スキルカオス   作:ホワイト・ラム

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研究者と酔いどれ

「うーん…いたた、はあ、最悪の気分」

ルクスによって床ごと落とされたプールが目を覚ます。

「骨折や捻挫は何処にも無いようね」

その場で飛んだりしながら確認する。

気絶している間に運ばれたのか現在いる部屋に瓦礫などは全くなく清潔感ある白い部屋だった。

「こんにちは、ご気分はどうですか?」

部屋のドアを開けルクスが入ってくる。

「控え目に言って最悪、レディの部屋に入るのにノックも無なの?」

「おっと!これは失礼!いやはや研究者のサガなのか研究以外の事にはあまりに無頓着でして、よく幼馴染たちからもバカにされましたね、うふふ」

楽しくてしょうがないといった感じでルクスが答える。

「さぁて、あなたにはこれから死ぬまで私の研究に付き合ってもらいますよ?モルモットさん?くひひひひ!」

狂喜にルクスの顔が歪む。

プールは久しぶりに恐怖を感じた。

 

「レイジさん、レイジさん起きてください!」

「うがぁ?ここ何処だ?」

ルクスに起こされレイジが目を覚ます。

「私の研究所ですよ、ほら前にお話しした」

「あー!スキルストーンの!」

「そうですよ、ちょっと見学していきませんか?あ、先ほどはすみません床を落としてしまい、けがはありませんでしたか?」

「ああ、大丈夫です、どこにも怪我はありませんよ、ただ次から床を落とす時は前もって言ってくださいね、見学の件なんですけど、いいんですか?」

プールに見せた好戦的な笑みを浮かべていたルクスとはうって変りとても穏やかに話す。

レイジは世界政府のメンバーではないため、ルクスにとっては倒さなくてはならない敵ではないため、本来好戦的でないルクスはレイジと戦闘をしようと考えていないのだ。

一方レイジもどちらの組織に所属しているわけではないため、組織間の争いごとに対して非常にルーズである。

「ええ、かまいませんとも、行きましょうか」

 

作業員によって大量の岩石が運びだされていく。

「ここは発掘ブースです、もともとウィビエスには大量のスキルストーンが発掘されましたが、何か鉱物をスキルストーンに変える成分があるのではと考え研究のためにスキルストーンの変化態を探しているんです、もっとも出てくるのは普通のスキルストーンばかりですがね」

「変化態のスキルストーン?」

「ああ、もっともな質問ですね、次のブースにうつりましょうか」

 

「ここが量産ブースになります、ほら、現在スキルストーンが量産されていますよ?」

大型の窯のような機会に白い石が、大量に運ばれていく、その隣の窯では、元は白かったと思われる、赤い石が大量に出てくる。

「へー、スキルストーンって作れるんだ」

レイジが感心したようにみる。

「世界政府もこの技術持ってますよ?もっとも私も、世界政府の技術者も大したレベルの物は作れませんがね、普通の石からスキルストーンへの変化途中の物が見つかれば、研究は飛躍的に伸びるのでしょうが…いかんせん発見されていないんです。

やはりスキルストーンはオリジナルの物にかぎりますよ」

 

「ここが実験ブースです、ほらプールさんも研究に付き合ってくれてますよ?」

ガラス越しに部屋の中をのぞく。

「はあはあ、はあ、くうっ!」

部屋の中には酒場で強盗の持っていた物と同じ、スキルストーンを埋め込んだライターを持った男達がいた。

「第七波ファイア!」「「「「「「ファイア!」」」」」」

リーダーと思われる男が号令をかけると、ほかのメンバーがそれに習いスキルストーンを使用する。

「またきた!」

プールはそれを水を作り出し消していく。

 

興味深々と言った感じだったレイジが態度を変える。

「ルクスさん、これはちょっと酷いんじゃないですか?」

「おや、レイジさんこれは研究のためなんですよ?必要な犠牲です」

眉ひとつ動かさず平然と言い放つ。

「必要?大人数で一人を追い込むことが必要な犠牲なんですか!」

それに対しレイジが声を荒げる。

「もちろん必要ですよ、貴重なデータが取れます」

再びルクスがいびつな笑みを浮かべた。

プールがそうであったように、レイジもルクスの表情に恐怖を感じた。

 

所変わって地上の酒場

「では、ここの被害はこの店の床一帯ですね?」

「ああ、そうだよ、これ、保険で何とかなるかな?」

本日の事件のあった現場の検証に世界政府ウィビエス支部の職員メンバーが来ていた。

「けが人と死傷者はいますか?」

「え、ああ確かやけどをした人が何人かいたけど{死者は一人もいなかったよ}」

「そうですか、それは何よりでした」

 

少し離れた場所で…

「あー俺様気分最悪、せっかく気持ちよく酒飲んでたのによぉー」

「おかしなやつに絡むからああなるんだ、次は気を付けろよ?

というか本当にやるのか?」

「モチのロン!チッとばかし焼き入れてやる、いっチョ暴れてくら!」

「やれやれ、お前はそういうと聞かんからな…」

全身赤い服を着た男が酒瓶片手にウィビエス町長の家にむかう。

「何者だ旅人か?」

ウィビエスの家の前の警備員が、男を呼び止める。

「おお、紹介がまだだったな?俺様は烈火、本名じゃないんだがみんなそう呼ぶんだ、お前らも気軽によんでくれ」

烈火は楽しそうにケラケラ笑う。

「ああそうかい、いま市長は客人を迎えていて忙しいんだ、用事なら後にしてくれないか?」

警備員は明らかに酔っている烈火を、帰らせようとする。

「いいや、いま会う必要があるんだ、俺様夕方には帰る予定なんだよ、ここで作ったスキルストーンのせいで俺様の一張羅が焦げちまったんだ、弁償してもらいたくてな」

警備員たちが体を固くする、ここでストーンを作っていることは秘密だ、そのことを知っているこの男を始末しなくてはいけない。

警備員がライターの火をつけ、無数の火球が烈火にとびかかる。

「あーダメだ!ダメダメ!ぬるい!ぬるすぎる!てめーらの炎には情熱がたりねー!」

烈火が炎に包まれたまま、服の下から銃を取り出す。

炎のようなパターンが印刷された、真っ赤な銃を屋敷に向けて構える、銃から漏れ出すように炎があふれる。

「俺様が手本を見せてやる、強火で行くぜ!烈火凶儘!吹き飛ばせ!」

引き金を引いた瞬間圧倒的な熱が銃から放たれ、ウィビエスの市長宅は一瞬にして半分が焼失した。

 




どうも、お久しぶりですホワイト・ラムです。
更新が遅れて申し訳ありません、今回はプールに続き二人目の主要キャラの、烈火の名前と能力を出せました。
彼は最初の酒場にいた酔っ払いです、なるべくモブに見えるよう苦労しました。
おそらく次ぎか、そのまた次でこの話の一章が終わります。
第二章も考えているので、最後までお付き合いしていただけたら幸いです。
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