぁ楽しんでくれる人がいるだけでも俺は書きます
今回は遂に彼が復活です。どうぞ
リアスの婚約を賭けたライザーとのレーティングゲームが決まって遂に10日たった。
リアスたちグレモリー眷属はどうやら合宿と言う名目で強化トレーニングに言っていたらしいが実際は何をしていたのだか
俺?俺は一応部員だけど・・・まぁやることがある訳で、正直ゲームに参加するわけでもないのに付き合っていられない訳で
一方で冥界に送り出した佐野、オーディンからも様々な情報が挙げられてくる。中でも一昨日の夜、早速フェニックス、特にライザーが怪しいという情報が佐野たちからの調査で挙げられてきた。
そしてもう一つ、襲われたメイド・・の同僚の息子がミラーモンスターに襲われた。佐野も情報を聞いて即座に動いたらしいが少年を引き取った叔父夫婦は間に合わなかったと
そして佐野はこうも言っていた
”旦那の気持ち・・・少し分かりました。俺・・今回の相手、絶対に許せないですよ”
あの業突く張りから怒りのこもったこんな言葉聞けるとは思わなかったために、その時は思わず絶句
だが佐野が怒りを感じてくれてくれたからこそ、俺も冷静でいられた。いつもなら腸が煮えくる位の怒りが嘘の様に感じられない
その助けたという少年は現在、佐野がや凌馬がいる研究所で保護されているらしい。だからか、まだミラーモンスターには見つかっていない。
佐野には少年が目を覚ましたら連絡をする様に言ってはあるが心配である。普通なら怖気が走るような場面まで見てしまったからな。
あと数日以内に目を覚ますかどうか
―――夜―――
深夜の11時40分頃
遂にリアスとライザーのレーティングゲームが始まろうとしていた。
久々に会うリアスたちグレモリー眷属の力は10日前と比べて見違えるほどに成長しているように蓮には解る
しかし・・・いや、最後までどうなるかわからない
「じゃあレン、今日あなたはソーナと一緒に生徒会室で私たちの勇士を観戦していてちょうだい」
リアスは自信満々と言ったように胸を張る。先ほどまで朱乃と優雅にお茶を飲んでいた余裕は伊達じゃないな
「蓮君行ってくるよ!」
「俺らの活躍見てろよな!」
「あのっ・・・頑張ります」
「勝ったらお祝いの新作ケーキ・・・試食お願いします」
何故か最後のは要求を言われたような気がするのだが・・・まぁ良いだろう
ただ1人、朱乃とだけは互いに最後まで会話をすることができなかったが蓮は彼女とすれ違う直前に一言
「頑張って下さい。応援しています。・・・・・・朱乃」
「・・・・はい!頑張りますわ。蓮」
最後に朱乃の笑みを目に入れると同時にリアス達を光が包み込み、転移されていく
決戦の場へ
その後、蓮はリアスに言われたように、旧校舎から新校舎へと歩みを進めている蓮
3階の生徒会室に向かう廊下、消灯は既に消え、辺り一面が闇に包まれている。襲撃にはぴったりの環境だと考えながら歩く蓮に突然その魔力反応は現れた。
『蓮!』
「わかっている!この魔力・・・魔王クラスか!」
目の前の暗闇から徐々に近づいてくる巨大な魔力に、懐のカードデッキを握りしめる。何時でも対応できるようにした蓮を前にその人は現れた。
リアスと同じ紅い髪、大人びた好青年。だが向けている笑顔とは反対にその内に宿っている力の大きさは魔王クラス、それもアジュカを超えている。
そうか・・・この人が
「初めまして、まさか魔王であるあなたの方から接触してくるとは思いませんでしたよ。サーゼクス・ルシファー」
「そうだね。君の事はグレイフィアから聞いていたが中々面白いものを秘めていそうだね」
飄々としているがこの男、先ほどから一切の隙を見せていない。と言うより隙が無い
「アジュカからはキミの事を単なる協力者兼(実験動物)と言われてはぐらかされてね。実際に一目見ようとしたわけだけど」
くくくと面白おかしそうに笑ってくる。というかアジュカのやろう、誰が実験動物だ誰が
「いや失敬・・・確かに面白そうな存在だ。アジュカが気に入るのも頷ける。」
「そうですか・・・ならばそろそろ観戦席に戻られたほうがよろしいと思いますよ。後ろの奥さんに何かされる前に」
えっ後ろ?とサーゼクスが後ろを向いた瞬間、かの魔王の背中が急激に収縮したように見える。
原因はもちろん俺の目の前で目を半目にし、憤怒のオーラを発している銀髪のメイド
「何処に行かれたのかと探しに来てみれば・・・あなたと言う人は」
「まて・・・待つんだグレイフィア。私はただトイレを探して偶然、偶然通りかかったそこの優しい青年にトイレの場所を」
うわ~子供みたいな言い訳してるよこの人
てかグレイフィアさん?様の目じりが吊り上がり、青筋が浮かぶように見えるのは俺の気のせいでしょうか
『恐らく気のせいじゃないわよ・・・見て見なさい、目の前の男の情けなさを』
目の前・・・あえて見ないようにしていた。何故?目の前で正座をして頭を下げている魔王(笑)がいるからだよ!
