こんな、横島忠夫はどうでショー!   作:乱A

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(`・ω・)数年前、正式連載中だった頃はモチベさんは絶好調だったので一話に一万文字くらいは平気で書いていたが、最近は二千文字ぐらいがやっと。


七時間目「受け入れて歩くべきだと思うよ、自分らしくさ by横島」

 

「ふう、何とか逃げられたか」

 

横島は中庭にたどり着くとようやく一息ついた。

 

「それと、いい加減出て来て話でもしないか?」

 

「なっ!?」

 

横島は後ろを振り向き話しかけると木の陰から怪訝な表情をした刹那が出てくる。

 

 

 

七時間目

「受け入れて歩くべきだと思うよ、自分らしくさ by横島」

 

 

 

「…気配は完全に断っていたと思ったのですが」

「まあ、仕事柄気配には敏感だからね。それに木乃香ちゃんとのお見合いの時も隠れていたろ」

「あ、あの時も気付かれてたんですか?」

「まあね、おそらく木乃香ちゃんの護衛だろうと気付かないふりをしてたけど」

「そうですか……さすがは現役のGSですね」

 

刹那は不謹慎と思いつつも気になっていた事を聞いた。

 

「横島さんはお嬢様との、そ、その…交際の事をどう思ってるんですか?」

 

横島は何時も通りに「ロリじゃないんやー」とふざけようとしたが刹那の目が真剣なのに気付いて真面目に答える事にした。

 

「そうだね、木乃香ちゃんはいい子だよ。俺なんかにはもったいないくらいにね。でも俺にその資格が有るのかは解らない」

 

そう、俯いて答えた。

 

「そ、そんな事は…お穣様は貴方との事を嬉しそうに話していました。資格は…有ると思います」

「だったら刹那ちゃんにも友達の資格は有ると思うよ」

「な、何で私の名前を?それにお嬢様との友達の資格って」

「ごめんね、刹那ちゃんの事はさっき学園長から聞いてたんだ。木乃香ちゃんと距離を置いている事も、その理由もね」

「そうですか…だったら解るでしょう、私は」

「木乃香ちゃんは刹那ちゃんと仲良くしたがってるんだろ、そして刹那ちゃんも。なら素直になればいいだけじゃないか」

「でもっ」

「あ~もう!でもはなしや!」

 

そう言って横島は刹那の頭を撫でる。

 

「……え…?」

 

刹那は不思議そうに見上げると横島は優しく微笑んでいた。

 

「あん時もそう言うたやろ」

「…よ、横島さん…覚えて」

「覚えてたと言うより思いだしたってとこかな。学園長の話を聞いていたらふとね」

 

横島は学園長とエヴァの話をする前に刹那の事を頼まれ、そしてその話から子供の時に木乃香と刹那に出会っていたのを思い出したのだった。

 

「人外の力を持ってる事だったら気にする事は無いよ」

「なっ!?」

 

刹那は自分が一番気にしている力の事を軽く言われ、カッときた。

 

「だったら分かるでしょう、こんな力を持った…こんなバケモノの私がどうやってお嬢様と仲良くできるんですか!?」

「そんな事を言われたら俺だってそうだよ。何しろ俺には今じゃ人間の部分は三分の一ぐらいしか残ってないんだから」

「……え…?…どういう事ですか?」

 

驚きを隠せない刹那に横島は話していく。

 

「前の闘いの時に俺は死にかけてね、今は霊気構造の殆んどが人外の物で補われてるんだ。色々あって生きている事に絶望しかかった事もあるけどある女(ひと)との約束もあって俺は俺として、俺らしく生きるって決めたんだ。君がどんな風に生きてきたかは大体想像出来る、だけど君が君を否定してはいけないよ。だってそれは君を友達だと思ってくれてる木乃香ちゃんの気持ちをも否定する事だから」

 

刹那はハッとして木乃香の事を想い浮かべる。幼いころ一緒に遊んだ事を、中学に入り再会した時からずっと話しかけてくれる事、そしてそっけない態度を取ると寂しそうな顔をする事を。

