憎悪の瞳,渇望する愛   作:伊佐那岐

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今回は第2話です。文章が読みにくかったりするかもしれないんですけどよろしくです



今回は変身後の戦闘もありでやっていきますのでよろしくです





第2話 堕天使の断末魔

あの女性は誰だったんだろうか

 

 

 

母である天音の面影と彼女が一瞬だが重なってしまった

 

 

 

だが彼女は母ではない

 

 

 

だって母は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!…はぁ…なんて夢だ…」

 

 

 

夢から覚めた俺は思わず悪態を吐かずには居られなかった。

 

 

 

数日前に旧校舎裏の茂みで出会った女性

 

 

母によく似ていた女性の事を今になって思い返すとは

 

 

気になって調べてみたら彼女の名前は姫島 朱乃(ひめじま あけの)

 

 

どうやらオカルト研究部と呼ばれる部活の副部長をしているとか

 

 

そして彼女を調べていくうちにもう一人、リアス・グレモリーと呼ばれる女性に繋がりがあった。

 

 

珍しい、紅の美しい髪+大きいと言う事で学園では姫島 朱乃と合わせて2代お姉さまとも呼ばれていた。

 

 

そして最も重要な情報……リアス・グレモリーは現魔王サーゼクス・ルシファーの実の妹であり、姫島 朱乃はそのリアス・グレモリーの女王

 

 

 

故にむやみに近づくのは、藪蛇をつつくと同義だと結論した。

 

 

 

だからあまり考えないようにはしていたんだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう!蓮起きてるか!!朝食の「だから人の部屋に入る前にはノックをしろって言ってんだろうが!!」ぐぉぉぉ!」

 

 

 

 

 

人が必死で頭抱えて悩んでいるときに……と目の前の剣《バカ》を見下ろす。

 

 

悪気はないんだろうが朝っぱらからのこのテンションは頭が痛い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は部屋で悶えている剣《バカ》を放置して店の方に顔を出す。

 

 

店内は6つのテーブルと7つのカウンター席で、カウンターの後ろにはコーヒーメーカなどが立ち並びさらに奥には厨房が覗きこめる

 

 

店内を見渡せばテーブル席に1人の青年が本を片手にコーヒーを飲んでいた。

 

 

青年は店内に入ってきた蓮に気づくとこちらに手を挙げる

 

 

 

「やぁ・・おはよう蓮君」

 

 

 

「今日は朝早いですね木場さん」

 

 

 

 

俺は挨拶を交わしたのちに木場(勇)と呼ばれた青年の目の前に座り朝食を取り始める。

 

 

木場勇治(きばゆうじ)…駒王学園の大学部に通う大学4年生で教育学部に在籍している。

 

 

4年と言う事で研究室に通いながら、近々教育実習で自分たちの駒王学園に先生としてやってくる予定だ

 

 

「そういえば剣くんが君を起こしに行ったと思ったんだが」

 

 

 

「あぁ…あの剣でしたら、今頃部屋で「ひどいぞ親友!!何故俺を置いて」今来ました」

 

 

 

 

「あっあはは・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「でだ……我が親友蓮よ…何か悩み事があるような顔をしていたが」

 

 

 

”ギクッ”

 

 

何でだろうか…何故空気が読めない奴ほどに、妙に勘が働くのはと思ってしまう

 

 

 

 

「何だい?何か悩みがあるならば僕も相談に乗ろう」

 

 

 

も悩み事と聞いて読んでいた本にしおりを挟み、こちらに笑みを向けてくる

 

 

 

正直如何話すべきか悩む

 

 

 

しかし、蓮が口を開きかけた時、カウンターのそばにある厨房の扉が開き、中から2人の男が出てきた。

 

 

 

その男の姿を見た瞬間、蓮は険しい表情を浮かべ、同時に空気が変わる。

 

 

木場(勇)も剣も蓮の表情にはっ!として気まずい空気に乗り出していた体を引き戻す。

 

 

 

 

蓮は黙ってキッチンから出てくる男から目を逸らし

 

 

 

「先行ってる」

 

 

 

それだけ小声でつぶやくと逃げるように店を離れ

 

 

 

