スキルカオス   作:ホワイト・ラム

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作戦開始

粋な焼き鳥屋で、おそらく歴史上初の作戦会議が繰り広げられている。

「…という作戦なんだが」

この焼き鳥屋の主人、植誘が口を閉じる。

「その作戦大丈夫なの?」

プールが疑う。

「おそらくな、奴が空間移動タイプの可能性は低い、先ほど説明しただろう?」

「確かにそうだけど…」

「イザとなったらこれを使え、切り札になる筈だ」

植誘はポケットから小さな袋を取り出す。

「う、うんイタダキマス…レイ、今回の作戦詰めはあんただからね、しっかりしてよ?」

「ああ、わかってるって!」

プールの不安を余所にレイジが元気に返事をする。

 

翌日…

「プールさんホントにこれで大丈夫なんですか?」

リリィズの社長が不安そうに尋ねる。

「ええ、何とかなりそうです」

プールが製菓室を覗き込む。

(かなり不安だけどね…)

一人心の中でつぶやく。

 

深夜12時

予告状が出された時間だ。

プールはリリィズ内部で社長の護衛兼建物内の監視の役割を

レイジと烈火は建物の外で待機の役割をそれぞれになっている。

12時ジャスト。

ケーキが保存されている部屋の皿にスーッと一本のラインがひかれる。

「始まったわ!」

プールがレイジと烈火に連絡を入れる。

「ああ、こんなことが…」

顔面が蒼白になる、社長を余所に

バクリと皿に口が発生しケーキをかじった。

「やっぱり…空間干渉タイプじゃなくて人体発生タイプ…レイ!あとはお願い!」

「わかった!行くぜ烈火のおっさん!」

「おう!さぁて、お仕事のじかんだ!」

背中合わせで立っていた二人が同時に反対方向に走り出す。

「うぉおおおお何処だぁあああ!!」

「ホっホッホっと…」

レイジはリリィズの外周にうずくまっている男を見つける。

「見つけてぞ!お前がリリィズ襲撃の犯人だな!」

「さぁて、何の…事だ?」

「シラを切るなよ?お前の胃の中身を見ればすぐにわかるぞ!」

レイジが問い詰める。

「はあ…言い訳できない…みたいだな…」

男がふらふらと立ち上がる。

「うえぇぷ、おごぉ!」

そういって男が嘔吐する。

「うわぁ…相当効いたみたいだな…」

レイジがつぶやく…

「うえっ…不味い…すさまじく不味い…いったいなんなんだ?あのケーキ…」

「ああ、あれな…」

 

昨日の作戦の内容はこうだ。

「いいか?相手はおそらく空間干渉タイプではない、もしそうなら一口ずつではなく、一つ丸ごと食べていくはずだ、それに今回はケーキ自体の数も多い移動させるタイプではないだろう、おそらく直接皿に口を作って食べているのだろう」

「皿に口?人体発生タイプってこと?」

プールが疑問を呈す。

「ああ、人体の…いや正確には口の2Stか?おかしなストーンだが実際に腕を生やす能力や、眼球を離れた壁に発生させる奴を知っている…今回はこのタイプだろう」

「ホント何でもアリねスキルストーンは…」

「おそらくW・I・Mの作ったストーンだろう…最近現れたおかしなストーンを配ってる組織だ…」

植誘がクイッとビールを煽る。

「そんなことまで知ってるのね?」

プールが探りを入れるように聞く

「ああ、噂好きなんだ…間違っても深追いはするなよ?」

植誘が一瞬だけ殺気を出す。

「さて、対策だが…正直言うと無い」

きっぱりと植誘は言い切る。

「じゃ、どうするのよ?」

「売れ残ったチョコフルトを使う、これを使いケーキを作るのだ」

「はぁ!?」

あまりの事態にプールがおかしな声を上げる。

「このチョコフルトには、人をおとなしくさせる効果がある…これを使ってケーキを作るのだ!断じて在庫処理ではないぞ?」

「「「在庫処理じゃない(ないか)(だぜ…)!」」」

 

 

「そんなに不味かったのか…あのケーキ…」

レイジがえずく男を見ながら思う。

「くう…そ、よくも、あんなものを食わせたな…許さんぞ!」

 

所変わってサイロスは…

「にゃーん、にゃーん!にゃーん!」

猫耳をつけビルの間をさまよっていた。

「ムム!風の揺らぎを感じるな…向こうか!」

サイロスが夜の街を走る。

「見つけたぞ!変態め!」

今まさに女性にとびかかろうとする怪しい男を見つけた。

「貴様が獣タイプのストーン使用者を襲っている者か!」

サイロスは自身の剣を引き抜く。

「いかにも…吾輩がビーストハンターだ、よろしく頼むぞ?」

ビーストハンターがニヤリと笑う。

「覚悟はいいか?」

「なんだ?吾輩のファンか?悪いがサインは断っているんだ」

サイロスが剣を構えハンターが懐からナイフを取り出す。

 

先に動いたのはサイロス、自身の能力を使い踏込と同時に自身に追い風を拭かせ、およそ一歩半踏込を伸ばす。

横がひろくない路地のため攻撃が刺突になる。

「ほほぅ!」

ハンターは右手のナイフで一発目の刺突をずらす、しかし…

「むう、指が…」

ハンターの指に切り傷が出来る。

「風を刀身自体にまとわせたか…ただの刺突というよりもドリルに近いのか…」

ぺろりと指をなめるハンター

「その通り、俺の剣は風の媒体になっている、目に見える刃だけ見ていては回避できんぞ!」

「面白い!久しぶりに狩りがいのある獲物だ!」

今度はハンターが踏み込む。

迎え撃つようにサイロスが剣を立てに構える。

しかし…

「ぐあ!なんだ!」

強烈な頭痛に襲われる。

「平等に吾輩の能力もお教えしよう…吾輩の力は音の2St自由自在にあらゆる音を作り出せる」

灰色の石が埋め込まれたナイフを自慢げに見せる。

「なかなか素早いようだが…音速ほどではないな。さあ、躱せるかな?」

サイロスの体が大きく吹き飛ぶ。

「音の塊をぶつけた…と同時に三半規管を揺らさせてもらった、お前はもう立つことさえできない!」

自信満々にハンターが言い放つ。

 




ふう、久しぶりの更新です。
おそらく次回くらいには2章は完結予定です。
皆様よろしくお願いします。




サイロスが主人公より主人公してる…
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