時間を気にして様子を見に来たソーナが来るまで、そのお説教は続いたのさ
と言う訳で何とか生徒会室にたどり着いた蓮
中には”放送室の間違いじゃあ”と思うくらいのモニターや放送器具が辺り一面に設置してある。恐らくこれを使ってこの試合を中継するのだろう
グレイフィアの声が放送機械を通して全体に流れる。この人が今回の審判の様だな。
しかし、試合フィールドが駒王学園を模したものとは思わなかった。てっきり冥界の森でも再現するのかと思っていただけに少し驚く。
しかしこれは完全になめられているぞ、リアス
「しかしまさか、あなたと一緒にリアスの初ゲームを観戦することになるなんて夢にも思いませんでしたよ」
「こちらこそ。まさか生徒会長率いる生徒会メンバーが”悪魔”だったとは予想にしていませんでしたよ」
お互いに軽口を開きながら開始時間まで待つソーナと蓮
「貴方から見て・・・リアスは勝てそうですか?」
笑いながら、しかし意地悪な質問をしてくるソーナ。蓮は無表情に表情を変えて冷静に判断する。
「40%・・・どれだけ力を付けて来たかは解りませんが、大目に見てですが」
「厳しいですね・・・ですが、私もあなたと同様の意見です。こんなの・・・出来レース以外の何ものでもありません」
おいおい・・・この学校の学友がそんなこと言ってもいいのかよ
『蓮も部活の後輩だけどね』
うるさいな・・・俺は自分の意見を言っただけだよ
「ライザー・フェニックスの戦術は味方を犠牲にして相手を確実に倒す”サクリファイス”正直数頼みの最低最悪の戦術です」
確かに・・・ライザー・フェニックスの過去のゲームはアジュカの下で目にしていた。結局は戦うことになるかもしれないから
だからこそ、その戦術が”外道”まして、3流の戦術だと言う事を俺は知っていた
「会長、相川君。お話し中済みませんが・・・そろそろ動くようですよ」
椿の指差すモニター、そこに移されている一誠
『変態!女の敵!』
『ケダモノ!性欲の権化!』
なんだか・・・罵倒されているけど・・・
「女性に接触した際に、自分のイメージを魔力として流し込んだのでしょう・・中々・・独創的な技ですね。」
こっちを見ないで!その同情的な目を止めて!正直友達辞めたくなってきた、ガチで
「ん?会長グレモリー眷属の皆さんが移動を・・・体育館を放棄するのでしょうか?」
頭を痛めながら、モニターに注目する。確かに一誠と小猫が敵から離れるようにして体育館を外に出ていく
確かにマップから換算すると数が圧倒的に少ないリアスにとって牽制と進路が同時に確保できる唯一の場所
だがこれは相手も予想で来ている事、ならばとるべき選択肢は
ドォォォォォオオオオオオオンッッ!!
画面いっぱいに巨大な雷の轟音と閃光が広がり、晴れた時には、そびえたっていた体育館は綺麗さっぱりに解体されていた。
相手の心理状態、ここは取らなくてはいけないと言った相手の強迫観念を利用することで、その場所に追い込み殲滅する。
成程・・・確かに良い手だ
だが・・・油断しすぎだ。馬鹿どもが
”ドォンッッ!!”