「あっ……おい連!…えっと…行ってきます」

 

 

 

「あっ!剣君待って!これ今日のお弁当」

 

 

 

「ありがとうございます総司さん……では」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は正直うなだれていた。

 

 

 

妻は亡くなり……唯一残った希望は幼かった蓮のみ

 

 

 

 

しかし現実は残酷で…蓮は父親である自分を次第に嫌悪するようになった。

 

 

 

 

 

 

「あっ……あの、始さん……大丈夫ですか?」

 

 

隣から弱弱しい声が此方にかけられる。

 

 

恐る恐るこちらを眺めてくる男、天道総司(てんどうそうじ)

 

 

性格はこの通りだが、料理のセンスは群を抜いている。その為、この店の厨房を任せている。

 

 

今朝は彼に頼まれて新作のメニューをいくつか試していたところだった。

 

本来であれば自分は朝、総司との店の準備を行うため、朝は蓮たちが学校に行った後、店が開く前に軽く食べる感じであった。

 

ゆえに普段はあまり顔を合わせずにいるのだ。

 

 

「あぁ…大丈夫だ…大丈夫」

 

 

 

「大丈夫じゃないですよ……始さん…その手」

 

 

始の手からは血が流れていた。強く握りしめたゆえ、爪が掌に食い込んでしまったのだろう

 

 

慌てて厨房から包帯を取りに行く総司、木場(勇)は今のように悲痛な表情を浮かべる始を見ているのが辛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は…あの人が嫌いだった

 

 

あの人は俺からすべてを奪った。

 

 

いや…正確にはあの人、相川 始自身が奪ったわけではない

 

 

だが、肝心な時に家族の下を離れ、結果、母はあいつに殺された。

 

 

あの人が離れなければ、母はあんなことにはならなかったのかもしれない

 

 

 

だけどそれは……短絡的、希望的観測で…

 

 

俺だってもう子供ではない、だからわかっている!あの状況ではしょうがなかったと

 

 

だけど、あれからあの人は俺と顔を合わせることを避けた。

 

 

俺が言った一言が俺と…あの人の仲を引き裂いたんだ。

 

 

 

 

「だからって、今更どうしろっていうんだよ…」

 

 

 

 

俺は教室で現在進行中で行われている授業には一切耳を傾けず、自分の中で葛藤とぶつかっていた。

 

 

だからか、俺に向かって教師が怒鳴り散らしているのに気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「たく、あの教師耳元で怒鳴りやがって」

 

 

「フフ~フン…それは、お前が教師立花の話を全く聞かなかったからだろう我が親友にして要注意人物の蓮」

 

 

「ふぁ~だからって僕まで巻き込まないでほしかったなレン」

 

 

 

蓮、剣、そしていつの間にか学校に来ていたレオの3人は屋上へ向かう廊下を歩いていた。

 

 

 

そんな時だった、ふと廊下の外を眺めていた剣が指で外を見てみろと示したのは

 

 

剣の親指が示す方角、そこには数名の女子生徒に囲まれたリアス・グレモリーと

 

 

 

”ドクンッ”

 

 

 

姫島 朱乃の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの紅い髪の女性だろ…確か魔王の妹の」

 

 

「あぁ…僕も一度だけお付き合いを申し込んだけど、丁重に断られたんだよ…初めての敗北」

 

 

「レオ…確かに彼女らは美しーい女性、俺も一度アタックしたが残念ながらお断りされてしまったのだ…そうだ、蓮お前もって、居なーい!何処に行ったのだ!我が親友は」

 

 

 

 

 

 

 

 

何故だ……何故俺は逃げた。

 

 

 

剣たちのバカな会話に呆れたからか?

