こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

43 / 62
(`・ω・)…タイトル、どのセリフを選ぼうか迷ったら何故かこのセリフが選ばれてしまった。


五時間目「じゃあな、おねしょはするなよ by横島」

 

 

「ううう、うええ~~ん」

「いい加減に泣きやまんかい!男だろうが」

 

ネギはエヴァとの戦いで腰を抜かしたらしく、横島におぶってもらいながらも未だその背中で泣きじゃくっていた。

 

「だ、だって、怖かったんだもん…もう少しで…こ、殺され…」

 

そんな風にネギがぐずっていると。

 

「こら~~~~!!」

 

ツインテールの女の子が怒鳴りながら走って来た。

 

「あ、あの声はアスナさん」

「知り合いか?」

「はい。僕のクラスの生徒です」

「…僕のクラスの?」

 

そう聞き返そうとすると。

 

「何、ネギを苛めてんのよーー!!」

 

横島の顔面にアスナのドロップキックが炸裂した。

 

「ぐぼはあっ!!」

「うわあっ!よ、横島さん!!」

 

ネギはその場に落ちたが横島は二メートルほど吹き飛んだという。

(予断ではあるがその後、明日菜が中学生だと聞いた後、脳内HDDに焼きついてしまった”縞々”を削除しようとして四苦八苦する横島が居たという。結局削除は出来なかったようだが…)

 

 

 

五時間目

「じゃあな、おねしょはするなよ by横島」

 

 

 

「本当にゴメンなさい!!」

「いや、分かってくれたならもういいよ」

 

ネギから詳細を聞いた明日菜は横島にひたすら謝っていた。

 

「とにかく坊主、迎えが来たんならもう此処でいいな。俺はもう行くぞ」

「は、はい。有り難うございます。それと僕の事はネギと呼んで下さい」

「そうか、なら俺の事も忠夫でいいぞネギ」

「うん、分かったよ横島さ…じゃなかったタダオ」

「私は神楽坂明日菜です。よろしく、横島さん…横島?……あ~~~~!!」

 

明日菜は横島を指さして大声を上げる。

 

「わっ!ど、どうしたの明日菜ちゃん?」

「よ、横島さんってもしかして木乃香のお見合いの相手の?」

「明日菜ちゃんは木乃香ちゃんを知ってるの?」

「は、はい。木乃香とは同じクラスでルームメイトです」

「じゃあ、木乃香ちゃんに俺が来た事伝えといてもらえる。吸血鬼の件で相談を受けてたんだ」

「分かりました、伝えておきます。さあネギ、帰るわよ」

「はい。じゃあ、ありがとねタダオ」

 

ネギは明日菜に手を引かれて帰っていく。

 

「…て、ちょっと待ていっ!!」

 

横島は二人を引きとめる。

 

「ど、どうしたんですか横島さん?」

「何故ネギが明日菜ちゃんと一緒に帰るんだ?」

「それはアスナさんとこのかさんの部屋に住まわせてもらってるから…」

「何じゃとーーー!!」

「学園長に頼まれたんですよ」

「ルチしょ…学園長に?…まあ、子供なら問題ないか」

 

そう言って横島は振り返って歩き出す。

 

「じゃあな、おねしょはするなよ」

「しないよ!!」

「お休みなさい、横島さん」

 

横島は「おうっ!」と応えて手を振りながら歩いて行く。

ちなみに部屋に帰った明日菜達は横島と会った事をを木乃香に話すと「何でウチを呼んでくれんかったん?」と一晩中愚痴られたそうな。

 

 

 

 

ー◇◆◇ー

 

昨夜は時間的にも連絡が取れなかったらしく、横島は学園都市内にある宿に一泊し、改めて詳しい事情を聞く為に学園長室に向かっていると何処からかネギ達の声が聞こえて来た。

 

「ひえ~~ん。降ろして下さいよアスナさん、エヴァンジェリンさん達に会ったらど~~するんですか~~~っ?」

「学校で襲ってきたら教師権限で停学にしちゃえばいいじゃない」

「そんな簡単な問題じゃないんですよ~~っ!」

 

ネギは明日菜に簀巻きにされて抱えらたまま泣きながら抵抗していおり、その周りには木乃香と数人の女生徒が居た。

 

「よっ!木乃香ちゃん、お久しぶり。ネギに明日菜ちゃんもおはよーさん」

 

横島を見つけた木乃香はとたんに笑顔になって駆け寄って来る。

 

「横島さ~~ん、お久しぶりや~~」

 

横島もそんな木乃香の頭を笑いながら撫でてやる。

 

「えへへ~~」

 

木乃香も頬を染めながらも満更ではなさそうに微笑む。

 

「で、明日菜ちゃん。一体ネギはどうしたんだ?」

「え~~ん、タダオ~~、助けて~~」

「ネギの奴、昨日襲われた事で怖がっていてずる休みしようとしたから無理やり連れて来たんですよ」

「それはいかんな、学校は行ける時には行かなきゃ駄目だぞ。それはそうと何でスーツ姿なんだ、ネギの通う小学校は制服は無いのか?」

「それはな~、ネギくんはウチらのクラスの先生なんや~」

「……はい?」

 

