こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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(`・ω・)後編でしゅ。


「横島、ダイ爆発!」(後編)

 

 

「久しぶりに行こうか『相棒!!』」

 

横島はダイの剣をデミアンに向けて一閃する。

そして、その剣から放たれる衝撃波はデミアンに襲い掛かり、切り裂かれた体は崩れ去って行く。

 

『な、何だと!? 私の体が』

 

デミアンは崩れて行く体を見ながらその威力に驚愕するが、すぐさま気持ちを落ち着かせて体を再生させて行く。

 

『す、すごい!横島さんがここまで強くなるなんて』

 

小竜姫が横島の力に感心していると残りのベルゼブル・クローンが一斉に横島へと襲い掛かる。

 

『何を手間取ってやがる。退けデミアン!俺がひと思いに…』

『バカ者!迂闊に近づくな!』

 

「ヒャド!」

 

襲い掛かって来たベルゼブル・クローンだが、横島は焦ることなく剣にヒャドをかけて魔法剣にすると、そのまま横薙ぎに一閃する。

 

「くらえ、氷結海波斬!」

 

『な?ギャアアアアアッ!』

 

海波斬の海をも切り裂く衝撃波はヒャドの凍気を撒き散らしながらクローン達を一瞬で凍りつかせて切り裂き、その体は次々と砕け散って日の光を受けて煌めかせ、その光景をデミアンは呆然としながら見つめていた。

 

『な、何故だ!? 人間など我ら魔族からすれば取るに取らない存在の筈。なのに…、何故此処まで我等が追いつめられる!?』

 

「そうやって見下してばかりだから私達の成長に気付かないのよ」

「そう言うこった!」

 

美神の神通鞭の連撃、雪之丞の連続霊波砲を受けデミアンの体はボロボロになるがすぐに再生してくる。

 

「まったく、しつっこいわね!いいかげんくたばったらどうなのよ!」

『図に乗るな!たかが人間が少しばかり力を付けた程度で私を倒せるとでも思っているのか!』

 

思っても見なかった反撃に憤るデミアンは体から無数の触手を繰り出し襲いかかって来た。

 

「くっ気持ち悪りい」

「何だこんなもの。バギマ!」

 

横島が放つバギマの真空の刃は触手と少年の姿をしたデミアンを切り裂いた。

その際にデミアンのポケットの中からカプセルの様なものが零れ落ち、そしてワルキューレはそれを見逃さなかった。

 

『ジーク、あれを見ろ!』

 

ワルキューレが指差したカプセルの中には親指ほどの胎児の様な魔物が居た。

 

『ギイイ』

 

『そうか!あれがデミアンの本体。あの巨体は奴が念力で動かしている肉の塊に過ぎなかったんだ』

「道理でいくら攻撃してもダメージを受けないわけよ」

『コイツさえ潰してしまえば』

 

ジークはカプセルを奪おうと飛びかかるが、デミアンはそれを易々と許しはしなかった。

 

『おのれ!私に触れるな!』

『グワァッ!』

 

デミアンが放った触手はカプセルを手に入れかけたジークを弾き飛ばし、その隙にデミアンは本体が入っているカプセルを掴み取るとそれを飲み込んだ。

 

『ハハハハハハ、こうすればお前達は私の本体を感知出来まい。私の勝ちだ!』

「そいつはどうかな?」

『何だと!?』

「横島クン?」

「何か勝算があるのか」

「まあな。(空の技が使えれば一発なんだがな、さすがに今の俺じゃ無理か)本体を直接狙えないなら貴様を丸ごと吹き飛ばせば良いだけの話だ!!』

 

『愚か者!そんな事が出来るわけがない』

「だったら受けてみろ!竜闘気(ドラゴニックオーラ)全開っ!」

 

横島の体から溢れる竜闘気は空に掲げるダイの剣に伝わって行く。

 

『こ、こんな事って。ここまで凄まじい竜気は今まで感じた事が有りません。ろ、老師、これは一体…』

『後で説明してやる。黙って見ておれ』

『は、はい』

 

「何処まで強くなりやがったんだこの野郎」

「もう、何が何だか…」

「こいつはオマケだ、ライデイーーン!」

 

雷鳴が轟き、稲妻のエネルギーが剣に加わる。

 

『馬鹿な!雷まで操るだと!?』

「ストラッシュは不完全版だがお前程度なら丁度いい」

 

横島はそう言いながら剣を逆手に持ちかえアバンストラッシュの構えをとる。

 

『程度…?私程度だと……。ふ、ふざけるなーーー!』

 

デミアンは怒りで目を赤く染め、横島に襲い掛かるが既に横島は剣を振り抜いていた。

 

「これで終わりだ。ライデインストラーーッシュ!」

 

空の技が使えない為に言葉通りの不完全版とはいえ、竜闘気とライデインを加えた必殺剣(ストラッシュ)はデミアンの体を消し去るには十分すぎ、デミアンの体はカプセルの中の本体ごとボロボロに崩れ去って行く。

 

『グワアアァァァーーーーッ!こ、こんな…私が……』

 

そんなデミアンの耳に美神の呟きが聞こえて来た。

 