 

 

 

それとも……俺は

 

 

 

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

 

 

その時だったのか。運命の歯車とは別の、もう一つの歯車が回りだしたのは

 

 

 

「ん?…あぁ大丈夫だ…心配してくれて済まない」

 

 

 

「いや、ずいぶん肩で息をしていたから喘息かなにかと思って、あっ、よかったらこれ、まだ空けてないからさ」

 

 

そういって手に持っていた水のペットボトルを差し出してくる。

 

 

「ありがとう……あっお金」

 

 

「良いって良いって、実は俺今スッゲー気分が良いからさ、それやるよ、俺は兵藤 一誠(ひょうどう いっせい)、2年だ。よろしくな」

 

 

茶髪で髪をツンツンにした、これから物語の中心となるはずの男と初めて相対したのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日後

 

 

久々の日曜、しかも依頼は無い状態で相川蓮は

 

 

 

「3番卓のランチセットBでます。」

 

 

「4番お水出して!」

 

 

「いらっしゃいませ!あぁ!亜美ちゃん来てくれたんだ…え。今日はマスターのコーヒーを飲みに?」

 

 

 

喫茶店 ハカランダでフロアチーフ(臨時)として執事服を着てセッセコッセッセコと働いていた。

 

 

 

正直遊びに行く友達もいない、剣は剣道の大会でいない、レオは週に一回は手伝う約束で手伝っている。

 

 

このハカランダ、実はそこそこ有名である

 

 

理由はコーヒーがとてつもなく美味い事、出てくる料理が一流レストランと同等なくらい美味い事

 

 

そして、居れているマスター、調理人、接客の人間などが一様に”イケメン”である為、比較的女性のお客様が多いい

 

 

その為、土曜や日曜など、一般的な休日であける場合は、必然的に長蛇の列になり、人が足りなくなる為、下宿している人間などの多くは手伝いに駆り立てる。

 

 

対応しても、対応しても止まないお客に、内心殺意を覚えるくらい

 

 

 

 

 

そして、対応すること5時間

 

 

外に並んでいた長蛇の列は消えて、店に静寂が訪れる中、蓮の姿は外にあるスーパーからの帰路にあった。

 

 

 

「蓮…このメモに書かれている、材料を買ってきてくれるか」

 

 

 

 

素材はそこまで大荷物でもなかったために1人でも行けたそのスーパーの帰り、公園の前を横切った時だった。

 

 

 

(ん?……これは……結界か)

 

 

公園全体が不可視の、それも認識阻害の力が働いている。

 

 

特にこういうものが張られる原因は今月のはぐれ悪魔みたいに殲滅戦になる為、周りに人が寄り付かないようにすることが多いが

 

 

 

(気になるわな……こんなものを見ちゃあ、とりあえず連絡だけは送っておくか)

 

 

ならばと蓮は懐からカードデッキを取り出し中から1枚のカードを取り出し近くの鏡に映し出す

 

 

 

”キィィィィィン・キィィィィィン”

 

 

 

金属音が辺りに響き渡り、しばらくすると鏡から何かが飛び出してくる

 

 

 

 

「メガゼール、この買い物袋と、この紙をあの人…いや、カリス(・・・)に渡せ」

 

 

 

「グルゥゥ!」

 

 

 

メガゼールと呼ばれたレイヨウ型モンスターは買い物袋とメモを手に再び鏡に飛び込み消える。

 

 

 

 

同時に蓮もカードデッキを手に持ち、公園の中をかけていく

 

 

先ほどまで赤々とした夕日空だったが、公園に入った瞬間、絵の具がぐちゃぐちゃに入り混じった均分の悪いものへと変化した。

 

 

 

走る事数秒、ちょうど公園の中心、噴水が流れ出ている場所にソイツはいた。

 

 

 

黒い羽根を背中から生やした美女

 

 

そして、その女にやられたんだろう……口から血を吐き倒れこむ若い少年の姿が

 

 

蓮にはその姿に見覚えがあった。数日前に水のペットボトルを譲ってくれた。

 

 

 

「兵藤 一誠・・・・・・・か」

 

 

 

「ん?…誰…人間ですって…ここには結界が張っていたはず…あなた一体」

 

 

 

堕天使は赤々と怪しく輝く光を槍状にしたものを素早く投擲する。

 

 

光の速度とまではいかないが、それでも人を1人殺すには十分の速度が出ているそれを蓮は首を軽く傾げ、最小限の動きでかわす。

 

 

 

その行動に信じられないといった表情で女の堕天使は蓮を睨み付ける

 

 

 

だが、光の槍を顔面に投げつけられた蓮は、逆に冷めた目で目の前の女堕天使を見つめる。

 