次の瞬間、小猫の歩んでいた地面が爆発する。見れば小猫は少し離れた遠くの場所で、ボロボロの状態で倒れていた。
恐らくは相手の『女王』だろう
見方を犠牲にすることで敢えて相手を油断させ、そこを一撃で仕留める。犠牲が前提のクソ戦法だが所詮はゲーム、残念だがこれではリアス達に勝ち目は
キィィィィィィィィン!キィィィィィィィィン!
全く今日くらいは大人しくしてろっての
「すみません、ちょっとお手洗いに」
”早く戻ってきた方が良いですよ”と椿に言われ、俺は生徒会室の外に出る。反応があった方は・・・
『下よ 蓮。1回それもまだ校舎には反応が無いから、恐らくだけどまだ工程だと思うわ」
校庭か・・・よし
暗闇に目を慣らして行きつつ、廊下越しに走っていき、月当たりの階段を一気に駆け下りていく。そして1回の窓越しにそいつらはいた。
ぞろぞろと新校舎に向かって走ってくる。一瞬でた月の光に晒された怪物の姿が一瞬映し出される。人間の覆面姿の様な姿。間違いないと蓮は確信する。
イモリ型ミラーモンスター『ゲルニュート』が3体、数は少し多いが、戦闘力では『ディスパイダー』の方が遙かにめんどくさい敵だ。
更に『ゲルニュート』は窓越しから様子を覗っている蓮に気づいている様子はなく、校舎の壁にその吸盤の様な指先を張り付けると緩慢な動きで壁をよじり登り始める。
今なら奇襲で一体削れる。蓮は腰のVバックルにナイトのデッキを装填する。
「変身!」
蓮の姿が鏡が重なり割れる音と共に仮面ライダーナイトの姿に変わる。
『ゲルニュート』はどうやら3階の放送室を狙っているのか、かすかな放送器具の明かりを頼りに壁をよじ登っていく。
だが上るのに夢中で3体ともこちらに気づいてはいない
「早々にやってきてもらって悪いがリアスの邪魔はさせない!」
【ファイナルベント】
『キィィイイイィ!キィイイィイイ!』
現れたダークウイングがそのままマントの状態ウイングウォールに変化し、そのマントがウイングランサーごとナイトを包み込む
一個の漆黒の弾丸となったナイトの『飛翔斬』が『ゲルニュート』の死角から貫かれる。
『ウギャッ!ギャギャ!?』
流石に仲間がやられれば気づくだろうが、2体程度なら
『ブブブブブブ』
『蓮!?後ろだ!』
「何!?うぉっ!」
シェーラの声が無ければ危なかった。残り2体の『ゲルニュート』ばかりに意識をそいでいたおかげで背後からの奇襲に気づかなかった。
新手、それも飛行タイプのモンスターか!
佐野もつい先日、冥界で戦ったトンボ型のミラーモンスター『レイドラグーン』
さっきから妙に”ブンブン”うるさいと思ったら
『『『『ブブブブブ』』』
3体・・・数はそれほどでもないが、『レイドラグーン』をどうにかしなければ『ゲルニュート』が
『ブブゥゥゥゥゥ!!』
ギャン!
『ブブブゥゥ!』
ガンッッ!カンッ!
「くそっ!こいつ等ッッ!連携して」
1体1体は大したことが無いが、連携してくる『レイドラグーン』に手間取ってしまう。別に速攻で倒せなくもないんだが
『ギャギャッ!』
ブンブンブンブン!
