スキルカオス   作:ホワイト・ラム

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おまたせしました。
コラボの続きになります。


一晩の宿を借りる

炸裂音と共に手榴弾が破裂する。

烈火はその音を建物の外で聞いていた。

「あぶねーあぶねー、偶然建物に穴が開いてなかったら今頃お陀仏だぜ」

烈火は手榴弾が投げ込まれたとき、すでに穴を見つけそこに飛び込んでいたのだ。

「さてと……さっきの様子から仲良く酒飲みながら、お話しして和解ってのは無理そうだよな?」

建物の外に待機していた、先ほどの男と同じ軍服を纏った男を睨みつける。

軍服の男が自身の銃に手を掛ける。

「させねーよット!」

烈火は自身の足元に有った建物の破片を、男に向かい力の限り蹴り飛ばす。

「ぐう!」

破片が男の顔に直撃する、その衝撃で男の視界から烈火の姿が消える。

烈火はそのまま男の方に走り込み銃口を握った、当然だが銃弾は銃口から出る銃口の先に居なければ銃弾は当たらない。

烈火はそのまま銃を自身の方に引っ張る、男の肩にかかったベルトに引っ張られ男が大勢を崩す。

「歯ァ食いしばれ!」

左手で男の鼻向けて拳骨をめり込ませる。

2発3発と連続し拳を叩き込む。

男の鼻血で拳が真っ赤に染まる。

「先に撃って来たのはソッチだ!容赦しねーぞ!」

男は銃に頼るのをやめ、自身の服に収められていたサバイバルナイフに手を掛ける。

「言ったろ?容赦はしないってな!」

烈火はナイフを奪い取ると男ののど元に深々と突き立てた。

「がふ!」

男は血を吐き動かなくなった。

「チッ!いやな感触だ……」

烈火が手早く男から銃を奪い取る。

「あー見た事ねー銃だな。まあ何とかなるか!」

銃の構造を調べてみる。

 

所変わって再び廃墟の酒場

「こちら、ヴァヌルス17不審者の死体が無い。そちらに逃げた模様!ヴァヌルス16速やかに処理されたし」

手榴弾を投げた男が通信をしていた、烈火の死体を確認しようとしたが発見できなかったため連絡を入れている、通信の相手はもちろん烈火と先ほど交戦した男である。

 

「なんでぃ!大の男がさっそく泣き言かい?」

いきなりの声に驚き入口の方を向く、そこには先ほど取り逃がした男が自軍の銃を持ち悠然と立っていた。

「ッ!」

気が付くと同時に銃の安全装置を解除し、フルオートで男に打ち込もうとするが。

「まあ、一歩おせーわな?」

男が自分より早くトリガーを引いていた。

銃弾を食らい、自分が撃たれたことを理解したヴァヌルス17の意識が暗闇に包まれていった。

ヴェヌルス17と呼ばれた彼が最後に思い出すのは……

 

「ワリィな……俺様も生きるのに必死なんだわ……」

烈火がヴァヌルス17、16両名の死体から使えそうなものを剥ぎ取る、死体を侮辱するようで気は進まないが、烈火最大の武器である烈火狂儘は使用できない以上それに代わる武器が必要になってくる。

「お!ラッキー!煙草じゃねーか!コイツ隠れて吸ってやがったな?」

ヴェヌルス17の内ポケットから煙草とレーション用の紙マッチを発見する烈火。

そしてもう一枚紙が出てくる。

烈火はその紙を何気なく見て絶句した。

「ッ!すまねぇ……」

それはヴァヌル17の隣で微笑む女性と、ヤンチャ盛りの小さな双子の男の子が写った写真だった。

烈火は生きるため二人の命を奪った、奪わなければ奪われる状況であり誰も烈火の行動は非難することは出来ないだろう、だが家にはヴァヌル17の帰りを待つであろう三人を見てわずかに気分が暗くなる烈火だった。

「ここの煙草は不味いなー」

自身の暗い気分を誤魔化すため煙草に火を付け一人つぶやく。

「やっぱ不味いなー」

誰に聞かせるでもなくもう一度つぶやく。

烈火の吐き出した煙が曇天の空に消えて行った。

 

二人の死体を酒場のカウンターの下に隠す。

「さてと……まだ死にたくないよな?誰だってそうだ、俺様もそうだからな……さあ意地汚く生に縋り付いてみますか……」

烈火は二人分の装備を持つと廃墟の酒場から抜け出した。

「目指すはとにかく一息つける場所だな……探してみっかな」

残り少ない煙草に気を付けながら廃墟の街をさまよう。

 

とある廃墟に地下を見つけた烈火はそこに隠れてその日の夜を過ごした、地下に有ったのは荒れ果てた家具と2体の人骨。

お互いが重なり合うように倒れていた、おそらく子どもとその母親とおもわれる。

「すまねぇが今夜の宿がねーんだ、一晩泊めてくれ」

そう言って床に座り込んだ。

リュックを漁り兵士二人から奪った携帯食料で質素な夕食を済ませる。

「クチャ、クチャ……チッ!イマイチだな!人殺すモンばっか上手にこさえやがって……食いモンセンスはまだまだだな!この味のレストランが有っても俺様は先ずいかねーな」

一人ぼやく烈火の様子を2体の人骨の穴がのぞいていた。

「ああ、そうだな。メシが不味いのも生きてる証拠か……」

そう言って再び携帯食用に手を付ける。

 

翌日烈火は酷く不快な音で目が覚めた。

女性の僅かに色を含んだ声と大量の男どもの下品な声、そしてそれを上回る女性の悲鳴

「あん?溜まってるってヤツかね?チッ!なんにしても近年まれにみる最悪の目覚めだ!」

おそらく地上ではケダモノとなった男たちの宴が繰り広げられているんだろう。

場合によってはここも危険になる、手早く荷物をまとめ銃を手にする。

「一晩泊めてくれてありがとな!ちょっと上の住人に苦情言ってくら!」

親子に別れを告げ、地下から飛び出そうとする。

その瞬間地上から爆音が成り響いた。

「なんだぁ?どっかのバカがミサイルでも打ち込んだか!?」

崩れる前にと地下室を飛び出し、建物の影から周りの様子を探る。

地上はまさに地獄絵図。

大量の人体がバラバラで落ちている、まさに「吐いて捨てるほど」という表現が当たる。

さらに見た事ない服を着た奴らが戦闘をしている。

「ヒュー!おっかねーな!」

戦闘というには一方的すぎる気がする、残存兵を潰して回っているというのが正しいか。

「奴らあの建物狙ってんのか?」

見た事ない奴らが一つの建物に向かっていく。

「なんか有るなら行ってみっか!」

気づかれないように後ろをついて行く。

しかし……

「隠れても無駄だよ、オジサン?」

烈火はその声があまりにも若いため驚いた。

しかし相手は自分より圧倒的に手練れ、隠れるのは無意味だった。

「チッ……ばれてたのかよ」

建物の影から身を出す。

相手はどう見ても未成年の子供。

「魔法か何かかい?嬢ちゃん」

何度目かのつらい現実に頭を押さえた。

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