 

 

 

「……つまらないな……」

 

 

 

「何ですって?」

 

 

 

「つまらないと云った。その程度の実力でよくこの街にやってきたものだ」

 

 

 

「なっ!…人間風情が!至高の堕天使であるこのレイナーレに向かって!?」

 

 

 

「至高の堕天使?笑わせる…その程度で?はっ思い上がりも甚だしいな…どの道お前はここで終わらせる」

 

 

 

カードデッキを前にかざし、突然出現したVバックルにレイナーレは驚き

 

 

 

「お前もセイクリッドギアを!」

 

 

 

「お前には関係ないよ……『変身』」

 

 

 

Vバックルが輝き、フィルムが重なるようにして蓮の姿が、変わる。

 

 

 

全身が黒と銀に輝く鎧に、中世ヨーロッパの騎士のようなフェイス、そして左手に蝙蝠が羽を畳んだ様な鍔の細長い長剣を手にしている。

 

 

 

そして姿が変わると同時に、蓮が押さえ込んでいたであろう威圧感の一部が解放され、レイナーレに重圧として襲い掛かる。

 

 

 

この時、レイナーレは本能的に感じていた。こいつは危険だと、今の自分が敵う相手ではないと

 

 

 

「お前は…お前は一体…何者なのよ!?」

 

 

レイナーレはあまりの威圧感と恐怖を紛らわせようと、先ほどの光槍を幾重にも生み出し、先ほどとは違い全力で投擲する

 

 

それは光の洪水とも感じられる槍の本流を避ける素振りもせずに、ただ左手に添えてあった剣を右手に移し、右手で持った剣でただ振り払う

 

 

ただ横に振り払っただけでその全ては…硝子のように光の破片となってすべて砕け散る。

 

 

 

 

 

「う……嘘よ!こんなの…なんで…なんでただの人間が…」

 

 

 

突然現れた一人の人間、姿が変わり、ただのセイクリッドギアを宿した人間、最初は余裕で殺せると思った。だけど槍は避けられ、恐怖しながら全力で放った槍の郡も今度は避けられるのではなく、ただ剣を一振りされただけ

 

 

たったそれだけですべて砕かれた。それだけで体が恐怖で動かなくなり、しまいには地面にへたり込む

 

 

”コツ…コツ…”

 

一歩一歩と蓮はレイナーレに向かって近づいていく

 

レイナーレは思わず周りを見渡すが、自分が張った結界のせいで誰もいない、あるのは自分が殺し、既に死に体の男の遺体だけ。

 

 

 

 

 

「ヒィ!!ぁ…あなた・・何もの…何者なのよ!?」

 

 

もはやひどい顔のレイナーレに蓮は笑い首筋に切っ先を添えてこう呟いた

 

 

 

「仮面ライダー…ナイト…最後に一つ聞いておく……何故あいつを殺した?」

 

 

 

あいつは一般人だ。悪魔やこいつのような堕天使に関わるようなやつではない。なのになぜ狙われた。

 

 

いや……待てよ、確かレイナーレは変身した時の俺にこう言った。

 

 

 

 

『お前も神器を』と

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は兵藤を…神器が宿っているから殺したのか」

 

 

 

剣に力がこもる。そんな物の為にこいつは殺されたのかと。人の命を奪ったのかと

 

 

 

「もういい黙って死ね」

 

 

 

レイナーレと呼ばれた堕天使の首を刎ねようと剣を振り上げるが、即座に横に跳ぶ。瞬間、先ほどまでナイトが立っていた位置に光の槍が刺さる。

 

 

「レイナーレ様!!」

 

 

 

「…仲間が言ったのか」

 

 

 

あと一歩のところで頭上から現れた2体の堕天使に邪魔をされる。

 

 

 

「レイナーレ様!奴は一体何者ですか…見たところセイクリッドギアの様ですが」

 

 

「わからないわ…私の全力を剣の一振りで砕いたわ」

 

 

「「なっ!?レイナーレ様の全力を!」」

 

 

 

後から来た堕天使は相手が自分たちの想像を超えるであろう存在であることに信じえない

 

 

 

「ならばなおさら!あなたには生きてさらなる力を得て貰わなくてはいけません!行ってください!」

 