「うざいんだよっ!『蓮後ろ』わかっているっ!!」
背後から迫る風切音に翼召剣ダークバイザーを一閃しこちらに投げられた大型手裏剣を弾く
『レイドラグーン』に手間取っていれば、その隙をついて『ゲルニュート』にやられ、『ゲルニュート』を先に片付けようとすれば『レイドラグーン』が邪魔をする。
このまま長引けば、不審に思ったソーナか椿のどちらかが蓮を探しに来るかもしれない。かといって探しに来たところをミラーモンスターに襲われる可能性も
『蓮!迷っている暇はないわよ!力を使いなさい!』
「だがッッ!『ギャン!』今あるデッキは!『ガキィン!』ライアの」
『迷っている暇はないでしょ!それとも、あなたはこのまま学友を殺させるつもり!どちらを優先するか考えなさい!』
正論過ぎるシェーレの指摘に自分の中で葛藤するナイト。だが”カッ!”と目を見開いた蓮は決心を決める。
これ以上・・誰も犠牲にしないために
”発動”
【Revive】
ナイトの右腕が
漆黒の閃光が収まった時、新たな戦士が蘇る。
ここは・・・学校か?俺は・・・確か、王蛇の攻撃で・・致命傷を負って
『ちょっと混乱しているところ悪いけど良いかしら?』
誰だ!
『あなたの頭の中に直接話しているのよ。状況が状況だし記憶の共有は後回しにするわ。まずは上を見なさい』
上だと・・あれは・・・ミラーモンスターッッ!それに・・蓮!?
『そうよ。私の蓮が今闘っているの。それに上空のミラーモンスターの他に屋上にもう2体『ゲルニュート』っていう別のモンスターがいるわ』
頭の中に話しかけてくる声は淡々と状況を説明し、男もこれをすぐさま状況を理解することができた。
つまり俺は
「俺は校内のモンスターを倒せばいいんだな」
『そうよ♪理解が速くて助かるわ。恐らくあいつらは3階の明かりがついている部屋に向かうはず。その前に止めて。あなたの力は右のポケットの中に入っているはずだわ』
右のポケット・・・確かに四角いものが入っている。取り出してみると懐かしいカードデッキが
『じゃぁ!お願いね!上空のモンスターは蓮が引き受けるわ・・・ほら蓮!貴方からも何か言ったら?』
「うるさいっ!・・・今そんな悠長な場合じゃ!」
蓮!蓮なのか!
「・・・・・・こっちは何とかする。『ゲルニュート』は任せる・・・手塚」
たったそれだけ、たったそれだけだが思わずほっとしてしまう。助けた子が生きていて、今も闘っている
俺にとって、協力するには十分な理由だ
「あぁ!任せろ!必ず倒して見せる!だから・・変身!」
Vバックルにカードデッキを装填した瞬間、手塚の姿が鏡合わせの様に変わる
赤紫のライダーアーマーを纏った仮面ライダー、その左手にはエイをモチーフにした盾形の召喚機エビルバイザーが装備されている
仮面ライダーライア
かつて親友から受け継ぎ、最後まで戦いを止めようとした手塚のもう一つの姿が今再びよみがえる。
俺は怖かったのかもしれない
手塚に、俺を庇って死んでしまった手塚に恨まれているのではないかと
でもあいつの安堵する声を聴いて・・・俺は
『『『ブブブブブブブ』』』
そんな感傷は俺たちには関係ないといった『レイドラグーン』3体がそれぞれ別の方向から槍がナイトを貫く瞬間、ナイトの姿が消え、互いに突き出した槍同士が火花を上げて激突する。瞬間移動したかのように突然消えたナイトをその複眼で探すが見つけられない
「人が感傷に浸っているときにいい加減やかましいんだよ!!空気ッ読めやこのクソ虫が!」
罵倒が辺りにこだましたかと思いきや、風を切る音が”ビュンビュン”と『レイドラグーン』のあたりで吹く
と思いきや突然自分たちの体が重力に飲まれた様に地面に落ちていくのだ
他の『レイドラグーン』も同様に落ちていく。よくよく見れば頭の翅の部分が全て根元から鋭利な刃物で切り裂かれたように消えているのだ。
