スキルカオス   作:ホワイト・ラム

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決着

「うおおおおおお!」

ジェッソが自身よりも巨大なソードブレイカーを振り下ろす!

「レイさん下がって!」

カウスがジェッソの足元に再びピッキング用針を投げ込む、その瞬間音の塊がジェッソを攻撃する。

「女!またお前か!」

鬼気迫る表情でジェッソがカウスを睨みつける。

「レイさん!武器のリーチの差で不利です!飛び道具で遠距離から仕留めてください!」

「遠距離武器?そんな事言われても……」

レイジの戦闘スタイルは、自身のスキルストーンを使用しての高速移動と双剣での連続攻撃、遠距離の武器は存在しない。

「ないなら私がやります!」

そう言ってカウスが懐から大量のピッキング針を取り出す!

そのあまりの量に味方にもかかわらずたじろぐレイジ。

「カウス?一体いくつ針持ってんだ?」

「とりあえずたくさんとだけ言っておきますよっと!」

そう言いながら針をジェッソに投げつける。

「甘いんだよ!」

そう言いながらソードブレイカーで針を叩き落とす。

「まだまだありますよ!」

再び針を投げるが……

「どうなっているんです!?」

ジェッソに届く前に針が空中で力を失い地面に落下する。

「たぶんアイツのスキルストーンが針を操ってるんだ!アイツには鉄を使った飛び道具は聞かないみたいだな……」

レイジが冷静に推理する。

「そう言う事だぜ?せ・ん・ぱ・い」

ジェッソが笑いながらソードブレイカーを投げ捨てる、するとソレは意志を持っているように、ふよふよ動きだした。

「見ろよ、もういちいち手に持って振る必要すらないんだぜ?」

ピンと立てた指さきでソードブレイカーがくるくる回る。

「おい、ソレ拾えよ」

レイジがソードブレイカーを指さす。

「ん?良いのか?コイツが有るとアンタ不利になるんじゃないのか?」

嫌らしくニヤニヤしている。

ジェッソの中には、鉄を武器にしているコイツは鉄を操れる自分の前では、完全に無力だと思っているのだ。

「不利なんかじゃないさ、俺の剣は最高の名作だお前の作ったナマクラなんかに負けはしない!その趣味の悪いの!俺がぶっ壊してやる!」

剣を構え自身の時間を加速しとびかかった。

「ナマクラ?ぶっ壊す?俺のソードブレイカーを?ハッ!!威勢は良いな!その刀ごとお前のプライドをへし折ってやるよ!」

ジェッソが空中に浮かべたソードブレイカーを握る。

「折れろ!!刀!」

勢いよくレイジに向かってソードブレイカーを振り下ろす!

「今だ!さらに加速!」

レイジがさらに自分を加速させそのまま二本の剣でソードブレイカーに全力で叩きつける!

「おらぁ!」

「おもしれぇ!」

二つの剣が能力の効果の元、高速でぶつかり合った!

 

パキィ!

 

小気味の良い音がして、ジェッソのソードブレイカーが真っ二つに折れた。

「そんな……馬鹿な……俺の刀が……」

能力を使うのも忘れ、呆然と自分の折れたソードブレイカーを見ていた。

「当たり前だ馬鹿モン!」

今までただ見ていたヤオウがこの時口を開いた。

「俺の国では刀は魂に同じ、それが折れる事は魂が折れる事も同じ!だから俺は折れない刀を作るため努力を重ねる!お前は剣術も刀自身もお前自身すらもまだ未熟なのだ!」

「そんなハズはない……そんなハズは無いんだ!」

ジェッソが折れたソードブレイカーをヤオウに突き刺した!

 

 

 

 

 

 

「はあはあ、ワタシはまだまけてないわ……」

巨大な蟹が烈火を睨みつけている。

蟹の足は何本も吹き飛び、キャンサーが生きている事自体が不思議なくらいだった。

「もう辞めようや……アンタは俺様の目的じゃねーんだよ」

烈火狂儘の所々から炎が噴き出ている。

「まだって言ってるでしょう!!」

残った爪を烈火に振り下ろす!

しかし……

「わっかんねーヤツだな……」

烈火が烈火狂儘を構える。

「があ、!な!なんだ!?」

突如として地面にうずくまる烈火。

「まったく何をしているの?」

烈火の後ろから声がした。

「なんじゃこりゃ?」

動こうとも体が殆ど動かなかった。

「あら、グラちゃん来てくれたの?」

キャンサーが明るい声で話し出す。

「ええ、貴方があまりにも遅いから、見にきたの」

僅かに毒を含んだ物言い。

「キャンサーがここまでやられるなんて、あなた強いのね」

烈火の目の前にハイヒールを履いた足が見えた。

「どう?貴方W・I・Mのメンバーにならない?もちろん使い捨てのゴミじゃなくてキャンサーみたいに配る側よ?」

烈火を拘束する力が弱まり、はじめて烈火は女の全体図を見ることが出来た。

かなり若く美人の部類の女だった。

「なんで俺様を誘うんだ?あそこで転がってるカニカマお前の仲間だろ?そいつをボコった俺様を引き入れて良いのかよ?」

「ええ、キャンサーは仲間よ。けどね?私達はもっと仲間が欲しいの!もっと強力で優秀な仲間がね!」

女が笑う。

「グラちゃん!?コイツを仲間に加えるの!?」

女の言葉にキャンサーが目を見開く。

「ええ、だってあなたよりも強いんでしょ?」

「今回は……油断しただけよ!!油断さえしなければワタシの方が強いわ!」

ボロボロの身体を引きずり立ち上がろうとする。

「そう、油断したのね?スキルストーンを配る側にもかかわらず油断したのね?」

女が強く詰め寄る。

「うぐ……」

「まあいいわ、今回は時間も迫っているみたいだし私たちは失礼するわ、スカウトの件次までにかんがえておいてくれる?」

そう言って女は森の中に消えて行った。

「男には勝ったが女には負けたか……まだまだヤバイ奴らはいるもんだな……」

そう言って煙草に火を着ける。

考えるのはウコギナーグで起こるであろう戦いの事。

「アイツレベルが何人いるんだ……?」

烈火は自身の不安を消すように煙草をもみ消した。

 

 

 

「お前の刀はやっぱり未熟だな……」

ヤオウが腹に剣を付きたてられながら言う。

言わずもなが、腹から血が流れおちている。

「ナマクラすぎてまともに俺すら殺せん!」

ジェッソの手から半分だけのソードブレイカーが落ちた。

「あ、おれ……」

ジェッソが呆然とする。

「お前は破門だ!どこだろうが行くがいい!」

そう言ってヤオウは怒鳴りつけた。

「ひ!ひいいいい!」

ジェッソがそう言って森に逃げて行った。

「すまねぇレイジ、逃がしちまった」

ヤオウが申し訳なさそうに言う。

「かまわねーって、俺は政府の役員じゃないからな……それにアイツには牢獄で反省するより新しい考え方を持ってほしいんだ」

レイジは逃げるジェッソをわざと見逃した。

「剣ありがとな、オレそろそろ行かなくちゃいけないんだ」

「解った、何時でも戻ってこいよ?」

「せんキュー」

そう言ってレイジとカウスは街の宿に向かっていた。

戦力はそろった、目の前のウコギナーグはすぐそこだ。

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