くいくいっ

横島が説明を受けて唖然としていると、鳴滝風香と史伽の姉妹が横島の服を引っ張る。

 

「ん、何だい?」

「ねえ、あなたはこのかさんのお見合いの相手だよね?」

「そ、そうだけど?」

「やっぱりそうだーー!!」

「「ねえねえ、色々お話聞かせてーー!!」」

 

鳴滝姉妹は横島に話をせがむが、

 

「ゴメンね、俺は此処にはGSの仕事で来てるんだよ。忙しいからまた今度ね」

 

嫌な予感がした横島はそそくさと逃げようとする。

 

「じゃあ木乃香ちゃん、俺は学園長に詳しい話を聞きに行くから」

「うん、じゃあまた後でな」

「タダオ~、見捨てないでよ~」

「詳しい話はよく分からんがとりあえずお前は学校へ行け」

「だそうよ。さあ、みんなも早く行かないと遅刻するわよ」

「「ちぇ~、横島さーん。また後でねーー!」」

 

そうしてそれぞれの場所へと移動していった。

 

 

 

 

 

 

ー◇◆◇ー

 

「みんな、おはよーーっ!」

「うわ~~~ん、ま、まだ心の準備が~~」

 

明日菜は今だ泣き続けるネギを連れてクラスに入る。

 

「あ、ネギ君、アスナー」

「おはよー、ん?ネギ君どうしたの」

「あは、ちょっとね。それよりまきちゃんはもう平気なの?」

「うん、すっかり元気だよ」

「何も覚えてないらしい」

 

そんな中ネギは席の最後尾を見てエヴァがまだ来てない事を確認した。

 

「あ、エヴァンジェリンさんはいないんだ。……ホッ、よかった」

「いいえ、マスターは学校に来ています。いわゆるサボタージュです」

 

いつの間にか後にいた茶々丸が答える。

 

「うわぁっ!!」

「…お呼びしますか先生?」

「い、いや、いいですいいです、遠慮します!!」

(あうう、吸血鬼のエヴァンジェリンさんにパートナーの茶々丸さん。まざか自分のクラスにこんなすごい二人組がいたなんて…)

 

 

 

 

 

「えへへ~~」

 

木乃香は朝から横島に会えた事でご機嫌だった。

 

「おや?どうしたでござるか木乃香殿。ずいぶんとご機嫌でござるな」

「あのね、昨日話していた横島さんが来たんだよ。ねえ、お姉ちゃん」

「うん、木乃香さん頭撫でてもらってた」

 

一瞬、ざわめきは消え去りその後すぐに大声が上がった。

 

『ええ~~~~~~~~~っ!!』

「ほ、本当アルカ?鳴滝姉妹!?」

「こ、この人が来たですか」

 

夕映は携帯の画像を見ながら聞いた。

 

「今、何処に居られるでござるか?」

「吸血鬼の事件の事をじいちゃんに聞くゆうて学園長室に行ったで」

「それならば後で会えるでござるな」

「現役のGSがどれだけ強いか楽しみネ」

「でござるな。ニンニン」

 

そんな彼女たちの会話を聞きながらネギは思った。

 

(エヴァンジェリンさんには茶々丸さんというパートナーがいる。僕にもパートナーがいれば……)

 

 

 

 

 

ー◇◆◇ー

 

その頃横島は学園長室で話をしていた。

 

「つまりあの娘は『登校地獄』という呪いで15年も学園に縛り付けられている吸血鬼で学園の警備員も兼ねているという訳か」

「まあ、そういう訳じゃの」

「なら、どうする訳にもいかんじゃないか。吸血鬼とはいえ、退治もする事も出来ん。俺は何をしに来たんだ?」

「すまぬな、ワシの知らぬ間に木乃香が横島君を呼ぶとは思わなかったんでな。とりあえず暫くは此処に留まって調査の振りでもしていてもらえぬかの。現役のGSが居ると分かればエヴァの奴も無茶な真似は出来ぬであろうし生徒達も安心できるじゃろうからの」

「仕方ないっスね」

「おお、引き受けてくれるか」

 

コンコン、

 

「学園長、失礼します」

 

そこに一人の教師が入って来た。

 

「高畑君、彼が以前から話をしておった横島忠夫君じゃ」

「よろしく、横島忠夫っス」

「ああよろしく、初めまして横島君。僕はタカミチ・T・高畑、気軽に高畑と呼んでくれていいよ。(この子があの魔神大戦の英雄。いや、英雄扱いは逆に失礼かもな)」

「学園の詳しい事は高畑君に聞いてくれ」

「了解っス」

「じゃあ行こうか横島君。学園の事は案内しながら説明するよ」

 

 

続く

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。