『『『ブブブゥゥ!!』』』
地面に激突する『レイドラグーン』幸いミラーモンスターはこの程度では死なないのかよろよろと立ち上がる。
「ところが残念。お前らはもう終わりだよ」
「ブブ!?」
「何時の間にって言いたいんだろうがよ・・お前らが遅いんだよ!!」
”グサッ”という生々しい音と共に1体の『レイドラグーン(A)』の腹からウイングランサーの剣先が突き出てその切先から緑色の液体が流れ落ちる。
『『ブブウゥ!!』』
仲間がやられたからか傍に転がっていた『レイドラグーン(B)』が地面に落とした槍をナイトに向かって投擲する。
だがその槍がナイトを貫くことは無かった。何故なら
『ブブ・・・ブゥゥ』
「あーあ、俺を殺すつもりで、味方を殺しちゃったよ。」
ナイトはウイングランサーを腹に突き刺した死に体の『レイドラグーン(A)』を盾にし、投擲した槍はとどめを刺すように『レイドラグーン(A)』の脳天を貫通した。
『ブブゥゥゥゥ!!』
怒りに我を忘れたか自らの爪を武器に『レイドラグーン(B)』が無謀にもナイトに突っ込む
が突っ込もうとしたナイトの姿が、再び一瞬で消える。と同時に『レイドラグーン(B)』の視界が左右で割れる。
意識する暇もなく『レイドラグーン(B)』の体が緑の血潮を吹き出しながら真っ二つに割れ、地面に生々しい死体を残し消える。
『意識する前に、相手の体を翼召剣ダークバイザーで真っ二つに切り裂いたの?』
「あぁ・・・正直この程度の硬さなら、少し力を流せばバターみたいに簡単に斬れるよ。さて残りは」
残る最後の『レイドラグーン(C)』にゆっくりと翼召剣ダークバイザーの剣先を向ける蓮
一方剣を向けられた『レイドラグーン』だが、頭の翅は根こそぎ切取られ、飛翔も満足にできない。更に立ち向かおうとしていた自分の同種も無残に殺された。
『ブ!?ブブブブブブブ!!!!』
『レイドラグーン(C)』はナイトに背を向け一目散に逃げる。逃げるしかなかった。最初は3体、いや5体のミラーモンスターで押しに押し切っていた。それが今ならどうだ?3体に分けられたと思ったら、頭の翅を斬られ空中戦を封じられ、更に1体、また1体と殺されるしまつ。
目の前のあれは獲物ではない!いつの間にかこっちが獲物になってしまった。
逃げるしかない!そう考え『レイドラグーン(C)』は必死に逃げようとするが
ナイトに背を向けた時点で、奴はもう死んだも同然だった。
”ヒュンッ!・・・・・・グサッ!”
『ブブゥゥ!?ブ・・・ブ・・・ゥ』
逃げようとした『レイドラグーン(C)』の背中をウイングランサーが貫通する。『レイドラグーン(A)』同様に
「おいおい・・・逃がすわけないだろうがよ。お仲間は戦って死んだのに逃げてんじゃないよ。せめて戦って死ねよ。」
その声を聴いたが最後、『レイドラグーン(C)』は声を発することなく首を弾き飛ばされ、消滅した。
一方、ライアは校舎の中を急いで駆けずり回っていた。ナイトに任された2体の『ゲルニュート』の排除だ。
奴らはどうやら屋上にいるとの事であり。ライアは校内の階段を通って、今やっと屋上の前にたどり着く。
”バン!”という音と共に開かれた屋上の扉。しかし『ゲルニュート』の姿が見当たらない
何処へ身を隠してと辺りを探そうとした時だった。感覚が以前より数倍鋭く感じられる
風の音、扉の動き、そしてもちろんモンスターの気配も
『ウギャァアア!』
「そこか!」
ライアは飛びついてくる『ゲルニュート(A)』に逆に蹴りを喰らわせる。
身体能力も向上しているからか、以前のライアでは考えられないほどのダメージが『ゲルニュート(A)』を屋上の端まで叩きつける。
だがライアは気づいた。確か『ゲルニュート』はもう一体いるはずと言う事に
再び意識を集中し辺りを探るライア
そして見つけた!
