スキルカオス   作:ホワイト・ラム

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弟子と酔いどれ

「ねえ、そういえば烈火は何処?」

レイジ達の会話を聞いていたが烈火の声がしないことに気が付いた。

辺りを見回すが烈火はいない。

「カウス、烈火を知らない?」

メンバーのもっとの後ろを歩いていたカウスに尋ねるプール。

「知りませんね、ずっとレイさんの背中ばかり見てました!ゆらゆら揺れる影が私を誘ってる気がします!」

聴いていないところまでうっとりしながら話す。

「はあ~、またどっかに消えたのね。まあいいわ、そのうち帰ってくるでしょう」

何時もの事なのであまり気にしない事にしたプール。

 

その頃烈火は……

「やべーぞ、完全にレイ公どもとはぐれちまった……どこだよ此処?」

一人で森の中をさ迷っていた。

「……123!124!125!」

「ん?誰かの声か?……行ってみっかな」

森の奥から人の声をに気付きそちらの方に歩いて行った。

しばらく歩くと視界が開けた。

烈火はその時知らなかったがそこはやおうの工房の裏だった。

「134!135!136!はぁはぁ!」

男が巨大な鉄の棒を素振りしていた、かなりの重量なのか周りには汗が舞っている。

「よ!精が出るな」

素振りしていた青年に声をかける。

「ん?アンタは?」

青年が烈火の声に気付き振り返る。

「な~に、しがない旅人さ。んな事より何してんだ?こんな物騒なモン振り回して?」

青年がさっきまで振り回していた鉄の棒を一瞥した。

「修行です、もっと力を付けて世界中を旅したいんです」

青年 ジェッソが笑いかける。

「力ね?スキルストーンじゃダメなのか?」

烈火の疑問はもっともである。

この世界においてスキルストーンは護身のための基本、それを使わない理由があるとするなら……

「ああ、ダメなんです。なんかストーンと相性が悪くて、全くってわけじゃないんですけど、言う事聞いてくれないんですよ」

ジェッソが自虐的に笑う。

「で、ストーンの次は東国の武器か?」

「そんな所です」

ジェッソが素振りを再開する。

「ま!死なない程度にガンバんな!」

近くの岩に腰をおろし烈火狂儘を抜き煙草に火を付ける。

「それ……スキルストーンですよね?ランクはなんですか?」

ジェッソが素振りをしながら聴く。

「ん?コイツか?クイーンランクだ、じゃじゃ馬な女王様さ」

一瞬苦い顔をしながらも、煙草を楽しむ。

「クイーンランク!?絵札じゃないですか!?」

ジェッソが驚き手から鉄の棒を落とす。

この世界ではスキルストーンにランクがトランプになぞらえつけられている。

ジャックをはじめとする絵札はかなりの力を持ち、大変貴重とされている。

「あんま羨ましがるなよ?コイツはそんなイイもんじゃねーよ」

烈火狂儘をなでながら話す。

「いいな~それだけのランクが有れば何でもできるでしょ?」

羨ましそうなジェッソ。

しかし

「何でもってのは無理だな、究極的な所こいつは火を着けてもの燃やす兵器だ、こんなもん最初からなければ良かったのさ」

対照的に辛そうに話す烈火。

何時もの調子は無く、ただ静かに語った。

「じゃあそれ、俺にくれよ!幸いにも加工品だから全く使えないってことは無いだろ?」

ジェッソの口調が変わり縋り付くような声色になる。

「ダメだ」

一言そう言うと立ち上がって、工房の前に向かって歩いて行った。

ジェッソが未練を持った瞳で烈火狂儘を見送った。

 

「あ!烈火のオッサン!どこ行ってたんだよ!?心配したんだぞ?」

レイジが工房の後ろから出てきた烈火を見て駆け寄る。

「ワリワリ!道に迷っちまったハハハ!」

頭を掻きながら笑う。

 

「んもぅ!!勝手にいなくならないでって何時も言ってるでしょ!?最悪よ!そうそうこの近くに宿が有るみたいだから今日はそこに泊まりましょ?」

プールが提案する。

「そうだな、俺の剣直るまで3日かかるみたいだし」

「私レイさんと同じ部屋が良いです!」

「却下よ!」

「残念です……」

今後の予定を決めるメンバーたち。

「街なら俺も行きます!」

工房の後ろからジェッソが現れる。

「ん?素振りはもういいのか?」

レイジがジェッソに聞いた。

「師匠たちの食材の買い出しです」

「そっか、じゃあ一緒に行くか」

レイジ達が街に向かって歩き出す。

「レイジさんって昔師匠から剣貰ってるんですよね?」

興味深々と言った感じで聞いてくる。

「ああ、サイロスって奴と一緒に……半年くらいかな?いろいろやらされたよ」

遠い目をするレイジ。

「へー!旅は楽しいですか?」

「ああ、楽しいよ。いろんな景色見て、いろんな奴らと出会って……世界政府に加盟して無い危険区域にはヤバイ奴も多いけどな」

懐かしむように語った。

「へ~良いですね!私もレイさんと一緒に色々見たりしたいです!」

レイジの腕にカウスが雪崩掛かる。

 

「ずいぶんとさびれているな……」

半場ゴーストタウンと化した街を見てレイジがつぶやく。

「ここはウィビエスの様に鉱山として使われたらしいわ、もっともスキルストーンはもうでなくて、今は金属が僅かに取れる程度だけどね」

デバイスの様な物を取り出し情報を見る

「ただの鉄は今はスキルストーンで簡単に発見できるけど、ストーンがあまりなかった時は栄えていたみたい、立地が悪いからウィビエスみたいに発展はしなかったみたいだけど」

プールがそういって説明する。

「プールソレなんだ?」

レイジがプールの持つデバイスをレイジが指さす。

「え?これ?世界政府が作った情報デバイスよ。旧時代の技術が使われているの、街の情報やストーン犯罪者いろんな情報が読めるの、私の頑張りが認められて、本部から支給されたのよ?」

うれしそうに話すプール。

「よし!美味い飲み屋について調べてくれ!」

烈火そう話す。

(なんでなんだ?なんでこんな奴らがスキルストーンを使えるんだ?)

レイジ達の少し後ろでジェッソが手を強く握った。

 

 

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