こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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キーやんとサっちゃんが救出の為の探索と言う名目で様々な世界の横島を覗き見していくと言うお話です。
元々その世界に居る横島も居れば別の世界から転移して来た横島も居ます。


「キーやんとサっちゃんの横島探索日記1・D.C.Ⅱ」

 

『キーやん!大変やキーやん!』

『サっちゃんではないですか。どうしました?』

『どうやら過激派の馬鹿共が転移魔方陣を使って横っちを何処か別の世界へ追放してしもうたようなんや』

『何ですってっ!』

『どないする?』

『どうするもこうするも探すしかないでしょう』

『やっぱり?』

『当然です!横島さんの事ですから別の世界に飛ばされたとしてもきっと色んなToLOVEるに巻き込まれるに決まっています。うかうかしていたら』

『せやな、うかうかしてたら』

 

『『面白イベントを見逃してしまう!!』』

 

そして二柱は横島の探索を始めた。

彼を救う事は二の次、彼が巻き込まれる事になるであろう「女性絡み」のイベントを見逃さない為に。

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

『おっ!横っちがおったで』

『どれどれ』

 

 

其処はとある小さな島。

一年中桜が咲き誇り、心の底に秘めていた願いが叶う島。

 

その島の少しばかり時代を感じさせる家。

其処から二柱が探している彼の声が聞こえて来る。

 

「音姉ぇーーっ!ち、ちょっとタンマやっ!」

「どうしたの弟君?お部屋の掃除をしてあげるって言ってるだけじゃない」

「い、いや…。音姉の手を煩わせるまでもない、部屋の掃除は俺がする!」

「今までもそう言って、結局何時までも散らかったままじゃない。今日と言う今日は綺麗にします」

「大丈夫!今から掃除するから!音姉は居間でテレビでも見ててくれ!」

「……何をそんなに慌ててるの?怪しいな~」

 

彼、横島忠夫が音姉と呼ぶ女性、朝倉音姫は横島が通せんぼをしている部屋の中を覗こうとするが横島は冷や汗を流しながらも何とかして入らせまいとする。

 

「怪しくない、怪しくない、怪しい本なんか何処にも無い!」

「…怪しい本?」

「ああ、しまったぁーーーーーっ!」

「弟君、其処を退きなさい」

「そ、そうだ!今日の晩飯は音姉の大好きなカレーにしよう。やったねパパ、明日はホ 「退きなさい」 嫌ぁーーーーっ!」

 

そんな横島の嘆きの叫びを無視して、音姫は無理やり部屋の中へ入って行き、そのまま一直線にベッドに向かうと直ぐにしゃがんでその下へと手を差し込む。

 

そして取り出したのは横島のお宝の数々。

所謂、大人の参考書。

【エッチな本】である。

 

「弟君ーー!! 何なのこの本はーー!!」

「堪忍やーー!! しょうがないんや、男のロマンなんやーー!!」

「し、しかも胸が大きな女の人の本ばかり」

「そ、それは……」

「うう~~、どうせお姉ちゃんは……」

 

横島の前で音姫は自分の胸に手をやりながら瞳を潤ませていて、横島はというとギザギザな板の上で正座をさせられ、膝の上には石の板が何枚も乗せられている。

 

そんな横島の後ろでは音姫の妹、朝倉由夢がお宝写真集を縛り上げている。

その度に横島は『ああ~~!』と声を上げるが、その度に音姫から発せられるプレッシャーは高まって行く。

 

「弟君!何処を見てるの!」

「うう~~。ああっ!ナターシャ、エリザベス、ジャーネット!」

 

由夢によって運び出されて逝くお宝を見ながら横島は相棒達の名前を叫ぶ。

 

「弟君!!」

「うおお~~~んっ!」

 

 

 

「あれ?こんな所にも隠してあるよ」

 

クローゼットを捜していた由夢は数冊の本を取り出した。

 

「なぬ?其処に隠した覚えは」

「…由夢ちゃん、どんな本?」

「こんな本だよ」

 

由夢から受け取った本を見て音姫は絶句した。

 

「 『初めては妹と』『妹と留守番』『妹と禁断の…』『お兄ちゃん大好き』 」

 

本のタイトルを読み上げながら音姫はワナワナと震えていた。

 

「な、何じゃそれはーー!! そんな本を買った覚えは無いぞ!!」

「兄さん、言い訳は男らしくないですよ♪」(計画通り)

「お、お、弟君……」

「違うんやーー!! ワイは無実やーー!!」

「どうしてお姉ちゃんモノがないのーー!?」

「兄さんは妹萌えなんですね。困っちゃうなーー♪」

「弟君のバカーーーーッ!!」

「あんぎゃぁーーーーっ!!」

 

 

 

 

 

『どうやらこの横島さんは元からこの世界の住人のようですね』

『そのようやな』

『じゃあ堪能した事ですし次に行きますか』

『行きまひょか』

 

 

斯して彼等二柱による横島探索の旅は始まったのであった。

 

まる

 

 


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