【アドベント】
「エビルダイバー!俺の右後ろ後方だ!」
『グギャァ!?』
ライアが指示した方向、背中から己の武器である大型手裏剣をライアにぶつけようと振りかぶっていた『ゲルニュート(B)』にライアの契約モンスターであり、エイのミラーモンスターでもある『エビルダイバー』が高速での体当たりを喰らわせ、吹き飛ばされる。
そして久々に元の主に呼び出されたからか非常にご機嫌な様子である。
「よしよし・・・後でかわいがってやるから、お前は今吹き飛ばした方の『ゲルニュート』を足止めしてるんだ。わかるな」
『・・・・(コクリ)』
ライアの命令に首の部分を小さく縦に動かす。
「よし!ならそっちの方は任せるぞ!」
ライアの行け!と言う言葉と共にエビルダイバーは吹き飛ばした『ゲルニュート(B)』を再び襲い始める。エビルダイバーもパワーアップしているようで以前よりその動きが機敏になっている。
『グギャアァッ!!』
「クッ!お前らも武器を使うというなら!こっちも遠慮なく使わせてもらう!」
【スイングベント】
ライアの手に電気をバチバチと放電させたエビルダイバーの尾を模した鞭を召喚し、こちらに向かって放たれた大型手裏剣を鞭で弾く。
剣や銃と違い鞭の軌道の読めない動きとタイミング、更にこちらの間合いの外から仕掛けてくるライアに振り回される『ゲルニュート(A)』
だが何とか保ち続けていたその均衡も直ぐに崩れる
”バギャン!”
『グッ・・グギャァァ!!』
防戦一方だった為か『ゲルニュート(A)』の武器である大型手裏剣に罅が入り、そこを渾身の一撃で叩き付けたエビルウィップの衝撃に耐えられなく。結果砕け散った。
「ハアアァァァァァァァ!!!」
武器が破壊されたことによって出来た隙を狙い、エビルウィップを断続的に打ち付ける。まして以前より威力が向上されている為、一撃一撃が重い。
故に『ゲルニュート(A)は何とかこの間合いから逃れようとするも、立ち上がる事すら困難になるほどの鞭の連撃に、遂に体が付いていけなくなる
「これで・・・終わりだ!」
ライアが飛び上がり体を回転させながら叩きつける鞭。遠心力を利用した上に纏わりつく電撃によって最高潮までに高められたその一撃
”ドォォン!”
『グッ!グギャァァァァァァァ!!』
強烈な一撃に耐える事が出来なかった『ゲルニュート(A)』は断末魔の叫びを上げながら爆散する。
だがまだ戦闘は終わっていない
「残る一体・・・は?」
残る一体の『ゲルニュート(B)』だが・・・正直にライアは脱力してしまった。
『ググギャァァ』
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
「・・・♪」
エビルダイバーの拘束の移動を捕らえられない上に、鉄板を切り裂くほど鋭い両端のヒレ エビルフィンと高速飛行で行う体当たりの衝撃が『ゲルニュート(B)』を圧倒している。
しかもエビルダイバーの奴・・・完全に余裕を持って遊んでいる。
「これ・・・・俺要らないんじゃあ?」
そんなことを思う手塚だが、相手の『ゲルニュート(A)』の嬲られている姿が逆に不憫に思えてきてしまう。
「仕方ない・・・早々に切り上げよう」
【ファイナルベント】
圧倒的有利な線上に鳴り響く召喚機の認証音声により呼ばれたと確信したエビルダイバーは大きく旋回し、ライアもその背中に飛び乗る。
徐々に加速しながら、高速で相手に体当たりを喰らわせるファイナルベント”ハイドベノン”が既に満身創痍の『ゲルニュート(B)』を声なき肉片に変えてしまう。
頼まれていたミラーモンスター『ゲルニュート』2体を倒したライアは蓮の援護に向かおうとしていた時
『あら?そっちも終わったようね。』
先ほどの女の声だ。一体どうゆう原理で俺の頭に語り掛けて来るのだろう
女は”クスクス”と先ほどから黙っている俺が面白いのか笑いだす。
『佐野といいあなたと言い、やっぱり仮面ライダーとなる人間は面白いわね』
「ライダーを知っている・・・何故、俺の頭に直接語り掛けて来る!お前は一体蓮とどういう関係なんだ!」
何もいない屋上でライアは突然叫ぶ。女声はやれやれと言った声色で
『私の名前はとりあえず”シェーラ”って呼んで頂戴。それとあなたの質問なんだけど・・・いちいち説明するのも面倒だし、まとめて送っちゃうわね♪。少し痛いわよ』
何だろう・・・さっきから思っていたのだが、このシェーラと名乗っている女?色々と軽い気が・・
「送るって・・いったいぃぃ!?な・・何だっ!あ、頭が・・頭に何かが!」
余りの痛みに平衡感覚が機能せずに倒れこむライア。
突然、頭に何かが濁流の様に押し寄せてくる。まるで半壊した川の水の様に流れていくそれは止まる事を知らずどんどんと俺の中に入ってくる。
何なんだ・・これは
『蓮には悪いけど・・私が見た記憶ではあなたは信頼できるし、私だけでは最悪あの子を守ることはできない。だからお願い。あの子を」
守って・・そう、微かに聞こえたシェーラの言葉にライアは、手塚の意識は記憶の本流に飲み込まれた。
それは記憶だった。
それは16歳の少年が16年かけて刻んできた記憶
親を殺された記憶
誰も頼れずに孤独に生きる記憶
絶望に飲み込まれそうな記憶
取り付かれたように母親を求め、血で血を生むライダー同士の戦い
それが敵わぬと知った時の絶望感
それらすべてが蓮の記憶であり、感じてきた全てであることに手塚は何も考えることができずに思わず見入ってしまう
これが・・・!こんな悲しい事が!たった16歳の子供が背負っているというのか!
