こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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(`・ω・)三箱目、行っきまぁーす!
なんの脈絡も無く、いきなり生徒会戦挙編。



「横っちinめだかボックス・書き逃げ体験版3」

試しの三箱「“言霊”って知ってるか?」

 

 

 

 

球磨川禊(くまがわみそぎ)の策略によって始まった「生徒会戦挙」。

 

庶務戦は球磨川と善吉の引き分けと言う形で幕を下ろした。

だがそれは球磨川は例え死んでも生き返るという自分の死をも「無かった事にする」という過負荷(マイナス)大嘘憑き(オールフィクション)』の最悪さを再確認するという事でもあった。

 

さらに、庶務戦の最中に凶化合宿中の阿久根と喜界島、そして黒神真黒と前生徒会長日乃影空洞はマイナス十三組の強襲に会い、書記戦以降のバトルをリタイアするしかなかった。

 

そして新生徒会書記の志布志飛沫(しぶししぶき)との確執から現生徒会からは名瀬夭歌が書記代理として参戦する事になった。

 

そして、八月一日生徒会戦挙二日目――

会場となるのは多目的運動施設「箱庭ドーム」である。

 

「では、時間も押してまいりましたので書記戦の試合形式を決めたいと思います。挑戦者である新生徒会の志布志さま、十三枚のカードの中からお好きな一枚をお選びください」

 

「ふーん、そうだな。ど・れ・に・し・よ・う・か・なっと……」

 

選挙管理委員会副委員長、長者原融通(ちょうじゃばるとけみち)の宣言で生徒会戦挙書記戦が始まろうとしていた。

ちなみに我等が横島忠夫は凶化合宿に強制参加させられていたが例の如く既に復活しており、この場に強制召集されていた。

 

そして志布志が選んだカードは。

 

「そーだな、『巳』は怖いから『卯』にしとこうかな。と言う訳で私は卯のカードを選ぶぜ」

「『卯』でございますね。相、分かりました。その慎重さ、このわたくしめ、ただただ敬服するばかりでございます。さて、書記戦の形式は『二兎を追う因幡の白兎』と相成りました」

「……それはどの様なルールで行われるのだ?長者春二年生」

「では説明させていただきます。ルールといたしましては候補者の他に各陣営より一人づつサブパートナーとして競技に参加していただく事になります。形式としてはタッグ戦と言う事になるのでしょうか」

「サブパートナー?それって誰でも構わないの?」

「はい、既に試合の終わった候補者でもかまいませんよ」

「『ん~』『じゃーまー僕でしょ』『面倒だけど、一応リーダーだし』『仕方ないなあー』」

 

球磨川は学生服も着ずにだらけきった表情で欠伸をしながら参戦を宣言する。

 

【じゃあ、こっちは横島を出すぜ】

「ちょっ!?夭歌、何を勝手に?」

【五月蠅えっ!庶務戦じゃ人吉があれだけ男を魅せたんだ、それにてめぇの“あの能力(スキル)”があれば球磨川先輩相手でも上手く渡り合えるだろ】

「『…へえ』『それは聞き捨てならないね』『なら僕もちょっと本気になろうかな』」

 

名瀬の言葉に興味をそそられたのか、球磨川の緩んでいた目が鋭さを増し、学生服を着こむとやる気を取り戻した。

 

「ほら見ろーーっ!お前が余計な事言うから本気になったやないかーーっ!」

【それでいいんだよ、この機会にてめぇのスキルも丸裸にしてもらうぜ】

「いややーーーっ!せめて志布志ちゃんと」

【馬鹿かてめぇは、アイツは俺様の相手だ。安心しな、てめぇが死んでも俺様が勝てば書記戦はこっちの勝ちだ】

「横島先輩、いくら言っても無駄っス。名瀬師匠には逆らっても勝てないですよ」

 

泣き喚き、善吉に肩を叩かれ慰められる横島を志布志は冷ややかに見ている。

 

「なっさけねー男だな。球磨川さんが出るまでも無く私だけで十分勝てるぜ」

「『そうかい?』『僕は逆にちょっとだけ興味が湧いて来たよ』『それに忠夫ちゃんは志布志ちゃんの異常性(アブノーマル)でやっつけた筈なのにピンピンしてるんだろ?』」

「そうなんだよな。ちゃんと血の海に沈めて来た筈なのに」

 