 

「私も残ります!どの位時間が稼げるかわかりませんが…行ってください」

 

 

 

「…わかったわ…お願い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃がすと思っているのか?」

 

 

 

 

 

 

「「「!!?」」」

 

 

3体の堕天使はその声を耳にし新たに恐怖し、そして理解する目の前にいるのは明らかに各上の化け物だと

 

 

「レイナーレ様!!早く!オォォォォォォ!!!!」

 

 

男の堕天使が両腕に光の槍を作り、勇敢と羽を広げまっすぐに突っ込んでその槍を突き刺そうと

 

 

 

”ズシャッ”

 

 

だがその光の槍がナイトに届くよりも先に、その姿が残像を残して消えたと認識した瞬間、男の堕天使の胸から細長い刃が突き出される

 

だがその信念は死んではいなかった。

 

 

「ゴフッ!…レイナーレ様…お早く…おは」

 

 

”グシャッ”

 

 

だが、そんな小さな信念すら、強大な力の差にはすべてが無意味、そう誇示するかのように数秒もしない内に、肉が引き裂かれる音とともに男の堕天使は肉塊へと変わる。

 

 

 

「レイナーレ様!!早く!行ってください!!」

 

 

「カラワーナ…っ!」

 

 

レイナーレは憎しみの瞳をナイトに向けると残った仲間を背に空へと羽ばたき逃げる

 

 

「逃がすと「お前の相手はわたしだぁぁぁぁぁ!!!」面倒だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトに変身した蓮は思う。

 

 

雑魚がいくら集まっても雑魚にしかならない

 

 

しかしそれでも、自らを犠牲に何かを守ろうとする者は人間であろうと何であろうと関係ない

 

 

そのこと蓮自身が…一番よく知っている。

 

 

「オォォォォオオオ!!!」

 

 

カラワーナと呼ばれた堕天使が自らの全力の限界を超えるほどの槍を生み出し、次々にナイトに投擲してくる。

 

 

10や20ではない50や60を超える光の槍がランダムに、しかしナイトに向かって襲い掛かる

 

 

一瞬ではあるがカラワーナの攻撃はレイナーレのそれを軽くではあるが超えている

 

正直いって見事ではあるが

 

 

しかし、それでも……結果は変わらない

 

 

ナイトの剣、翼召剣ダークバイザーが襲い掛かる槍の内、正確に一つ一つを切り落としていく

 

 

それも全てではなく、自分にあたるものだけを正確に

 

 

 

カラワーナはその姿を見て背筋がさらにゾッとした

 

音速に近い槍の投擲を自分にあたるものだけを選別したものをより正確に打ち落とすその技量に

 

 

だがレイナーレは離脱し、見た限り奴には飛翔できる物はない

 

 

カラワーナは羽を広げ全力で空中へと上昇する

 

 

「いくらお前が化け物並の強さでも…「上空までは手出しできない…か?」そっそうだ!違うのか!!」

 

 

カラワーナをあざ笑うようにナイトの手の剣、翼召剣ダークバイザーの蝙蝠の鍔の部分が羽を開くかのように開き、腰のカードデッキから1枚のカードを取り出し翼召剣ダークバイザーにベントインする。

 

 

【アドベント】

 

 

 

「グォォォォォォォ!!!!!」

 

 

野太い雄叫びとともに噴水が裂け、水飛沫とともに黒い影が現れる。それはカラワーナにとって最後の希望である空中戦の優位を、砕かれることになる。

 

 

現れたのは全身を黒いメタリックボディーに輝かせた東洋の龍

 

 

「な……ドラゴンだと!?何故こんな!?お前が操っているとでもいうのか!!」

 

 

 

「叩き落とせ…ドラグブラッカー」

 

 

 

「う……うわぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

最後の望み、空中からなら手出しができないという淡い希望を打ち砕かれたカラワーナがドラグブラッカーに向かって光の槍を放つが、ドラグブラッカーには痛くもかゆくもない

 

 

 

「グルォォォォ!!」

 

 

 

ドラグブラッカーはその巨体を使い、上空に浮かんでいるそいつを地面にたたきつける。

 