「驚いたわね、時給255円の丁稚がここまで使える奴になるなんて」

『にっ、にひゃくご……。こ、コイツが?……、時給255円の丁稚にこの私が。な…納得いかーーんっ!』

 

最後の絶叫を残してデミアンは消え去った。

 

「ざまあ見なさい。あー、すっきりした。ほーほほほほほほほほほほ」

「ひ、ひでえ…」

 

最後のトドメの一言に流石の雪之丞もデミアンには同情するしかなかった。

そんな時、再び空から飛来して来る物があった。

 

「何だ?また何か来たぞ」

 

飛んで来たのはロン=ベルクが作ったダイの剣専用の鞘。

大地に突き刺さった鞘を抜き、ダイの剣を納めて背中に背負った横島に猿神や小竜姫達が駆け寄って来た。

 

『横島さん、大丈夫ですか?』

「あ、小竜姫様…だいj……」

『横島さん!』

 

大丈夫と応えようとすると横島の額から竜の紋章は消え、同時に力尽きたのか腰から崩れ落ちた横島を小竜姫がその体を支えた。

 

「横島!」

「ちょっと、あんたホントに大丈夫?」

「はい、大丈夫っス。力を使い果たしただけですから」

『良かった…』

「しょ、しょしょしょしょうりゅうきさま?」

『あらいやだ、私ったら』

 

安堵し、横島に抱きついた小竜姫は自分の行動に照れながら横を向くが横島の服の袖を掴んだ手は離さなかった。

 

「こ、これはやはり神と人の禁断の関係を……。いや、これじゃあまるでポップじゃ…。ポップ?…えっと、誰だっけ?」

 

横島は何時も通りに小竜姫へのセクハラをしようする。

しかし、ふと頭に浮かんだ懐かしさを感じる顔を思い浮かんだが、今はまだ前世の記憶と上手くリンク出来ないのか、それが誰なのかを思い出せないでいた。

 

それより、先ほどから殺気を感じる方に顔を向けると。

 

「横島クン」

「な、何スか?」

「アンタ、時給240円」

「な、何でですかーー!? 強くなったじゃないですかーー!?」

「うるさい!黙れ!」

 

言い争う美神達を見ながら猿神は呟いた。

 

『どうやらまだ完全には記憶は蘇っては無いようじゃな。まあ、蘇った所で横島は横島のままじゃろうがな』

『老師、申し訳ありませんが姉上の治療の為に一度魔界に帰りたいのですが』

 

ジークは重傷を負ったワルキューレを魔界へと連れ帰る為の許しを頼んでいた。

 

『いいじゃろ、事情が事情じゃからな。一時帰郷を許可する』

『ありがとうございます。さあ、姉上帰りましょう』

『ちょっと待て、…よ、横島』

 

ワルキューレは失いそうになる意識を必死に留めて横島に話しかける。

 

「どうした?」

『…あの時は……、お前を侮辱するような事を言ってすまなかった。お前の覚悟と闘志、確かに見せてもらった。…また会おう、戦士よ』

「…ああ。またなワルキューレ、それからジークもな」

『横島くん、僕達は人間と魔族だ。しかし…』

「そんなの関係無いって。もう仲間だろ、俺達」

『あ、ありがとう』

 

そう言いながら横島が差し出した拳にジークもまた笑顔で自分の拳をコツンとぶつける。

そしてジーク達は魔界に帰って行った。

 

『さて横島よ、一休みしたら修行の再開じゃぞ』

「へ?」

『今の闘いは前世での力が一時的に戻ったにすぎん。これから本格的に自分の物にする為の修行をせねばな』

『剣術は私に任せて下さい。みっちり教えて差し上げます♪』

「そう言う事なら俺も混ぜてもらうぜ」

『かまわぬぞ。何、加速空間で半年ぐらいかければ何とかなるじゃろ』

『頑張りましょうね、横島さん♪』

「ち、ちょっと、何を勝手に…」

 

 

「じゃあ、私は帰るから」

 

美神はいつの間にか着替えを済ませてカオスフライヤー2号に跨っていた。

 

「美神さーーん!何一人で帰ろうとしてるんスか!?」

「だって修行の邪魔しちゃ悪いし」

「仕事はどーするんですか?俺が居なくちゃ」

「半年と言っても加速空間での話でしょ。大丈夫よ二日ばかり休みをあげるから。当然、その分給料は減らすけど」

「な、な、な…」

 

ボーゼンとしている横島を小竜姫と雪乃丞はそれぞれ片手を持って引きずっていく。

 

『さあ、話も付いた事だしさっそく修行場に行きましょう』

「くっくっくっくっ、腕が鳴るぜ」

「そんな、俺も帰るーー!美神さーーん!」

 

引きずられていく横島を見ながら美神は気を引き締める。

 

(強くなりなさい横島クン、おそらくまだまだ強い敵が出て来るわ。どんな相手でも負けないように)

 

そんな思いを残して美神は妙神山を後にした。

 

 

 

 

 

―◇◆◇―

 

 

その頃、ダイの剣が飛び去った後のパプニカの岬では。

 

