ピピピピピピピ
「ふあ~~あ、ねむ……。まだ早朝は寒いから厚手の下着にしとこって、あれ?あれあれ?何で?何で?」
携帯からアラームが鳴り、明日菜は朝の新聞配達の為に着替えようとするが下着が一枚もない事に気付き、慌てふためく。
「ん~~、どしたんアスナ?」
「私の下着が一枚も無くなってるのよ!」
「それは変やな……あや?ウチのも無くなっとる」
「はっ!も、もしかして…」
何か思いついたのか、明日菜はカモが寝ている押入れを開いてみる。
すると……
「おっ、姐さんおはようございます。いやー、コレぬくぬくっスっよー」
案の定、カモが明日菜と木乃香の下着に包まって寝ていた。
「断りもなく人の下着で何をやってるのよ、このエロガモーーッ!」
「ひーーー、勘弁っス姐さん!」
「まあまあ、アスナもそんなムキにならんと」
「何を呑気にしてるのよ。木乃香の下着もコイツに盗られてるのよ」
「でもどっかに持って行った訳でもないし、ちゃんと返してもろたらウチは別に」
「ああ、このかの姐さん。何て優しいんだ」
「甘いわよこのか。コイツはやらしい目的で私達の下着を盗んだに決まってるのよ。…そうね、例えば横島さん以外にそんな事されてこのかは平気なの?」
「えっ、そうなん?う~~ん、それはややなあ」
「と言う訳でこのエロオコジョにはお仕置きが必要なのよ」
「じゃあ、仕方あらへんな」
「そんなーーーーっ!!」
「自業自得よ。じゃあ、逝きましょうか」
「ぎゃーー、字が違うっス!!」
「違わないわよ」
「いーーーーやーーーーーっ!!」
そうして明日菜のお仕置きを受けたカモだが登校時間にはしっかりと復活していた。
こういった肉体の再生能力は横島同様、スケベの必須スキルなのだろうか?
八時間目
「ひょっとして仮契約のチャンスかもしれねえな byカモ」
あの後カモを連れて帰ったネギ達は木乃香にはただのペットで通すつもりだったが、カモが明日菜達の下着を漁った事であっさりと喋れる事がばれてしまい魔法の事は隠したまま喋れる不思議なオコジョと言う事にしておいた。
「まったく、下着ドロのエロオコジョなんてとんでもないペットが来たものね」
「もー、やったらあかんえ」
「今後はなるべくひかえやす」
「するなって言ってるのよ!」
登校途中、明日菜はカモの事を責め続けていて、そんな中ネギは肩の上に乗っているカモに話しかける。
(それよりカモ君、人前じゃ喋っちゃダメだよ)
(えーー、何でだよ兄貴)
(オコジョが喋ったら目立つだろ)
学校に着くとネギはあたりをキョロキョロと見回し出す。
「よう兄貴、さっきから何キョロキョロしてんだ?」
「いや、ちょっとね。……実はうちのクラスに問題児が」
「問題児が何だって?」
「え?……うひゃあっ!!」
いきなり声をかけて来たのは今噂をしていた相手、エヴァンジェリンとその従者のガイノイド、茶々丸であった。
「おはようネギ先生、今日もまったりとサボらせてもらうよ。ふふふ、ネギ先生が担任になってからいろいろと楽になった、感謝するよ」
「エ、エヴァンジェリンさん、茶々丸さん!?」
二人を目の前にしたネギは杖を抜き戦闘態勢を取ろうとするが、エヴァが差し出した手に動きを止められる。
「良いのかいネギ先生、こんな所で闘っても?それに勝ち目など無いのはこの前で良く解ってる筈だぞ」
「う、うう…」
「校内では大人しくしていた方がお互いの為だろ。それから言っておくがタカミチや学園長に助けを求めようとするなよ、生徒達が襲われるのは嫌だろ?」
そう言い残すとエヴァは去って行き、茶々丸もネギに一礼するとその後を追って行く。
残されたネギは言い返す事も出来ずに拳を握りしめ、泣きながら走り去って行く。
「うわああ~~~~ん!!」
「ち、ちょっと待ちなさいよネギ」
そんなネギを見ながら茶々丸はまるで気にしない様に歩くエヴァに話しかける。
「マスター、少し言い過ぎたのでは?」
「ふん。あの程度で闘えなくなるのならその程度だっただけだ。それこそ「坊や」ではなく「お子ちゃま」だな。(しかしあのオコジョ、少し厄介な事になるかもな)」
ー◇◆◇ー
「ちょっと待ちなさいってばネギ」
ようやく追いついた明日菜だがネギは項垂れたまま泣いていた。