 

急激な荷重により叩きつけられたカラワーナは地面にめり込み、全身がぼろぼろの状態でも立ち上がる

 

 

 

「そろそろ……終わらせてやるよ……それと、安心しろ」

 

 

 

先ほどと同様に腰から1枚のカードを取り出し、翼召剣ダークバイザーにそれを再びベントインする。

 

 

 

【ファイナルベント】

 

 

「レイナーレも必ずお前の下へ送ってやる」

 

 

電子音声が鳴り響くと同時に、空中に待機していたドラグブラッカーがナイトの全身を浮かばせる

 

 

そしてその全身に黒い炎が生き物のように纏わりつき

 

 

「ハァァァァァ!!!」

 

 

カラワーナに向かって黒焔をまとったナイトの蹴りが放たれ、逃げるすべもないカラワーナはその蹴りに貫かれ、黒焔の業火の中

 

 

「レイ……ナーレ」

 

 

 

 

最後にレイナーレの名前を呟き黒い羽根へと却って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わった…か

 

 

レイナーレと呼ばれた主犯格を逃したが……まぁ仕方ないだろう

 

 

 

それよりも…問題は

 

 

 

「あ……俺…」

 

 

 

既に血だまりが広がりつつある一誠

 

 

だが辛うじて息があるのか、目がうつろな状態で何かつぶやいているのがわかる。

 

 

正直、もう助けようがなかった。いや助かりようがなかった。

 

 

この少年はここで死ぬ。

 

 

あと少し早く駆けつけられれば助けられたかもしれない

 

 

「兵藤…わかるか…」

 

 

「…ぁ…ぁ……」

 

 

「今……楽にしてやる」

 

 

そう、せめて直ぐに楽にしてやることでしか、俺はこいつを救えないんだ

 

 

そう考え、翼召剣ダークバイザーで一誠の心臓を一突きにしようとした時だった。

 

 

 

一誠の懐から1枚の紙が空中を舞い、そのまま、魔法陣が描かれたことに警戒し、一誠から飛び退く

 

 

その魔方陣から現れたのは紅の髪を靡かせた駒王学園(くおうがくえん)の制服をした女

 

 

リアス・グレモリー

 

 

魔王の妹にしてこの街の主

 

 

 

そんな女がなぜここにいる?

 

 

「あら…あなた何もの…もしかしてこの子をこんな目に合わせたのは…あなた?」

 

 

 

リアスは現れてそうそう、目の前に魔法陣を展開し魔力を練り上げる

 

 

彼女の持つ『滅びの力』をこちらに向けて

 

 

 

「待て…盛大に勘違いしているようだから云うが、そいつを殺したのは堕天使だ。俺はたまたまこの場に居合わせただけだ」

 

 

 

「ならば、その堕天使は何処にいるのかしら?姿が見えないんだけど?わかりやすいウソね」

 

 

 

「本当だ…1人はそこで2つになっているはずだし、1人はほら……これだよ」

 

 

 

俺は先ほど倒した女堕天使カラワーナの残骸を彼女にぶちまける

 

 

リアスはその羽のうち1枚を取り、品定めするように眺めたのち

 

 

「どうやら本当の様ね…でも、だからこそ、あなたはどうやって堕天使を倒したのかしら?」

 

 

「こっちこそ聞きたい、何故お前がここにいるリアス・グレモリー」

 

 

今更何をしに来たと、軽く殺気をぶつけて見と、その体が震え、表情にも余裕がなくなる。

 

 

「わ…私はこの子を…助けに来たのよ…」

 

 

「何?助けに…来ただと?……お前はこの状況で良くそんな事が」

 

 

いや待て…確か聞いたことがある

 

 

悪魔の社会ではその数が激減し、悪魔の駒(イービル・ピース)と呼ばれるもので他の種族を悪魔に転生させることができると

 

 

 

「お前…まさか悪魔の駒を使うつもりか?」

 

 

 

「!?悪魔の駒のことまで知っているなんて…あなた本当に」

 

 

 

「良いから答えろ…使うつもりなのか!!」

 

 

「そっそうよ…出なければ…彼を助けることはできないわ」

 

 