「ダイの剣は何処に飛んで行ったか解らないのか?」

「ふっ、俺を誰だと思ってる?自分の作った武器の在り処を特定する位訳は無い。だが、其処にどうやって行くかはまた別の問題だ」

 

クロコダインやロン達はダイの剣が飛び去った先にどうやって行くかを検討していた。

 

「ルーラでいける所なら問題ないんだがな」

「それだ、ルーラだ」

 

そうヒムが言うと、名案が浮かんだのかポップが叫んだ。

 

「だからルーラで行ける所じゃないと…」

「だから仲間と合流する為の呪文、リリルーラだよ。ダイの魂を受け継いでるのなら上手くいけばリリルーラが使えるんじゃないか?」

「…そうか、その手があった!」

「ああ、場所を特定した後でリリルーラを使い、駄目ならリリルーラは発動しないが成功すれば移動する。ダメ元でやってみる価値はあるんじゃないのか?」

「よし、その作戦で行こう。さっそく俺はダイの剣の場所を特定する」

「いいぞ!希望が見えて来た」

「だが、楽観はできんぞ。ダイの剣が飛んで行ったという事はダイ様の魂を受け継いでいる方は今、闘っているという事だ」

 

ヒュンケルの言葉を聞いた皆は顔を引き締める。

 

「分かっているさ、だからこそ急がんとな」

「待っていろよ、今はもうダイじゃないかもしれないけどダイの魂を受け継いでいるなら間違いなく俺達の仲間だ」

 

仲間達はそんなポップの言葉に頷きながら空へと目を向ける。

時と世界を越えた勇者との再会に想いを馳せつつ……。

 

 

後編・完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―◇◆◇―

 

………此処は魔界の奥深く、冥王竜ヴェルザーが封印されている場所。

だが、其処には封印され石柱となっていたヴェルザーはいなかった。

其処にあるのは粉々に砕かれ、辺り一面に散らばっているかつてヴェルザーだった欠片。

そして其処には一人の男が立ち、周りには膝を付いて平伏している数人の魔族。

 

「フハハハハハハ!いいぞ、この体はオレの魂によく馴染む。我が新たなる本体に相応しい。ハハハハハハハハハ!」

「おめでとうございますヴェルザー様」

「ウム。まさか神々共もオレの封印にこの様な抜け道があったとは夢にも思ってないだろう」

「ではヴェルザー様、これから如何なさいます?やはりまずは地上の制圧ですか?」

 

ヴェルザーは服を整えマントを(ひるがえ)しながら答えた。

 

「いや、まず何よりも為さねばならぬのは竜の騎士の抹殺だ」

「竜の騎士?しかし奴はキルに持たせた黒の核晶で消し飛んだ筈では」

「オレには感じる、奴は今異世界にいる。竜の騎士を倒し、奴との因縁を断ち切らぬ限り世界制覇など夢のまた夢だ」

「しかしどうやって異世界に?」

 

ヴェルザーは振り向き拳を握りしめながら答えた。

 

「心配はいらん。『この体』での超魔力をもってすれば次元を超える事など造作もない事よ」

「「「「ハハーーー!」」」」

 

ヴェルザーは雷鳴轟く魔界に広がる漆黒の大地を眺めながら叫ぶ。

 

「竜の騎士よ待っていろ!今度こそ貴様が地に平伏す番だ。このオレの、『魔竜人』の力でな。ハーーハハハハハハハハハハ!」

 

 

 

新たなる激戦が幕を開けようとしていた。

 

 

 

 

 

ドラゴンクエストGS~蘇る邪竜と復活の竜の騎士~

 

 

=冒険の書の記録に失敗すますた=

 

 

 

 

予定している横島のスペック

ちなみに横島は紋章を額と右手に自由に移動できる。

 

《紋章なし》

 

<霊波刀・ハンズオブグローリー・サイキックソーサー>

共に出力アップ。(およそ150マイト)

 

<文珠>

この物語では文珠の力には目覚めてないので使用不能。

 

《紋章あり》

 

<竜波刀>

竜闘気で作った霊波刀。色は金色で竜燐の模様あり。

 

<ドラゴニック・グローリー>

竜闘気で作った栄光の手、形は竜魔人の腕にそっくりで実体化している。

両手を合わせることで劣化版とはいえドルオーラ使用可能。(威力は本家のおよそ三分の一)

 

<紋章剣>

竜の紋章を右手に移し、霊波刀の様に剣の形にする。威力はダイの剣を上回るが無尽蔵に力を使う為に使用時間は10分が限界。

 

<バランの紋章>

ダイの紋章同様に受け継いではいるが、今現在横島が使えるのはダイの紋章だけでバランの紋章は未だ封印されている。

 

 

とりあえずはこんな所です。

 

 

 




(`・ω・)なんじゃこりゃと思いつつ、勇者ダイが転生した横島の話でございます。
猿神との修行で目覚めたのが文珠ではなく、竜の紋章だったら?何故かそんな妄想が頭の隅を横切ったのが始めです。
後、続きっぽく終わってるけど続かない罠。

(・ω・)ノシ<でわ、いずれまた。

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