「それで、何か犯人に心当たりは?」
プールが椅子に座りながらリリィズの社長に話しかける。
「最近、街中に何故か獣タイプのストーンの使い手ばかりを襲う男がいるようです、昨日も被害が出ており、目撃者の方では実際にその、何と言いますか?怪盗のような恰好をしているらしいんです」
リリィズの社長がぼそぼそと話す。
「十中八九そいつが犯人じゃない!?目撃情報は何処で?」
プールが詰め寄る。
「それが、被害者の女性たちが、旅人を雇ったようでして、その方に任せるからと言って話を聞いてくれないのです」
「はー、最悪ね、わかったわその旅人の居場所はわかりますか?直接話を聞いてみます」
プールはその旅人に会うことにした。
「ここね?その場所は、旅人にしてはやけに豪華ね」
プールは豪華なホテルのロビーの一階にいた、この街でも有数の豪華なホテルだ、贅を凝らした内装にシャンデリアなどレイジと烈火の泊まっている宿とは雲泥の差だった。
プールは例の旅人が泊まっている部屋のまえへと来た。
「ここね」
扉を2回ノックをする。
「入れ、カギはあいている」
中から若い男の声が聞こえる。
「あら?この声どこかで?」
疑問に思いながらも扉を開ける。
「よく来たな?何の用だ…ん?プールか?」
「え?ちょ!お兄ちゃん!?なんでここに?」
プールが驚いて腰を抜かす。
「サイロス様、お知り合いですか?」
サイロスの隣にいた女が疑問を持つ。
「ああ、私の2歳下の妹だ、昔私が家を出たときに置いてきたんだ」
あっけらかんと言う。
「ちょっと!今までどこにいたのよ!?みんな心配してたのよ!?」
「なーに心配はいらない、自由気ままに旅をしていただけだ、「どこ」と言われれば困るな、一か所に長居はしない主義なんだ」
椅子に座ったままグイッと手に持っていたワインのような液体を飲み干す。
「ちょっとなにそれ?まさかワインやお酒じゃないでしょうね?」
プールの脳内に今朝がたの烈火がよみがえる、実の兄にはあんなふうにはなってほしくない。
「安心しろ、黒豆ドリンクだ!この渋みがたまらない!お前も飲むか?」
ずいっと黒い液体を差しだす。
「うえ!刺激臭がする!ホントにおいしいの?」
「ああ!この街はいいな!美味い物が大量に食える!ほら、前かったチョコフランクもあるぞ?一本食べたら病みつきなんだ」
サイロスがチョコフランクを差し出す。
「ごめん、いらない、明らかにはずれの食べ物じゃない…」
「そうか、ところで何の用だ?突然?」
その質問にプールはハッとする。
「そうよ!お兄ちゃん、例の怪盗捕まえるつもりなの?」
プールが強く詰め寄る。
「ああ!そうか、世界政府のエージェントはお前だったのか、悪いがそれは本当だ、彼女たちは私に助けを求めたのだ、ならば私が救うのが道理!今回は助けをお前たちに助けはいらない、私一人で十分だそれ以上は邪魔でしかない」
バッサリとサイロスが切り捨てる。
「そう、なら情報はいいわ、私たちであなたより先に捕まえるわ!」
そういってプールは部屋から出て行った。
「そう、今回の事件は私一人で十分なのだ…」
サイロスが夕日に染まる街を見下ろす。
「レイいる?」
プールがレイジの泊まっている部屋に入っていく。
「うぉ!プールか…脅かすなよ…」
レイジがびくびくしながらで迎える。
「どうしたのいったい?元気ないじゃない?」
「ああ、さっき痴女に追いかけられてな…トラウマになりそうなんだ」
レイジが震えながらつぶやく。
「まあ、いいわ烈火は?」
「どっか行った」
「またなの?肝心な時にいないんだから…まあいいわ!二人して何とかお兄ちゃんを出し抜くわよ!」
プールが力強く立ち上がる。
「おまえ、兄貴なんていたのかよ?」
「ええ、あなたと同じ旅人よ、そういえばあなたと同じ剣持ってたわね?それよく売ってるの?」
プールがレイジの剣を指さす。
「これ?いや、作ってもらった奴だから、そんなに数は無いぞ?俺の知る限りでは、他にはサイロス位か?」
「お兄ちゃんを知ってるの?」
プールが意外なつながりに驚く。
「アイツは意外と有名だぞ?あちこちで事件に首つっこんで、ひっかき回していくからな…」
やれやれと言った感じでつぶやく。
「あー、お兄ちゃんならやりそうね…」
「感謝している奴も、嫌ってる奴も相当いるぞ、ちなみに俺は面倒だからかかわりたくないタイプだ…似なくてよかったな」
「改めて今そう思ったわ…」
「日が沈んだか…そろそろ奴が動き出すところだな…」
サイロスはホテルの最上階に立つ。
「さて、始めるか…」
サイロスは両手を広げ自身の能力を発動する。
サイロスの能力は人体融合タイプの風の1St。
大気の風の流れを感じとり自由に操ることが出来る。
ここ数件の事件で、何人もの被害者が助けを求めているが、誰ひとりとして助けが来たことはなかった、それと同時に周りの音が消失している事がわかった。
そのためサイロスは相手は何らかの音に関する能力を持つ者だと推理した。
「私なら、不審な空気の動きを感じれる!捕獲してみせるぞ…」
サイロスは、ビルの屋上から飛び降り路地裏に入る、そして…
「これだな…にゃーん!にゃーん」
猫耳カチューシャを装備し猫のまねを始めた。
「さあこい!猫は私だ!」
サイロスは本気で捜査している。
サイロスは個人的にかなり好きなキャラクターです。
もっと活躍させたいですね。