「ふざけるな!?キサマは自分の行いがこいつを地獄に導こうとしているのがわかっているのか!!」

 

 

 

どういうことという顔をしているな、どうやらわからないと見える

 

 

「もし仮に悪魔としてこいつをよみがえらせたとしよう、だがその後こいつはお前の眷属として、悪魔として生きていくことになる。中には戦いも起こるだろう。それを覚悟もしていないただの一般人に、背負わせるつもりなのかと聞いているんだ!!」

 

 

 

蓮の怒りの指摘は確実に、リアスは青ざめた表情を浮かべる。どうやら、自分のやろうとしていたことが理解できたようだな

 

 

「確かに…確かに私は、自分の都合で…この子を蘇らせようとしている。でも…私は、例えこの子が悪魔であることを重みに背負うというなら…私は、いや」

 

 

 

「私たちが…一緒に背負いますわ…ねぇ、リアス」

 

 

リアスの周りに現れる3つの魔法陣から新たに3人の悪魔が現れる、特にナイトはその中の一人に動揺を隠しきれないでいた

 

 

「朱乃!?祐斗に小猫も…どうして」

 

 

「貴方からの連絡が無かったものですから……それにしても、随分変わった格好をなさっている方ですね」

 

 

うふふと妖艶な笑みを浮かべている朱乃、それに後ろに控える2人も既にこちらを敵とみなしているのか、それとも見逃すまいと思っているのか

 

 

どちらにせよこれ以上ここにいるのも限界か

 

 

 

「もう一度警告する、良く考えるがいいリアス・グレモリー、自らの行いが果たして」

 

 

 

「私は!……例えこの子が悪魔であることを否定していたとしても、何があっても守り抜くわ!!」

 

 

 

リアスは涙を浮かべるもしっかりとした表情と目つきでこちらを射抜く

 

 

どうやら自分で考えての事らしい

 

 

「ならば勝手にしろ、後はお前らの責任だ…俺はそろそろここから退散させてもらうとしよう」

 

 

 

「逃がすと思っているのかい!!」

 

 

 

こちらを逃がすまいと、リアスの傍にいた剣士が目を見張る速度でナイトに迫り、剣を振り下ろす。

 

 

 

 

【クリアーベント】

 

 

 

「なに!?消えた」

 

 

 

 

電子音とともにナイトの姿が透明になり、姿が見えなくなってしまい、朱乃たちも全力で周りを探すが反応どころか、痕跡すら見つからない

 

 

 

 

「完全に逃げられたわね…何者かしら」

 

 

「わかりません…堕天使を2体、見たところ無傷で倒したところを見ると相当な実力者かと」

 

 

傷と言った傷は見つからず、ましてや披露した様子も見られなかった。下級とは言え堕天使2体を相手に

 

 

だがリアスに至ってはその存在よりもナイトが吐き捨てた言葉が脳内で繰り返し響く

 

 

『覚悟もしていないただの一般人に、背負わせるつもりなのかと聞いているんだ!!』

 

 

 

(見捨てない…絶対に…だってこの子は私の眷属なんですもの)

 

 

 

手に持つ悪魔の駒《イービル・ピース》を握りしめ、リアスは改めて目の前で死に絶える少年を守ることを決意するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ミラーワールドに逃げることでグレモリー眷属を余裕で撒いたナイトこと相川蓮は何事もなかったかのように黙って、店の前まで戻ってきていた。

 

 

 

店の手前で黒い人影が見え、一瞬警戒するが、その姿が月明りで明らかになると、警戒心を霧散させる。

 

 

「やぁ蓮…あまりにも遅かったから僕が迎えに行くところだったよ」

 

 

 

「レオ…冗談はやめろ…あの程度の連中に手こずるほど弱くなった覚えはない」

 

 

 

「そうかい…でも何があったかは…聞かせてもらうよ…とりあえず現状報告だって」

 

 

レオのその言葉に思わずため息が出てしまう。

 

大した相手でもないのに一々報告しなければいけないのは面倒だが、この街で何か起こっているのならば報告しなければ次の一手に対処できない時があるかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな綻びは次第に大きな穴へと広がっていくのは別段珍しい話ではないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回【予想外の接触】
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