「うわああ~~~~ん。な、何も言い返せないなんて…僕はやっぱりダメ教師だ~~」
「そうか、あの二人っスね!?あの二人が兄貴を困らせている問題児なんスねーーっ。許せねえ、舎弟の俺っちがとっちめて来てやりまさぁ!」
そう言いながら何処から取り出したのかカモは釘バットを振りかざして走り出そうとする。
が……
「あのエヴァンジェリンさん、真祖の吸血鬼なんだ」
「故郷に帰らせてもらいやす」
夜逃げスタイルで立ち去ろうとする。
だが、そのしっぽを明日菜が掴んで逃がさない。
「逃げるんじゃないわよ、このエロオコジョ」
「そして隣に居た茶々丸さんがパートナーで、僕はあの二人に惨敗してるんだ」
「し、真祖の吸血鬼って言えば最強クラスの魔物じゃねえか。兄貴も良く生き残れやしたね?」
「うん、僕一人だったら今頃血を吸い尽されて死んでたよ。でも、タダオが助けてくれたから」
「タダオ?誰ですかい、それは」
「横島忠夫、GSの横島忠夫さんだよ」
「横島……何処かで聞いた様な……はっ!!」
その時カモの脳裏に浮かんだのはあの悪鬼の様に黒いオーラに包まれた男の姿だった。
「ア、兄貴……その横島って男はGジャン姿で頭に赤いバンダナを着けてなかったですか?」
「タダオを知ってるのカモ君?」
「………やっぱり故郷に帰らしてもらいやすっ!」
「ちょっとカモ君、何処に行くんだよ?」
再び逃走しようとするカモだがネギと明日菜の二人がかりで止められる。
その後、ようやく落ち着いたカモを加え三人でこれからの事を話し合う。
「どうしたらいいかなカモ君?」
(お、ひょっとしてこれは仮契約のチャンスかもしれねえな)
「そう言えば今あの子は魔力が落ちているって言ってたわよ。たぶん、次の満月までは大人しくしてるんじゃない」
明日菜のその説明にカモの目がキラーンと光る。
「そうか、吸血鬼だから月の満ち欠けに魔力が影響を受ける訳だな。そーゆー事ならいい手があるぜ」
「えっ!? 何かあの二人に勝つ手があるの?」
ネギと明日菜は驚きながら聞き返すとカモは薄笑いを浮かべながら答える。
「相手の片方…あの茶々丸って奴を二人でボコっちまうんだよ」
「二人でって、それはちょっと卑怯なんじゃ」
「卑怯じゃねえよっ!! 兄貴だって二人がかりで襲われたんだろ?やられたらやり返す。常識だぜ!!」
気乗りしないネギをカモは
「でもどうやって?あの茶々丸さんも結構強いんでしょ?」
「其処はアレだ。ネギの兄貴と姐さんがサクッと仮契約を交わしちまうんですよ」
「ぼ、僕とアスナさんが仮契約!?」
「仮契約?ネギ、仮契約って何よ?」
明日菜の疑問にカモは目を光らせながら答えていく。頭の中は5万オコジョ$で一杯の様だ。
「仮契約っていうのは「
「いいわね、それ。やってみようかしら」
「やってくれやすか。な~に、簡単な事っスよ。兄貴とこうブチュ~ッとするだけで」
カモはジェスチャーでキスをする素振りをするが明日菜はそれを見てとたんに赤くなる。
「じょ、じょ、冗談じゃないわよ。何で私がキスなんかしなくちゃいけないのよ!?」
「あれ?姐さんひょっとしてキスはした事が無いんですか?」
「なっ!!」
「初めてなんじゃしょーがないっスよね。まあ、無理強いはしないっスよ」
カモはそう言い、口笛を吹きながら横を向く。
そんな態度にカチンと来たのか明日菜は顔を赤くしながらもその提案を受け入れる。
「わ、分かったわよ、やってやろーじゃない!! 何よ、キスくらい!!」
「よっしゃ、じゃあ気が変わらない内に」
そしてカモはすぐさま地面に魔法陣を描き発動させ、二人は魔法陣から噴き出す光に包まれる。
「な、何よこの光?(何だかちょっと気持ちいい)」
「じゃあ、アスナさん。お、お願いします」
「しょ、しょうがないわね」
「
明日菜はそう言うと戸惑いながらネギの額にキスをする。
「姉さん、おでこはちょっと中途半端な…」
「う、うるさい!! キスには変わりないでしょ!!」
「えーーーいっとりあえず仮契約成立!!『神楽坂明日菜』」
その叫びと共にネギと明日菜は眩い光に包まれる。
続く
(`・ω・)ストックも残り後二話。その次は何を晒そうかな?
G×S!はちゃんと完成させたいので少しづつだけど加筆修正中。