 

「…いいんでしょうか、お嬢様の傍にいて。お嬢様と…このちゃんと仲良くしても…」

「妖怪とのハーフとなんて仲良くしとうない、なんて木乃香ちゃんが言うと思う?」

「……くすっ、思いません」

「だろ、だったら後は刹那ちゃん次第さ。受け入れて歩くべきだと思うよ、自分らしくさ」

「はい、時間はかかると思いますが歩いて行こうと思います。自分らしく」

 

笑顔でそう言うと横島は笑いながら刹那の頭をポンポンと叩く。

 

「よし、頑張れ。じゃあ俺は今日の所は宿に帰るよ、しばらくは此処にいる事になりそうだからよろしくね」

 

そう言い背を向けて歩いて行く。

 

 

一歩

 

二歩

 

三歩

 

「あ、あの…横島さん」

 

刹那が呼び止め近づいて行く。

 

一歩

 

二歩

 

三歩

 

「もう少しお話をしたい…あっ」

「あぶない、刹那ちゃん。おっと」

 

足を滑らせ、倒れそうになった刹那を横島は支えようとするがよろけてしまい、一緒に「忘れ物」の中に倒れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いけね、いけね。魔法陣を消しとくのをすっかり忘れてたぜ」

 

カモは消し忘れていた魔法陣を消す為に一人戻って来ていた。

すると、その魔法陣の中に倒れ込み唇が重なる寸前の刹那と横島を見つけた。

 

「こ、これは!! …誰だか知らねえが5万オコジョ$ゲットのチャーンス♪」

 

そして二人の唇が重なった瞬間、

 

仮契約(パクティオー)!!」

 

カモが魔法陣を発動させると眩い光が二人を包む。

だが、横島と刹那はあまりの出来事に呆然となりその光には気付かなかった。

 

そしてようやく今の状況に気がつく。

 

「「ぷはっ!!」」

 

ツウ~~~、プツンッ

 

 

慌てて離れる二人だったが、その唇からは銀色の糸が伸び、やがて自重によってプチリと切れる。

 

 

「あ、あ、あああ……よ、よこひまひゃん?」

 

刹那の顔は言うまでも無く真っ赤である。

 

「せ、せつなひゃん?」

 

横島が自分の名を口にすると、

 

バボンッ!!

 

刹那は体中から爆発したように湯気を出し、立ち上がるとそのまま逃げだす。

 

「す、す、すみませ~~~~~ん!!」

 

 

 

横島はと言うと、中学生との大人なキスという現実から逃れようとしているのか地面を転がりのた打ち回っていた。

 

「ちゃうんや~~~!ワイはロリやないんや~~~!口の中に何かが入って来て気持ちよかったなんて思ってないんや~~~!」

 

そんな横島を横目に見ながらカモは現れたカードを見る。

 

「ほ~、あの姉ちゃんは妖怪とのハーフか。しかし、コイツはかなり強力そうなアーティファクトだな」

 

カモはカードをどうしようか悩んでいると横島はゆっくりと立ち上がる。そしてその口は微妙に歪んだ笑みを浮かべていた。

 

「フフフフフフ・・・・ダレダ、コンナグウゼンヲヨソヲッテオレヲロリニオトソウトシテイルヤツハ・・・・ユ・ル・サ・ン」

 

横島は病化して病島(やこしま)になっていた。

そんな横島を見ていたカモはガタガタ震えながら嫌な汗を流していた。

 

「な、何なんだあの兄さんは?や、やばい。俺っちが魔法陣を発動させたと知られたら……に、逃げよう」

 

カモは一目散に逃げ出した。

 

「ソウカ、コンナコトガデキルノハキーヤンニサッチャンダナ」

 

そう呟きながら空を見上げる病島のその顔は、可愛がっていた鯉を殺された何処かの高校の用務員の様であった。

 

 

 

『違います!!』

『濡れ衣や!!』

 

 