 

―◇◆◇―

 

「では双方準備は宜しいでしょうか?それでは会計戦の厳密なルールを説明させていただきます。参加されるサブパートナーは横島さまと球磨川さまでございますね。それだはお二方にはこのシールを服の内側、素肌にお貼り下さい」

「何じゃこれは、…兎のシール?」

「はい。そして候補者の方々には各相手側のサブパートナーの服を剥ぎ、そのシールを入手する事が勝利条件となります」

「へ~。なあ、その際勢い余ってシールを相手の皮ごと剥ぐのは有りなのか?」

「勿論有りで御座います。黒箱塾時代にはまさに相手の皮を剥ぐ事が勝利条件で御座いましたから」

【成程、だから「因幡の白兎」か】

 

志布志の質問に長者春は淡々と答える。だが、黒神めだかは慌てて異を唱える。

 

「皮を剥ぐ事を黙認するだと?ちょっと待て、長者春二年生!そんな事をすれば下手をすれば死んでしまうではないか」

「そうは申されても黒神さま、元々この生徒会戦挙に黒箱塾時代のルールを持ち出して来たのは貴女さまで御座います。ならば多少過酷だとは言え口出しされるのはどうかと」

「くっ…」

「『そうそう』『自分の発言には責任を持たないとね』」

 

球磨川の言葉にめだかが言い淀んでいると数名の足音が聞こえて来た。

 

「どうやら間にあった様だね」

 

そこに入り口から数名が歩いて来る。

やって来たのは黒神真黒、日之影空洞(ひのかげくうどう)、喜界島もがな、そして日之影に支えられた阿久根高貴である。

 

 

「『あれ?』『真黒くん達は入院してたんじゃなかったっけ?』」

「馬鹿なっ!? あれだけ古傷を開いたのにこんなに早く動けるようになるわけが」

 

「お兄様?」

「真黒君!? どうして貴方達が此処に?まだ到底動ける傷じゃ無かった筈なのに」

「それなら忠夫君に治してもらったんだよ」

【ああ。あれは見事だったぜ、是非今度解剖し(いじくりまわさ)ないとな】

「ぶっそーな事言うんじゃねぇーーっ!」

 

人吉瞳は横島があの傷を治療したと聞いて驚いていた。

横島の事は良く知っていたが自分や名瀬ですら完治させる事の出来なかった真黒達の傷をこんな短期間で治す事が出来る様な治療技術を持っているとは聞いてなかったのだから。

 

「た、忠夫君。何時の間にそんな治療技術を?」

「いえ、人吉先生。忠夫くんは僕達を治療してませんよ。ただ、『治』してもらったんですよ。“文字通り”にね」

「“文字通り”?まあ、それはそれとして何故阿久根書記だけ傷ついたままなのだ?」

「横島ぁっ!貴様何故僕だけ『治』さなかった!? 本来ならこの書記戦は僕が出る筈なんだぞ」

「俺に言うな。文句なら夭歌に言え、夭歌に」

【当然だろ。高貴君を『治』したら俺様が代理として出れねえじゃねえか】

 

そう言いながら名瀬は志布志を睨みつけるが志布志はそんな名瀬の射すような視線を受けながらもニヤニヤと笑うだけだった。

 

「さて、競技に参加される四名様は舞台となる競技場にお入り下さい。それ以外の方々は観客席へと移動をお願いいたします。くれぐれも申しておきますがいくらチームメイトが窮地に立たされたとしても決して助けにはお入りにならない様に。その場合は助けられたチームの敗北となりますので」

 

名瀬に横島、志布志と球磨川が戦いの舞台になる競技場に入り、めだか達が観客席に入る。

 

「それでは書記戦『二兎を追う因幡の白兎』スター…」

 

長者春がスタートを宣言しようとしたその瞬間、名瀬と横島の体から切り裂かれた様な傷が走り、二人共血まみれになって倒れる。

 

「きゃあぁっ!名瀬ちゃん!」

「あれだ、あの正体不明の攻撃に俺達も為すすべなくやられちまったんだ!」

「ああ、あの攻撃の正体は僕の「解析(アナリスト)」でも解析不能なんだ」

 