こんな
『そうよ・・・・あなたが知って居るライダーバトルの記憶はあの子が体験してきたことのほんの一部、あの子はずっと後悔と絶望をその背に背負ってきたのよ』
誰かがこちらに歩んでくる。それは女の姿だった。長いセミロングの青い髪、西洋人だろうか顔立ちは整っているため綺麗である。
それにその声には聞き覚えがあった。
「シェーラ・・・・で良かったか」
『えぇ・・・・手塚 海之、この姿を見せたのはあなたが初めてよ』
軽く手を交わす手塚。しかしその表情は明らかに曇っている。
『そんな顔をしないで、私だってあなたにそんな表情をして欲しくて蓮の記憶を見せたわけじゃないんだから』
シェーラは酷い表情の手塚に思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「だが・・・まだ16歳の子供だぞ・・・・それなのにあんなの・・・・あんな』
とてもではないが言葉で表すことは気持ち的には無理だ
それに、親を殺されたと言う事は知っていた。嘗てそれとなく聞いたことがあったからな。
だが今の記憶の話が本当ならばあれは殺されたというより”生贄”にされたという方が正しい
それに蓮はあの時意識が朦朧としていたようでそこらへんの部分がうまく記憶されていないようだが
『あの子の記憶は誰かによって封印されているわ』
「何だって・・・・!一体誰に!」
シェーラは首を横に振るだけ。つまりシェーラも蓮の記憶の封印は誰が行ったか知らないと言う訳だ。
『私はあなたに本当の相川蓮を知って欲しかった。あの子が何故ライダーになったのか。あの子が何を求めているのかを。そして、それを知った貴方に聞くわ。あなたは蓮を如何したい?』
どうしたい?どうもこうも無い。俺の答えはあの戦いで、あの子の運命を。自分の占った運命を変えた時から俺の答えは変わらない。
「俺は彼奴の運命を変える。彼奴が破滅の運命を辿ろうというなら・・・俺は彼奴を守る。この命に代えても」
「そう・・・そう思ってくれる貴方だからこそ、私は
シェーラは薄い笑みを浮かべ、記憶の本流から外れた道なき道を歩んでいく。その後ろを追いかけていく形で俺は付いて行く。
そして黙って付いて行くこと数分。俺たちの目の前に途轍もなく大きな壁が立ちふさがる。しかしよく見るとそれはただの壁ではない
それは 1枚の絵だった。
女神の様な女性が茨に包まれている絵。見ていると何か・・・・引き込まれそうな
『お待ちしていました』
ッ!?なんだ・・いったいどこから
『そんなに怯えなくても大丈夫。私はあなたの目の前にいますよ』
目の前・・・目の前には1枚の絵しか・・・
手塚がじっと見つめると、絵の中心女性の胸のあたりから青い光が、徐々に徐々にだが溢れ、次第にその光が手塚の目の前に集まっていく
光は収束し、次第に人の形を現していく。
そして光が収束し現れたのは1人の女性だった。手塚はその女性の姿を目にした瞬間、驚愕する。
「あなたは!?いやっ!だって蓮の記憶では・・・・あなたは」
あなたは・・・・死んだはず。だがその女性は悲しそうな瞳で黙って首を横に振るう。違うというのか
『そうですね。確かにあの子の記憶は偽りの者です。私が夫に頼みあの子の記憶を改ざんしてもらいました』
何故そんなことを!だって・・・だってあいつは
『あなたには全てお話ししましょう。あの子の全てを知って・・尚、あの子を守ろうとしてくれる貴方に。そして、あの子を』