二柱はあまりのプレッシャーに抱き合ってガタガタ震えていたらしい。

 

 

 

その夜、寮の部屋では照れたり、赤くなったり、唇を押さえて笑ったりとか、挙動不審なルームメイトの刹那を真名は怪訝な表情で見ていたらしい。

 

続く

 

 

 

 

 

仮契約カード

 

絵柄・翼を出した刹那が二本の日本刀を構えている

従者・桜咲刹那

色調・黒

称号・翼を持ちし栄光の剣士

方位・北

星・太陽

徳性・正義

 

アーティファクト

 

栄光の剣(ソードオブグローリー)

直刃の日本刀で鍔にあたる部分に菱形の宝玉が有り、其処に文字を刻む事で魔法剣の力を得る。

文字は何度でも書き換える事が出来るが、その際には一旦文字を消してからではないとならない。

例・【火】→【無】→【雷】といった具合。

二本あり、宝玉の背同士を重ねる様に一本の剣にする事で二文字連結が可能になる。

その際はアーティファクトを解除しなければ文字は書きかえれない。

例・

【破/魔】で明日菜のハマノツルギと同じ能力を得る。

【分/身】だと同じ身体能力を持つ分身を作れる。(ただし頭の中身はちびせつなと同じ)

 

 




(`・ω・)最初にこのアーティファクトを思い付いた時、カッコいいのが出来たと浮かれていたが、「YAIBA!」の覇王剣じゃないかとツっこまれて落ち込んでいたあの日の思い出。


おまけ・一番最初に書いた時にダメ出しをくらって書き直した時の没シーン



一歩

二歩

三歩

「あ、あの…横島さん」

刹那が呼び止め近づいて行く。

一歩

二歩

三歩





『今や、キーやん!!』

悪魔が囁いた。

『任せて下さい!!』

「悪魔」が応えた。



「お聞きしたい事が…あっ」ツルッ


「偶然」足が滑り、

「あ、危ない。…お?」ヨロッ


「偶然」体がよろけ、

「きゃっ」「うわっ」


「偶然」重なり倒れた所に「忘れ物」があり、

「はむっ」「ふむっ」


「偶然」二人の唇が重なった。





『よっしゃーーー!! パクティオーーー!!』

悪魔の叫びと共に「忘れ物」から光が放たれる。


横島と刹那はあまりの出来事に呆然となりその光には気付かなかった。
そしてようやく今の状況に気がつく。

『ぷはっ!!』

ツウ~~~、プツンッ


「あ、あ、あああ……よ、よこひまひゃん?」

刹那の顔は言うまでも無く真っ赤である。

「せ、せつなひゃん?」

横島が自分の名を口にすると、

バボンッ!!

体中から爆発したように湯気を出し立ち上がるとそのまま逃げだす。

「す、す、すみませ~~~~~ん!!」


横島はというと、当然転げまわっていた。

「ちゃうんや~~~!ワイはロリやないんや~~~!口の中に何かが入って来て気持ちよかったなんて思ってないんや~~~!」

そんな横島の前に一枚のカードがひらひらと落ちて来た。

「な、何じゃこれは、刹那ちゃん?」

悪魔達の策略によって横島と刹那の仮契約は成立した。



『あのオコジョのおかげでうまくいったなキーやん』
『ええ、これで面白くなりそうです』
『次は夕映っち辺りがええと思うんやけど』
『しかし、あの楓という子や古菲という子も捨てがたいですよ』
『まあ、焦る事も無いやろ』
『そうですね、とりあえず5万オコジョ$が手に入った事ですしパーッと飲みに行きますか?』
『ええな、丁度新しいボトルを入れたいと思っとったんや』

悪魔達は笑いながら何処かへと去って行く。

此処までが没シーン。いきなり二柱が絡んで来るのは変だろうとツッこまれたので没になった訳です。


我ながら文才の無さに情けなくなりますね。
カモの登場やら刹那の仮契約やアーティファクトなど原作と違う所が有りますがそこは私のオリジナルという事でご容赦ください。

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