「どうしたんだい名瀬先輩に横島先輩?まさか行儀良く試合開始のゴングを待ってたって言うんじゃないんだろーな?生憎死合場に入った瞬間に…いや、凶日(きょう)という日が始まった時からバトルは始まってるんだぜ」

 

志布志は倒れ伏している名瀬の頭を踏みしめ、笑いながらそう言う。

 

「な、何だ?名瀬師匠と横島先輩の体から血が吹き出した!?」

「『あれ?不思議かい?』『そりゃそうだろうね』『よーし、出血大サービスだ』『飛沫ちゃん、忠夫ちゃん達の出血の原因わけを教えて上げなよ』」

「ああ、別にかまわまいぜ。別に隠すほどの事じゃなねえしな。他人の古傷を開く、それがあたしの過負荷(マイナス)致死武器(スカーデット)』だ

 

【古傷を開くか……どうりで治したばかりの右手の傷が開いている訳だ】

 

名瀬が右手の手袋を取ると、携帯を握り潰した時に出来た傷があの時のそのまま開いていた。

そしてその視線を横島に向けると横島の頭を思い切り何度も蹴りまくる。

 

【てめぇ、何時まで死んだ振りしてやがる。さっさと俺様も治しやがれ!】

「痛、痛、分かった分かった。くそー、こんなんばっかりや」

 

何時もの様にひょっこりと立ち上がると名瀬に近寄り言葉を紡ぐ。

 

「『治』す」

 

そう呟くと彼の右手の中から光が零れ、その手の中に薄緑色のビー玉サイズの珠が現れ、その中央付近には『治』の文字が刻まれていた。

 

「ほれ」

 

その珠を名瀬に投げつけると彼女の傷はまるで逆再生されるかのように消えていく。

 

「『……』『へえ~~』」

「な、何だよそれ?まるで球磨川先輩の『大嘘吐き(オールフィクション)』じゃねえか」

 

「横島丁稚!貴様一体何をした!?」

「俺達の時と同じだ」

「日之影先輩、横島先輩は何を?」

「あの光る珠の様な物を使って俺達の体を瞬時に治したんだ。今の名瀬の様にな」

 

【おい、横島。てめーもその能力(スキル)を説明してやれよ。正直俺様達も知りてぇんでな】

 

名瀬が体に付いた埃を振り払いながら立ち上がると横島にそう言う。

 

「仕方ねえな。おい、球磨川」

「『何だい、忠夫ちゃん』」

「“言霊”って知ってるか?」

「言霊?何だよそりゃ?」

「『こと-だま【言霊】《名》古代日本で、ことばに宿ると信じられていた神秘的な霊力。』『「‐の幸さきわう国(=ことばの霊力が幸福をもたらす国。日本のこと)」(au内蔵、明鏡国語辞典より)だね』

「それがどうしたって言うんだよ?」

【…なるほどな、そー言う事だったのか】

 

「なるほどね、ようやく理解出来たよ」

「どう言う事っスか、真黒さん?」

「珠磨川が言っていたであろう。『ことばに宿ると信じられていた神秘的な霊力』と。つまり、横島丁稚の能力(スキル)はその神秘的な霊力とやらを自在に使う事が出来るという訳だ」

 

めだかの説明を受けて、善吉が横島を見ると横島は「そー言う事」とでも言う様に二ヤッと笑っていた。

 

「言霊に宿る力、それを文字の珠にして、その力を開放し言霊を具現化する。つまり、“文字の力が宿る珠”これが俺の霊能力(スキル)、『文珠(もんじゅ)』だ」

 

すると球磨川が溜息交じりに言って来る。

 

「『まったく』『いい加減にしてほしいよね』『週間少年ジャンプの主人公じゃあるまいし』『そんなとんでも超能力を使って来るなんてさ』」

「お前が言う事じゃ無いじゃろが!それに、どっちかと言うと『週刊少年サンデー』の主人公って感じだろう」

 

終わろう。

 

 




(`・ω・)書き逃げだと言っただろう?なのでとりあえずここで一時終了。
続きは一応頭の中にはあるのでいずれ書いてみようと思いまふ。

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