「なぁシェーラ、手塚は『ゲルニュート』を倒したんだろ。なんでこっちに来るのが遅いんだ?」
もうあの戦闘が開始してから30分以上が経過している。手塚の能力は、深淵と永劫の鍵(アビシャルエタニティ―)の能力で人間の時とは比べ物にならないほどパワーアップしているはず。以前ならいざ知らず『ゲルニュート』2体くらいなら余裕で倒すと思っていたのだが
『手塚はもうすぐ来るわよ・・・ほら、来たわ』
シェーレが左手の甲の目玉を向けた先、階段をこちらに降りてくるその男を、手塚を俺は直視できなかった。
怖いのだ・・・あの時の事を思い出すと、俺を庇って死んでしまったあの時の喪失感を思い出してしまう。だが最も恐ろしいのはそんな俺を手塚がどう思っているか
「蓮・・・久しぶりだな」
ビクンッ!と体が跳ね上がる。手塚の久しぶりに聞いた手塚の声は2年前と変わっていなかった。やさしくいつも俺の事を気にかけてくる声
やかましくも最後まで俺を守ってくれた男がそこにいる。
だけど俺は彼奴に何をしてきた。俺は彼奴に
”ポンッ!”
何をされたのか。一瞬わからなかった。解らなかったが・・・頭に手がのせられていた
優しい。そして暖かい。どこか昔に無くしてしまった温もり
「よく・・・・頑張ったな」
「うっ!手塚・・・俺っ!俺!!」
その言葉に蓮は抑え込んでいた感情を爆発させ、手塚に抱き付く
手塚もそんな蓮を優しく抱きしめる。自分の子供の様に優しく
「ゴメンっ・・・俺っ、俺っ」
「わかっている。シェーラに全て教えてもらった。頑張ったな」
すべてを理解しているよ。そう俺に呟いて
―――それから
それから蓮は全てをぶつけた。あの後のライダーバトルの事。そしてその後の事。今起こっている事。口から吐き出すくらいの勢いでいろんなことを話した。
時間が許す限り
そしてこの時、蓮は忘れていたのだ。いま何んでここにいるのか
『ねぇ蓮、手塚に色々話したいことがあるのは解るけど、いいの?こっちにあのメガネの生徒会長が向かっているわよ?』
あっ・・・!
忘れていたのだ蓮は。思わず舞い上がってしまったが為に集中しすぎた!手塚図かと一緒にいる所を見られたら非常にメンドクサイ事になるではないか!?
「手塚、話の途中で悪いがこのままミラーワールド経由で俺の家へ向かってくれないか?」
「そうだな。確かに俺が此処にいるとどちらにせよ不味いな。」
”変身!”した手塚もといライアは、蓮に手を上げて”先に行っている”と示すと鏡の中に吸い込まれていく
タイミングが良かったのか。手塚が居なくなると同時に上の階段から小走りで、こちらに向かって駆け寄ってくるメガネの貧乳会長
「ハァッ!ハァッ!・・・っ、今私のどこを見て、何をっ!どういう風に考えたかは一先ずは置いておきましょうか(ニコ♪)」
いや・・・♪つけても怖いですから
若干その迫力に退いてしまう。しかしなぜ彼女が此処にいるのだろうか?もうゲームは終わったのか?
「ゲームは・・・・終わりました。」
目に見える様な落胆さ。そして納得できない様な感情がその表情から伝わってくる。
まったく・・あんたにそんな顔されるとこっちまで気が滅入るよ
思わず、彼女の肩を叩き。その口から残酷な結果を告げる
「負けたんだろ・・・部長は・・・なぁ、生徒会長」
次回 第10話【朱乃の想い】
ごめんなさい。相変わらず文章が下手で
でも今回はライアこと手塚 海之(てづか みゆき)が遂に復活
最後の方は書いててちょっぴり涙?な感じで書こうとしましたがどうですかね